side孫悟空
ウキキキ!見えて来たぜぃ!奴等の乗った車ってやつがよぉ!ウキキキ!まずはコイツだぜ!ウッキー!
side平塚静
頼んでみるものだな。
私は総武を去ってからもなお、葉山達の事が気になっていた。
空条先生には頼んでいたが、やはり直接会ってみないことにはわからない。ジョースター家が情に厚いことは知っていた。しかし、その情が葉山達にも向けられるかまではわからない。
最低限、汐華の残党達から狙われない程度の事しかしてくれない可能性だってある。辛い目に遭っていないか、空条先生は約束を守ってくれているか……とか、ずっと気になっていた。
約束を守って貰えなくても仕方の無いことを、私はやってしまったのだからな。
それが、会ってみて話を聞いてみれば、葉山と相模が再びスタンド使いとして目覚め、ジョースター……アーシスと手を取り合って共に汐華を狂わせた者達と戦っているなんてな……。
共に戦う仲間として……というところが複雑ではあるが、ジョースター家は仲間と認めた者に対しては情が厚い一族だと聞いている。これなら約束は守ってもらえそうだな。
私は心残りが消えたことに安心感を覚えると共に、一抹の寂しさも覚える。
葉山「それで、どうですか?今の生活は。俺も気になっていたんです。辞められた後の平塚先生の事を」
平塚「葉山!良い奴だ!私の事を気にかけてくれただなんて……教師冥利に尽きる!」
雪乃「こういう性格だったんですね……本来の平塚先生は……」
むむっ!雪ノ下……失礼な奴だな……。
八幡「基本世界を見ていても、そういう人でしたよ。平塚先生は」
平塚「比企谷……お前は相変わらず可愛くない奴だな。聞けば別の平行世界の私にも、結構酷い事をしたらしいじゃあないか。雪ノ下から聞いたぞ?」
八幡「~~♪♪」
下手な口笛で誤魔化すんじゃあない!
平塚「……まったく……そうだ、葉山。今の私についてだったな?」
大井「平塚先生は真面目に良くやってくれていますよ。中学の高校受験クラスの文系教科を担当して頂いてますが、教え方も上手く、生徒達の文系の成績が向上していて保護者からの評判も上々です。総武高校は惜しい方を解雇しましたね」
大井先生が私の代わりに答えてくれる。本当の所は事務局に聞かなければわからないが、塾長の大井先生に誉めて頂いて悪い気はしない。
それに、総武高校には叩き上げで文科省に行った、私よりもベテランの東方先生がいらっしゃるからな。私がいなくなったところで問題はないんじゃあ無いかと思える。
葉山「そうですか。ご健勝のようで何よりです」
平塚「ふふ。ありがとう、葉山」
結衣「それよりもさ!それよりもさ!平塚先生、聞いて良い!?聞いて良い!?」
私がそう言うと、今度は由比ヶ浜が身を乗り出してきた。その目がキラキラと輝いている。嫌な予感しかしないな。
平塚「な、何だ?由比ヶ浜」
結衣「平塚先生と大井先生ってさ、付き合ってるの?」
くっ!この歳の女子というのは何でこういう事に対して興味津々なんだ!
平塚「お、大井先生は素敵な方だからな。私なんかでは釣り合いが取れんよ」
私が大井先生なんかと……おそれ多い。こう見えて大井先生は女性講師からも私の教え子達からも人気だ。引く手あまた過ぎて私なんかがお近づきになれるなどとは考えていない。
結衣「でもさ!でもさ!こうして心配して来てくれてるわけだしさ!どうなんですか?大井先生!」
ゆ、由比ヶ浜!大井先生に失礼だろ!
平塚「ゆ、由比ヶ浜!大人をからかうんじゃあない!す、すみません……大井先生!」
私が頭を下げると、大井先生は爽やかに笑いながら「いえいえ」と仰られた。
大井「良いんですよ。そう見られて頂いて光栄ですね。由比ヶ浜さん。私としても平塚先生は素敵な女性ですからね。平塚先生とそうなれれば嬉しいとは思いますよ?」
お、大井先生!?本気にしちゃいますよ!?以前からあなたの事は気になっていたんですから!女性教師からも人気があったから諦めてましたけど!
