やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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一条承一郎

陽乃と承一郎の再会より少し前。

 

side比企谷八幡

 

精神世界───

 

俺は拾われた承一郎とジョニィは僕達の精神世界の中で向き合っていた。

おおう、コイツらが並び立つのを見るのは初めてだな。

 

承一郎「…まさか、そんな事になっているとは…」

 

ジョニィ「…なんで、オレ達を呼ばなかったんだ?八幡」

 

八幡「…お前らに迷惑がかかると思ったんだ。前は無理矢理あっちの世界に連れて来られたし、それに…俺の運命は決まっていたからな」

 

ジョニィ「……」

 

ジョニィはそう言った俺の胸倉を掴む。

俺は特に抵抗をせず、甘んじてなすがままになる。

 

承一郎「おいジョニィ…!」

 

ジョニィ「ふざけるなよ、八幡。これはあの時小町義姉さんに言った事だが…覚悟の意味を履き違えるな!」

 

八幡「ぐっ…!」

 

ジョニィがここまで怒るとはな。能力なしの単純な格闘なら敵わないとわかっているのにな…。

 

承一郎「おいジョニィ…!八幡が苦しがってるだろう…!」

 

ジョニィ「……フン。オレ達はお前(・・)には勝ったが、お前達(・・・)には負けた。その意味をよく考えるんだな」

 

そう言ってジョニィは俺から手を離した。

 

承一郎「八幡…僕も悲しかったよ。わずか数日の旅だったけど、僕達も水晶十字軍(クリスタル・クルセイダーズ)の仲間だろう?少しは頼ってくれ、共にあの死闘を乗り越えた仲間なんだから…」

 

八幡「…すまない」

 

俺はそれしか言えなかった。

散々イタズラしてきたというのに…こいつは。

それに、これはいい機会だ。

前々から思っていた事をやる絶好の機会だ。拾ってくれた恩もある。

承一郎とジョニィ…お前らなら…

そして時は動き出す。承一郎の目が覚めて。

 

ジョニィ「下らんネタに走るのはいつもの事か…その頭脳の使い道を間違っている」

 

ほっとけ。

そして現実の世界へ…。

 

承一郎「ここは…僕の部ぼぐぉぉっ⁉︎」

 

承一郎が起きた瞬間、強烈な右ストレートが顔面に直撃する!

おおぅ……痛そう。

 

千棘「このバカもやし!心配したじゃあないのッ!」

 

承一郎「心配している人の態度と行動じゃあないでせうが…」

 

千棘「うるさい!」

 

まったくだ。確かこいつは桐崎千棘…由比ヶ浜とトリッシュさんに声が似ている承一郎の偽彼女だ。

でも彼女は……うぅむ…同じ体で精神が二つってのはややこしいなぁ。

 

小咲「一条君…大丈夫?」

 

承一郎「あ、ああ、大丈夫だよ。…千棘さんに殴られた分を除けば」ボソッ

 

で、こっちが承一郎が想いを寄せる女、小野寺小崎。

相変わらず人が良いことで。

妹がいろはと声がそっくりで、よく騙させてもらっている。またよろしくね♪

 

万里花「承一郎様!ご無事でなによりです!」ギュッ!

 

で、こいつは橘万里花。

警察総監の娘だとか。パッショーネのせいで警察怖い警察怖い(笑)

 

鶫「貴様!お嬢という人がありながら!」ジャキッ!

 

むしろこっちが本当に怖い。声が戸塚そっくりなのに中身は全然違う。

 

承一郎「君には常識というものは無いのか⁉︎」

 

ジョルノ「承一郎、大丈夫かい?」

 

お、ジョルノだ。初めて見たな…この世界のジョルノ。

 

承一郎「兄さん。すみません、急に倒れちゃって」

 

ジョルノ「いいんだ、それより承一郎…」

 

承太郎「お前が倒れる前に言った事…あれは何なんだ?」

 

げ、承太郎。

何でお前までいるんだよ(# ゜Д゜)

 

承一郎「それは…」

 

キング・クリムゾン‼︎

 

承一郎「…という事です」

 

承太郎「…なるほど、この前急にいなくなったのはそれが理由か」

 

ジョルノ「並行世界を行き来する事が出来るなんてね…」

 

承一郎「はい、感想欄でもしょっちゅうちょっかいしてくるし…一番酷かったのは露伴先生と静さんによる浮気偽装か…」メメタァ!

