やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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そして目玉競技へ

side一色いろは

 

グランド。

 

そこでハチ君とジョジョ先輩は毛布にくるまってダウンしてました。

先ほどまで例の特別ルール競技をやっており、全種目が終わったところです。ダイジェストで伝えるなら…

 

○棒登り玉割り

(障害部屋屋上)

 

二本の登り棒が立てられており、その上にくす玉。くす玉と言うよりは鉄球ですね。二本の棒の感覚は互いに殴り合いが出来そうなくらいの間隔で、棒登ってを殴り合いしつつ、パンチで先に自分の玉を割るか、相手を先に失格にさせた方が勝ちです。

普通は如何に相手よりも早く割るかを競うものなのですが、二人と言えばくす玉をパンチの射程に入れると……。

 

八幡&静『山吹色の波紋疾走(サンライトイエロー・オーバードライブ)!』

 

八幡「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!」

 

静「ドラララララララララララァ!」

 

外側の手でくす玉を殴りつつ、相手側の手で相手を殴り始めました!

体の支えは足の裏でくっつく波紋で維持しつつ、相手を殴る手は弾く波紋で殴るという離れ業です!それでも殴り飛ばされてないのは、一回でも落ちてしまえば敗けは確定だからでしょう。

勝負はわずかにハチ君の方が早く玉を割ることができました。

 

八幡「………山吹色の波紋疾走は流石にキツイ…」

 

静「………次は勝ち抜き格闘……というか、完全にストリートファイト………」

 

八幡「……とりあえず……」

 

静「……今は寝る……」

 

八幡&静「ガクッ!」

 

ZZZZ………

 

 

○勝ち抜き格闘(という名のストリートファイター的な何か)

(障害部屋2階外 特設リング)

 

八幡「猿が人間に追いつけるかーッ!お前はこのディオにとってのモンキーなんだよジョジョォォォーーーッ!!」

 

静「ハッチィィィィィッ!君がッ!泣くまで!殴るのをやめないッ!!」

 

八幡「山吹色の波紋疾走(サンライトイエロー・オーバードライブ)!」

 

静「ふ……この日の為に編み出した超必殺技を食らえ!ハッチ!駿足の波紋疾走(アクセルマッハ・オーバードライブ)!」

 

ハチ君のいつも通りのサンライトイエロー・オーバードライブを掻い潜り、ジョジョ先輩は一瞬でハチ君の横を通りすぎる。

次の瞬間には………。

 

八幡「衝撃が後からやってくる技だと!?しかもスタンドを使ってねぇ!オヴァーーーーー!」

 

静「殲滅すべし……ハッチ………」

 

衝撃を受けたハチ君が某皇帝のような叫び声をあげてKOしました。

一応、ナイチンゲールのお陰で何をしているのかは見えましたが、一人ガンマナイフ攻撃とでも言うのでしょうか?

ほぼ同時に三ヶ所同時に攻撃をし、衝撃が一ヶ所で集中するように掌底を放ったのです。

 

八幡「ゲフゥ!」

 

内臓に直接ダメージが入った為か、ハチ君は膝から崩れ落ちてダウン。そのまま気を失って勝負が付きました。

 

ジョセフ「ガンマナイフ攻撃……そんな攻撃をよく思い付いたのう?」

 

静「ガンズ・アンド・ローゼズとの戦いの時にお兄ちゃんとマーチでやったのを、一人で出来るように練習を…だけど、少しだけ波紋の戦士としても限界を超える動きをするから、反動が………ガクッ!」

 

いろは「結局両者ノックアウトですか……エメラルド・ヒーリング」

 

パアアアアア!

 

エメラルド・ヒーリングで治癒しても、二人ともピクリとも動きませんでした。

 

ジョセフ「いやいや楽しめたものじゃわい」

 

いろは「楽しめたって………この人類五本の指に入るくらいの屈強な二人が疲労でぐったりするくらいの地獄の競技を4種目もやらせてその一言で終わるんですか…」

 

ジョセフ「ワハハハハハ!そんなヤワな鍛え方はさせとらんわい!」

 

基本的に鍛えたのはマチちゃんですけどね。

ジョセフは突っ伏したまま動かない二人に毛布を掛けて頭を撫でます。

 