私は顔が熱くなっていくのを感じていた。
まったく……どうしてこの人はこうも私の心を揺さぶってくれるのだろうか……。
ニタァ……( ゜∀ ゜)
おのれ比企谷め!意地の悪いニヤケ顔を向けるんじゃあない!相変わらず性格の悪い………ん?どうした?急に顔を引き締めたが………まるで千葉村で私と相対したときのような……まさか!
八幡「ザ・ジェムストーン!みんな、伏せろぉ!体を固定するんだ!」
スタンドを無くした私には比企谷のザ・ジェムストーンが見えない。だが、間違いなく何かが起きている!
私が振り返ると……
平塚「や、奴は江ノ島!」
かつて私にセクハラを働いてきた先輩同僚の江ノ島が宙に浮いて追いかけて来ていた。
アイツは忘れん!アイツのせいで大井先生の人生が狂ったんだ!
孫悟空「ヘイヘーイ!最初はこいつだぁ!こいつで終わるんじゃあねぇぜーい!伸びろ如意棒!」
バリィィィィィン!
奴が何をしたのかわからない。だが、スタンド攻撃であるのはわかった。
運転手「ガフッ!」
八幡「ジェムストーン・ザ・ワールド!時よ止まれ!」
比企谷が叫んだ次の瞬間には私達は車の外に投げ出され、アスファルトに叩き付けられてゴロゴロ転がっていた。
しかし、乱暴ではあるが、比企谷の判断は間違っていなかった。運転手を失い、制御を無くした車は横転して電柱に激突し、運転席と助手席は完全に潰れていた。
ジョルノ「八幡!ドライバーは!?」
八幡「…………」
比企谷は無言で首を振る。
確かに私は見た……。運転手が殺されてしまった瞬間を……。
問答無用で無関係の人を殺すのか……。これが本当のスタンド使いの戦い……。
ジョルノ「平塚!大井さん!これを付けて下さい!これでスタンドが見えるはずです!」
ジョルノさんがゴーグルと手袋を放り投げて寄越す。
これは……確か一般人でもスタンドと戦う為に作られたというアイテムか!
孫悟空「ウッキー!嬉しいぜい!こんなんで終わっちまったんじゃあ、つまらねぇからよぉ!ヘイヘーイ!もっと遊ぼうぜい!」
葉山「遊ぼう………だと?人を一人不意討ちで殺しておきながら……ましてや関係のない一般のタクシードライバーを殺しておきながら遊び感覚か……」
葉山が本気で怒っている。こんな葉山を見たことがない。
孫悟空「バカか?テメェはよぉ。これは神と人間の狩りの遊びじゃあねぇかぁ?白ける事を抜かす野郎だぜぃ?人間だってやるじゃあねぇかよ?狩猟と称して山で暮らす動物を遊び半分でよぉ!食う以外で釣りをしたりよぉ!それとどう違うんだ?」
江ノ島はトントンと、猿のスタンドの棒で肩を叩きながらウキキキ!と笑った。
孫悟空「自分等は遊びと称した狩りはよくて、逆に狩られるのはダメだってか?傲慢な事を抜かしてるんじゃあねぇぜぃ!まるで自分等が神のような振る舞いだなぁ?おい!」
耳が痛い。柱の一族の眷属として、肉の芽を植え付けられていた私はジョースター家の者達に同じように神の目線で物を言っていた。
こんな風に見えるのだな。神の目線になっている者の考えと言うものは……。
江ノ島は…いや、話の途中で聞いていたウルフスというスタンドが本体という柱の一族を狂わせた存在は…。呪われていたという柱の一族と同じ……いや、それ以上に歪に見える。
それに……江ノ島は憎い奴だった。恨んでいると言っても過言じゃあない。内心では死んでほしいとまで思ったこともある。
だが、実際に死んだと聞くと、憐れに思える。
大井「江ノ島ぁ!あなたは……何て事を!」
大井先生がウルフスを怒鳴る。無駄だ。神の目線になっている者の傲慢さは良く知っている。それに、もう奴は江ノ島ではない。ウルフスだ。
孫悟空「江ノ島ぁ?ああ、この体の元の持ち主はそういう名前だったなぁ!特別に教えてやるぜぃ!俺様は孫悟空。南西の暗示を現す宇宙意思だ!」
大井「宇宙意思?孫悟空?何を言って……それに、その幽霊みたいなヤツは……」
今やっと気がついたという感じで大井先生が後退る。
孫悟空「お?スタンド使いじゃあ無いくせに俺様の本体が見えるのかぃ?その眼鏡の力か。人間ってのはどんどん小癪になっていくねぃ!」
大井「スタンド……先程から度々出ていた超能力の話か……話半分に聞いていたが……こんな化け物だったのか……」
孫悟空「俺らからすりゃあ、お前ら人間全員が化け物なんだぜぃ?おっと、そういやぁ、江ノ島って奴はお前らを見つけた時にこう言っていたっけなぁ?『大井をぶちのめした後に平塚を犯してやる』ってよぉ!ついでにそこのメス全部を食い散らかしてやるぜぃ!絶望と屈辱をDIOやジョースターに味わらしてやっぜ!」
ガシッ!
