やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

28 / 731
前回までの八幡の冒険!

食事中に襲撃を受けた億泰とミスタ!
相手は皇帝の暗示を持つエンペラーのホルホースと謎のゾンビ軍団!
ミスタはホルホースとガンマン対決へ!
当初、弾の装填などのスタンド能力の違いに苦戦するミスタだったが、ミスタとホルホースのスタンド能力とは別の資質が勝敗を分けた!
もう少しでホルホースを倒せる所まで追い詰めたミスタだったが、謎のゾンビの乱入により取り逃がす!
一方、ゾンビ軍団相手に億泰は善戦するも、人間を遥かに凌駕するゾンビに敗北を覚悟する!
そこに逃げ遅れた人がゾンビの目の前に!
億泰はゾンビを自分に引き付け、自らが犠牲になる!
目の前で無関係の人間が死ぬのを見るくらいなら、自分がその盾になる!
億泰の魂の叫びが木霊したその時、ゾンビ達は影に包まれ消えていった。
そしてホルホースは一般人を人質にとり、億泰とミスタに身動き出来ないようにする
もはや絶体絶命か…そう思われたとき、再びゾンビが現れ、億泰達に加勢した!
人質がなくなったホルホース。
ミスタ「下衆に成り下がったヤツってのはよぉ、何をやってもしくじるらしいぜ?アリアリアリアリアリアリ!アリーベデルチ(さよならだ)」
ブチャラティの代わりに決めたミスタはホルホースを蜂の巣にして戦いを終えた!
八幡たちのニューヨークからフロリダまでの日本列島分の旅は、まだまだ続く!
コラボ主人公もまだ追ってくる!さて、どうなる?


静かに比企谷八幡は恐怖する

side比企谷八幡

 

ニューヨーク市マンハッタン区セントラルパーク前のプラザホテル。

数々の映画にも登場し、日本で有名なところだと「ホームアローン2」のメイン舞台となったホテルだ。

ホルホースの襲撃があり、億泰さんは重症を負ってしまった。

傷はすぐに治せるが、大事をとって今日は宿泊することに決めた。

そこでジョルノは億泰さんの治療をしている。

 

億泰「ああ!ジョルノ!もっとやさしく!そこはダメ!ダメ!ダメッ!ダメッ!ああ!やさしくしてやさしく!服をぬがせないでッ!感じる!うああああダメ!もうダメ~~ッ!」

 

マライアと戦った飛行機の中で、億泰さんに抱きつかれていたミスタさんみたいな事を言っている。

しかし、ジョルノは止めるつもりは毛頭ないらしい。

ジョルノの手当ては体のパーツを作ってはめ込む治し方。

治療とは違し、痛みを伴う。

そもそもただ治すのならばジョルノよりも仗助やいろはの方が適任だ。

何故、ジョルノが手当てをやっているのか?

 

ジョルノ「ダメです。自分の命を軽んじた罰です。

今日現れた敵が、あなたの叫びに何の心も感じない人間だったら、どうするつもりだったんです?

ミスタがいなかったら?護衛のあなたが逆に護衛対象に助けられるってどういうつもりですか?

どちらかと言えば友達同士で旅しているようなものですが、これは一応は仕事ですよ?

仕事舐めてます?もしもこんな失態が続くようならば…あなたはここにおいて行く。

つまりクビです」

 

要は説教するためだ。

体罰とは思わないで下さいよ?治療のついでにお話しをしているだけなんですから。

と言うのはジョルノの言だ。

怖いよジョルノ…あと怖い。

 

億泰「分かった!悪かったから仗助と代わってくれぇ!痛くて耐えられねぇんだよぉ!」

 

仗助「ここまでジョルノにいじられてるんじゃよ、俺は却って手をつけねぇ方が良いんじゃぁねえの?

オメェにもいい薬になると思うしよ」

 

親友である仗助も、今回のお仕置きには賛成のようだ。

ミスタさんの報告にあったスケルトンゾンビが何者で、

何の意図があったのかがまったく見えてこない。

今回、億泰さんが無事に済んでいたのは本当に運が良かっただけだと思う。

 

八幡「今回、現れたのは概略は屍生人だと思う」

 

小町「屍生人?ジョージを殺した奴だよね?

じゃあ吸血鬼が絡んでるってこと?