 

あれはジョジョ(静)がやったことで俺は関係ない。

 

千棘「ああ、なんかいつもとは違うなと思ってたけど、並行世界の方の静・ジョースターだったのね?」

 

おいおい、ワイルド・ハニーのグラサン女とジョジョは大分違うぞ?髪型から何から。

 

小咲「あの時はごめんね、一条君」

 

承一郎「う、うん」

 

よっぽど酷い目にあったんだな。御愁傷様。

反省する気はまったくない!むしろ加速する!

 

承太郎「…で承一郎、お前の体に入り込んだあの左足は…」

 

やめて!平行世界の承太郎とはいつもそれでドンパチになるんだから!

うちの承太郎ほどでは無いけど苦労するのは変わらん!しかも今はジョルノが…ワサビを食らう!

 

承一郎「はい、並行世界で共に戦ったジョナサン・ジョースターとDIOの転生者、比企ヶ谷八幡という少年の魂の一部です。多分これで分かります」ズギュン!

 

承一郎はスタンドを発現させる。

って何勝手にザ・ワールドだしてんだコラ(# ゜Д゜)

 

千棘「あれ?これって…」

 

小咲「一条君の『ブラッディ・シャドウ』に似てるけど、色が違うね」

 

承太郎「これは…『世界(ザ・ワールド)』!」

 

さてと……ドンパチの覚悟を決めるか。

 

承一郎「あれ?おかしいな…原石(ザ・ジェムストーン)は確か水色…隠者の紫水晶(ハーミット・アメジスト)!」

 

次に承一郎はザ・ワールドからハーミット・アメジストを出そうとしたが。おい、気を失うぞ…。無理に2つのスタンドを使うと。

 

承一郎「あれ?『ザ・ワールド』が消えて…」

 

ザ・ワールドが消え、その代わりハーミットパープル(・・・・)が出てきた。ハーミット・アメジストはザ・ジェムストーンの一部。出てきている蕀のスタンドはただの紫色で、輝く紫色ではない。

やはりな…ザ・ジェムストーンは2つのスタンドを同時に使う訓練をしてきた長年の俺の技の集大成だ。俺自身ですらレクイエムに教えられるまで気付かなかったんだ。

だからこそ気付く。こいつも…。

 

承一郎「う〜ん…八幡のスタンドは二つの能力が一つになったスタンドじゃあなかったのかな…?」

 

俺もそう勘違いしていたからな。 

 

承一郎・承太郎・ジョルノ「「‼︎!」」

 

この感覚は……。

 

千棘「?…どうしたのよ、急に黙っちゃって」

 

ジョルノ「これは…」

 

承一郎「この肉体の波長…まさか、八幡の世界から誰かが来たのか…?」

 

閣下か!閣下の力で誰か迎えに来てくれたのか!

 

千棘「ちょ、ちょっと承一郎⁉︎」

 

承一郎「ごめん、ちょっと野暮用があるんだ!」

 

承一郎はそう言って空間の中に入り、波長が導く場所へ飛ぶ。

 

承一郎が空間で着いた先には、ジョルノとトリッシュさん、ミスタさん、そして陽乃さんとあと二人…。確か八雪ノ下と鶴見留美がいた。

 

そして、時は現在。

うちの世界のチーム、「黄金の風」と承一郎が揃っていた。既に再会は終わっている。

 

雪乃「お久し振りです。一条承一郎さん」

 

承一郎「うん。久し振り。エンジェル・ダストの雪乃さん。静さんのイタズラに付き合わされて以来だね。あの時は大変だったよ」

 

ジョジョ……承一郎が雪ノ下を知っていたのはそういうことか…。

概念を凍らされて……うわぁ……俺達が雪ノ下に勝てたのは、あれはサバイバーの特性を理解した上での対策訓練を積んだからと、当時の雪ノ下がまだ未熟だったからだ。

それでない場合は……うわぁ。悲惨だ…。

 

そんな事を考えていると、承一郎の携帯が鳴る。

 

承一郎「何だいカズ?」

 

カズ『ボス、今CIA(カンパニー)の方からある非公式の依頼があった』

 

承一郎「…CIAだと…?」

 

承一郎の怒りが強くなるのを感じる。何があったかはわからんが、こっちだとCIAは味方なんだよなぁ。

アーシスが大統領を総司令としている以上、トップは同じだから。

いつの間にか承一郎の額には白い角が生えていた。俺の影響で出ているアホ毛に隠れているが。そして、落ち着くように承一郎が少し深呼吸をすると角は元に戻っていった。

おいおい…四年前の印象では気付かなかったが、こいつは相当闇が深いな…。

一体化して初めて分かるものだ。

 

承一郎「…一旦マザーベースそっちに戻る。話はその後にしよう。何人か客人を招待するから、もてなす準備をしておいてくれ」

 