そんな孫悟空の胸ぐらを掴む者がいた。
葉山「もういい。もう黙れよ……ウルフス……。お前の言葉は聞くに耐えないんだ……」
八幡「誰が………お前なんかに俺の仲間達をやらせるかよ………」
ジョルノ「僕の大切な妹の雪乃や結衣をやらせない…辱しめさせない…」
三人が怒髪天を突く勢いでスタンドを出現させる。
八幡「ザ・ジェムストーン!」
ジョルノ「ゴールド・エクスペリエンス!」
葉山「オーラル・シガレッツ!」
G・S&G・E「無駄無駄無駄ぁ!」
O・S「オラオラオラァ!」
三方向からの同時攻撃。普通ならばこれを避ける手段はない。しかし………
孫悟空「すっとろいったらぁねぇぜ!ミミズの方がいくばくか早いんじゃあねぇの!?そらよ!」
バカな………近距離パワー型の三人のスタンドを上回る速さで三人を如意棒で一閃する……だと?
八幡「ぐはっ!猿だけあってすばしっこい!ジェムストーン・ザ・ワールド!」
ブゥゥゥゥゥン!
さっきも体験した一瞬の内に次の攻撃をやり遂げているDIOのザ・ワールドの真の能力、時を止める力。
比企谷は時を止めて孫悟空を殴り終えたのか、江ノ島だった体がボコボコになって吹き飛び、グシャグシャになった車にめり込んだ。
流石は冬乃様が認めた最強の吸血鬼、DIOの力を受け継ぐ比企谷。比企谷にかかればどんな奴でも……
孫悟空「ウッキー!どこ見てんだよ!ウスノロォ!」
なっ!比企谷の背後に孫悟空が!確かに今、比企谷は孫悟空を倒したハズだ!現に比企谷が殴り飛ばした孫悟空の体は車にめり込んだままだ!どうなっている!
八幡「分身!?バカな………!確かに手応えがあったはずなのに!」
孫悟空「ウキキキキキキキキキキキキキキキキィ!」
ドカドカドカドカドカ!
如意棒による連撃を受けた比企谷が、逆に今度は吹き飛ばされてボンネットに突き刺さる!
八幡「そうか……ただのスピードによる分身じゃあなくて…孫悟空には髪の毛で作った分身は…全てが本物…」
体をボコボコにされた比企谷は、意識こそ失っていないものの、負傷が激しく、かなりの箇所が骨折していた。比企谷が負けただと!?
最強のスタンドと言われた比企谷の……DIOのザ・ワールドの進化型、ザ・ジェムストーンが!?
