承一郎の強さと八幡のひねくれた性格!
二人の主人公の戦いは、どちらも勝ち、どちらも負けた結果に終わった!
最後の八幡のアホさはともかく…
和解を果たしたジョースターチームと一条承一郎。
果たして、承一郎の目的は、そしてその今後は!
side比企谷八幡
ホテルウィラードコンチネンタル
あのあと、俺達は一条さんを連れて部屋に戻った。
あ、ミスタさんと茅ヶ崎さんはベッドに寝かせてある。
ミスタさんは休みなしで運転も戦いも頑張り、魔王は一条さんとの戦いで致命傷を食らってしまい、気絶している。
あの人の頑張りで、一条さんの最後の奥の手がわかったのだから、その功績は大きかった。
俺が間抜けなせいで台無しになってしまったけど。
そして、アラビア・ファッツはSPW財団の職員に連れていかれた。
その後はどうなるかはわからない。
スタンド使いの犯罪者矯正施設があるらしいから、そこに連れていかれたのだろう。
矯正しきれなかったら…と聞いたら「子供は知らなくても良いことがたくさんあるよね?」とジョルノに言われた。
そのにっこりが怖い。
ちなみに、かつて億泰さんのお兄さんを殺害した音石明は矯正完了し終え、社会復帰をしている。
今ではウルトラスーパーギタリストとして世界に名を轟かせている。(この話は承一郎も聞いている)
さて、ホテルに戻っている俺達はというと…
ミスタさんと茅ヶ崎さんは寝室(男女別)で寝かせている。
茅ヶ崎さんは本気の気絶だったし、ミスタさんは二日間の疲労で眠っている。
残りの者達はまずは反省会だ。
主に俺の…
ジョルノ「まったく呆れました。あそこまで作戦が上手く行っていたのにも関わらず、最後の最後で油断して全員の努力を無駄にするなんて。僕は君を軽蔑する」
そこまで言うか!?
億泰「まあまあジョルノ。仕方がねぇんじゃぁねえの?八幡だって頑張ったんだしよぉ、大目にみてやっても良いと思うぜ?」
億泰さん、ヤンキーがそのまま大人になった人だけど、優しいですね!
いろは「ハチ君が頑張ったのは認めますけど…もし一条先輩が本当の敵だったとしたら、こんな程度じゃぁ済んでいなかったんですから、やっぱり少しは反省した方が良いですよ?」
いろは、確かに君の頑張りを無にしたのは悪かったけど、だからと言って切り離されてる体をコチョコチョくすぐるのはやめて!ツンツンウリウリするのもやめて!抱き枕にするのは頭がくっついてる時にして!
仗助「まったく…これに懲りて反省しろ!」
静「それでも初代ジョジョですか!」
小町「皆さん。今回、承一郎さんとの勝負でダメダメだった人にお仕置きが必要だとは思いませんか?」
小町?!
俺はどんなことされるの!?
そしてみんなは賛成しないよね!?
仗助「賛成だ。気を引き締めろ!」
静「私も賛成です!」
小町「ウンウン♪そうですか、そうですか♪では承一郎さん、お願いします♪」
小町は一条さんにウインクした。
仗助&静「え………」
ごろんと二人の首が転がった。
体は俺の隣に転がされている。
ジョルノ「あなた達の覚悟に尊敬します。東方仗助、静・ジョースター」
欧米人が親しい人間に対し、敢えてフルネームで相手を呼ぶとき。
それは本気でこれから怒る事を意味する。
でも何でコイツらも?
小町「ダメダメだった本人が了承しましたもんね?お仕置きOKですよね?」
いろは「え?どうして二人も?」
仗助&静「そうだそうだ!納得いく説明をしろ!」
二人が抗議する。
あ、もしかして…
小町「仗助お兄ちゃんは致命傷を負っていたジョルノお兄ちゃんを放置したまま戦い始めるし、ジョジョお姉ちゃんは頭に血が昇ってせっかく引っ掛かっていたワイヤーの罠を有効利用出来なかった上に、気配を遮断するのを忘れるし、これでもダメダメじゃなかったと言えるのかな?ダメダメの孫達?」
ああ、やっぱりその事か。
あれは下手したら俺以上のミスだ。
ジョルノ「イタリアでの戦いの時、ミスタはそうなって生首になった敵のまぶたに釣り針を刺して吊って、虫メガネで太陽の光を黒目に当てる拷問をしました」
何それ!ミスタさん、何て酷い拷問を!