陽乃さんの肉の芽の事もあるし」

 

小町の目が怒りに染まる。

そうか…ジョージと言うのはエリザベスの旦那さんだったな…。

 

八幡「それが何とも言えねーんだ。ただ、敵の親玉が本気じゃぁ無かったのが気になる」

 

そう、本気ではない。ミスタさんや億泰さん程の者が苦戦したというのに?と皆が思うかも知れない。

だが、屍生人から攻撃を受けた割には、二人はまだ「軽症」すぎる。

吸血鬼本人ほどではないにせよ、屍生人も動いている船のエンジンシャフトの柱を腕力で止めることが可能なくらいには怪力だ。

億泰さんが5人の屍生人にタコ殴りされていたのなら、この程度で済んでいない。

明らかに手加減されている。

それに…

 

八幡「屍生人は屍生人を作る。

ディオとジョナサンの戦いの時、ディオは村を1つ丸々屍生人に変えているんだ。

ねずみ算式に増やしまくってな。

けど、今回は二人を襲ってくるだけで何も無かったのがな…」

 

屍生人達は二人を襲うだけで、一般人には手を出さなかったらしい。

それどころか人質をとっていたホルホースから救いだしたとも聞く。

 

八幡「敵が本気だったら今頃はニューヨークはゴーストタウンだ。

噛まれたハズの億泰が屍生人化していないのも気になるしな。

もし、敵が本気だったら今頃は億泰さんは…」

 

俺は言葉を溜める…もし屍生人が本気だった時の危機感を持って貰うために。

 

億泰「…ゴクリ…どうなるんだよ…気になるじゃんかよ」

 

八幡「その場で屍生人となって灰になってただけですよ。太陽から身を守る術が無くて。

つまり、そんくらい今日の億泰さんがやった事ってのは立派でしたが危なかったんですよ。

言っておきますが、これは脅しでも何でもありません。純然とした事実です」

 

億泰(ガタガタガタガタガタガタ)

 

億泰さんは下手をしたら死んでいたという具体的な根拠を聞かされ、ガタガタ震えだした。

それぐらいの恐怖はもってもらいたい。

恐怖を持たないことと、恐怖を支配するとでは意味がちがうのだから。

 

いろは「でもハチ君。屍生人は最後は億泰さん達を助けてくれたんですよね?味方ではないんですか?」

 

八幡「だったら、ここまで億泰さんをボコらねーよ。

例え仲間同士でも、美学に反すれば見捨てる…なんてのはアニメとかではよくある話じゃね?」

 

今回、屍生人の親玉の行動に一番しっくりくるのがこれだと思う。

 

八幡「ましてや、俺達みたいに強い縁で結ばれている仲間同士ならともかく、ただの利害一致だけの仲間同士ならば価値観の違いとかで案外敵味方なんてあっさりひっくり返るまである」

 

静「ハッチ…顔が真っ赤ですよ?恥ずかしいのなら言わなければ良かったのに…」

 

うるさいっての!

やばい、めっちゃハズい…普段は絆とか絶対に言わん!

それも、俺達の絆とか、後で布団の中で悶え転げる自信がある!

まあ、それはそれとして…

 

八幡「俺の結論として、現段階ではいきなり現れたり消えたりする、骨のプロテクターの中身が太陽の光を浴びると灰になる、屍生人の特徴をもったゾンビの敵が現れた。

判ってるのはこれだけだな。

屍生人の親玉の美学にホルホースが冒したから見限られただけなのか、何かプッチ一味とは別に俺たちを攻撃する目的があるのか、それとも単純にゲーム感覚で俺達を舐めきっていたぶっているだけか…」

 

八幡的には3番じゃなければいいな♪

だって、いきなり現れたり消えたりするだけでもチートじゃん?

そこに屍生人が無尽蔵に現れるってなに?

舐めプなのに億泰さんとミスタさんを追い込むなんてなに?

これで本気で来られたら勝てんのかな?

いや、無理っぽくね?

