やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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☆★ゆい★☆『▽・W・▽ コンバンワンコ、サブレ、元気してる?』

八幡『元気も元気。何回髪の毛むしられかけたか…』

☆★ゆい★☆『だから顔文字ないと怒ってるみたいにみえるし(`・ω・´)』

八幡『そんなん気をつかわねぇっつーの。つーか、これどうすんの。なんか気を付けることとかねぇの?長所とか短所とか知っとかないと対処に困る。まぁ大体わかるけど』

☆★ゆい★☆『長所……。胴('・ω・`)?』

八幡『ジョジョに聞くわ。じゃあな』

☆★ゆい★☆『待った待った!今のなし!(゜д゜|||)』

八幡『じゃあ短所は?』

☆★ゆい★☆『足(⌒0⌒)/』

八幡『ジョジョより通達。旅行から帰ってきたら東方家に顔を出すように』

☆★ゆい★☆『またマンツーマンでの鬼の勉強会Σ( ̄▽ ̄;)イヤアアアアア(。>д<)』


第5章ー1星と共に輝く「現れる元凶。花火大会編」
大志の相談


side比企谷八幡

 

夏休みの昼下がり。

仗助の車に乗って千葉本部の地下駐車場に到着する。

一緒に乗ってきたジョジョと三人で日本支部の中を歩く。社員たちが挨拶してくるなか、「おう」とか「お疲れさん」とか言いながら仗助はエレベーターへと乗り込む。

 

仗助「で、サブレの様子はどうなんだ?」

 

八幡「まぁ、動物組と楽しそうにジャレていたよ。元がイギーとは思えないくらいにな」

 

静「あっちでだいぶ暴れたからね。しばらくゆっくりしたいんじゃない?」

 

みたいだな。ホントにありがたい事だ。うちにいる間は極力構ってやろう。

最上階の支部長室へと向かうと、そこには……。

 

沙希「あ…」

 

長く背中にまで垂れ下がり、1つに纏められている青みがかった黒髪。人目を引く、しなやかな長身。やる気無さそうな足取りでサンダルを地面に擦らせているその女の子は隣のエレベーターから出てきたところを俺達と鉢合わせ、足を止める。

 

沙希「あんた、今出勤なんだ」

 

眠たげな声とともに、温度の低い視線が投げ掛けられた。不機嫌そうな瞳の下には泣きぼくろがある。

 

八幡「川……川……川……ウッペリさん、お礼を言っておきます。ありがとうございます」

 

沙希「名前を忘れた挙げ句にウッペリさんって……あんたはお礼を言う気があんの?」

 

ですよねー。

 

沙希「まぁ、こっちも恩を返しただけだから。あんたらのお陰でスカラシップも取れたし、ジョースター家との縁も出来た。大志やけーちゃんとも上手くやってるから」

 

大志と上手くやってるって…

 

ポン♪

 

八幡「ようこそ、千葉の兄弟の世界へ」

 

沙希「あんたの想像している内容とは絶対に違うから、その謎の世界にだけは絶対に招待されないから」

 

なんだ……違うのか。てっきりそれだと思っていたのに。

 

八幡「や、まぁ、スカラシップ取れたのはお前の力なんじゃあねえの?で、お前はこんなところで何してんの?スカラシップ取れたんならこんなところでウロウロしてないで予備校に行けよ。せっかく取れたんだから」

 

沙希「今日の夏期講習は終わったよ。ここには仕事に来たんだよ。今日はついでに差し入れを持ってきたんだ」

 

アルバイトも夜のバイトから財団の仕事に変えたと聞いている。専門分野の仕事を手伝うだけで勉強にもなるし、将来やりたい仕事が見つかるかも知れないというのは三浦や海老名の見解だ。川崎もそれに倣いたいらしい。

幸い前世がイギリス貴族だから英語はバッチリだしな。

 

沙希「そう言えば大志があんたや小町に稽古を付けてもらいたいみたいだよ。後で時間とれる?」

 