さすがはギャング!
え?もしかしてそれをやられるの?
ジョルノ「安心して下さい。そこまで家族にやるほど僕もデーモネ(鬼)ではありません。代わりにこれを使います」
ジョルノはサッカーボールネットを大きくしたような物に俺達の首を入れ、ネットをハンガーフックに掛ける。
そして、どこで仕入れたのかわさびのチューブを取り出した。
え?それで何をするの?まさか、止めて!
ジョルノ「家族を失明させるつもりはありませんが、このくらいはします。僕は優しいですから、この程度で許してあげますよ」
嘘つけ!
自分で自分を優しいとか言う奴に優しい奴がいた試しはない!
ジョルノ「言っておきますが、これはあなた達の為を思ってやっているのですからね?理解して下さいね?」
それも嘘だ!
お前の為を思って…とか言っている奴に相手を思っていた試しなんかない!
大抵が自分の憂さ晴らしの言い訳に使う前置詞だ!
ジョルノはわさびをそれぞれのまぶたに塗りたくる!
ギャアアァァァァァァァァ!
痛い!目が辛い!染みる!
止めて!口の中にわさび突っ込まないで!
その上から口に強力ガムテープを貼らないで!
鼻の下にも塗らないで!
息が辛い!肌も痛い!
何か額に書かれてる!(idiota=イタリア語でバカ)!
なんて拷問を考え付くんだ!
途中で子供染みた事もあるのが逆に腹が立つ!
つうか、絶対それをわかっていてわざとやっている!
さすがは鬼畜パッショーネ!
そこに恐れる!憧れない!
小町「それでは億泰さん、お姉ちゃん。お仕置きお願いします」
それ以上に何かやられるの!
どこまで厳しいの!?ジョースター家!?
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!
戦犯達「「「ウムーーーーーーーー!」」」
二人が3人の体をくすぐり始める!
ガムテープで叫べないから変な声が出る!
せめてガムテープだけでも舌で湿らせて剥がせば…
八幡「フムーーーーー!!!」
ジョルノオオォォォォォォォォォ!
ガムテープにまでわさび塗りやがったのかぁ!
そこまでやるかぁぁー!
ジョルノ「そう言えば、その時に仲間達でこんな躍りを踊ってましたね」
ズッダンズッズッダン!ズッダンズッズッダン!
ズッダンズッズッダン!グイングイン!
バッ!バッ!バッ!バッ!
小気味よいリズムが流れだし、最初はジョルノだけが妙なダンスを踊る。
次に小町が加わり、最後に一条さんが加わる。
楽しそうですね!
お兄ちゃん達は辛いし、くすぐったいし、痛いしでそれどころじゃぁないですけどね!
一方、心の中では一条さんのもう1つの人格と前世共が騒いでいた。
承一郎?『何人女を孕ませてるんだ!テメェのせいで俺は妙な呪いにかかっているんだぞこのクズが!体を引き裂いて、臓器を床に順番に並べてやるぞ!KUAAクゥアア!』
ジョナサン『そうだJOJO!思い切りやってくれ!僕もかなり怒っているんだ!』
ジョナサンがディオの体を抑えている。
ディオ『や、やめろJOJO!あれは天国へ行く為の…』
JOJO『だからだこのカス!血ィ晒せこの野郎!』
ディオ『や、やめ…GAHHHHHHHHHHギャアアアアアアアアアア!』
やかましいわ前世!現実は現実で大変なんだから静かにしろよ!
ついでにディオ!お前が全ての元凶なんだから、お前はA級戦犯だろ!
お前もジョルノの拷問を受けろ!
あ、それだと二重で俺が食らう。しかもJOJOさんのも。
それにしてもJOJOさん怖いですね。俺達との戦いではだいぶ抑えていたんですね?
ディオ相手にやってることが怖いよ…あと怖い。
それにしても、一条さんのもう1つの人格はJOJOと言うらしい。
ジョジョと被るな…
JOJOさんのことをなんて呼ぼうか…
普通に一条さんで良いのかな?
後で仗助達と話し合おう。
え?考えてる余裕あるのかって?
現実逃避だよちくしょう!
俺達は結構長い時間、悲鳴なき悲鳴をあげ続けるのだった!