孫悟空「つまらねぇぜ?DIO。オメエはこんなものかよ!マンティコアは下らねぇ奴に二度もやられたのか?情けねぇぜぃ!」
八幡「なめるんじゃあない!」
比企谷は孫悟空の背後からザ・ジェムストーンを出して攻撃を加える。
八幡「ハーミット・アメジスト&編み上げザ・ジェムストーン!更に幻影の波紋!」
G・S「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!」
孫悟空「グハァ!」
孫悟空が再び吹き飛ぶ。しかし……
孫悟空「やるじゃあねぇのよ!今のは中々良い攻撃だったぜぇ!けどよぉ!無駄無駄なのはそっちなんじゃあねぇのぉ!?」
八幡「ジェムストーン・ザ・ワールド!」
ザ・ジェムストーンが消え、代わりに虫がザ・ジェムストーンのいた位置に現れる。あれは覚えている…。ジョルノさんのゴールド・エクスペリエンスが生み出した虫だ。孫悟空はその虫に如意棒のラッシュを叩き込む。
孫悟空「ぐおっ!攻撃が……跳ね返された…だと……」
あれは私もやられた。自分の攻撃をそのまま跳ね返す能力。
葉山「更にその偽りの分身を消してやる!オーラル・シガレッ………」
孫悟空「くっそぉぉぉぉぉ!」
葉山の追撃が来て孫悟空は悲鳴をあげる……。
孫悟空「なぁんてな」
三人の背後に複数の孫悟空が現れる。
孫悟空「西遊記を良く読んでおくんだったなぁ!おめぇら!西遊記の主人公猿はよぉ!髪の毛を一束むしるだけでよぉ!何体もの分身を作りだせんだよぉ!分身を作れるのが一体だけだってよぉ、誰が決めたんだぁ?ええっ!?」
更に三人に三方向から分身を作り、孫悟空は三人をボコボコにする。
そして……とうとう三人とも血塗れで地に倒れ伏してしまった。バカな………。ジョルノさんも、比企谷も、葉山もなす術なくやられるなんて……。
孫悟空「さぁて。唯一、俺様のスピードをどうにか出来るDIOのザ・ワールドがこのざまだ。あと、その跳ね返す攻撃もなあ。まぁよぉ、ここまで出来ただけでも大したもんだって誉めてやるぜぃ?ウキキキ!」
八幡「うぐぐ……くそ……何もできねぇなんて……」
ジョルノ「………正面から戦って……こうも何も出来ないなんて初めてだ…………」
葉山「……逃げろ……みんな………」
三人とも意識は失っていない。しかし、恐らくはわざとだ。奴は言った。女性を目の前で犯して屈辱を与えるって……だからわざと気絶させないんだ……。下衆だ。ウルフスは本当に下衆だ。
孫悟空「逃がさねぇぜ!ウキキキキキキキキキキキキキキキキィ!」
奴は私にも、大井先生にも、雪ノ下にも、由比ヶ浜にも、相模の回りにも分身を出現させ、執拗に攻撃を加えて来る。
「ウウウウッ!ウアアアアアアアア!」
スタンドを持たない私と大井先生はおろか、ザ・ジェムストーンですらなす術なくやられた攻撃を、近距離パワー型じゃあない雪ノ下や相模、そして戦闘の経験が少ないと言われている由比ヶ浜ではどうしようもない。
悔しい………ザ・オーガがあれば……私の失ったザ・オーガならば……耐えられたのに………。
意識が……薄れる………。私は、こんな奴に純潔を奪われ……そしてなぶり殺しにされるのか……。
私は、教え子を一人も守れず…恩人も守れず…家の主の者だった者すらも守れず……。
??『静………』
気が付いたら私は白い空間にいた。
平塚『誰だ。私を呼ぶのは……』
白い空間に浮かぶ一人の女の影……誰だ。
絢斗『私だ。静』
平塚『お前は………飛鳥!』
そこにいたのは私の従妹だった女、平塚飛鳥だった。
ブラッディ・スタンド使いの綾瀬香澄に引き取られ、絢斗と改名され、五年前のフロリダで比企谷小町によって倒された従妹……。
それが平塚飛鳥だ。
絢斗『力が欲しいか?静』
飛鳥は私に語りかける。
絢斗『静。力が欲しいか?』
欲しい………大井先生を守る力が欲しい。雪ノ下達教え子を守る力が欲しい………。
絢斗『くれてやるぞ、静。その代わり約束しろ。私の前世の主だったDIO様をお救いするのだ』
飛鳥の前世?
