やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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八幡の挑発

side比企谷八幡

 

続く2回戦。材木座は一回戦と同様にゆるゆる作戦で勝利を収める。そして戸塚はと言えば、さすがに見とれさせる作戦は失敗に終わるものの…

 

 

戸塚「ホール・シンクス」ボソッ

 

ホール・シンクスで軽く相手を回転させ、畳に沈める。

えげつな!

だが、スタンドを使ってはいけないというルールはない…と言うよりはそもそもスタンド使いなんていなくて当たり前だし、審判にスタンドが見えてないので、普通に一本。

むしろスタンド使いの審判なんていたら驚きだけどな。

 

「すげえ…あいつも空気投げを使ったぞ…」

 

徐倫「スタンドの悪用って…戸塚まで毒されてきてない?」

 

勝てば良かろうなのだー!

続く大将戦は…

 

戸塚「八幡…大丈夫?」

 

八幡「問題ない。反則にならない技はしっかりとある」

 

材木座「いまいち信用できん…」

 

まあ見てろって。

 

審判「始め!」

 

「反則を恐れて何もできまい!くらえ!背負い投げ!」

 

八幡「ぬおっ!」

 

俺の体が空中に舞う。

 

「やった!あのヒキタニに勝ったぞ!」

 

八幡「甘いんだよ」

 

俺は空中で体を捻り、そして足から着地する。

 

「なっ!」

 

八幡「これがジョースター家の投げ封じ!猫柳!にゃーお♪」

 

驚いたか!ちょいとでもこの比企谷八幡から投げで一本を取ろうだなんて思っていたのか!この間抜けがぁ!

 

静「そんな技ないから…」

 

雪乃「何故かしら。例え猫の真似でも比企谷君がやると全然可愛く見えないわ…」

 

ですよねー?

 

材木座「猫柳…とな?」

 

八幡「ふ……柳の上に猫がいる。だから猫柳!」

 

ドォォォォォォォン!

 

そして決め台詞だ!

 

八幡「これで良いのだ~♪これで良いのだ~♪」

 

静「ボンボンバカ◯ン♪バ◯ボンボン♪」

 

決まった…。

ポーズを決める俺と、何故か畳の隣で立って同じポーズを決めるジョジョ。

 

ん?徐倫、何でお前まで畳に入って来るのん?

 

ゴン!×2

 

徐倫「◯カボンはお前らだ!本気でバカだろ!」

 

ナイス突っ込みだ。流石は徐倫。

 

審判「……………関係者乱入による比企谷選手。反則負け!」

 

八幡「だにぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

 

ブーブーブーブー

 

溢れんばかりのブーイングの嵐。

戸塚と材木座からは…いや、味方の女子全員から冷たい視線のビームが飛んでくる。

雪ノ下に至ってはエンジェル・ダストまで出している。

いやぁ、三浦がマジシャンズ・レッドを出してるか丁度相殺されて良い感じだね♪

……………。

 

八幡「あれぇ?今回は俺のせいじゃあ無いよな?俺自身は反則してないだろ!空条先生のせいだよね!?」

 

静「そうそう。空条先生!反省して下さい!」

 

徐倫に詰め寄る性悪コンビ。

まったく…今回は特に反則行為をしちゃいないじゃあないか!何で俺が責められてるんだよ!

 

徐倫「あたしのせい!?下らない事をしたアンタらが悪いんじゃあないの!?」

 

八幡&静「いいや!試合の後で拳骨すれば良かったじゃあ無いですか!」

 

徐倫「う………なんかごめん…」

 

俺達の迫力に気圧されて徐倫が謝ってくる。

 

雪乃「………確かに空条先生も問題でしたけど、そもそもジョースターさんが乱入した段階で反則は確定だったのだけれど…」

 

ゴン!

 

徐倫「じゃあジョースターが悪いんじゃあないの!あたしの謝り損じゃあないか!」

 

静「………にゃーお♪」

 

ゴン!

 

徐倫「可愛くないわよ!この性悪妹分!」

 

サングラスがずれるほど思いっきり拳骨を食らうジョジョ。

いやぁ、俺とセットで拳骨を食らうのはしょっちゅうだが、ジョジョ単独で拳骨を食らうのは珍しいな。

 

雪乃「空条先生……結局は先生も乱入したのだから同罪だと思うのですが…」

 

雪ノ下が徐倫に突っ込む。

いやぁ、そう言えば徐倫がボケに回るのは珍しいねぇ。

だが、今回ばかりは俺のせいじゃあない!