もうじき日付が変わる時にやっと解放された。
目と顔中がヒリヒリする。
おのれジョルノォ!
承一郎「さ、災難だったね。見ているこっちまで痛かったよ」
八幡「そのわりには楽しそうでしたね?一条さん」
承一郎「その場のノリに合わせないといけないような気がして…」
八幡「それで…知りたかったのは、ザ・ワールドの能力を得た本人はその先の運命を操れるのか?でしたっけ?」
承一郎「ああ、僕はそれが知りたい」
八幡「それを知って、一体何をするつもりなんですか?返答次第では答えませんよ?拐われて、時の加速を実行されては敵いませんからね」
一条さんの事はある程度は信用できるとは思うが、それとこれとでは話は別だ。
承一郎「参ったな…どこまで話して良いものか…では質問を変えて良いかな?君達はなんの為に「天国」を止める?DIOの目的は何だったのかは話せるのか?」
それは…
仗助とジョルノに目を向けると、二人は少し考え、互いに頷くと、俺に頷く。
問題ない…と言うことだろう。
八幡「ディオが恐れたもの、人に仇なす柱の一族の存在と………の消滅。そしてそいつらをも操り、………の消滅…それがディオの目的だった。時を加速してその2つが無くなれば、ディオの理想とする安心できる好き勝手ができる世界が出来ますから」
承一郎「そんな存在が…。けど、柱の一族はジョセフさんが…」
仗助「ジジイ達が倒したというカーズとかという柱の一族が最後なら確かにそうだろうがよぅ、DIOが調べた結果だと、カーズだって柱の一族の中では若輩者だったらしいぜ?滅ぼされたという波紋の一族だって、こうやって生き残っているんだしよぉ」
ジョルノ「父が不安がっていたのが取り越し苦労なら、それならそれで構わないが、その片鱗が日本にあるんだ。それも、汐華に関係する可能性が出てきた…」
そうなんだ。
ジョルノには酷だが、汐華とその分家がかなり濃厚に関係している可能性が高いんだよな。
だってディオの記憶が正しければ…。
承一郎「汐華って…それは…でも、『天国』がそれを消せるというなら、何故君は『天国』を阻止しようとしている?」
ジョルノのこれ以上追求するなという目で一条は話題を変えた。
まぁ、ジョナサンとディオが完全に融合して「俺」が誕生した日、精神の中でディオが言っていたようにそれが一番の方法なのだ。
八幡「確かにそれが一番楽で確実な方法ですが、時を加速させるというのはそんなに都合の良いものでは無いんですよ。結果的に宇宙を一度滅ぼすのと変わらないですから」
前にも言ったが、大切な物を滅ぼしてまで安心を求めたくはない。
そんな物はレプリカだ。俺にとっての本物がある今の安心が欲しい。
結果的に厳しい道になるのはわかっているが、時を加速させてしまった先に、レプリカはあるかも知れないが、本物はない。
八幡「前世のディオが始めたことですが、今の俺はいろはや小町、ジョースター家の人達やその関係者が大切なんです。やつらと戦う運命を背負っても、天国にある先の、似たようなレプリカはいらない。本物と呼べる今を俺は守りたい。自分勝手だとは思いますけど、それが俺の願いであり、覚悟なんです」
俺は包み隠さず、一条さんに話す。
正直、めっちゃ恥ずかしいが、それが自然と口に出来るほどの空気が流れていた。
捻れ者と言われる俺が空気に逆らえんとは…
承一郎「成る程、君のそれで、プッチが何を目的で運命を操作しようとしているんだい?」
プッチか…多分、あの時のディオの言葉だろうな…
八幡「覚悟するものは美しい。プッチはそれに感銘を受けていました。奴が目指す先は世界中の人々が自分の運命を知り、覚悟を持った世界を作ることだと思います。俺がディオだったときは、それが美しい世界だと思いましたが、そんな先がわかった世界なんて…」
仗助「何が運命かなんて、わかってる世界なんて面白くねぇしな」
ジョルノ「自ら覚悟を決めるのと、他人から決めさせられる覚悟は違う。八幡ではないけれど、そんな覚悟はレプリカだ。暗闇の荒野に進むべき道筋を切り開くのは、自ら決めた本物の覚悟だけなんだ」