八幡「構わんぞ。な?ジョジョ?」

 

静「そうだね。お兄ちゃんはどうする?」

 

仗助「俺も付き合うぜ。せっかく波紋が使えるようになったんだから、練度を上げておくに越したことはねぇ。ジジイの修行仲間と切磋琢磨するのも良いかもな。おめえからも手解き受けてぇしよ」

 

そう言うと川崎はふっと笑顔になった。そういう表情も出来るんだな。

 

沙希「じゃあ、仕事が終わったら連絡してよ。あたしも付き合うからさ」

 

そう言って川崎は持ってきていた包みを俺達に渡すと、エレベーターで降りていった。中身はお茶請けに丁度良さそうな草餅だった。渋い趣味だな…。

 

キングクリムゾン!

 

夏の決算の書類を作り終わり、仗助に提出し終えた後はそれに基づいた冬の業務方針の決定や上げられている業務予定やイベントについての見積もりを取捨選択したりとやることは多い。その取捨選択した上での決定を報告にまとめ、次の日本地方支部長会議で発表。そこでの会議結果によって予算が決まるため、手が抜けない。

いくらジョースター優先の気質が強いSPW財団でも、それはそれ。仗助やジョジョも業績に関することは私情を挟まずシビアに審査する。

そこで各地方支部の予算が決まれば今度は俺の権限で各部門と県支部への予算を配当し……と、俺の年代でやるような仕事では無いことをやっている。

 

静「ハッチ、終わりそう?」

 

八幡「まぁまぁだな。うちは杜王町の有名人やイタリア支部と関係が良好だから広報に関することが強いのが助かるな。陽乃さんや康一さんがいるから建設部門が強いのも強みだし、いろはのお陰で医療部門の発展もめざましい」

 

ジョルノ「その上、君の営業手腕も加わってね。さすがはジョースターさんの秘蔵っ子が集まる日本支部だよ」

 

個人的には東北支部の川尻さんや輸送力で随一を誇る噴上さんも引き入れたいところだけどな。でも、それは望み薄だろう。

それに、相互発展の為に競争をしている形にはなっているが、その為に潰し合いをしていても意味がない。

まぁ、今日の仕事は大体終わりか?

後は完成した資料をいろはに見てもらって支部長会議までに終わらせれば良い。

 

そろそろ良い時間だ。…と思っていると、川崎が入ってきた。

 

静「お、お疲れ。もう行く?」

 

沙希「ええ。みんな下に集まっているっていうからさ、訓練室に」

 

八幡「了解。あいつと小町を一緒にできるか」

 

沙希「あたしとしてはいっそそっちが良いんだけど」

 

………気持ちは理解できる。

変なところで似た者同士だな。

移動の間に予備校についての話を聞く。

 

沙希「まぁ、あんたらや空条博士の勉強も為にはなるんだけどさ。やっぱり受験合格のためのスペシャリスト集団って感じで無駄が無いのが良いところだよ。勉強するべき的を絞れるのが強みだね」

 

川崎のように本気で進学を目指している人間は高2の段階で対策を開始しているのは俺も知っている。川崎は高2を対象とした夏期講習に参加していたようだ。

とはいってもまだ高2。まだ余裕がある雰囲気のようだ。ちらりと覗いた高3の講習はピリピリしていたらしい。

 

八幡「国語と英語ってやる意味あるのか?前世がイギリス人で現世が日本人のクセに?」

 

沙希「これだからバイリンガルは…。会話ができても学問として習得しているのとでは意味が違うでしょ」

 

八幡「それもそうか」

 

沙希「まぁ、そういうのを受験に絞って教えてくれるのが予備校だしね。中学の塾とは大違いだよ」

 

八幡「どちらも行ったことがないからわからん。身内が講師だったしな」

 

朋子さんとその仲間の家庭教師さん達、マジスーパースペシャリスト。そりゃ、それらを極めた人達だもんな。

 