 

雪乃「結局、元々はあなたが悪ふざけをするのが原因でしょう?真剣な試合でやるものじゃあないわ」

 

戸塚「やっている技の技術はスゴいのに、それが活かされないのは何でだろう……」

 

材木座「天才とバカは紙一重……と言うことか?」

 

ヤマピカリャー!(☆∀☆)

 

八幡「天◯以下だ♪」

 

静「バ~カ♪」

 

八幡&静「ボン◯ン♪」

 

ゴン!×多数

 

ツッコミ一同「もうええわ!」

 

解せぬ。

 

キングクリムゾン!

 

さて、休憩を挟んで残すところは決勝のみ。葉山たちも善戦はしたが、本職の柔道部には流石に負けてしまった。葉山にとっては不完全燃焼だろう。

 

戸塚「っていうか、八幡のあの猫柳って凄いね?あれもジョセフが開発した技なの?」

 

戸塚がキラキラした目で俺を見るが、そうではない。

 

八幡「猫柳って名前はこれから取った名前だ」

 

取り出したるはまたしてもコータ◯ーの柔道編。

こいつの主人公の家で使われている技なのか、主人公が考えた技なのかは明言されていないが、投げ封じの技としては有効な技だ。

 

結衣「漫画の技を見ただけでコピーしちゃったんだ…」

 

ブッブー♪それも違う。

 

静「名前は無いけれど、パパが天性の感覚で技術化した技ではあるよ?そもそも柔術の技って関節を極めながら掛ける技が多いから、耐えている方が危険な技が多いんだよね」

 

ジョジョが俺の腕を掴んで関節を極めながらの投げ技を掛けてくる。

それを、無銘の猫柳で叩きつけられないように封殺する。

 

八幡「だから、自らジャンプして飛び、敢えて投げられる事で関節技の崩しを解く技術があったんだよ。古式柔術にはな。それがこの漫画の猫柳に酷似していた。元々俺達の技術には猫柳はあったんだよ」

 

柔術の技は本気で危険だ。相手を怪我させないようにするようには出来ていない。むしろ、相手の関節を破壊する為の実践技として磨かれてきた戦場格闘技だ。

すると、戸塚の目がくわっ!と見開かれる。

 

戸塚「そうか!柳のように風に逆らわず、そして猫のようにしなやかに体を捻る事によって成し得る技だったんだ!それを古式柔術で技として習得してジョセフは八幡たちに伝えたんだ!完全なる投げ殺し!」

 

お、おう……流石はスピードワゴンの転生…。解説役をやらせたら右に出るものはいないな…。

 

雪乃「猫柳……確かに身を捻る姿は猫っぽかったわ…やったのが比企谷君じゃあなければ、見惚れていたかも」

 

技名に猫が入ってるだけでこれかよ。どんだけ猫が好きなんだ!

 

雪乃「古式柔術…私も合気道はそれなりに修めているけれど、とても凄い物なのね…源流だからかしら?」

 

静「確かに元をたどれば相撲も柔道も合気道も古式柔術…いえ、日本古武術が源流だからね。ハッチが柔道が苦手なのは、骨の髄まで敵を倒す癖が付いちゃっているから向かないのよ。むしろ、同じ古式柔術でも柔道の使い方に似ているのは……」

 

ここにはいない、あいつなんだよなぁ……。

 

さて……。柔道部相手では恐らくは、材木座も柔道向きではないゆえに、決勝は危ないだろう。俺も反則負けにならないとも限らない。場合によっては負ける。ならば、エキシビションの仕込みはやっておくべきだろう。

 

俺は立ち上がり、上座へと向かう。

件の人物に話を持ちかけるために。

その人物はただただ退屈そうに試合を眺めていた。

名前は知らない。興味もない。直接は関係ない、ただのモブ。別に先輩とも思っていないが、敢えてこう呼ぶ。

 

八幡「先輩」

 

上座まで行き、隣に立ってこう呼ぶ。

すると先輩はうるさそうにこっちを振り向く。そして、先程から騒ぎを引き起こしている渦中の人物が相手だった為か、少し不愉快な顔を見せる。

 

先輩「おう……てめぇ、随分と柔道を舐めてくれるじゃあないか。社会ではそんなものは通用しねぇぞ。こうやって遊んでいられるのも、高校生の内だけだしな」

 

ほぅ?練習風景と変わらない事を言うか…。

ただの後輩想いならここまで社会社会とは言わない。

やはりこいつは……。

俺は心の中でニヤリと笑う。さて、主釣りをやるか。

 

八幡「そりゃあ、こちとら実戦主体の柔術を使いますからね。子供を相手に本気にはなれませんよ」

 

先輩「何だと……」

 