静「勇気も同じ。定められた運命を進むだけの人生に勇気なんて生まれない。運命に立ち向かう恐怖を乗り越えてこそ、初めて生まれるものが勇気」
億泰「俺には難しいことは分からねぇけどよぉ、仗助と出会うまでの、兄貴の言っていることだけに従っているときは楽だったけど、今のように楽しくはなかったんだよなぁ。やっぱり良くも悪くも自分の決めた事の結果の方が納得できるっつうか、そういう事なんだよなぁ?」
億泰さんも自分なりの解釈で動いている。
屁理屈をこねるより、億泰さんの言葉が一番的を得ているかも知れない。
何だよ。自分ではバカとか頭悪いとか言いながらも、一番大事な物はわかっている人じゃぁないか。
やっぱり億泰さんも俺にとっては本物の人なんだ。
ミスタさんも…
茅ヶ崎さんはまだわからないけれど…
承一郎「君にも、守りたいものがあるんだね」
八幡「守りたいもの…と言うよりは、共に歩みたいものですかね」
俺が話せるのは以上だ。
仗助「それで、承一郎。お前は一体何者なんだ?俺達の邪魔をしてきてはいたけどよ、プッチ達とは目的が違うみてぇだ。ここらで腹を割って話してくれなければ、俺達はお前をどうして良いか判断しかねる。こちらが腹を割ってお前の質問に対して包み隠さずに答えたんだ。特に、この捻れ者が珍しくな。差し障りのない程度には、お前の素性を含めて話しちゃぁくれないか?」
言外にここで話さないようならば二度と信用しない。
仗助はそう言っていた。
承一郎「…少し良いかい?依頼主クライアントに許可を得る」
八幡「依頼主?」
一条さんは誰かの指示で動いていた…ということか?
承一郎「そう、僕がこの世界に来たのはその依頼主のスタンド能力によって来たんだ」
八幡「スタンド能力⁉︎」
この世界ってどういうこと?いきなり話がとんでもない話になってきたぞ!?
承一郎「ちょっと待っててくれ…連絡CALLする」
一条さんはその依頼主という人に無線で連絡を始める。
依頼主『どうした?承一郎君』
承一郎「こちら一条、八幡一行と接触しました。こちらの素性を知りたいと言うんですが…どうします?」
依頼主『ふむ…よし、私が出よう』
なんか、どこかで聞いたことのある声だ。
承一郎「…え?今?マジですか?」
依頼主『マジだ。私も少しSPW財団と協定を結びたいと思っていてな、私が直々に出よう』
え?会社と協定を結びたい?
次期会長の仗助がいるから、確かにコネを作るには最適な場ではあるが…
承一郎「…分かりました、それでは」
一条さんは無線を切った。
八幡「…それで、どうなった?」
承一郎「…なんか、自分が直々に出向くらしいよ」
八幡「 は?出向く?」
いきなりここへ?ワシントンDCにいるの?
承一郎「そうなんだ。実は僕の依頼主はかなりVIPな人でね、僕がこのホテルに泊まれたのも、彼のおかげなんだ」
VIPなんてもんじゃぁないぞ…ここを押さえるなんて誰なんだ?
しかも、今日ここに止まる予定は無かった。
どうやって依頼主という人は俺達がここに泊まるって知った?
ここを押さえられる人物なんて限られるぞ?
八幡「…で?その依頼主の名前は?」
ヴァレンタイン「アメリカ合衆国大統領、ファニー・ヴァレンタインだ」
一同「「⁉︎」」
な、な、何だって…。
確かにそれならわかる!どうりでダメ元でここを予約を申し込んだ時、あっさり許可が降りたのか!
SPW財団の力をもってしても、このホテルの、それもそれなりの広さを持つこの部屋を当日に押さえるのは厳しい!
だが、大統領がこの一連の事に一枚噛んでいたのなら、納得できる!
俺達の部屋と一条さんの部屋はこの人が押さえたんだ!
まぁ、それはそれとして…
ヴァレンタイン大統領…あなたはどうやってカーテンの裏側から姿を現した?
その演出に何の意味が?
俺も含めて全員がビビってるんですけど?
承一郎「…やれやれ、そのいきなり出て来るの、やめてもらえませんか?」
八幡「お、おい一条、もしかしてこの金髪ロン毛が…」
あ、ビビり過ぎて思わず本音が出てしまった。
不敬でヒットマン寄越されないよね?
大統領だから、器は大きいよね?
