ついに主人公達の直接対決が始まった!
しかし、一条承一郎は強かった!
影の巧みな扱いに億泰が!
ミスタが!
ジョルノが!
仗助が!
静が!
驚愕の二つ目のスタンドに陽乃が!
なんと、光速のルビーレーザーすら防がれ小町が!
次々と気絶させられ八幡も奥の手を使う!
ハーミットアメジストの先から現れるザ・ジェムストーン!
近距離パワー型の型破りの戦法も破られ、八幡は首から下を気化冷凍法によって氷像にされてしまう!
奥の手を隠していたのは八幡だけでは無かった!
最早勝負は決まった。
八幡は負けを認め、主人公対決は承一郎に軍配が上がった!
…あれ?何かおかしくない?
side比企谷八幡
ああ…久々に負けた。
俺は回りを見渡す。
7人とも…いや6人ともみんな完璧な気絶だ。
八幡「俺の…負けだ」
俺が負けを認めると、一条はスタンドを引っ込めて、構えを解いた。
何を油断してんだよ。
ああ、手からハーミットアメジストが出せればこっそり地面にハーミットアメジストを這わせ、背後にジェムストーンを出して金的食らわしてやるのに…
いやいや、出来てもやらないよ?
俺は負けを認めたんだから、そんな事をしたら流石に下衆だろう。
承一郎?「潔く負けを認めたか。ならば勝者の権利として聞かせてもらおう。ザ・ワールドの能力を得た本人はその先の運命を操れるのか?」
答えはイエスだな。
プッチの奴が考えるのは、誰もが自らの運命を知り、覚悟を持たせる。それが奴の理想であり、天国である。
ディオは奴等を消すことだけを考え、自分の安心できる運命を作りたがっていたみたいだが。後はただの興味本位。
しかし、勝者の権利…ね。
何を油断してんだよ。
ああ、確かに「俺」の負けだ。
八幡「フッ……」
承一郎?「?何がおかしい?」
八幡「相手が勝ち誇った時、既にそいつは敗北している…か」
承一郎?「そうだ。静・ジョースターがデラウェアで言っていただろう?ジョースター家の家訓を。八幡少年、君はジョースター家の家訓を破ったのさ。相手が勝ち誇った時、既にそいつは敗北している。確実にとどめを刺してから勝ち…『シュウウ…』」『バタッ!』
ガオン!ガオン!
承一郎「?」
あーあ。
だから言わんこっちゃない。
まぁ、俺の性格の悪さを甘く見てたのかもな。
伊達に目が腐っているわけじゃぁない。
自分の身の上に何が起こったのか理解出来ていない。
俺の足元には、両足が溶かされ両腕を消された一条が転がされていた。
八幡「相手が勝ち誇った時、既にそいつは敗北している。確実にとどめを刺してからから勝ち誇れ。やっぱり罠を見破れなかったな」
承一郎「ま、まさか!これは…」
自分の身の上に何が起こったのかやっと気付いた。
してやったり。
八幡「お疲れな、『いろは』」
いろは「ハチ君!今すぐ治療するから待ってて!?」
ジョジョの透明化を解いていろはが姿を現す。
八幡「いろは、頼む。完全に舐めてたわ。気化冷凍法とか忘れてた」
ジョジョの機転で姿を消していたいろはが泣きながらエメラルドヒーリングをかけてくる。
だが、あまり効果はない。凍傷が少し良くなったくらいだ。
完全に凍らされているもんなぁ…
これ、どうやって治るんだろう。
仗助「任せとけよ八幡。クレイジーダイヤモンド!」
え?ちょっと待って、やろうとしていること分かるから、恐怖しかないんだけど。
クレイジーダイヤモンド「ドラララララララ!」
バリンバリンバリンバリン!
クレイジーダイヤモンドで凍らされた俺の体は首だけを残して粉々に砕け散る!ギャー!
前世に続いて二度目の生首になっちゃった!
こうなったら仗助の体を奪って俺のフューチャーにしてやる!