沙希「東方先生でしょ?あの人はマジで教えるのが上手いもんね。で、中学の塾ってさ、学校の成績の強化も視野にいれているんだよ。学校別に分けたりするから学校の延長線みたいなものだし、講師も生徒と仲良しようとするからそれがちょっとね」

 

あー…わかる気がする。俺もそれは苦痛だわ。川崎はそれに嫌気が差して上のクラスを目指し、上のクラスに見合った講義の練度と習熟度の高い生徒で充実した勉強の環境を手に入れたとのこと。

まぁ、仲良しを理由に努力を放棄した人間がカップルを作り、同じ高校に行こうと言っていた。いざ、同じ高校に入学したら2ヶ月持たずに別れたという風の噂(主に小町から聞いた)で聞こうものならジョジョやいろは達と共に大爆笑したものだ。これだから薄っぺらい人間関係なんてものは……。

俺達?互いの背中を命懸けで守り抜いている相手が薄っぺらくてどうすんの?そんな言い訳の方便や欺瞞に満ちた優しさなんて必要ない。

その点、予備校のシステムは良い。生徒に適度に不干渉で生徒同士も互いに無関心。受験に関する不要なプロセスは全て排除されており、効率面に関しては最適化が図られている。

平塚元先生なんかは授業は中々のものだったらしいからそっちの方面では向いているかもしれない。

もっとも、そんな予備校の中でも葉山みたいな連中はいるようで、休憩時間とかではやかましくご歓談する連中もいるようだ。

ま、人それぞれだからどうでも良いがな。

 

沙希「そういえば雪ノ下も講義を受けていたよ。家の事で大変だってのに頑張るね」

 

八幡「アイツは今が楽しいんだよ。だから努力する。知ることがこの上なく楽しいんだ」

 

沙希「イメージだけで決めつけていたけど、接してみなければわからないものだね。環境が雪ノ下を強くしたとも言えるけど。だからこそ、守りたいね」

 

そうだな。だけどアイツの場合は守られるよりも、自己防衛をする手段を知ろうとするだろう。奉仕部の理念である魚を与えられるよりも、魚の取り方を教えて貰いたいと思うはずだ。

あ、雪ノ下と言えば…。

 

八幡「ああ。あ、そうだ川崎」

 

沙希「ん?」

 

俺はかねてより考えていたことを伝えることにした。

 

八幡「雪ノ下に波紋を修得させられないか?」

 

沙希「………確かに雪ノ下さんの才能を見ると適正があるかも知れないけどね。こればかりは才能に左右されるから。ジョセフの子孫達があまり適正が無かったみたいにね」

 

確かにな。仗助がちょっと高い程度で承太郎は適正はあったが授業はしなかった。ジョルノは皆無だったし徐倫もあまり適正は無いらしい。

あいつらが例外だっただけなのかも知れないな。

 

そうこうしているうちに訓練場に到着した。

地下に作られているから陰気な雰囲気は否めないがな。

 

小町「あ、お兄ちゃーん♪」

 

トテテテテテ♪抱き。

おー、小町。今日も可愛いな。

 

大志「ねぇちゃーん♪」

 

沙希「波紋疾走(オーバードライブ)

 

大志「ぶへらぁ!」

 

小町が俺に抱きついた流れで川崎に抱きつこうとした大志が波紋疾走を食らって吹っ飛ぶ。

 

沙希「大志!あんたは姉離れしろといつも言っているでしょ!」

 

大志「ううう……お兄さん。シスコン成就の秘訣を…」

 

おう……相変わらずだな。異世界でも川崎の異世界同位体に対してプロポーズしたみたいだし……。

 

八幡「ははははは。そんなのがあったら全力でフラグを折りまくっているわ!こっちもどうすれば良いのか手詰まりなんだよ!あとお兄さんって呼ぶな。俺はエンポリオやンドゥールじゃあないと認めん!殺すぞ」

 

小町「どうすれば良いのかなんて簡単だよ♪受け入れれば良いんだよ♪千葉村の時みたいに♪」

 

あれは気の迷いだったんだ!運命が俺を迷わせていたんだ!