承一郎「そう、彼が僕をこの世界に連れて来た依頼主、ファニー・ヴァレンタイン。スタンド使いだ」
大統領がスタンド使いかよ!
色々驚きすぎて常識の感覚が麻痺してきたわ!
大物とそれなりに付き合いがある仗助すら固まっているぞ!
ヴァレンタイン「よろしく頼むよ、皆」
億泰「はっはー!」
億泰さん、あなたは水戸○門に出てくる悪役か。
あまりの綺麗な土下座過ぎてツッコミきれないですよ。
まぁ、こんな大物の前にツッコミをする勇気はないが。
八幡「は、はぁ…」
ヤバい、俺も思考はできても行動ができないくらいには混乱してる。
承一郎「大統領のスタンド、『 dirty deed done dirt cheapいともたやすく行われるえげつない行為』の能力はいわゆるパラレルワールドを往き来出来る能力なんだ。」
何その面白そうな能力。普通に欲しいんですけど。
ジョルノ「成る程、だから承一郎の存在が最近感じられるようになったのか」
そういうことだったのか。
一条さんの気配がいきなり現れた理由がやっとわかった。
ヴァレンタイン「…さて、私が承一郎君をこっちの世界に呼んだのはプッチ神父の『天国に行く方法』の模索とそれが我が祖国に害があるかの調査させる為だ」
害ありますよ。
祖国にどころか全宇宙レベルで害がありまくりです。
承一郎「僕はそれで四肢が消し飛ばされたりんだけどね…」
まぁ、敵にいたわけですからこっちも全力で抵抗しますよ。
無策でやってたら手も足も出なかった。
ヴァレンタイン「まぁ気にするな。君は治るだろう」
軽いですね!一条さんの扱い!
勝手に異世界に連れて来た割には軽い扱いですね!
なんか一条さんの顔が引きつってますけど!
気持ちは凄いわかる!
流石は大統領!そこに痺れる!憧れる!
承一郎「痛いものは痛いんだけど…」
ヴァレンタイン「まぁそれはさておき、彼は信用して良い。非公式だが、政府からの許可を得ている。それでなんだが、君達にも任務に参加して欲しいんだが」
八幡「俺達がですか?」
大統領直々の依頼ですか。
何だ?
ヴァレンタイン「その通りだ。目的も同じだし、私公認なら、支援バックアップも取れるしな。ちょうどSPW財団と協定を結びたいと思っていたし」
アメリカ大統領とのコネクションか。
それはこちらとしても願ったり叶ったりだが。
仗助「わかりました。目的も同じですし、SPW財団としても大統領閣下とのご縁が出来るのであればこれほど心強い物はありません。慎んで閣下との協定をお受け致します。申し遅れました。私はジョウスケ・ヒガシカタ。SPW財団及びジョースター不動産日本支部の代表の役を預かっております。プライベート故にこのような髪型でお分かり辛かったかとは思いますが、以後、よろしく申し上げます」
仗助が俺達を代表して公式モードで応える。
普段はプッツンの起爆剤である髪型の事も自ら触れているくらいは応対に気を使っていた。
いくら非公式とはいえ、アメリカ大統領相手ではいつもの口調では問題があるからだ。
ヴァレンタイン「ん?確かにどこかで見た顔だとは思っていたが、ジョウスケ代表だったか。今は日本支部の代表だが、いずれは財団の次期会長とも聞いている。いや、ジョウスケ代表。私が勝手にこちらに赴いたのだ。むしろ非礼を詫びるのはこちらだ。楽にしてもらって構わないよ。こちらも協定を受け入れてもらって感謝する」
仗助「はい。寛大なお言葉に感謝の言葉もありません」
おお、どちらも大人の対応だ。
ヴァレンタイン「さて、この作戦名は『ステアウェイ・トゥ・ヘブン天国への階段』と名付けられたものだが、こうしてチームの名前も決めておきたい。何か良い案はあるかい?」
承一郎「作戦名にかなりこだわりますね…」
ヴァレンタイン「気分が上がるだろう気分が」
気分というよりも、コードネームとして必要な事なのだろう。
関係者に伝達する場合でも必要になる。
八幡「…じゃあ、クリスタル・クルセイダーズ水晶十字軍っていうのはどうですか?」
