やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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比企谷八幡はひそかにストレスを溜め込んでいた

side一色いろは

 

葉山先輩から提出された申請内容に目を通していると、近くで作業していためぐり先輩とハチ君達の会話が聞こえてくる。

 

めぐり「比企谷君とジョースターさんは文系理系、どっちにするの?」

 

八幡&静「どっちでもいいです。強いて言うなら相棒と同じで良いです」

 

めぐり「ええー!ダメだよ?進路も考えてしっかり決めないと」

 

八幡「既に進路が確定している…というか、現状で仕事してるのにですか?」

 

めぐり「ん~?でも大学とかも考えないとだよ?私も悩んだし、迷うのはわかるけど。どっちが得意?文系?理系?」

 

静「いや、ほんとどっちでもです。その気になれば全教科満点を取れますし、既にアメリカの大学卒業してますので」

 

めぐり「え………」

 

八幡「いくらジョースターといったって、この歳でただの高校生がSPW財団の支部長をやれるわけがないですよ。とっくにキャリア幹部資格を得ているから地位役割を貰ってるんです」

 

それはわたしも同じですね。

いつの間にか積まされていた勉強とかが大学卒業レベルにまでなっていたことにはビックリしました。

時々留学とかさせられましたしね。

 

いろは「露伴先生から聞いてなかったんですか?わたし達は国公立や六大学クラスの大学卒資格を得てるんですよ?」

 

雪乃「つくづく反則よね」

 

めぐり「そ、そうだったんだ……。本気で文理選択の意味が無いんだね…」

 

葉山「いや、でもテストではいつも雪ノ下さんがトップでは……」

 

雪乃「遊んでるのよ。きっちり平均点を出すように…しかもジョースターさんや一色さんも巻き込んで賭けまでして…確か妹の小町さんも参加しているそうよ」

 

葉山「全教科満点を取るよりも凄いな……」

 

実はかなり難しいのです。スタンドでカンニングしてます。こういう時に射程が長いと便利ですよね?

 

めぐり「ダメだよー?テストは真面目に受けないと」

 

真面目にやってますよ?平均を割り出すための努力を。

 

めぐり「私はね、文系なんだよ?どっちにするか悩んでるなら何でも聞いてね?」

 

八幡「その前に話を聞いてくださいよ。お心使いには感謝しますから」

 

直球でお断り態勢に入っているハチ君。でも、めぐり先輩もめげない。強情さのベクトルをまちがえてませんか?

 

めぐり「あ、理系のことはわからないから答えられないんだけど、はるさんが理系だったから……」

 

は?(# ゜Д゜)

 

いろは「めぐり先輩?」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………

 

めぐり「ひぐぅ!」

 

涙目になるめぐり先輩。いい加減、ハルさんがわたしの地雷だって気付いて下さいね?

いえ、大切な仲間ですよ?だけど、それとハチ君争奪戦は話が別なんです!

 

いろは「ハチ君の進路は決まってます!ハチ君は文系一択です!」

 

ハルさんの最近の態度はますます危ない。本気でハチ君を狙うって宣言しましたし!

 

八幡「いや、いい加減、静かに仕事をしてくれません?いや、俺もそっち側だったらふざけてるかも知れませんけどね?あと、城廻先輩もいろはを刺激しないで下さい。後が怖いんですから」

 

ハチ君は黙々と仕事をしています。立場が逆なら一緒にふざけてますけど。

 

八幡「2年F組の企画申請書が出てないぞ。この期に及んでまだ出してないクラスがあったのかよ。担当者は誰だよまったく」

 

葉山「………うちのクラスの担当者は君だったと思うけど?」

 

八幡「あ?そうだったっけ?クラスの帰属意識が低すぎてすっかり忘れてたわ。元々相模が書いて出すはずだったんだがな」

 

まぁ、本物の相模先輩じゃあないですからね。

最近はこっちにも全然顔を出してないですし。何が目的なのかはわかりませんけど。

 

八幡「じゃあ、ちゃっちゃと書くか」

 

ハチ君は書類を準備すると、露伴先生並にシャカシャカ書き始める。

人数『40名』、代表者名『花京院典明』、登録名『星の王子様(腐)』、必要機材、担任名『空条徐倫(元フロリダ州グリーン・ドルフィン重警備刑務所囚人)』、図式(かなり適当)、その他記入事項(イケメン葉山を主軸にした腐の世界を全面押し!グリーン・デイ・ザ・ワールド!)をそれっぽく書き連ねて行く。

ってちょっと待ってください!自分が参加しないからって適当に書きたい放題じゃあないですか!

しかも海老名先輩は前世のおじさんの名前ですし、(腐)とか書いてますし、担任名は徐倫の黒歴史を書いてますし、グリーン・デイ・ザ・ワールドって、あの世界の龍王を呼ぶつもりですか!更に文化祭がカオスになるじゃあないですか!アーシスの人間にしかわかりませんよ!全部が全部悪意しか無いですよ!

これは不味いです!内心かなりキレてます!でも運が良いことにこの人がいました!むしろこんな時こそ出てくるべきです!

 

いろは「葉山せんぱーい!ハチ君を止めて下さい!むしろ葉山先輩が書くべきです!ハチ君のストレスが全開すぎて絶対に通らない企画を書き連ねてます!」

 

よく見たら格好が承太郎の学ランスタイルです!

アホ毛が邪魔で帽子を取っていましたから気が付きませんでした!