あ、氷が取り除かれて元の体に戻った。
まあ、こうなることがわかっていたからアホなことを考える余裕があったんだけどね。
おおさぶさぶ…
承一郎「そうか、いろは。お前の事を忘れていたよ」
いろは「気安く名前を呼ばないで下さい」
八幡「俺の大事な本物を舐めるなよ?確かにいろはは攻撃面では俺達に一歩譲るが、侮られるヤツじゃぁないんだよ。集団戦で敵に回ったら、真っ先に倒すべき存在だぞ?いろはは」
静「戦いが始まる前からイーハを私が隠していましたからね。自分の相手が何人いるか、それを忘れていた。それがあなたの最初のミス」
そう、最初の段階で「8人」と言っていた段階で既にお前は引っ掛かっていたんだ。
こっちは始まる前のペラペラしゃべっていた段階で既にカードを切っていた。
ただ挑発していただけではない。
挑発していた相手に集中させ、その間にいろはの姿をジョジョが消していた。
大体、俺がボロクソに言われている時に、いつも真っ先にからかってくるこのあざといろはすが、お前を挑発している時に黙っているわけがないじゃぁないか。
ジョルノ「本当だよ。お陰で、危なかったところだけど助かった。すぐにいろはがエメラルドヒーリングをしてくれなければ、命に関わる所だったよ」
億泰「手足にナイフをしこたま刺してくれたからよぉ、逆に手足を削ってやったぜ。足は小町が蒸発させちまったから、そっちはやり返せねぇけどな。こうなっちまったら仗助でもいろはでも治せねぇぜ。オメェの兄貴以外は治せねぇかもなぁ」
完璧「な」気絶をしていたみんなが次々と起きてくる。
あ、ジョルノの奴は無言でいつも通りのポーカーフェイスだ。
俺達の第2の罠。
それは最初からお前を相手に俺達が無傷で済むはずがないと思っていた訳だから、下手をすれば致命的なダメージを貰うことは最初から覚悟していたこと。
ならば適当にダメージを受けて普通ならば気絶していてもおかしくない段階で寝た振りをすればいい。
食らう覚悟をして耐えようと思えば案外耐えられるものだし、マトモに食らっているように見せかけて上手くスタンドでガードして食らった振りをすれば簡単に騙せたりする。
ディオとの戦いの時には承太郎がナイフや銃弾を雑誌やスタンドでガードしたように。
あいつのそれは中々巧妙で、訓練の時には俺達は良くそれで負けていた。
そう、一条は「負け」を知らないくらいに強いのが逆に弱点だった。小町のルビーレーザーが強すぎて逆に弱点なように。
承太郎『いいか八幡。負けると言うことから知ることを学べ。知るというのはただ知ることじゃぁない。識ると言うことだ。どうしても負けてしまうことは良くあることだ。ならば上手く負ければ良い。どうすれば自分に被害が及ばないように負けるか、相手の策略に敗れても、相手の策略を観て、相手の言葉を聴き、相手を識ることで、どう上手く落とし処を決めるかを学べ』
八幡『承太郎は負けたことはないだろ?ガキの頃の決闘だって、普通にやってたら俺なんてあっさりやられていたはずだ。今だってこうして転がされているんだし』
承太郎『ある。戦いとはこういったものだけじゃぁない。経営や人間関係、何気ない会話での駆け引き。そんな目に見えない戦いなんていくらでもある。俺は自分が強い気になっていて、そんな戦いとかからいつもジジイに助けられていた。そういった戦いは、俺のスタンドは何の役にも立たない。スタープラチナは、そういった俺の不器用さを皮肉にも現している。ジジイのハーミットパープルが時々うらやましく思うときだってあるんだ。まったく、ヤレヤレだぜ』
一条承一郎、こいつは確かに強い。承太郎のように。
だが、あのときの承太郎の見えない戦いで敗れ続け、苦悩し、自身が負け続けた承太郎。
性格の悪い俺が、承太郎相手に勝てる気がしない。
さすがはジョセフの一番弟子だ。
ジョセフから教わったのが逃げる事ならば、承太郎から教わったのが上手い負けかた。
全員の承太郎仕込みの死んだ振り。承太郎に負け続けて鍛えられた完璧な気絶を信じてしまった。
そして、知っていただけで識っていたわけではなかった事が効いた第3の罠。
小町「ぴょっ♪」
承一郎「っ!」
小町は気絶していた振りをして倒れていた体勢のまま跳び上がった。
ツェペリさんだって不可能だぞ?それ。
小町「サンシャインルビーのアレを防げたのは見事だったよ?あんな避けかたをするなんて、あなたは将来大物になるかもね?でもね、あの一発は確認の為」
そう、ルビーレーザーを射つ際にサンシャインルビーがやる指を上に指すサイン。
一条はそれを見誤った。
俺達はお前がデラウェアで小町が屍生人達にアレを使ったのを見ていたのは察していたんだぞ?