他にも仗助が代表なのだから、『ダイヤモンド・クルセイダーズ』とか、大半がジョースター関係者なのだから『ネオ・スターダスト・クルセイダーズ』とかも浮かんだが、一条さんを加えるならこれが一番しっくりくる。
承一郎「成る程、僕と静さんのスタンドの名前に水晶が入っているからかい?」
静「良いですねそれ!気に入りました!」
YEAH!ピシガシグッグッ!と一条さんとジョジョはハンドシグナルを交わす。
ヴァレンタイン「ふむ、よし!それでは指令を言い渡す!任務内容はプッチ神父の『天国へ行く方法』の阻止と、その手下達の殲滅だ!諸君、幸運を祈る!どジャアァァ〜〜〜〜〜ン」バサッ
こうして大統領は言いたい事だけ言って国旗に包まって消えた。
スタンドにまでアメリカの国旗を使うなんて、あの人は祖国好きすぎでしょ。
八幡「…嵐のような人だな、お前の依頼主」
承一郎「全くだね。それじゃあ改めて自己紹介をするよ。僕は一条承一郎、職業は学生兼傭兵のヤクザの養子さ。よろしく頼むよ、八幡君」
仲間として、一条さんは俺の名前を砕けた呼び方に変えた。
ならばこちらも相応の呼び方をしよう。
この新たなる仲間に対して…
八幡「こちらこそよろしく頼む、承一郎」
家族以外に初めて名前の呼び捨てをした。
俺達は固い握手を交わし、結束を強めた。
《その後のヒトコマ》
小町「ところで承一郎さん?」
承一郎「何だい?小町ちゃん」
小町「本場の波紋の修行に興味あると仰ってましたよね?」
小町がそれは良い笑顔をしている。
何だか壮絶に嫌な予感しかしない。
承一郎「ああ、言ったけど…」
小町「今からやりましょうか?いえ、やって下さい」
承一郎「いや、今からじゃあ遅すぎだと思うんだけど」
小町「だって、承一郎さんは任務とは言え、小町達を覗き見していたじゃあないですか?これで何もないのはちょっと不公平過ぎません?これの事もあるし」
小町は億泰さんをごそごそと漁り、小さなチップみたいな物を取り出した。
小町「別にやりたくなければ良いですけど、その代わりお兄ちゃん達がジョルノお兄ちゃんからやられていた罰ゲームを受けるか…」
小町はサンシャイン・ルビーを自分に重ねて出現させ、指先の赤石を承一郎に向け…
小町「承一郎さんがどこまでやって生きて耐えられるか試すのでも良いですよ♪」
お前は天使の皮を被った悪魔か!
承一郎は顔を真っ青にして大汗をかいている。
小町「さあ、どれにします?」
承一郎「しゅ、修行で」
小町「そうですか♪それではこのマスクをどうぞ♪」
小町はガスマスクのような物を出した。
こ、これは…
小町「エア・サブレーナ島名物、波紋強化マスクです♪それもこれは開発中の中級者用♪初級者用は波紋の呼吸ならば百%通しますが、これは30%オフにします♪これを付けてホワイトハウスを端から端まで10往復してください。あとゴミいちゃんとジョジョお姉ちゃんも」
ジョルノ「では仗助さんには、それが終わるまで、わさびを続行ですね」
ヴァレンタイン(無線)『良いよ。ただ、警備には連絡しないから、見つかったら本気で射ってくると思うから気を付けてくれ。健闘を祈る』
大統領がまさかの裏切り!
翌朝、アメリカの首都で若い男女の悲鳴と銃声が鳴り響いていたというニュースが世界中の新聞の一面を飾ったとか飾らなかったとか…
はい、遂に承一郎が仲間になりました!
ズンチャンチャンチャチャチャチャチャン♪チャチャチャチャチャチャチャ♪チャララララランラ♪ラーンラーン♪(ドラクエのパーティー加入のテーマ風に)
しかし、毎度の事ですが自分で書いておきながら言うのもなんですが…
怖いよジョルノと小町!あと怖い!(原作八幡風)
なんて事を考えるんだ!(職場の人に話してみたら、むっちゃヒデェと言われました)
さて、次の回はいよいよ藤崎忍(前世がONE PIECEのボンクレー)くんの登場です。
一緒に登場する露伴先生を除いた二人のキャラの共通点は何でしょうか?
そこから導かれる敵は?
それでは次回もよろしくお願いいたします!