side比企谷八幡
文化祭実行委員が決まり、早くも今日から委員会が始まる。当分は出社できない事を仗助に伝えに行くと、何故か怒り狂っていた仗助だったが、ジョジョのゴミいちゃんが炸裂すると精神的ダメージから正気に戻った。
やはり仗助のストッパーはジョジョだけなのはまちがっている。
仗助「あ?文化祭実行委員でしばらく出社できない?ああ、それなら徐倫から聞いているぜ?いろはもオメェらも大変だな?」
俺は机の中のファイルから月間業務予定表を仗助に渡した。
八幡「え?いろはも?てっきりジョジョの代行に入るかと思っていたのに……財団は大丈夫なのか?」
仗助「一月そこらくれぇお前らが抜けた所で仕事が滞る程うちの人材の層は薄くねぇよ」
ジョセフ「ワシやエンポリオ、ポルナレフもおるしのう。たまには学生らしいことを楽しんでこんか。小町や陽乃、康一君の昇進も近いうちに考えておったから、そろそろ業務を覚えさせんといかんからのう」
え?昇進の話が出てるんだ。
仗助「全般的にそろそろって話もあるんだぜ?オメェといろはが日本支部付の方に入ってもらって、康一が関東支部の支部長、小町がいろはのポジション、陽乃が康一のポジションって形でな。大学入る頃には戸塚と雪乃にも役職を与えるつもりだぜ?やる気と実績次第になるけどな」
おお、戸塚はキャリア幹部候補生だったのは知っていたけど、雪ノ下もキャリア幹部候補生入りしてたのか!その辺りの人事権は俺にはまだねぇから知らなかった。
ジョセフ「本音を言えば小説家志望じゃなければ材木座も財団に引き込みたかったのじゃが、こればかりは仕方ないのう」
ああ、材木座も前世の実績があるし、現世でも国公立を狙えるくらいには成績が良いからな。
財団のキャリア組の条件は国公立クラスの卒業が条件だからな。川崎も上手くいけばキャリア幹部候補生になれる可能性もある。家の事情で金が必要な川崎には是非とも頑張ってもらいたいものだ。
三浦や海老名は一般入社を考えているみたいだが。
結衣「あたしはゆきのんの秘書になるんだから頑張らないと!」
八幡「秘書の仕事って幹部候補生の仕事でもあるから簡単じゃあ無いんだけどな?」
結衣「え?そうなの!?」
当たり前だ。政治家の公設秘書とかだって後には議員になるための勉強や下積みの為の仕事なんだぞ?
秘書をなめんな。
静「とりま、話はこれくらいにして文実は今日から始まるからそろそろ行かないと行けないんだけど」
仗助「おう、行ってこい。今年は貞夫義兄さん(承太郎の父親。仗助からみたら実姉の旦那)やトリッシュや音石も参加してぇみてぇだから頼むぜ?もちろん、うちらも参加すっからよぉ。それと、徐倫のサポートもな」
は?何で徐倫が関係してくるんだ?
