やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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第6巻部分のラストです。


比企谷八幡は正しい答えの入り口に到達する。

side比企谷八幡

 

教室は文化祭の熱気冷めやらぬ様子で騒がしい。

帰りのホームルームも遅くなった関係から形ばかりのもので、ルーム長が締めの挨拶をいっちょかますと、後は打ち上げの話になっていた。

となれば、俺には関係ない。事情を知らない人間からはなんなら来なくていいという無言の圧力を受けた。

ジョジョもそんな感じだ。相模や葉山は歯がゆそうな顔をこちらに向ける。というより、葉山に関してはアーシス組に声をかけてきたが、周囲から止められて断念していた。

それで良いんだよ。葉山。これが俺の選んだ道だ。お前にはその中ででしか出来ないことがあるだろ?そっちに俺達は期待しているんだ。

俺は立ち上がり、廊下に出る。

廊下は各クラスの友情と情熱の残骸が転がっている。

明日は日曜日で休み、明後日月曜日は代休。火曜日は午前一杯を使って撤去作業となる。それまではこのまま、思いでのモニュメントとなるだろう。そして、片付けが終わったら新たなる青春イベントに向けて、またすぐに動き出すのだ。

その片付けには俺もちゃんと参加することにする。例年とは違い、少しばかりとはいえ、俺も思いでの一頁となる内容だったからな。

海老名や三浦、戸塚に川崎、由比ヶ浜は有象無象とは違う。今年は本物が沢山頑張ったんだ。ならば手伝うのが筋だろう。

文実も残務処理があるけどな。決算報告とか。

俺は鞄を肩にかける。

確かいろはの方も記録雑務での残務処理があるとか言っていたな。家だと俺とイチャイチャしてしまうし、土曜で会社も基本は休みだ。ファミレスは逆に混んでいそうだし、打ち上げまでの時間潰しに学校の生徒がいるかもしれない。……今は学校の連中には会いたくない。

落ち着いて作業できる場所。だとしたら俺達が向かう先はひとつだ。俺の足はそこへ向かっていた。

誰もいない特別棟の廊下を歩いていると、空気が冷たいことに気付く。秋が深まり始めているのだ。

この廊下を通り、部室へと通うようになってから半年が経っていた。

奉仕部の部室について、扉に手をかける。ふとそこで鍵を持っていないことに気が付いた。普段は仗助達が常駐しているので鍵の心配をしたことがない。だが、今日に限って仗助やジジイ達がいるという保証がないのだ。

諦めて帰ろうかと思い、念のため開いているかを確認すると、あっさり開いた。

 

いろは「ハチ君おそーい!」

 

仗助「お?やっと来やがったな。待ってたんだぜ?」

 

めぐり「やっぱりみんなが集まるのはここだよね♪」

 

材木座「待ちわびたぞ!八幡!」

 

雪乃「静かに作業が出来ると思ったのだけれども、みんな考えることは同じなのね」

 

大志「今日はここに寄っちゃいました。いいっすよね?師匠のお兄さん!」

 

小町「待ってたよー♪おにぃーちゃん♪」

 

何で………いる?

そこにはジョセフ以下の歴代ジョジョが集まっていた。

 

三浦「ヒキオ。入り口に突っ立ってんなし。邪魔だし」

 

海老名「やっぱり、私達の文化祭のラストはここでしめないとだよね?ヒキタニくん?」

 

戸塚「もう!八幡ったら、さっさと行っちゃうから」

 

結衣「ヒッキー!早くどくし!入れないじゃん!」

 

沙希「ついついここに寄っちゃうんだよね。ウルフスの戦いもあったしさ」

 

静「なにポカンとしてんの?相棒。当たり前じゃん?」

 

八幡「そうだな。いつの間にか、ここは俺にとっても大事な場所になっちまったんだな」

 

俺は部室に入り、データをパソコンに移して仕事を開始する。文実の最後の仕事をここでやるのも悪くない。

 

八幡「ところで、みんなは何でここに?打ち上げに行ってると思ってたんだが」

 

三浦「そんなわけないじゃん。あーしらの本当の仲間はここに集まってんだし」

 

海老名「クラスの方は葉山くん達がまとめてくれるって♪わたし達はここで文化祭を終わらせないんだよ?」

 

ペットショップ「クエェェェェ!」

 

サブレ「キャン!」

 

バサバサバサバサ!

 

ペットショップとサブレはそれぞれ同時に俺の肩に乗り込む。

 

俺は放置していた文理選択からまずは取りかかる。俺の文理選択はもう文系に決まっている。理由なんてない。何となくだ。

 

そして文化祭の残務処理。一通り目を通せばそれだけで終わる。後は執行部や教師達の仕事になるだろう。

 

結衣「よーし!みんなで後夜祭にいこう!」

 

雪乃「行かない。で、後夜祭ってなに?」

 

結衣「知らないで断ったの!?ねぇゆきのん、行こーよ!」

 

材木座「我も出来れば……」

 

結衣「はぁ?ヨッシーは参加確定に決まってんじゃん!彼女を放っておいて別のグループに入る気!?ねぇ、ゆきのーん!」

 

由比ヶ浜は雪ノ下の体を揺する。雪ノ下はこればかりは少しばかり迷惑そうな顔をする。

 

雪乃「私にはわからないのだけれど、どういうものかしら?」

 

雪ノ下に問われ、由比ヶ浜は虚空を見上げた。

 

結衣「えっと、打ち上げの大きいやつ…的な?」

 

八幡「お前もよくわかっていないのかよ」

 

三浦「まぁ、前夜祭の逆版ってヤツだし。って言ってもあーしは行くつもりないけど」

 

結衣「えー!優美子、なんでー!」

 

海老名「あれでしょ?葉山くん主催でやっているライブハウスの打ち上げだよね?今のわたし達は学校の嫌われものだよ?」

 

八幡「別にまだお前らまではそうなってないじゃあないか。行けば良いだろ」

 

沙希「あたしらはパス。どうせそんなのに行っても楽しくないし、最悪はあんたらの悪口で溢れかえっているんじゃあないかな」

 

戸塚「うん、それだったら、ここでバイバイの方が良いよ。例えこの後、何もなくてもさ」

 

ジョセフ「バッカモォォォォン!そんな終わり方をわしらがするとでも思っておるのかぁ!?いつものところでアーシスの打ち上げを企画しておるに決まっておるじゃろ!」

 

ゲッ!このパターンは………ホテル・ロイヤルオークラか!?それで徐倫とかまた後でとか言ってたのかよ!

 

承太郎「親父達も既に向かっている。着替えに一度戻って、再びここに集合だ。遠いものは送っていこう」

 

やれやれ。お祭り好きのジジイがここで終わらせる訳が無いか。腹を決めて、俺達だけの後夜祭にシャレ込むとするかな。

やはり俺の奇妙な仲間達はまちがっている。

 

←To be continued

 

原作6巻部分終了。

 

next stage 原作7巻ぼーなすとらっく

ジョジョガイルのうぃー・うぃる・ろっくゆー




はい、やっと原作6巻部分が終わりました。
次は後夜祭を描いた7巻のぼーなすとらっくです。
その後に6.5巻の体育祭編へと続きます。

修学旅行編の前にこちらへ移ります。時系列的には体育祭の方が先なので。俺ガイルもので体育祭を扱う人が少ないのは何ででしょうか…。

6,5巻は巻行的には9巻の後ですが、時系列的にはこちらの方が先ですので。

でも、こいつらの場合、まともな体育祭になるのでしょうか?特に性悪コンビが。
柔道部編はどうしましょ(^_^;)

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