 

葉山「なに?ってうちのクラスの人数を把握して無いのかよ!」

 

八幡「どうでも良いからな」

 

葉山「いや良くないだろ!次に誰だよ花京院典明!」

 

八幡「いるだろ。花京院典明(海老名姫菜)

 

葉山「海老名姫菜の読み方は花京院典明じゃあない!普通に海老名の名前を書けよ!それに星の王子様(腐)はないだろ!」

 

八幡「それ以外にアレをどう解釈しろと?」

 

葉山「いや、確かにそうだけど……って、それは建前とかを上手く使えよ!」

 

八幡「大丈夫だ。本音が世の中一番だ」

 

葉山「あと空条先生の経歴の捏造はまずいだろ!また拳骨されるぞ!」

 

八幡「捏造じゃあないから安心しろ」

 

事実は事実ですけどこれはマズ過ぎです!シャレにならないですから!

 

葉山「配置図がめちゃくちゃじゃあないか!」

 

八幡「良いんだよ、それっぽく書いとけば。後で何とでも言い訳が出来る。クックックッ……海老名の野郎…嵌めた腹いせをしてやる……」

 

しっかり仕返しまで考えてますー!おじさん!ハチ君のDIOモードが全開ですから謝るか逃げてー!

 

葉山「いや、ダメだろ!それに俺を前面に出すな!俺のイメージがぁ!」

 

八幡「まぁ、頑張れ」

 

葉山「お前は俺が嫌いなのかよ!」

 

八幡「え?いや?いじくるために?」

 

葉山「ケンカうってるのか!それにこのグリーン・デイ・ザ・ワールドって何だよ!訳がわからなすぎるだろ!」

 

八幡「わかる人にはわかるぞ?」

 

いえいえ、世界の一部にしかわかりませんから!

平行世界を含めても!

 

葉山「もう良いから!俺が書くから!比企谷は文実全般の仕事をやってくれ!俺も全部を知っているわけじゃあないけど!」

 

八幡「その辺りは空欄で良いからなぁ。後で俺がテキトーに書いとくから」

 

葉山「だが断る!絶対にお前は碌でもないことを書くと断言する!」

 

正解です。

 

静「クラスの人間に聞いた方が早いか。私が行ってくるよ」

 

ジョジョ先輩は用紙をまとめると、会議室を出ていきました。これで一安心ですね。

 

八幡「適当で良いのに。ヤレヤレだぜ」

 

葉山「それはこっちの台詞だぁぁぁぁ!」

 

ホントにヤレヤレですね。

 

 

side空条承太郎

 

最近では住み慣れた千葉の町並みを俺は歩く。

闇雲に歩き回っても事態が好転しないのはわかっているが、それでもなにもしないよりはましだ。

仕事の合間を縫いつつも、俺はポルナレフの行方を探す。

 

『stand up!stand up!stand up!』

 

そんなとき、俺の携帯が鳴る。

発信者は………。

 

承太郎「俺だ…。どうした?」

 

『…………』

 

承太郎「お前は……。そうか。早速今から行く」

 

『…………』

 

承太郎「なにぃ!………そうか、わかった。だが事が事だ。ジジイと八幡には伝えておく。それで……奴はどうなってる?」

 

『…………』

 

承太郎「やはりか。その場にお前がいて助かったって訳だ。可能性は出てきた」

 

『…………』

 

承太郎「ふ……お前に言われるまでもない。あのときはお前が騙される側だっただろう?」

 

『…………』

 

承太郎「ああ。わかってる。アイツにもくれぐれも内緒にするように言っておけ。じゃあな」

 

もう遠慮をする理由がなくなった。

好きにはさせねぇぞ……。

 

「これはこれは。お久しぶりですな?空条承太郎さん」

 

承太郎「テメェは……雪ノ下家の……八幡の事故以来か?何の用事で来た?確か……立場と言ったか?」

 

元雪ノ下家の執事、都築の弟だ。確かこいつは千葉村にいなかったな。

 

立場「はい。とは言え、雪ノ下家は潰れ、今となっては流浪の身ですが」

 

承太郎「そのわりには羽振りが良さそうじゃあないか」

 

まぁ、汐華は既に終わっている。今はジョルノが汐華を引き継ぎ、徐々に解体している所だ。こいつは既に俺にとっては何の関係もない男だ。

 

立場「蓄えはありましたからな。余生の暇潰しを模索しているところです」

 

承太郎「そうか……だが、俺からは特に何も言うことはない。手出しもしなければ、手助けをすることもない」

 

立場「心得ております。今日はたまたまお会いしたのでお声をかけただけです。お互い、不干渉でいきましょう。それでは私はこれにて」

 

そう言って立場氏は一礼をして去っていった。

俺はここでこの男を始末しなかったことを数ヵ月後に後悔することになる。

 

←To be continued




はい、今回はここまでです。
承太郎の方に動きがありましたね?
今後、どうなることでしょうか?


それでは原作との相違点を。

文理希望調査を出していなかったのは雪乃➡️八幡と静

雪乃は文理選択に関しては悩んでいる➡️八幡達は本当にどっちでも良い

葉山はここで雪乃が文理系どちらも得意という➡️ここで初めて八幡達の素性を知る……が、やっていることにはドン引き

めぐりから陽乃の事を聞き、雪乃は影を落とす➡️いろはがキレる

企画申請書の内容がわからず、八幡が葉山を頼る➡️企画申請書をでっち上げる八幡に対し、いろはが葉山をけしかけて止める

八幡の格好は承太郎の学ラン

葉山が珍しくツッコミ要員。葉山相手でも性悪八幡は安定の性悪

教室に向かったのは八幡➡️静


それでは次回もよろしくお願いします。

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