猛烈に嫌な予感しかしねぇんだけど…。
ー総武高校会議室ー
時刻は午後3時45分。俺は更新した脳内の業務予定スケジュールを確認した。
業務を進めていく上で何よりも求められるのは業務管理能力だ。出張や行事、会食、会議、会談、提出する書類の期限や逆に提出される書類の期限とおよそ全てを把握しておく必要がある。秘書に任せっきりなど論外だ。それに訓練やら学業の真似事やらがあるから忙しいことこの上ない。波紋の戦士でなければ過労死してるぞ。
ぼちぼち時間が差し迫って来ている。委員会のミーティングが行われる会議室へと移動。
普段は職員会議等で使われている会議室に入ると集ま
っていたのは半分ほど。
入った瞬間には「げっ!ジョースターと比企谷だ!一色もいる!」「目を逸らせ!パクられるぞ!」「相変わらずキレイだし可愛いよな……中身はともかく」とか言われて一瞬だけ水を打ったように静かになった。
奉仕部…というよりは出張所に寄っていた俺達よりも先に来ていた相模の姿もある。
元々友達だったのか、それともこの短時間で仲良くなったのか、相模は三人ほどで固まってお喋りに興じていた。
いろはの機嫌が悪くなっているのがわかる。
相模「ていうか、ゆっこも委員でよかったー。うち、なんか委員にされちゃってどうしようとか思ってたんだよねー」
相模が口火を切れば、残りの二人が反応する。
ゆっこ「あたしもじゃんけんで負けちゃったからさー」
??「あたしもだよー。あ、相模さん、みなみちゃんって呼べばいい?」
相模「いいよいいよー。うちなんて呼べば良い?」
遥「遥でいいよー」
いきなり名前呼びかよ。お前らはあれなの?アメリカ人なの?中身が欧米系の俺達はげんなりする。
相模「遥あれでしょ?ゆっこと同じ女バスだよね?」
遥「そうそう」
相模「いいなー。うちも部活やればよかったかもー。うち、クラス運なくてさ」
ゆっこ「あー。F組って三浦さんとかいるクラスだよねー」
静「あ?(# ゜Д゜)」
やべぇ、ジョジョが軽くキレた。
あの世界でジョジョは承太郎や三浦達と一緒に行動して結束を固めたからな…。三浦が悪く言われればそりゃ頭にくる。まぁ、俺も頭に来たけどさ。
相模「更にジョースターさんまでいるからさー」
いろは「あ?(# ゜Д゜)」
げっ!本人は別段そこにカチンときてねぇのにいろはが反応した!
そうだった!ジョースター家の家訓「1つ、主義や主張は個人の勝手、許せないのは家族や友人を公然と侮辱すること。他に迷惑をかけずにきっちりと殺るべし」を追加したのは前世返りしたいろは…というよりはエリナ・ジョースターだったぁ!(第2章参照)
ジョジョは家族としても友人としても一番近しい存在としてうちら比企谷家にいるしな!
いろは「ハチ君」
静「ハッチ」
八幡「待て。パッショーネの出番は文化祭が終わってからにしろ」
つまりは過ぎたらオッケー♪
冷静を装ってはいるけど俺もキレてます♪
こええな…何が怖いって自分達が敵に回したのがなんなのかを理解していないその精神性が。しまいには始末されるぞ?
ゆっこ「でも、葉山くん一緒ならいいじゃん。いつもつるんでるし」
相模「まぁね。委員も隼人くんに勧められてさー。ホントに困るんだけど」
葉山を隼人君呼びして他の女子を牽制する。
自分はあの葉山隼人と親しいんだぞアピールね。ご苦労なことで。
遥「ヤバ……ねぇみなみちゃん…」
遥が俺達に気が付いて二人に注意を促す。
相模とゆっこ(本名?興味ねぇ)は振り返ってやっと気が付く。相模はともかく、ゆっこは顔を青ざめさせる。
ジョジョがいい笑顔で手を振ると、更にゆっこと遥は顔面を蒼白にさせた。
今さら後悔してもパッショーネは確定だけどな?(処刑確定)
耳を澄ませていると、相模達以外の会話も聞こえてくる。
人が増えるたびに、そのさざ波はざわめきへと変わっていった。
中でもいろはとジョジョの二人と行動している俺へのやっかみはすごい。気に入らねーんならかかってこいや。命の保証はしねぇけどな(# ゜Д゜)
開始時刻が近付くにつれ、一人、また一人と人が増えていく。ドアが開くたび、みんなの視線はドアに向かうが、知り合いではないことを確認すると、すぐに視線は離れていく。あの視線、嫌なんだよなぁ……。特に最近は。
昔はお前なんか待ってたわけじゃあない、興味ない、そう宣言するような自然な目の逸らし方だったんだけど、最近では「げ、比企谷!」「やべっ!比企谷だ!」的なニトログリセリンでも扱うような視線に変わってきてるしな。
だが、次に入ってきた人間に対しては、まるで違った。
ドアが開いた瞬間、騒々しい雑談も一瞬止んだ。
俺達の時とは種類の違う水を打ったような静寂の中、その少女、雪ノ下雪乃は足音もたてずに歩く。消えゆく雪解けを見るように、誰もが呼吸を止めた。
ジョジョ単独でも同様の反応だが、最近では次の瞬間には「やべ!」に変わるけどな。下手に手出ししようものなら誰もが物理的に呼吸を…というか息の根を止める。
雪ノ下は俺達の姿を認めると、微笑んでからそのままこちらに近寄って来た。
俺達の近くに座るまでの間、確かに会議室は時間が凍っていた。ザ・ワールドは使ってないよ?
