side比企谷八幡
主人公達「ひどい目にあった……」
ほんとね。わさびのせいでまた味覚障害に拍車がかかった気がする。
八幡「あれ、たまに食らうんだよ………留美が加わったから生首を簡単に作れるようになったし……おのれジョルノ」
リアス「あなたの場合は録でもないことするからでしょ?自業自得よ。丈城と同じで悪魔より悪魔らしいわ」
失礼な。そこまでひどくないぞ!
承一郎「嘘つけ。催眠術をかけて僕とジョニィを海の上で戦わせたり、声が似ている人間を使って騙したり。今回だって色々敵の方が憐れになるような事をしていたじゃあないか。真ニセコイ偽装は絶対に忘れんぞ」
いや、その分お前も色々仕掛けてきたよな?
G承太郎「霊夢や射命丸をはめたり、スカーレット姉妹を脅したり、俺の裏人格をいじめたり」
でもメインはジョジョのイタズラだったよな?
A八幡「死神を遊び半分で虚仮にしたり、GDstでは俺達も騙してやがったしな」
DIOの骨はどうしても必要だったんだよ。
B八幡「平塚先生をゴミ箱に捨てたり、雪ノ下や由比ヶ浜を殺気で黙らせたり」
平塚先生はともかく、あっちの雪ノ下や由比ヶ浜にたいするアレはお前もさんどうしたよな?
丈城「はっはー!俺達は特に被害を受けてねーな?」
書いたのが尾河七国さんだったからな。むしろGIOGIOさんはよくアレだけ俺のエグさを出せたわ。
特にブラッディー・ボーン。
………ていうか
八幡「承一郎、今回のばか騒ぎの発端はお前の連れだっただろうが!それも逃げるんだよォォォ!の発端も!お前らだって楽しんでただろ!」
承一郎「………(プイッ)」目そらし
A八幡「俺達は楽しんでない!巻き込まれただけだ!」
B八幡「なんなんだ!あのワサビの刑は!地味に恐ろしいわ!」
G承太郎「また胃薬が………あ、承一郎。胃薬の補充は助かった……」
丈城「ナイチンゲール・エメラルドをコピー出来るようになったから自力で治せるようになったじゃあないか」
G承太郎「ああ。エリナおばあちゃん……」
いろは「は?エクセスいきますか?」
いろはの冷たい視線が承太郎を襲う。
過剰回復はやめてあげて?
ジョセフに言われても怒るからなぁ……エリナおばあちゃん呼びは。
G承太郎「い、いや………一色いろはには感謝だ。ただ、慣れるまでが大変そうだな。自分にエクセスをやってしまいそうだ」
丈城「…………」
ん?どうしたんだ?ここで黙るなんて兵藤らしくない。
丈城「なぁ、ちょっと良いか?」
承一郎「どうした?兵藤丈城君……でいいのかな?」
G承太郎「何だ?厄介ごとなら勘弁してくれ」
兵藤と俺は同類だからな。承太郎が警戒するのも頷ける
が。
丈城「ある意味では厄介ごとだな。特に承太郎にとっては。他の奴にはあまり影響はないかも知れない……いや、やっぱ俺達全員に話す必要があるわ」
真面目な顔をして承太郎を見る兵藤。
兵藤はうっすらと汗を流している。
丈城「なぁ、面倒だが、俺達7人、全員で話し合う必要がある。忍さんも含めて付いてきてくれないか?」
忍「あちしまで?なによ?」
何だ?俺という存在に取りつかれたこと以外は共通点なんてないぞ?ましてや忍さんまで表に呼び出すなんて普通じゃあない。
それに、提案しているのが悪魔より悪魔らしいと言われている兵藤だ。
これは普通じゃあない。
言われるがまま、外に出る俺達7人。
千葉村の管理者棟の外、そ葉山達とカレーを食べた場所のテーブルに腰を掛ける。
八幡「で、話って何だ?」
丈城「この世界でのスタンドで、いくつか俺達の記憶から消すべきスタンドがある。話というのはそれだ」
そういうことか…。兵藤ですら警戒するこの世界だけに存在するスタンド。
八幡「…………デュオロン・オブシディアン……か?」
承一郎「あれは……ルビーレーザー以上に危険だ……」
B八幡「デュオロン・オブシディアンって……確か川崎の妹のスタンドのレクイエム……とかいう奴だよな?話には聞いていたが」
レクイエムを知覚できない…いや、元々スタンド使いではないボーダーの俺は覚えていないみたいだが、ボーダーの世界でもデュオロンは出てきた。