ジョセフ「ここまでの競技をやればクソガキどもは二人に危害を加えようとは思わんじゃろ。文化祭でもカラーギャングとか抜かすバカどもを何名か始末したことも知っておるものは知っておる。二人と仲のよいいろは、お前さんにもな」

 

そこまで考えていたのなら大したものです。もっとも、何か今考えました的な臭いもしなくもないですけど。

さて、ハチ君を膝枕しながら校庭を見ると、風が吹いて砂煙がたちます。

わたしは赤色の鉢巻きと救護班の腕章を付け、運営のテントで様子を見ていました。

周囲を見てみれば皆、ざわざわとどこか浮き足立っていました。わたしと同じようにジャージ姿に赤か白の鉢巻きを手に持ち、あるいは額に巻き、中には首にかけている人もいます。

最初からやる気充分の人もいれば、「こんなんダルいわー」とか言ってる人もいます。そのわりにはバッチリ鉢巻きを巻いているのは何でですか?戸部先輩。

快晴に恵まれ、風も涼しく心地いいです。軽い運動をするにはちょうど良いです。

わたし達にとっては軽い運動ですね。

 

静「できれば私も軽い運動が………良かった……」

 

八幡「………」(チーン)

 

コースとかはともかく、ハチ君と乱闘しながら走るなんて、ジョジョ先輩かジョセフかマチちゃんくらいです。

まぁ、去年とは雲泥の差でしょうね?サボって寝ていたって言ってましたし。

今日もこんなハチャメチャな競技でなければわたしも巻き込んで屋上かベストプレイスで昼寝をしていたのかもしれません。まぁ、徐倫や仗助が許すとは思えませんけど。

 

八幡「ぐぬぬぬ………あの競技がなければいろはの体操服を拝んでいたのに………」

 

ジョセフ「そう言うと思ってキチンと撮影はしておるよ」

 

八幡「ナイスだジジイ……後で見る……ZZZ……」

 

ジョセフ……何してるんですか?あなたは……。

まぁ、恥ずかしいですけどわたしとしても嬉しいと思います。あ、それをネタにデートに誘いますか♪

さて、今日のわたしはハチ君達専属の救護員として働いています。

まぁ、あんなのを治せるのはわたしか仗助くらいですからね。特に疲労なんては仗助では治せませんし。

すぐそこの元磯部スポーツセンターで特別ルールの救護員をやるために、ほとんどの競技には参加しませんでした。

参加することに意義がある……と、ピエール・ド・クーベルタン男爵が演説で取り上げ、広く知られた言葉ですが、あんな競技には絶対に参加したくないですね」

 

結衣「それには同意だよね。あんなの、波紋の戦士じゃあなければ無理じゃん」

 

振り返ると結衣先輩もわたしと同じようにテントまで来て一言言ってきました。ハチ君のクセでも出たんですかね?

 

雪乃「それは間違いよ?由比ヶ浜さん。波紋の戦士でもこの二人は……いえ、ジョセフ師匠も含めたらこの三人は特別よ。少なくとも私レベルではあの競技は無理よ」

 

一緒に来たでしょう雪乃先輩もため息混じりにそう言ってきました。それにしても私もそうですけど、総武高校のジャージは似合いませんね。優美子先輩とかは似合ってますけど。

すると今度はめぐり先輩がテントの奥から出てきます。

 

めぐり「あ、いろはちゃん、お疲れ様~♪残るは目玉競技だよ~♪」

 

そう言いながら背後から雪乃先輩達の肩を抱くめぐり先輩。

 

雪乃「あの四種目以上に目玉になるのかわからないのだけれど……」

 

結衣「あははははは……確かに………」

 

めぐり「う………でも、みんなが参加できる競技としてはきっと楽しいよ!だから頑張ろう!おー!」

 

雪乃&結衣&いろは「お、おー……」

 

いつもの謎ハイテンションに巻き込まれるわたしたち。露伴先生の頑固さを突破しただけはありますよね。その謎ハイテンションに対して引き気味にわたし達もそのノリに乗ります。こんなコール&レスポンスに満足したのか、めぐり先輩はうんうん頷いていた。