雪乃「あなた達も委員だったのね。心強いわ?」
八幡「聞いたぞ?キャリア組の候補に上がったんだってな?」
雪乃「そうなのかしら?待遇が正社員扱いになりそうだとは姉さんから聞いていたのだけれど」
静「ハッチ、知らなかったの?」
八幡「聞いてねぇよ。少なくともうちの支部からの推薦には名前が無かったぞ?戸塚はうちの支部から推薦したけど」
静「あ、雪ノ下は日本支部直々の推薦だからだ。ごめんごめん。すっかり忘れてた」
ああ、だからキャリアの名簿書類でも名前がなかったんだ。戸塚の方もそうだしな。
陽乃さんも去年にやっと正式に名前が載っていたしな。
俺やいろはやジョジョや小町?
ジョジョはジョースター家だから元々当主候補として認知されてるし、同じく俺たちもジョースター家の当主候補だからという事で認知されている。
八幡「それにしても意外だな。お前がここに来るなんて」
いろは「ですです。こういうのは苦手とばかりに思っていたんですけど」
雪乃「得意では無いのだけれど、今後の為に勉強になると思って……私は姉さんとは違って、研究職の道を進もうかと思ってはいるのだけど、それでも学ぶことはあるはずだわ」
そっか。雪ノ下は管理職の道ではなく、研究職の方向へ進むつもりなのか。てっきり陽乃さんと同じ管理職とかの方面に進むかと思っていた。
雪乃「四年前まで…姉さんが行方不明になるまでは、私は姉さんの後ばかり追っていたわ。姉さんが見ているものが私の見ているものだった。でも…建築の仕事に触れて、その技術を感じて、そして作っていきたいと思ったの…それが研究職に進む理由よ」
変わったんだなぁ……。親戚のお父さん(DIO)としては嬉しい限りだよ。ホロリ……
雪乃「何か比企谷君から不愉快な感じがしたわ…気のせいかしら?」
なにこの子!エスパー!?
天の声『スタンド使いは世間一般でいうエスパーだろ』
部屋の時は動き出している。誰だよ!DIOさん呼んだの!
天の声『お前がDIOさんだろ!』
DIO『ふんっ!』
遠慮がちではあるものの、潮騒のように静かなお喋りが再開されている。時計の針はもう間もなく開始時間になろうかというところ。
どやどやした会話と共に、また会議室のドアが開く。
プリントを抱え、城廻先輩率いる総武高校生徒会の面々と、続いて体育教師の厚木先生と
おいコラ徐倫(# ゜Д゜)
徐倫に対してメンチを切っていると、目があって、ニコッと微笑まれた。その笑顔は実に可愛らしく見えた。
イタズラ返しをされて、嫌味ったらしく「オホホホ!」と高笑いしているようにしか見えないが。
あのアマ……戸塚の推薦に便乗して嵌めやがったのか!
城廻先輩もこちらに気が付いてパァッと笑顔の花を咲かせた。何か癒される……。
これが材木座の言うメグリッシュ……
イタタタタ!いろは!ナイチンゲールでつねるな!