だからアレを知っているだろうとは読んでいた。
そして、識ったつもりになったかも知れないとも思っていた。
何故なら、アレの本当の恐ろしさを識っているならば、ノコノコと俺達の前に姿を晒すはずがない。
小町がした確認は…
小町「勝手にあのサインがルビーレーザーの発射の予備動作として防御に移った感じだったけどね?」
承一郎「違ったのかい?」
ルビーレーザーに弱点はあるが、そんな分かりやすすぎる弱点なんかじゃぁない。
小町「あのサインは別にルビーレーザーを射つために必要な予備動作でも何でもないから」
サンシャインルビーは腕を組んだまま、肩のエイジャの赤石から解りやすく見えるように、赤いレーザーを上空に照射し続けた。
エイジャの赤石は波紋が流されればそれを一瞬で増幅して照射される。
そして小町のスタンドは波紋の力そのもの。
そう…
ルビーレーザーの恐ろしいところの一つは、波紋の力をいつでもどこでもどんな体勢でも、予備動作をまったく必要とせずにノーモーションで発射できること。
あのサインが必要な理由は仲間に「レーザー射つよー。どこに行くかわからないから逃げてねー」と警告する為の合図に過ぎない!
初見の人間はそれを知らずに大抵はあのサインが発射の予備動作とレーザーの溜めと勘違いする!
小町の確認はその誤認が効いているかの確認。
ついでに誤認を確実にさせるため。
それが第3の罠。
全ての罠は俺に勝利して警戒を緩めている一条に牙を剥けた。
死んだ振りをした茅ヶ崎さんを除くみんな。本当に気絶さえしなければすぐに動けるように回復してくれる見えないいろは。そして倒れたまま発射されたルビーレーザー。
一条がもし俺達の前に姿を現したら…
デラウェアからワシントンに移動していたときに決めていた作戦だった。
全てはこのときの為の罠。
承一郎「そうか…僕は聖女と仲間の絆に敗れたのか…」
ふぅ、やっと終わった…俺はスタンドをしまい、
承一郎「次にお前は『俺は負けを認めても、俺達が負けたとは言ってない』…と言う」
八幡「俺は負けても、俺達が負けたとは言ってない!…はっ!」
よく周りをみる。
スタンドをしまっているのは俺だけだ。
なにやら一条が小町を見て、小町がため息を吐きながら頷く。
小町「はい、お兄ちゃんがまた負けました。
今日はお説教ね?散々一条さんに油断大敵みたいに偉そうにしておいて、自分が油断してんじゃん。一条さんが良い人でよかったね!でなければお兄ちゃんは死んでたか、拐われてたから」
承一郎「アイコンタクトに気付いてくれてありがとう。確かに1度は、やられたよ。君の性格の悪さにね」
え?
俺はまた生首になっていた。下をみると、首から下に影で覆われ、体が無くなっていた。
承一郎「性格の悪さには性格の悪さで返してもらったよ。他のみんなは油断してなかったみたいだけどね」
目で周りを見ると、全員の視線が痛い。
え?俺以外、何かに気付いてなかったの?
それに何で彼の手足が治ってるの?
ジョルノ「言っておくけど、僕は直していない。君はまだ油断があったみたいだね」
ジョルノが無表情で見ている。
本気で怒っている時のジョルノだ。
いろは「はぁ…また承太郎に鍛え直してもらった方が良いですよ?余りにも情けないです」
いろは
静「その前にパパに鍛え直して貰って下さい」
ジョジョ
億泰「安心しろ。俺も仲間だ。俺も追い詰めておきながらやられた事があっからよぅ」
やめて、その優しさが逆に辛い!