 

沙希「ちょっと、うちの弟になにケンカ売ってんの?ジョジョと言えども許さないよ?」

 

俺の隣に立つ川崎がものすごい殺気を放つ。

川崎……お前は弟をどうしたいんだ?ドンパチは御免だぞ?お前はあのツェペリさんだから簡単にはいかないしな。

 

ジョセフ「おう八幡。どうやらシーザーはお前さんに何か聞きたいことがあったようじゃぞ?」

 

先に修行着に着替えて待っていたジジイが言ってくる。

 

八幡「聞きたいこと?修行したいんじゃあなかったのか?」

 

仗助「それはついでみたいだぜ」

 

八幡「ついで?まぁ、良いけど…で、何?」

 

大志「それなんですけどね、総武高校の事を聞かせてほしくて」

 

しょっちゅう来ているじゃあないか。奉仕部に。

 

八幡「いや、それこそお前の姉やそこのジジイに聞けよ。俺なんかよりも聞きやすい相手だろ。それに、わざわざ聞かんでもお前、一学期後半は入り浸っていただろうが」

 

大志「やっぱり同年代の男の視点から意見を聞きたいんですよ」

 

何故か大志は拳をグッと握りしめていた。なんでこいつはこんなに気合いを入れているんだ?

が、そんなにパッショーネ全開で聞かれたところで大した答えは出てこない。

 

八幡「別に特殊なことはねぇよ。多分、どこの高校もそうそう変わらん。強いて言えば奉仕部の存在とジョースター家が半ば私物化しているくらいじゃね?」

 

沙希「その段階でかなり特殊だと思うけどね」

 

…………ですよねー。

まぁ、ブラッディ・スタンドの件が片付いたからジョルノとか承太郎とかは活動拠点を日本支部に移すみたいだから、一学期の賑やかさは無くなるだろう。一応はジジイが総武高校に残るみたいだが。

ウルフスは自分達の尖兵を倒した千葉をまず狙って来る可能性が高いとみて、まだアメリカやイタリアには帰る気はないようだ。少なくとも今年度一杯までは。

 

小町「そうだよね。まぁ、奉仕部関係者は置いておくとして、普通の高校とあまり変わらないかも。ヤンチャしている人は偏差値が上がるにつれて減ってくとは思うけど。それでもヤンチャな子供とかに憧れる人はどこの高校でも必ずいるからね」

 

八幡「例えばこれとか?」

 

沙希「人を指差すな。マナー違反でしょ。それでも元紳士なの?あと、憧れていないから。その最終到達点がパッショーネでしょ」

 

ボキッ!

指を折るなぁ!コォォォォォ……

波紋の呼吸で自己治癒させる。やめろよ……吸血鬼じゃあないんだから……痛いものは痛い。

 

八幡「要するにだ。中学の時と人種の構成比率が変わるだけだ。そんで、みんな高校生っぽく振る舞うようになるから面倒くさくなる」

 

大志「はぁ……っぽくっすか」

 

大志が要領を得ない様子で首を捻る。

 

八幡「お前が何を期待しているのか知らんが、結局はフィクションによくある高校生に憧れてそれに近付きたくて演技している。そんなうすら寒いもんなんだよ。大半はな」

 

1つ。高校生たる者、彼氏彼女がいて当たり前。婚約者(いろは)がいる俺には関係ないが。

1つ。高校生たる者、多くの友達に囲まれてバカ騒ぎをするべし。それを通り越した面倒事をジョースター家と結託してやっている俺が言うのもなんだが。

1つ。高校生たる者、ドラマや映画のような高校生然と振る舞うべし。俺達は高校生ドラマではなく、ヤクザ映画や異能バトル映画のような高校生然と振る舞っているが。時々昼ドラ。

上の条文に背くものには切腹を申し付ける。ただし俺達に切腹を申し付けたら逆に縛り首にするが。介錯なんて慈悲深い事はせん。

 

みたいな?