そしてジョジョに対して手招きをする。ああ、ジョジョは生徒会枠の文実参加だったっけか。
ジョジョはサングラスを頭から外してケースに仕舞うと、それを俺に預けて軽くウインクをして、前に行った。
ジョジョが前に行くと、城廻先輩が「うん!」と合図を出す。
すると、ジョジョも含めて三人の生徒が書類を各人に配布し始めた。それぞれに行き渡ったところを確認すると、城廻先輩はすっと立ち上がる。
そして指を空に掲げて…。
めぐり「それでは、アーシス、スクランブル!」
ゴンッ!×3 ドンガラガッシャン×2
俺といろはと雪ノ下が机に突っ伏し、ジョジョと徐倫がスッ転んだ。
ゴンッ!
徐倫「な、何の合図だ!城廻!」
徐倫の拳骨が城廻先輩に炸裂する。
めぐり「あうぅぅぅぅ……空条先生痛いぃぃぃ。1回やってみたかったんだよぉぉぉ……」
予想もしなかった城廻先輩の不意打ちのボケに俺達もしばらく動けなかった。それでも癒され……いえ、あなたが一番癒されるので殺気を送らないでくださいませんか?いろはすさん。あなたのフロリダでのアーシス、スクランブルが一番かっこよかったですから(4-1「真なる世界の鎮魂歌」参照)。
めぐり「くすん……それでは、文化祭実行委員会をはじめまーす」
城廻先輩は涙目のルカで皆を見渡し、それでもホンワカした号令をかけた。最近の徐倫の拳骨はますます磨きがかかって来てるからなぁ……。俺達波紋の戦士以外ではそれはそれは痛いだろう。城廻先輩も波紋の戦士だけど。
一同「は、はぁ……(何だろ…アーシスって…)」
脱力した役員達が取り敢えず居住まいを正す。
めぐり「えっと、生徒会長の城廻めぐりです。皆さんのご協力で今年もつつがなく文化祭が開催できるのが嬉しいです。それと、さっきのアーシス、スクランブルは忘れて下さい♪…え、えっと……み、みんなで頑張ろう!おー!」
城廻先輩がさっきのを誤魔化しとも思える簡単な挨拶を終えると、すかさずジョジョ達生徒会メンバーがぱちぱちと拍手をする。それに釣られるように会議室じゅうで拍手が起きた。
それにウンウンとホンワカに頷く城廻先輩。ジョジョと徐倫が「ふぅ…何とか誤魔化せた…」と言わんばかりに胸を撫で下ろす。
まぁ、いきなりアーシス、スクランブルはねぇわな…。
大丈夫か?この文化祭……。
←To be continued
今回はここまでです。長くなるので一旦切ることにしました。
それでは原作との相違点。
文実にはいろはも参加
八幡は会議室に直行した➡仗助の許可をもらうために奉仕部に1回寄った。
脳内スケジュールは自己スケジュール➡業務スケジュール
八幡はほとんどいないもの扱い➡もはや八幡と静は裏番扱い
クラス運が悪い=三浦に対して無反応…というか、八幡もある意味で同意➡チームFスタクルの結束は強い!静がキレる
クラス運が悪い=静追加。幼なじみーズの結束は強い!いろはもキレる&八幡もパッショーネでパクる気満々
相模は葉山グループにいない➡葉山グループ
総武高校都市伝説によりニトロよりも危険物扱いの八幡
雪ノ下は八幡と離れて座った(花火大会で事故の件の負い目?)➡別に八幡と気まずくなっていないので幼なじみーズの近くに座った
時間が止まるネタ➡………にはヤッパリ「ザ・ワールド!時よ止まれ!」誰だよDIOさん呼んだの…
めぐりの第一声は「それでは、文化祭…以下略」➡アーシス、スクランブル!一度やってみたかったんだ♪らしい。
↑の理由から開催の宣言は涙目で。アーシス、スクランブルは忘れて下さい♪
それでは次回もよろしくお願いいたします!