いろはや康一、ポルナレフも動かさないと…
side空条承太郎
仗助「大丈夫っすか?承太郎さん」
承太郎「仗助…助かった。正直、危なかったぜ」
ザ・ワールドに殴り飛ばされ、身動きが出来なかった俺だったが、仗助に治療され、傷が完全に塞がった。
俺は体に異状がないかを確め、立ち上がる。
戦いはジョルノの援護の中、じじいが戦っているが、切り札の波紋が通用しなかったようで戦況は思わしくない。
それでもあの年齢でザ・ワールドと戦い、俺達が体勢を立て直す時間を稼げているのだから大した物だと思う。
仗助「ジョースターさん、スゴいッスね?」
承太郎「だが、あれでは長くは持たない。すぐにでも助けにいかないとじじいが危ない」
仗助「でも、あの訳のわからない攻撃がまたくるかも知れねーッスよ?」
承太郎「あのスタンドはザ・ワールドで間違いない。16年前に倒した、DIOのスタンドだ。能力は時間を止める能力。俺のスタープラチナと戦っているものだと思えば良い。もっとも、時を止める能力は俺よりも長かったし、基本的なスペックも全盛期の俺と互角だったから、今の俺よりは確実に強い。気合いを入れろよ」
仗助「まじッスか!?もしかしてスタープラチナ・ザ・ワールドって…」
承太郎「ああ。あのザ・ワールドから名前をそのまま使った。……今頃気が付いたのか?肝心なところでどこか抜けているところは父親譲りのようだな?」
俺は戦線に復帰するために足を動かす。
花京院の親戚の子供がじじいの足元で逃げ遅れている。
他の助け遅れている親族もそろそろ処置をしないといけないし、騒ぎが大きくなって他の一般人が騒ぎ始めるのも時間の問題だ。
承太郎「行くぞ仗助。普段の俺との特訓と同じようにやれれば問題ない」
仗助「プレッシャーをはねかえす男、東方仗助に任せて下さいよ!承太郎さん!」
俺達はザ・ワールドの射程に近付き、ジョルノと合流する。
仗助「じじい!その子供を連れて早く逃げろ!」
ジョルノ「ジョースターさん。あなたは凄い方だ。その歳でよくここまで耐えてくれました。後は僕達に任せてください」
承太郎「時間稼ぎは十分だ。年寄りの冷や水にしてはよくやったぜ。じじい」
俺達はじじいを逃がす為、そしてザ・ワールドの注意を引き付けるために叫ぶ。
じじいはすぐに反応し、ガキを抱えて康一君の方へと走り出した。
ジョセフ「逃げるんじゃよォォォ!」
少女「きゃぁぁぁ!そんなメチャクチャな伝統がありますかぁぁぁ!」
…あのガキの言うとおり、普通そんなモノを家訓にする家はない。
俺もイエローテンパラスとの戦いでは普通に家訓だの何だの言った記憶があるので偉そうな事を言えた義理ではないが…。
ジョルノ「では、そろそろ終わらせましょう」
仗助「いくッスよ!承太郎さん、ジョルノ!」
承太郎「ああ…。これが最終ラウンドだ」
ゴールドエクスペリエンス「無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」
クレイジーダイヤモンド「ドォララララララララ!」
スタープラチナ「オラオラオラオラオラオラ!」
流石に野郎も3人がかりでは手が余るのか、ダメージ回避の時止めをやる頻度が多くなる。
俺達は俺達で時止めを仕掛けられれば俺がしばらく奴の牽制をしながら仗助を庇う、もしくはそれぞれが時を止められるタイミングを読んで事前に防御体勢に入り、仗助が治療を行う。
時々、仗助がキラークイーン戦でやった墓石の破片を使った自動追尾弾やジョルノが犬や植物で足を絡めたりと、単純な殴り合いに変化を入れてみるが、その都度時を止められてしまい、決定打に欠ける。
むしろ、細かく仗助にダメージが入り、じわじわと戦況は悪くなる。
承太郎(野郎…こっちは殺さないように気を使いながら戦っているというのに調子に乗りやがって…)
連携を崩す訳にもいかず、全員のイライラがピークに達しつつある。
何かないか…焦りから打開策を考えていると、別の方向から変化があった。
少女「エメラルド・ヒーリング!」
じじいが連れていったガキが、緑色のスタンドを伴って何かを飛ばしてくる。
花京院のエメラルドスプラッシュに似た散弾だ。
だが、その弾道は…
仗助「俺達に当たる!?」
承太郎「何を考えてやがる!あのガキ!」
散弾は俺達やまだ救助を終えていない被害者に命中する。
命中はしたが、それに痛みはない。それどころか、体が熱くなり、熱が引いた後には傷が徐々に回復していく。
変化は別の所にもあった。
康一「エコーズact3!スリーフリーズ!」
どこからか康一がスリーフリーズを発動させ、ザ・ワールドの動きを止める。
しかし、エコーズact3の射程内である5メートル以内に康一の姿は見えない。
ジョセフ「最後は俺だ!」
やはり姿は見えないが、じじいの声が響き、ザ・ワールドの体から波紋のスパークが発生する。
これは…静のアクトンベイビー…いや、アクトンベイビーが成長し、アクトン・クリスタルと改名した射程内の対象を自在に透明にする能力!