A八幡「小町のルビーレーザーよりも危険だって!?そもそもレクイエムって何だよ…あれ?そう言えばそもそも何で俺はあんな旅に出ていたんだ?そうしなければならなかった理由が確かにあったことは覚えているんだけど…」
はちまんくんの俺もレクイエムを……そもそもプッチの事自体覚えていない。ザ・ワールド・ネオ・レクイエムは使った本人ですら効果を及ぼしたからな。
レクイエム……兵藤もあれの危険性を見いだしたか。
丈城「他はサンシャイン・ルビーだな。特に一人だけ、絶対に記憶から消すべき奴がいる。違うか?」
そう言われて俺達は一人の男を見る。
そうだ……こいつだけは、絶対にデュオロンとサンシャイン・ルビーを消すべきだ。
G承太郎「………俺か」
承太郎が静かに答える。
スタンド使いではない二人の俺は除外。
元々自身のスタンドしか使えない承一郎も除外。
複数のスタンドは使えるが、基本世界のスタンドだけを使える兵藤もデュオロンを使うことは出来ない。
だが、承太郎は違う。承太郎だけはザ・ジェムストーンやナイチンゲール・エメラルドをコピー出来たように、リーシャウロン・アクアマリン……しいてはそのレクイエムであるデュオロンを使うことが可能だろう。
ただデュオロンを使うことが出来る程度であるならば問題はない。だが、承太郎の場合は……。
ブラッド「僕も賛成だね。承太郎」
G承太郎「ブラッド……」
承太郎のスタンド、ブラッドが出て来て兵藤の意見を肯定する。
ブラッド「オリジナル承太郎博士や八幡によって、今回の暴走は何とかすることは出来たけどさ。だけど君は本当の意味でアレを制御出来るわけじゃあないよね?」
八幡「………やっぱりな」
なんとなくだが、そんな気はしていた。
承太郎はまだ自分の殺意が起動キーとなって現れる裏人格を制御できていない。
承一郎「どういうことだい?八幡」
八幡「お前やジョニィの角と同じだよ。俺と違って、承太郎は自分の殺意を制御できずに暴走する。そんな状態でデュオロン・オブシディアンや全方位ルビーレーザーを使われてみろよ……」
承一郎「なっ!あの状態になってしまうのか!」
B八幡「リサリサと違って精神のリミッターが無い状態での全方位ルビーレーザーか………それは確かに危険だな」
A八幡「うちの小町の制限があるルビーレーザーだって充分に危険だった。あんなものが遠慮なく使われたら世界が確かに滅ぶ……」
忍「ルビーレーザーはあちしは制御出来るけど、スージーさんの生まれ変わりのあの子にそんなレクイエムがあったなんて知らなかったわ。丈城ちゃんがあちしを呼んだのは、あちしのコピー能力の事ね?」
時々忘れがちになるが、忍さんの力も制御できなければ危険な能力になる。俺の記憶越しに忍さんの能力を知った兵藤の目の付け所に感服する。
似たような能力だからかもな。だから承太郎の…ブラッドの能力を特に警戒していたのか。
兵藤のみならず、デュオロンを知る全員が事の重大さに気が付いた。
承太郎「あれだけの殺意を制御できるお前が化け物だと思うがな……八幡」
子供の時に痛い目をみたからな。殺意の制御は必要だったんだよ。(第1章参照)
丈城「お前は絶対にデュオロン・オブシディアンやサンシャイン・ルビーを封印するべきだ。まぁ、お前の意思に任せるけどな。俺も忘れる事にする。ホワイト・スネイク」
兵藤はホワイト・スネイクを出して自分の頭からディスクを取り出す。そしてそのディスクを俺に差し出す。
このディスクは………
承一郎「ヘブンズ・ドアー?」
丈城「これで記憶を消してくれ。承太郎の場合は本音を言えばホワイト・スネイクでディスクにしたいところではあるが、承太郎のスタンドはあくまでもブラッドだろ?」
ブラッド「僕をディスクにされたら困るなあ…かといってデュオロンに変身できる能力だけを器用に消すことなんて出来ないし」
だから記憶の封印をするわけか……。
確実性を期すならレクイエムを使うことも手だが、そこまで上手く制御出来る自信がない。
もう砕けない確信はあるが………。ヘブンズ・ドアーが現状で一番安全な手段か……。
忍「ちょっと待ってちょうだい?承太郎ちゃんやあちしはわかるとして、何であんた達まで記憶を消すのよ。別に問題ないと思うわよ?」
承一郎「フランキー声でオカマ口調……」メメタァ!