カズ『分かった、それじゃあ後でな』

 

承一郎「…さて、兄さん達、ここでは話しづらいので場所を変えましょう。僕達の基地(マザーベース)に招待しますよ?」

 

ジョルノ「…基地…?」

 

承一郎「前に自己紹介したじゃあないですか。学生兼傭兵だって。僕の暗号名コードネームは『毒蛇(ヴァイパー)』、裏の世界では結構有名ですよ?」

 

裏の世界では有名…か。

通常、裏での世界の名前は隠すのが基準だ。俺の場合もそうだ。派手に暴れていながら闇で無名。そうすれば間抜けはノコノコ出てくるし、裏で名前を上げようとするバカをいちいち相手にする必要も無くなる。

それを敢えて有名にしてる…何か目的があるな?

むしろ俺達の世界に来ていた時の方がリラックスしてたかもな。

 

承一郎は空間を繋ぐ。行先はマザーベース、承一郎の『水晶の牙(クリスタル・ファング)』とやらのの拠点らしい。

瞬間移動能力(違う)は相変わらずだな。

 

承一郎「今まではヘリで向かっていたけど、この能力があると一瞬で行けるんです。兄さん達、おそらく戦いが終わったすぐ後にこの世界にやって来たでしょう?」

 

まぁ、俺のせいだな。みんな、よほど急いで来てくれたんだろう。外傷や肉体的疲労などはいろはが治したのだろうが、精神的疲労まではナイチンゲールでも治せない。

 

承一郎「スタンドは精神エネルギーが生み出す(パワー)ある(ヴィジョン)。休息を取らないと悪影響ですよ。ウチ(集英組)だとこの世界の兄さん達がいて面倒ですし、どうします?」

 

大抵の異世界同位体同士は仲が悪い。

ジョルノ同士なんて御免だ。パッショーネ対パッショーネの戦いに発展したことがあるしな。

 

ジョルノ「…そうだね。ならお言葉に甘えようか」

 

承一郎「分かりました。ではこの空間の中へ。あっという間に着きますよ」

 

ジョルノ、トリッシュさん、ミスタさん、留美、陽乃さん、雪ノ下、最後に承一郎とDDの順番で空間の中へ入っていく。

 

次に全員が感じたのは、海風だった。

 

ジョルノ「こ…これは…ッ!」

 

秘匿性を重視するアーシスにこういう設備はない。第7倉庫とか、各県支部クラス以上のビルの地下とかに細かく作られている。もっとも、それはアーシスの人間だけしか知らないが。

 

トリッシュ「こ…こんなのって…!」

 

ミスタ「で…デッケェ〜〜ッ!」

 

留美「これは…パッショーネと同じ…いや、それ以上の規模…!」

 

まぁ、昔のパッショーネならそうだろうな。

 

陽乃「す…すごい…」

 

雪乃「…なんて大きいの…」

 

さらに全員が見たもの、それは海上に浮かぶ建物の群れ。その光景に圧倒されている。

海洋都市か…。

凄いのは有志の傭兵部隊がこれだけの施設を作ったことだ。

 

承一郎「ようこそ…僕達のマザーベース…『水晶の牙(クリスタル・ファング)』へ!」

 

承一郎はそう皆に言った。

 

 

スタッフ達「「お帰りなさい、ボス!」」バッ!

 

承一郎「ああ、ありがとう」

 

スタッフ達の挨拶と敬礼に答えながら、ジョルノ兄弟は歩いていく。目的地はマザーベースの司令部らしい。

 

ジョルノ「驚いた…これほどの組織を作っていたなんて…」

 

承一郎「スタッフ達は実を言うと僕が戦場から優秀だと思った人間をフルトン回収して集めているんです。後は説得してウチで雇う。たまに志願兵も来て今は1000人はいますよ?」

 

ミスタ「せ、1000人⁉︎」

 

おいおい…よくやるよ。その人数の傭兵を集めるにはかなりの労力だっただろう。

 

承一郎「そうです。ではどうぞ」ガチャ!