承太郎「アクトンクリスタルで透明になってこっそり近付いて来ていたのか!」
ポルナレフ「それだけじゃないぜ承太郎。亀を透明にして全員を運んで来たんだ。そうでないとシズカを安全に射程内に入れられないだろ?」
承太郎「ポルナレフ!」
姿を現した亀からポルナレフの魂が出てくる。コイツらがいることをすっかり忘れていた。
そして、じじいがやっているのはハーミットパープルで相手の全身をがんじがらめに締め付け、波紋を全方位から流すじじい最強の技、『紫水晶色の波紋疾走』だ。
さらにじじいの猛攻は止まらない。
ジョセフ「まだだ!『師の教えと忘れ得ぬ想い』!リサリサ!」
波紋を込めたアッパーをザ・ワールドに打ち込み、1メートルほど奴を打ち上げる。
ジョセフ「コオォォォ…シィーザァー!」
ザ・ワールドが落下するまでに波紋を練り直し、手頃な位置まで落ちてきたところに波紋のストレートパンチを叩き込む!
ドバアァァァン!ズシャァァァ!
ジョセフ「またまたやらせて頂きましたァン♪」
じじいは膝カックンをやるような体勢で膝を曲げ、上体を後ろに大きく反らし、右腕前腕だけを上げて人差し指をザ・ワールドが飛んでいった方向に向けた。
仗助「変なポーズを取って、「またまたやらせて頂きましたァン♪」じゃあねぇよ、じじい!やりすぎだ!」
五メートルほど吹っ飛んだザ・ワールドと男のガキは、今度こそ気絶したのかスタンドは消え、動かなくなった。
少々「ハチくん!ジョジョのバカァ!」
女のガキは例の緑の弾丸を男のガキに打ち込んでから、じじいを罵倒して駆け寄って行った。
ジョセフ「Oh no!やり過ぎちまったかな…ごめんよぉエリナばあちゃん」
じじいは久々の戦闘で変にテンションが上がったのか、今まで聞いたことのない変な口調になっていやがる。
いや、待て…今、聞き捨てならない事を口走らなかったか?
仗助「エリナばあちゃん!?それって何十年も前に亡くなったっていうじじいのおばあちゃん…つまりは俺のひいおばあちゃん!?」
承太郎「面倒な話になりそうだ…ヤレヤレだぜ…」
はい、いろはの前世はジョジョ第1部のヒロイン、エリナ・ジョースター(旧姓エリナ・ペンドルトン)ちゃんでした♪
予想が当たった方はいましたか?
ジョセフが使った技は現実の1999年にゲームセンターで稼働していた格闘ゲーム「ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産」で使っていたスーパーコンボ(超必殺技)、投げ技の「山吹色の波紋疾走」と対空性能に優れた「師の教え」(同一性能である第2部ジョセフ版の「誇り高き血統ジョセフ」の技「忘れ得ぬ想い」も混ぜています)を組み合わせた技を、名前とセリフをいじくって出しました。名付けるなら、「師の教えと忘れ得ぬ想いの紫水晶色の波紋疾走」という所ですか?
スーパーコンボ後の変なポーズも格ゲー版の承太郎がやる勝利ポーズ(ジョジョ立ちレベル5)をイメージした物です。勝利のセリフは2部ジョセフがワムウとの決闘の際、罠にはめてダメージを負わせた時に言ったセリフを流用しました。久々の戦闘+いろはに転生したエリナと再会を果たし、気持ちが若返ったジョセフをイメージしたら、こんな変なテンションになってしまいました。
承太郎達で決着をつける案もあったのですが、前話で書いた通り、ジョセフの戦闘シーンにおける見せ場はこの戦いくらいかな?と思いましたので、老骨に鞭を打ってもらいました(^_^;)
果たしてスーパーコンボ2連発をマトモに喰らって八幡は生きてるのでしょうか?
次回はいろはの回想から逃げるんだよォォォ後のジョセフside、いろはや勝手に成長させてしまった静のアクトンクリスタルのスタンド能力についてお送りいたします♪(´Д`|||)ガクブル