忍「放っておいて頂戴!(CV・八尾一樹。なお、忍は元々中の人が同じ作品の世界からの転生(ONE PIECEのボンクレー)であるが、本人は記憶が曖昧になっている)あら?何かフランキーって聞き覚えがあるような…麦ちゃんとか…」メメタァ!
八幡「止めてください忍さん。これ以上は何か危険な気がします」
B八幡「ジョジョにニセコイにワールドトリガーにONE PIECE……確かにそろそろ訴えられそうだ」メメタァ!
A八幡「だから止めろって!マジで危険だから!脱線しすぎだ!」
うん、忍さんは掘り下げたら更に危険な気がする。
更に色々クロスしてるしね。
丈城「で、もういいか?」
やばっ。こういうので一番突っ込まれたくない奴に突っ込まれた。
どちらかと言えば俺と兵藤が暴走し、忍さんを含めた他の主人公達がツッコミを入れるのがこのメンバーの正しいあり方じゃね?
え?同じ
二次創作八幡の大抵は常識人枠だ。
基本世界の俺は俺と同様にギャグもツッコミもこなすから、アニメしか知らない人は原作を読んだ方がいいよ?特に心の中ではしょっちゅうしょうもないことを考えている。
ソースは第3章や第5章での俺。
また脱線してしまった。
丈城「俺達の記憶の封印にも理由があるんだよ。そうだな……ボーダーの八幡以外は直接関わったりしたか、知識としてあるんじゃあないか?そしてだ。それは下手をしたらボーダーの八幡も無関係じゃあないかも知れねぇぞ?」
ん?何を示している?ボーダーの俺以外は関係があることで、もしかしたらボーダーでも無関係じゃあない?
詳しく説明プリーズ。
丈城「ウンガロのボヘミアン・ラプソディーみたいなタイプのスタンドだよ。使いどころが難しいから俺もあまり使わないがな」
承一郎「ウンガロ兄さんのボヘミアン・ラプソディー…だって?」
ウンガロのボヘミアン・ラプソディー?
確かピノキオとかの創作のキャラクターや物語を再現するスタンドだったよな?
それがどうしたんだ?
丈城「この世界は俺達平行世界人からしたら創作の世界みたいなもんだ。もしボヘミアン・ラプソディーみたいに人々の記憶を再現する能力なんかに会ってみろ。デュオロン・オブシディアンやサンシャイン・ルビーを出されたらたまったものじゃあないな」
………おいおい。そこまで考えるかよ兵藤丈城。
B八幡「待て。そもそも俺の世界にはスタンド自体が存在しないぞ?」
丈城「だが、似たような物があるだろ?お前のお袋さんが変化したその『袖の白雪』みたいな物が。確かブラックトリガーとか言ったか?色々とスタンドに似た能力もあるらしいが……俺の言った能力が無いとも限らないんじゃあないか?」
B八幡「ブラックトリガー……確かにその手の奴が絶対に無いとは言い切れんな」
だろ?……と、兵藤は言う。
そこまで考えてなかったわ。
ブラックトリガーの存在まで視野に入れるかよ。
承一郎「そうか……取り越し苦労であればそれで良いけど、もし兵藤君が言うような能力に会ってしまい、デュオロン・オブシディアンなんかを使われたら終わりだな」
A八幡「決まりだな……封印してもらおう。デュオロン・オブシディアンの記憶を」
B八幡「俺もだ。そんなスタンド能力を記憶していても誰も得なんてしない。兵藤、よく考えてくれたな」
丈城「俺はスタンドを研究してきたからな。アーシスと同じかそれ以上に。お前だってそうだっただろ?」
兵藤は承太郎に視線を向ける。
G承太郎「やれ。DIOの八幡。俺達からデュオロン・オブシディアンの記憶を消すんだ」
承太郎が深く頷くと、兵藤が出したディスクを俺に差し込むように促す。デュオロン・オブシディアンを記憶しておくのは俺だけで良いってことか…。
俺は兵藤の能力としてのヘブンズ・ドアーを頭に差し込む。
使い方なら承太郎に入っていたときに体験した。
八幡「露伴先生……力をお借りします。ヘブンズ・ドアー!」