八幡「敵を破壊する。古式武術の総てがそうだとは言いませんが、俺にとっては戦いは遊びじゃあない。柔道全般をバカにするわけじゃあありませんが、先輩のそれは遊びに見えますけどね。反則負けではありますが、実際どちらが実戦では勝っているか…わからない先輩では無いですよね?遊び半分でも勝てる。それが俺とこの柔道部の現実ですよ。城山に相談されたのもありますが、それをわからせる為にこの柔道大会を開きました」

 

先輩は歯を剥き出しにして俺を睨み付ける。

ここまでバカにされれば、やることは1つだろ?パイセンよ。

 

先輩「てめぇ…その為だけにこんな人を集めて身のならない事をやっていたのか……てめえはとことん社会を舐めていやがるな。今の内に鍛えたり勉強しねぇと社会に出ても通用しねぇってのがわからねぇのか!」

 

パシッ!っとセンスを床に叩きつける先輩に吹き出しそうになるのを堪える。もちろん、面白いからではない。怒りによる笑いだ。

 

八幡「二言目には社会……ねぇ。そんなに気に入らないなら、先輩。俺と一試合、どうです?」

 

先輩「良いだろう。その舐めた根性、叩き直してやるわ」

 

ズンッ!

 

俺は殺気を先輩に向ける。

 

先輩「!!」

 

八幡「その言葉。確かに聞いたぞ。社会を舐めているのがどっちか……身の程をもって教えてやる」

 

先輩。アンタには耐えられねぇだろ?

こんなところで指導と言う名の元に、ここに来ているアンタに俺のわずかだとは言え、暗殺者の殺気に耐えられる訳がない。

 

八幡「決勝までに首を洗って楽しみに待っとけ。逃げても構わないぞ?お前にはそれがお似合いだ。ただその時は…再びこの高校でお前を見たとき、俺はお前を始末する。まぁ、普通なら二度と出来ないだろうがな」

 

先輩「お、お前は……一体……」

 

八幡「別に。少なくともお前よりは、社会の表も裏も知っている、ちょっと特殊な過去を持つ普通の高校生の邪悪な化身だ」

 

これで仕込みは完了だ。これでもう、逃げ道はない。戦って散るか、戦わずに逃げるか。いずれにしても二度とお前はこの高校に足を向ける事はない。俺という人間の本性を、僅かにでも知ってしまったお前には、この総武高校は魔窟に見えるよな?

 

先輩「……録な……死に方はしないぞ…お前は…」

 

八幡「知ってるよ。俺の命は…俺の運命は…夏休みをもって消える」

 

先輩「!!!」

 

予言にそう出ているからな。

俺はそう言い残して上座を離れる。

 

城山「先輩と何を話してたんだ?」

 

どうやら見ていたらしい。上座だったと言うこともあったし、城山も先輩の事を気に掛けていたのだろう。

 

八幡「別に?ただ演出の事で話をしていたんだよ。大層俺の試合の事でご立腹だったらしいからな」

 

城山「演出?それに、先輩を怒らせたら流石のお前でも…」

 

八幡「もう手遅れだ。俺をしめるってよ。決勝で俺と先輩が大将戦で当たるから、そんときはお前に審判を頼むわ」

 

城山「な………!まぁ、俺もお前の試合には少しイラッとしてるからな。怪我をする前には止めるから、せいぜい反省しろよ」

 

八幡「反省とはほど遠いけどな。しょっちゅう空条先生をいじっては、拳骨を貰ってるから」

 

城山「あの怒ると怖い空条先生をからかえるのも凄いよな…」

 

八幡「まぁな。じゃあ、審判と演出をよろしく頼むわ」

 

城山「んんっ!?」

 

城山は怪訝そうに首を捻った。

さいは投げられた。進むしかない。

俺の最初で最後の茶番は………。果たして楽しめるものになるのだろうか?

 

←To be continued




はい、今回はここまでです。
またしてもコ◯タローネタでした。

天才バカボ◯だと思いましたか?残念!実はこれも含めて猫柳ネタは◯ータローから取っていましたー!(平塚先生ネタ)

原作との相違点

2回戦ネタは完全にオリジナル…というか、一回戦も含めて本来は先鋒、中堅で二勝すれば終わりの流れでしたが、八幡にコー◯ローのネタのアホをやらせたかったのと、仕込みの為に原作にはなかった大将戦をオリジナルで加筆。

戸塚は本来この場にはいない

平塚先生もこの場にいない→徐倫がツッコミの為にいる。やはり徐倫がいないとギャグの時は困りますね









次回もよろしくお願いいたします。

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