絢斗『私の前世はヴァニラアイス。DIO様の忠臣として承太郎やポルナレフと戦った者だ』
DIOの忠臣?ならば、なぜ五年前のフロリダでは…。
絢斗『私は認めたく無かった。気高く、孤高で、美しかったDIO様が、ジョースター達と共にいるのが…それが我慢ならなかった…私は、勝手に押し付けたDIO様の理想から外れた比企谷八幡を、さいごまで認めずに、守るべき主に牙を向けてしまった……二度も……』
飛鳥はその瞳を伏せる。忠臣だった誇りを自ら傷つけてしまった後悔なのか。
絢斗『その結果。私は守るべき主に背いた謀反者のまま、死んでしまった。私には、DIO様をお守りする力も無ければ、その資格も自ら無くしてしまった……』
飛鳥は天を仰ぎ見る。
絢斗『だが、静。お前はまだ生きている。生きているおまえに、私の代わりをやって欲しい………罪を償わせて欲しい………。我が主、DIO様の転生、比企谷八幡様をお守りして欲しい………ずっととは言わない。今、この時だけ…真の力をDIO様が発現するその時まで…頼む!静!』
飛鳥……。私と同じで、お前も後悔していたのだな。死んでもなお、無念を残していたのか……。
その血筋が……汐華として狂わされていた血筋が、本来守るべき比企谷に弓引く真似をさせていたのかも知れない。汐華の呪いが解けたからこそ、本来の飛鳥の…ヴァニラアイスの意識が戻ったからかも知れない。
わかった。飛鳥。同じ後悔する者同士…。同じ汐華の眷属の血を持つもの同士…。力を合わせよう。
絢斗『DIO様に謝っておいて欲しい…申し訳ありませんでしたと。そして、今度こそお守りすると……受けとれ!私の魂の力を!スタンドパワーを!』
飛鳥の体が、私の中に入ってくる。
戻った……ザ・ジェムストーン・レクイエムによって消されていた私のスタンドパワーが!あのバカ力が!
平塚「戻れ!私のスタンド!ザ・オーガァァァ!」
孫悟空「な、何ぃ!」
メキメキメキ……私の体に、あの力が……。ザ・オーガの馬鹿げた力が蘇る。筋肉が……はち切れんばかりのあの力が!
八幡「ザ・オーガが………」
平塚「比企谷」
私は立ち上がり、比企谷に振り返る。
平塚「お前の波紋なら、体を動かせるようになるまでにどれくらいかかる?」
比企谷の波紋は歴代でもかなりの物だと聞く。孫悟空になぶり殺されかけていても、動けるようになるまでなるならば、それほど時間はかからないはずだ。
八幡「1分……動けるだけなら、1分で全身の骨折を何とか誤魔化せるようになります。それに……切り札が…俺にはあります。とても危険で、あまり使いたくない切り札ですが……」
その重症を……常人なら二度とまともに動けなくなるような重症を1分でか……ジョナサン・ジョースターの波紋も、大概化け物だな。
平塚「1分だな。飛鳥との約束だ。必ず1分持たせよう」
八幡「飛鳥?」
平塚「お前達には、綾瀬絢斗と言えばわかるか?」
八幡「綾瀬絢斗?ヴァニラアイスか!」
平塚「そう言っていたな。飛鳥…いや、ヴァニラアイスの魂が、私にザ・オーガを蘇らせる力となった」
無駄にはしないぞ……お前の想いを。力を!
平塚「ヴァニラアイスからの伝言だ。比企谷。申し訳ありませんでした………と。そして、今度こそお守りすると。魂まで譲渡されたんだ。1分くらいは、持たせてやるさ」
八幡「アイス……。………コオォォォォォ!」
比企谷が波紋の呼吸を始める。1分か。
孫悟空の攻撃は速いだけでなく、重い。
そしてあの分身。
だが、耐えて見せよう。飛鳥の想いに応える為に…。そして、私の大切な者の為に…。今度こそ、人の道の為に…。
平塚「来いっ!孫悟空ぅ!」
←To be continued
平塚静、出陣です!
そして、忠臣の遺志も引き継いだ平塚静!
果たして八幡が復活するまでの時間を稼げるのか!?
それでは次回もよろしくお願いいたします!