俺はヘブンズ・ドアーを発動させ、彼らを本にする。
元々スタンド能力を持っていない二人の俺と忍さんは気絶。スタンド能力持ちも力なくテーブルに倒れ込む。
承一郎「これは……初めて体験したが、キツいな」
G承太郎「まさかヘブンズ・ドアーを自分で受ける時が来るなんて想わなかった……やれやれだぜ」
丈城「こいつは想像以上だったな……早いとこ頼む。DIO八幡」
八幡「了解だ」
忍さん、二人の俺、承一郎の記憶からデュオロン・オブシディアンの記憶を。
兵藤と承太郎、念のためにブラッドからは更にサンシャイン・ルビーの記憶を消す。
これで良し………と。
八幡「終わったぞ」
俺はディスクを抜いて兵藤にヘブンズ・ドアーのディスクを返す。
丈城「お?俺は何でヘブンズ・ドアーをDIOに貸したんだっけ?」
G承太郎「さあな。だが、自分達の意思でそうしたことだけはわかっている。何か覚えていたらまずいことでもあったんだろう。わざわざ俺達だけになっているからにはな」
忍「あちしは別に構わないわ。普段もあまりスタンドは使わないし」
B八幡「とっとと忘れたいまである」
A八幡「そうだな。早いところ宴会に戻るぞ。せっかく作った料理が食い尽くされたらかなわん。そうなったら兵藤を恨むまである」
承一郎「千棘君ならやりそうだ……」
G承太郎「やれやれだぜ。幻想郷の連中も宴会となると遠慮が無いからな。急いだ方が良さそうだ」
料理の事を心配しながら汐華の隠れ屋敷へと戻っていく主人公達。
堕龍の黒曜石は、笑龍の緑柱石のままで良い。
その記憶を持つのは、けーちゃん本人も含めて知るべきではない。
二度と堕龍の黒曜石は誕生させるべきではないのだ。
だから…
八幡「君は底抜けに明るく、幸せであるべきだよ。スージーさん」
今はけーちゃんとなったスージーさん。
八幡「スージーさん!………いや、幻か?」
俺には何故か亡くなった時に見せ若い頃のスージーさんが微笑んでいた気がしたが、それもすぐに消えた。
俺は頭を振って皆の後を追った。
スージー『これで良いのよ。八幡』
あの幻はそう言っていた気がする。
アレが本当にけーちゃんの…川崎京華の中に眠るスージーさんの残留思念が出てきたのか、俺達の判断が正しかったと思いたい気持ちが見せた幻かはわからない。
だが、何だって良い。
俺にとってはスージーさんが微笑んでくれたことが、一番大切なことだったんだから。
←To be continued
デュオロン・オブシディアンの封印回です。
デュオロン・オブシディアンの恐ろしさは第3章の千葉村の戦いである『絶望の戦闘潮流』と、第4章ー2の『白雪の世界』で分かります。
普段はただ微笑みを撒き散らす爆弾を投げるだけのまったく戦闘力がない川崎京華のスタンド、『リーシャウロン・アクアマリン』ですが、京華……けーちゃんの心が絶望と怒りと憎しみに染まったとき、矢とは関係なくレクイエムが発動。『リーシャウロン・アクアマリン』は禁断の『デュオロン・オブシディアン』に変化し、導かれし小道の手を召喚し、どんな存在であろうとも永遠の地獄へと引きずり込みます。
現在の被害者は屍生人となったエシディシと、ボーダーの世界でネイバーとして現れた究極生命体カーズの二人です。
『絶望の戦闘潮流』では同じ回で由比ヶ浜が柱の一族に覚醒してしまったという結末ゆえか、それとも八満の行く末の方にインパクトがあった故か、あまり反響が無かったですが、ワールドトリガー編ではカーズすらも倒してしまったその恐ろしさに一気に感想が集まりました。
さしものあのお方も無限の龍神もデュオロン・オブシディアンだけはどうにもならないでしょう。
前々回は白良(アルス界)、前回は承一郎(ニセコイ界)、今回は丈城(駒王界)が活躍しました。
こうなると承太郎、B八幡、忍にも見せ場が欲しいですね。
それでは次回もよろしくお願いいたします。