言ってみれば新撰組、特に土方歳三なんかの士道原理主義者は純粋には武士ではなかったが故に武士らしさに憧れたのと似たようなもんだろう。

理想と現実を擦り合わせようとしたら、どこかで無理をしなければならない。

ちなみに不良がヤクザに憧れたのならば俺達は嬉々としてジョルノに紹介したのは言うまでもない。次の日には現実を知って真人間になっていたが。

例えば男子がモテるために、女子のご機嫌窺って七面倒くさいメールを送ったり、ここぞとばかりに奢ってみせたり、大きな声で騒いで存在をアピールしたりするものだ。本当は大人しい性格かも知れないのに。

一度露伴先生のヘブンズ・ドアーで素直になれとやってみるかな?露伴先生ならリアリティー追求のために喜んで協力してくれそうだ。

あるいは、女子が友達と仲良くする為に、イケテる(笑)ファッションに身を包んだり(ジョジョ曰く、個性の欠片もない!)、数あわせの合コンにわざわざ出かけたり(いろは曰く、ただの時間の無駄遣い)、最新のJ-POPをいそいそと聞き込んだりするもんさ(小町曰く、古かろうが新しかろうが好きなものを聞けばいいじゃんか)。ホントは清楚で乙女チックな趣味かも知れないのに。……あの男の娘のように。

それでも、そうやって努力するんだ。『普通』から外れたくないから。『みんな』の価値観から離れたくないから。ぶっちぎりで普通じゃあない俺達はやりたい放題だけどな!

 

大志「うっ……なんかイヤなこと聞いたっす」

 

安心しろ。お前も既に普通の範囲からはかなりかけ離れているから。開き直りや諦めが肝心だぞ?

 

八幡「まぁ、お前がそんなものに左右されるとは思わんけどな。元ラテン人」

 

どっちにしたって大変だがな。

 

小町「おっと、いつまでも喋ってないで、修行着に着替えないとここに来た意味が無いですね。沙希さん、行きましょう♪………今日こそ一方的にボコってやる」

 

少し重くなった空気を切り替える為に小町はルンルンと鼻歌混じりに更衣室へと向かう。かなりの私情もふくまれているが。

 

沙希「それはこっちの台詞だよ。パワーばかりではなく、テクニックの重要性をその身で解らせてあげるよ」

 

川崎もその顔に闘志を浮かべて同じく更衣室へと向かう。力のリサリサと技のツェペリ……見物だな。

 

八幡「俺達も着替えるぞ」

 

大志「あ、はい」

 

俺と大志も修行着に着替え始める。今日はジジイも仗助もいるから訓練が捗りそうだ。

 

八幡「とりあえず、環境が変わってもお前が変わるわけじゃあない。高校に入れば何かが変わるという幻想は抱くなよ」

 

重要な事は、変わるのはあくまでも自分の意思で変わること。大志は環境でフラフラ変わる程度の奴ではないと思っている。

 

沙希「大志、あんたはまず受かることを考えな」

 

八幡「難しそうなのか?」

 

沙希「正直、今のままだと厳しいね。だから勉強しろって言っているのに」

 

尋ねると大志の代わりに川崎が答える。

 

小町「大丈夫だよ大志くん。大志くんが総武高校じゃなくて小町と別の学校に行っても、小町はちゃんとお知り合いでいるよ。何があってもお知り合いだよ!」

 

大志「弟子ですらないんですね。相変わらず」

 

小町「うん。絶対お知り合い。霊長類ヒト科オシリアイ♪」

 

止めを刺しやがった…。男としては同情を禁じ得ない。

 