波紋の戦士が3人しかいないし。

 

勝てるかな?勝てないかもね?勝てないよ!」

 

小町「お兄ちゃん…全部声に出てるよ…」

 

八幡「え?どこの辺りから?」

 

いろは「そうだね。八幡的には…からかな?」

 

普段はあざとい敬語のいろはすら素で返してきた。

 

ジョルノ「八幡…君は勇気があるのか無いのか…」

 

普段は飄々としているジョルノにすら呆れられてしまった…

 

静「ヤレヤレですね…」

 

 

 

side綾瀬絢斗

 

95号ストリート沿いにある、ニュージャージ州のはずれで路駐しているトレーラー。

重機の運搬用のトレーラーの運転席の中で、私はシートを倒していた。

明日、やつらはこの道を必ず使う。

ニューヨークからフロリダまでの最短の道だからだ。

 

少年「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ‼︎!」

 

ク○ガキは読んでいた雑誌を顔に被せ、アイマスク代わりに使い、iPodみたいな機械から伸びたイヤホンを耳にして仮眠を取っていたかと思ったら、いきなり爆笑し始めた。

どうせ日本の下らない「ラクゴ」とか「マンザイ」とかいう寸劇か何かの類いだろう。

 

絢斗「おい、アンタ!起きているなら次の作戦の打ち合わせでもするぞ!

次の作戦は、このトレーラーを奴等の車をデラウェアメモリアルブリッジでぶつけてやれば良い。

あわや潰されると思えば、奴等は勝手に車を乗り捨てて脱出するだろう。

その後はデラウェア州側の川岸にいるこの男に、汐華から譲り受けたこの肉の芽を渡せ。

アンタはそれだけで良い。

わかったな?」

 

ガキはイヤホンを片方だけ外して雑誌を顔からどかす。

 

少年「俺なら完全にぶっ潰すことが出来るが、良いのか?」

 

絢斗「ターゲットのガキまで殺してしまってどうする?我々の使命はあのDIO様の生まれ変わりとかたわ言をぬかす、比企谷八幡を生きて捕らえる事だ。

殺すのは有象無象のジョースターだ。

わかったか?この土畜生が」

 

少年「いいだろう、アンタに従おう。だが、肉の芽は俺も作れるが、わざわざ貴重なそっちを使うのか?」

 

クソガキはそう言って肉の芽を自作する。

 

絢斗「貴様のは使わん。貴様は信用できん。

どうしてもと言うのなら、貴様にこの肉の芽を使ってからだ」

 

少年「ならいい。そんな物つけるぐらいなら頭に弾丸をブチ込まれる方がマシだ。それだけやれば、後はゆっくりして良いんだな?」

 

絢斗「ああ、それだけで良い。後は寝ていろ」

 

少年「いいだろう。後は寝かせて貰うぞ。俺自身はな」

 

そう言ってクソガキは再びアイマスク代わりに雑誌を顔に被せ、再び仮眠体勢に入った。

 

少年「しかし、そんな綺麗な見た目に反して、アンタには美学というのがないな?DIOって奴は美学は一級品だと聞くが、部下だったというアンタのやり方はとても醜い」

 

言いたいことだけを言い、もう話は終わりだと言いたげに外していたもう片側のイヤホンを付け直し、ガキは自分の世界に入った。

 

絢斗「ふん、自分の方がDIO様を理解しているとでも言いたげだな。どこまでも生意気な」

 

少年「…………」

 

本当に肉の芽を埋めてやろうか…そんなことを考えていると、ガキは自分が作った肉の芽を、何かの力で煙にしていた。

やれるものならやってみろ…とばかりに。

 

 

side比企谷八幡

 

ジョルノ「ところで仗助さん。車の方の手配は?」

 

仗助「手配はできているぜ。ただよぅ…」

 

陽乃「ただ?どうしたの?」

 

仗助「借りれたのがこれなんだわ…」

 

仗助がカタログを出した。

 

静「こ、これって…」

 

ミスタ「マイクロバスゥ?たった9人でか?」

 

仗助「ああ…十人用くらいの頑丈なミニバンかキャンピングカーで良いって言ったんだがな…経費の無駄だし、最悪敵の攻撃とかでスクラップになるから…」

 

小町「うわぁ…しかもただのマイクロバスじゃぁなくてレジャー用の、カラオケやら冷蔵庫やら色々な機能がついてるほとんどキャンピングカーみたいじゃん…今回の旅では無駄だよねぇ」

 

仗助「たまぁにSPWのジョースター優遇主義って付いていけなくなるんだよな。速度と強度の実利優先でいきたかったのによぉ」

 