 

承一郎はドアを開けて皆を中に通す。

 

カズ「ボス!待っていたぞ!ん?そいつらが客人か?綺麗なお嬢さん達がいるじゃあないか!」

 

承一郎「カズ、手は出さないように。兄さんの奥さんとその親戚の人達なんだ」

 

陽乃さんや雪ノ下に手を出したらレクイエムを使おう。

承一郎やジョニィ(いけにえ)は2つあるから砕けないだろうし。存在そのものを消してやる。

 

オセロット「ボス、後で寿司…よろしく頼むぞ」

 

中には承一郎のスタッフ達が『I love DD』と描かれたマグカップでコーヒーを飲んでいた。うん、うちもスタッフ専用に『I love 千葉』のシャツを作ろう。

 

承一郎「ああ、しょうがない。スタッフ達のモチベーションを上げるためと考えればマシか…。カズ、さっきの話詳しく頼む」

 

カズ「了解だボス」

 

 

カズ「最近南米の方で麻薬組織が勢力を拡大していてな、その組織を潰してくれというのが依頼だ」

 

カズと呼ばれたスタッフは承一郎に依頼の要旨説明ブリーフィングを説明する。オセロットは連れて来たDDと遊んでいる。

 

承一郎「自分達の兵士達にやらせればいいじゃあないか。なぜ僕達に?」

 

カズ「最近、その組織をあるPMCのサイボーグ兵士が守っているんだ」

 

承一郎「サイボーグだって?ウチにも何人かいるが…」

 

カズ「全員がサイボーグなんだ。PMCの名前は『デスペラード(無法者)・エンフォースンメント』、紛争への介入だけでなく麻薬の取引、人身売買などにも手を染めているらしい」

 

承一郎「文字通りの無法者(デスペラード)というわけか…」

 

カズ「だがおかしいんだ」

 

承一郎「おかしい?」

 

カズ「ああ、大量のサイボーグを雇ったり高価な最新装備を持つなど、単なる無法者とは思えない豊富な資金を有しているんだ」

 

承一郎「なるほど、何か裏があるというわけか…」

 

カズ「そうだ。それとボス、そのPMCの幹部メンバーの一人にあの男(・・・)がいるらしい」

 

承一郎「‼︎」

 

承一郎はその言葉に驚いた。

 

承一郎「…そうか、ついに見つけたのか」

 

カズ「ああ、サムエル・ホドリゲス…またの名を『ジェットストリーム(烈風)・サム』。かつてあんたの左腕を斬り落とした男だ」

 

ほう…そいつが霊夢とか言うやらのこの世界の異変って奴の原因かもな。

まぁ、ぶっ潰してやるさ。

今さら百や二百の命なんて…微々たる数字だ。 

 

←to be continued

 

 

おまけコーナー♪

第2話「不幸の拳と幻影」

状況は前回と同じです。

 

side一条承一郎

 

承一郎「………ラーメンでいいかい?」

 

千棘「…………何の話?」

 

千棘の顔は涙が流れていた。

 

承一郎「…おごってあげるよ。…頑張ったんじゃあないかい?君なりに」

 

千棘はズビッ…‼︎と鼻水をすすって、

 

千棘「…大盛りでもいい?」

 

と言った。

 

承一郎「………ドンと来い」

 

side胸の大きい女

 

??「ね、ねぇヒッキー…ホントにやるの?」

 

??「関係ない。やれ。ハーミット・アメジスト&幻影の波紋!」

 

 

side一条承一郎

 

千棘「…チャーシューメン大盛りに肉ダブルでトッピングにコーンともやしほうれんそうと白菜煮卵メンマネギ…」

 

承一郎「えっ⁉︎ちょっと待て、大盛りだけじゃあ…‼︎」

 

千棘「細かい事言ってんじゃあないわよ。あと替え玉一つ」

 

ジョニィ(そんな残金装備で大丈夫か?)←某天使風

 

承一郎(…大丈夫だ、問題ない…多分…)

 

胸が大きい千棘?「はいもやし。補充金だし」

 

いきなり手渡される数枚の万札。

 

ジョニィ「あれ?千棘?あれ?」

 

おかしい…千棘はこっちにもいる。それに、千棘にしては胸が大きいのも気になる。

 

千棘?「良いのかな…ヒッキーはやれって言ってたし…」

 

千棘?のスタンド(リバース・タウンact2)「うわあああああああああああ!」

 

ドバババババ!

何発かヒット。

 

??「ミッション終了だ。帰投せよ由比ヶ浜」

 

よく見ると、紫の蔦が千棘?の足に巻き付いており、そこから波紋の反応が。

 

ジョニィ「幻影の波紋……まさか」

 

由比ヶ浜結衣「な、何だか知らないけどごめんね?お兄さん………今日の運勢は最悪だけど、頑張ってね?」

 

既に由比ヶ浜と呼ばれた女は幻影の波紋で姿を消していた。

 

承一郎(あの野郎……ニューフェイスを連れてやってくれるじゃあないか。数万円程度で許すかぁ!)

 

続く?

←To be continued


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