仗助「うちのバカが失礼したな。こいつに聞きたいことがあるならば、好きなだけ聞いてくれ」
仗助はもはや他人を見る目だ。
俺を売ったし。
小町「陽乃さんの戦いを見ていたら、再生能力を持っていたことを見抜けたはずだよ。最後の最後に勝ち誇って。ジョセフや承太郎の前に小町がみっちり波紋の修行で一から鍛え直してあげる」
承一郎「あ、それ興味あるな。波紋の本場の修行を見せて貰って良い?」
小町「どうぞどうぞ♪むしろこのゴミいちゃんを破門にするんで」
え?俺いらない子?
って言うか俺どうなるの?
承一郎「安心して良いよ。首から下は空間の中で繋がっているから。妹さんからお許しが出たら、出してあげるよ」
一条はニッコリと笑った。
え?何で君達は仲良くなってるの?
仗助「とりあえず、オメェに害意がねえのはわかった。あったなら八幡は拐われていたからな。話ならホテルでしよう。案内するぜ?このバカは尋問でも拷問でも、反省するまで好きにしてくれ」
承一郎「あ、はい。ところでどうします?あの「二人」」
一条は茅ヶ崎さんとミスタを指して言った。
ミスタ?本気でやられたの?
億泰「あー、それなんだけどよぉ、あいつ昨日から戦いっぱなしだったし、ずっと運転もやってただろう?
小町のアレが決まった時に、「さすがにもう、無理」と言って眠っちまったんだよ。
ずっと無理させちまってたからよぉ、文句言えなくて」
うん。さすがにここでミスタを責めるのは間違っている。
ここまでミスタはほとんど休みなしで頑張ってきたのだから。
だったら俺も。
八幡「俺もこの戦いは頑張ったから、ここで許してもらうのは…」
小町「ダメに決まってるでしょ。破門の戦死」
八幡「ですよね?」
ダメかー…
承一郎「ふはははははははは!」
一同「お前か!下の階の奴は!」
←To be continued
はい、みなさんスッキリしないかも知れませんが、今回はここまでです。
八幡は試合に負けて、勝負に勝った。
…のにアホやりました(笑)
この戦いは前回が承一郎強さを現す無双。
今回が八幡の性格の悪さをピックアップした戦いです。
まぁ、最後の最後に勝ち誇って負けましたが。
今回のキャスト
八幡=久々のスポット。杜王町の人々とは仲良し。新技を披露。頭脳プレーで集団戦を制した…が、最後に詰めを誤り生首に。戦犯その1
承一郎&JOJO=よそ様のキャラなのに序盤はネタ要員になった下の階の人。ジョースターチームに完勝した凄い人。一人で今までお疲れ様でした!MVPその1
仗助= 序盤は説明要員。みんなの頼れる兄貴。でも…いくら作戦でいろはの回復が前提の戦いでも致命傷を放っておくなよ…戦犯その2。
ジョルノ=高速お断りを楽しみにしている?今回はMVPでもなければ戦犯でもない。
静=冷静に対処していれば勝てないまでも良い所まで削れていたのに、仗助がやられて逆上。戦犯その3…て本作主人公3人が戦犯って…。
いろは=久々に高速お断りを披露。彼女がいなければ作戦は成り立たず。彼女が意図的に空気になっていたことに気付いた人はいるか?今回のMVPその2
小町=小町の暴言語録に「破門の戦死」が加わりました。ルビーレーザーに騙されなかった人は凄い人です。
MVPその3
億泰=こういった決戦で最初に飛び出す者は大抵は相手の強さを引き立てるやられ役。ある意味ではきちんと仕事をしたナイスガイ。
ミスタ=見える部分でも見えない部分でも一番頑張った人。ホルホース戦からここまで休みなし。倒れたままで
じっとしていたら、作戦が上手くいったのを確認してから力尽きた。本当にお疲れ様でした。
陽乃=承一郎無双の際、彼の吸血鬼の力を出させた花京院的活躍を見せて力尽きた。八幡が詰めを誤ったおかげでMVPが無くなった可愛そうな人。
アラビア・ファッツ=承一郎がいたのが不運だったが、実は相当の強敵だった。彼の作戦が上手くいっていればワシントン壊滅&世界の政治が混乱、下手をしたら世界大戦にまで発展していた可能性があった。承一郎戦が始まってからは空気。事後、SPW財団のスタンド使い犯罪者対策班に回収された。
次は生首八幡の尋問回です。
生首…といったらあの名シーンですか?