それには俺も同意だ。

 

静「あー…これ知ってます…パパが八幡とかジョルノさんとかがアメリカに遊びに来たとき、みんなでドライブするんだとか言ってオーダーメイドしようとしてたやつです…。ホントに作っていたとは思っていませんでしたが」

 

あのジジイは…たまに間違った方向でスケールが大きい事をするな。

結局、使う機会の無いままジョースター家が承太郎一家を残して移住してしまったから、SPW財団で預かって貰っていたのか…

いや、SPW財団もこんなもの、ジョースター家の私物だから使うわけにもいかないし、駐車スペースが圧迫されるしで、扱いに困っていたのだろう。

こんな事でもなければ絶対に使われないのだから、ジョースター家優遇主義とか以前の問題で、体よく返品されたようにしか思えない。というか俺だったら喜んでそうする。

 

仗助「…この一件が終わったらよぉ、ニューヨーク本部の車両班と整備班と総務部には菓子折でも持って一家総出で謝りに行かねぇと不義理かね?」

 

八幡「だな」

 

仗助「他人事の顔してるけどよ、オメェはもうジョースターの一員扱いだからな?」

 

八幡「え?いつの間に?聞いてないんだけど?」

 

静「え?いまさらですか?」

 

 

実は昼の戦いのドサクサで屍生人が億泰の服に盗聴機を仕込まんでおり、ニュージャージ州の路駐してあるトレーラーの中から、再び爆笑の声が響いていたのを俺が知ったのは、だいぶ後の話である。

 

 

←To be continued




はい、今回はここまでです。

今回のサブタイトルは「静かに雪ノ下雪乃は決意する」…をもじりました。静かにどころかめっちゃ声に出して周囲に呆れられてましたけどね!
そして何気に俺ガイル側からサブタイトルをもじることも初めてだったり…(・・;)

しかし、八幡はめっちゃ敵に協力している謎の少年(コラボ主人公)に恐怖しています。
そりゃ、能力も謎で、出すも消すも自由自在、手下もゾロゾロ…こんなの相手じゃ八幡で無くても変な俳句を作って現実逃避したくなるわぁ…
スカルズ相手ならともかく、スタンド自体に勝てる気がしないわぁ…┐(-。-;)┌

このチーターな少年。読んでくださっている方の中にはコラボ主人公の正体に気付かれている方もいるのではないでしょうか?気付いていても、今はまだ一応秘密です。

さて、今回の舞台であるセントラルパーク前のプラザホテルです。
セントラルパークからマイアミビーチの陸路を検索している最中、前回のホルホル戦を書き上げた訳ですが、日本を出てから億泰&ミスタが重傷を負うまでの間に実に3戦も命のやり取りをしているわけで…。
「普通に考えたら重傷者も出してるし、ここらで治療と休息を兼ねて一泊休憩するはずだよな?」
と、思ってGoogleマップ先生からセントラルパーク周辺の地図から適当に大きめのホテルを探して泊まらせた訳ですが…
書いている途中でどんなホテルか気になり、今度はWikipedia先生で検索…。
そしたらなんとビックリ!作中でも書いてある通り、「ホームアローン2」で劇中にケビン少年がせっせと罠を作っていたホテルだったでは無いですか!?
他にも日本で上映されていた映画に使われていた由緒正しい老舗のホテルだったと知り、適当に選んだのに、すごい幸運が舞い降りて、一人で興奮してました!
もしかしたら、アメリカ編では他にもこんな幸運な巡り合わせに出会えるかも知れません。
…ええ、実はアメリカ編での戦いは、決まっているのは対戦カードと戦いの流れ、経路くらいで舞台となる戦場やエピソードに関してはまだ決まって無いんですよ(^_^;)
どこか良い舞台があれば良いのですが…

次にはい、また珍妙なジョセフのエピソードを入れちゃいました!
おのれジョセフめ!お前がいると他のキャラが食われてしまうから、今回はリストラしたのに!
お前はその場にいなくてもネタを提供して俺を苦しめるのかぁ!
はい、完全に逆ギレです。
ジョセフ好きすぎでしょ、俺(^_^;)

それではまた次回もコラボ共々よろしくお願いいたします!
そしてG○○○○○先生!コラボ主人公sideをよろしくお願いいたします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。