そして、抱いていた二人の肩をさらにぐいっと引き寄せました。結衣先輩はちょっと驚きと照れで頬を赤らめ、雪乃先輩はそこから逃げようと身じろぎしてますが、逃げられないと思いますよ?なりたての波紋の戦士じゃあいくら才能に恵まれていても千葉村以降も修行を積んでいためぐり先輩には勝てないです。

めぐり先輩は二人に顔を近付け、目を閉じると、この瞬間を噛み締めるようにゆっくりとした口調で言いました。

 

めぐり「みんなありがとう。相談したお陰ですごく楽しくなりそう」

 

はしゃいでいた声も今は落ち着いています。

そもそもこの依頼はめぐり先輩から受けたものでした。彼女にとっての最後の体育祭、おそらくは生徒会長として関わるであろう最後の大きな行事。それを盛り上げ、成功させること。

杉本鈴美さんのあまりにも若すぎる人生の幕を閉じた前世のめぐり先輩。そんなめぐり先輩は今を精一杯生きているという感じでとても眩しい。

既に感無量の先輩ですが、その腕の中にいた雪乃先輩は優しく払い除け冷静に言った。

 

雪乃「いいえ。まだですよ、城廻先輩」

 

めぐり「え?」

 

めぐり先輩は意外そうに聞き返します。

 

いろは「受けた依頼は半分しか終わってませんしね」

 

確かにまだ依頼は終わってません。めぐり先輩からの依頼の最後に付け加えられていた文言がありました。

もっとも、部長のジョジョ先輩は敵ですけど。

 

結衣「そうです!スタッチとか優美子とかさきさきは敵ですけど、せっかくですし勝ちましょう!」

 

勝ちたい……と、めぐり先輩はメールに書いていました。

こればかりはいかんともしがたいです。何より、沙希先輩や優美子先輩、典明おじさんが敵なのは大きいです。

特に沙希先輩は特別ルールでやらせるべきだと思うくらい強すぎます!ハチ君というポイントゲッターがジョジョ先輩に封殺されたのは痛いです!

午前中はやや劣勢程度でしたが、午後に入ると赤組の劣勢が顕著になってきました。

 

泉「葉山………お前、波紋を……」

 

葉山「ああ。だけど、波紋がなければお前に負けていた。さすがだな……泉」

 

泉「ふ……そう言われると立つ瀬があるな。ツェペリの旦那が白組に取られ、ジョジョがジョースターに押さえ込まれている以上、今年の赤組は運が無いらしい。おまけに葉山まで波紋に目覚めたとなればな…」

 

ハチ君の代わりのポイントゲッターの泉先輩も、波紋に目覚めた葉山先輩に敵わず、押さえ込まれてしまっています。大将の劣勢は組の劣勢。

特別ルール競技の得点も一勝一敗二分とプラマイゼロ。勝ち抜き格闘で負けたのが痛いですね。

白組は150点、赤組は120点。……沙希先輩相手によくここまで食らい付けましたよ。

 

雪乃「同じなりたての波紋の戦士としては葉山くんに負けているのが悔しいわね……」

 

結衣「さきさきも特別ルール競技の出場枠にするべきだよね……」

 

めぐり「無理無理!比企谷君一人じゃ、ジョースターさんと川崎さんを押さえられないよ!」

 

いろは「せめてマチちゃんがいれば……」

 

雪乃「それはそれでバランスが崩れると思うのだけれど…残る競技のチバセンと棒倒しに賭けるしかないわね」

 

わたしたちはそれきり黙ってしまいます。

 

めぐり「比企谷君の頑張りに応えるためにも、わたしたちも頑張らなきゃ!だよね!?比企谷君?」

 

八幡「結局は引き分けに終わりましたけどね。頑張りと言うほど、頑張れてなかったですよ。すみません」

 

静「依頼は依頼、勝負は勝負。手は抜かないって」

 

まぁ、そればかりは依頼と言っても仕方がないですね。

いくら依頼と言ったって、それでわざと手を抜いて赤組を優勝させるのはなにか違う気がします。

ここはやはり実力で勝たなければいけません。

 

八幡「まぁ、後はチバセンと棒倒しだ。俺達は出られないけど、どちらもいい勝負を見せてくれよ」

 

もちろんです!スタンドを使ったとしても勝ってみせます!

 

←To be continued




さて、やっと原作に戻りました。

どうなることでしょうか?

それでは次回もよろしくお願いいたします。

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