八幡「まぁ、その、何。目的っつーの?なんのためにその高校いくかハッキリすりゃ頑張れるんじゃねぇの?」

 

俺が言うと大志が顔をあげた。

 

大志「目的っすか?」

 

八幡「ああ。高校の話ではないけど、俺の場合はブラッディ・スタンドとかウルフスを倒すために強くなろうとした。総武高校に入学した理由も雪ノ下を誘き出すために入学した。全ては目的の為に」

 

小町「小町はそんなお兄ちゃんのサポートをするために総武高校に入学しようとしたんだよ♪サポートが無くてもお兄ちゃんがいるから総武高校にはいっていたけど」

 

八幡「小町……」

 

俺は小町を撫でる。

 

大志「姉ちゃんも、あったの?」

 

問われた川崎はポリポリと頬を掻きながらそっぽを向く。

 

沙希「あたしは…あたしの事は別にいいでしょ」

 

しばし考える様子を見せたが、ふいっと顔を背けた。

だが、その理由は察しがつく。それが大志に伝わればモチベーションにも繋がるんだろうな。

 

八幡「まぁ、学費が少なくて済む国公立を狙うならうちの高校、それなりに優秀だからな」

 

沙希「ジョジョ!余計な事を!」

 

ジョセフ「普通はわかりそうなもんじゃがのう」

 

川崎が慌てて俺を睨み、ジジイが突っ込む。

大志はきちんと受け止めたようで、うんと一度小さく呟く。

 

大志「そっか…」

 

きっと色んな理由がある。

川崎だけでなく、他の奴にだって。

なんとなく選んだ奴だっている。ここしかないと決めてきた奴もいる。

前向きで清々しい答えばかりだけじゃあない。後ろ向きだったり、俺達のように血生臭い理由だったとしてもそいつが決めたことなら良いんだと思う。

 

大志「決めました!俺、総武高校いきます!」

 

大志はどこかスッキリした表情で俺に告げた。

 

八幡「ま、頑張れ」

 

俺は本心からそう言った。

 

仗助「じゃ、そろそろ始めようぜ。修行をな」

 

ジョセフ「これだけの面子じゃ。実のある訓練になりそうじゃな。○○○○オン!」

 

ジジイがみるみる若返る。

…………あの世界の装備、返してねぇのかよ。

 

←To be continued




今回はここまでです。川崎兄弟の近況です。


それでは原作との相違点。

八幡は予備校へ行った➡八幡の学歴でそれはないので会社へむかった。

沙希とは予備校で会う➡予備校から直でバイトに来ていた会社で会う。

川崎が大志の名前を出して八幡が殺気を醸し出す➡大志のシスコンは静や小町クラスと知っているのでなんとも思っていない。「ようこそ、千葉の兄弟の世界へ」♪

川崎は八幡をサイゼに誘う➡修行に誘う

予備校のシステムと塾の違いを八幡の経験で語る➡八幡は予備校にも塾にも通ったことがないので川崎の経験談に差し替え。

八幡のシスコン発動、川崎はドン引き➡末期のシスコン、ブラコンな弟と妹ににシンパシーを感じている。

川崎の誘いをアレがアレで断ろうとする八幡➡八幡屈指の名言が使えなった………だと?

川崎は雪ノ下を敬遠➡微笑ましく見守っている

小町は軽く八幡に挨拶➡小町は八幡に抱き付き、大志は沙希に抱き付こうとしたが波紋で殴られた。でもやっぱりブラコン。

総武高校は偏差値が高いだけの普通の高校➡一部が果てしなく特殊な高校。全部八幡とジョースター家のせい

大志はカワイイ女の子に興味津々➡超絶シスコンの為、丸々カット

小町の大志への評価は霊長類ヒト科オトモダチ➡霊長類ヒト科オシリアイ

大志は小町に惚れている➡師匠の転生なので尊敬はしているが、惚れてはいない。

それでは次回もよろしくお願いいたします。

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