やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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4-4続きです。


閉じ込められた堕天使

第13話『閉じ込められた堕天使』

 

side虹村億泰

 

『ハハハハハハッ! よウこそ、我ガフィールドへこコカラはこノ私、"ドーナシーク・ロックド・アップ"がオ相手しヨウ!』

 

次から次へと敵が出てくるからよぉ、康一とか露伴達の迎撃メンバーからだいぶ引き離されちまったグレモリー達と俺達アーシス。それでもおれでもわかるくれぇに強えやつらだってわかっからよぉ、いい感じにバランス取れてる感じがすんだよ。

 

で、敵の中ボスっぽい奴がいるっていう校庭に着いたわけだけどよぉ。俺らを待っていたのは、ぜってぇに校庭にあるはずのねぇ鉄塔のだったんだよ。

っつぅかよぉ、どう考えてもこれはあれだよなぁ?

 

億泰「こりゃあ俺でもわかる。ドーナシークとかいう奴が手に入れたスタンドは『スーパーフライ』だ! よりにもよって面倒くせェもん引っ張り出してきやがって……!!」

 

ノトーリアスにチープ・トリック、エボニーデビル…極めつけはスーパーフライって……倒すのも厄介だが本体にとっても害のあるスタンドだらけじゃあねぇか!

 

音石「『スーパーフライ』って、確か一人歩きしてるスタンドだったよな? 鉄塔ん中から出るために一人道連れにしなきゃいけないっていう……」

 

朱乃「あらあら、中々クセの強いスタンドですわね」

 

小猫「……今に始まったことじゃありません」

 

カマクラ「ニャア…!」

 

鉄塔の頂上。ドーナシークって野郎はそこから俺達を見下ろしながらニヤニヤと笑っていやがる。まるで自分を倒すことは不可能だと言わんばかりによぉ。

 

その態度に俺はムカついちまってよぉ。『スーパーフライ』は数ある俺の「負け」の歴史の1つでもあるわけだしよぉ。

 

億泰「……………………」

 

無言で歩いて鉄塔の中に入った。何も考えてねぇ訳じゃあないんだぜ?

 

朱乃「に、虹村さん!?」

 

明「おい億泰! 何やってんだよ! それじゃあアイツの思うツボじゃねぇか!」

 

億泰「大丈夫、心配すんな。最初にやりあった時は三人だけだったが今回は人数が多い! ヤローが出ようとしたら外にいるお前らがもう一度こン中に押し込めばいいだけだぜ! ヤローはこの中で俺が倒す!!」

 

俺だってよぉ、誰かのサポートだけで終わる男じゃあねえんだよ。未起隆だってあの時に言ってたじゃあねぇか。「私にだってやれるんだぞってところを見せる」って…仗助よぉ、俺だってそうなんだぜ?俺は仗助と同じ行動をとることにしたんだ。外側からの攻撃を音石達に任せて、俺は内部から攻める事に専念すれば良いんだ。そう考えていた俺だったんだがよぉ、

 

小猫「……ッ」

 

音石「あっ、オイ!」

 

同じ思考を持った人間の扱いは、"この娘"にとって少なからず予想できた展開だった。

 

億泰「! おっ、オメー! 何で入ってきた!?」

 

小猫「……無茶する人間のやる事は大体想像がつきます。一人より二人の方が効率的に有効です」

 

億泰「……………………」

 

このガキ……まさかこうくるとは思わなかったぜ。けど、力は半端じゃあねえ。まるで小町みてぇに強ぇからよぉ。

 

朱乃「小猫ちゃん……」

 

指をパキパキと鳴らして俺と共に鉄塔内に飛び込んだ小猫。おもしれぇじゃあねぇか。ストーンオーシャンの時は結局小町と共闘することは少なかったっけなぁ。

ほとんど俺はミスタと一緒に何かをやってた気がするぜ。

 

ドーナシーク『ヌフフ……考えマシたねェ。しカシ犬死すル未来は変わラなイ! ソノ貧弱な力でどコまで私二喰ラいツケますカねぇ?』

 

けっ!偉そうな態度をしてらんのも今のうちだっつんだよ!このタコ助が!

 

音石「全く、命は一つだけだってのによくやるもんだぜ……揃いも揃ってロックな奴らだな!」

 

外部では音石がギターとスタンド『レッド・ホット・チリ・ペッパー』を構える。以前はムカッ腹立つスタンドだったがよぉ、和解した今となっては頼もしいぜ。

その音石に姫島朱乃もその隣に立って、両手に魔法陣みてぇなのを作り出した。カマクラは鉄塔近くに移動し、スタンド『猫草』を出して狙撃体制を整える。

無理はするんじゃあねぇぞ?カマクラよぉ。

おめぇは親父の大切な猫だ。飼い主の比企谷家にとっても、もちろん俺にとっても大切な家族なんだからよぉ。

 

億泰「気をつけろよ〜。鉄塔自体を攻撃すればその攻撃が元の位置に返ってくるんだ」

 

仗助も未起隆もそれには手を焼いていたからな。俺に至っては何もできねぇまんま自滅しちまったしよ。

 

小猫「……なら、その位置にいなければいいだけの話です」

 

億泰「だな。しっかり頼むぜ、悪魔のお嬢ちゃん!」

 

今回はある意味では17年前のリベンジマッチだぜ。二度も同じスタンドに負ける事は許されねぇ。

俺はジョースター家じゃあねえけどよぉ、その精神は持ってるつもりなんだぜぇ?

『1つ、同じ手で挑むことは既に凡策』って奴だ。凡策にやられると言うことはバカって事だ。まぁ、俺は自他共に認めるバカだけどよぉ、いつまでもただのバカで終わる俺じゃあねぇ!少しは成長してるって事を見せねぇとなぁ!

 

俺達を見下しきった目で見たドーナシークの野郎はフンと鼻を鳴らし、頂上から飛び降りて地上に足をつける。

 

ドーナシーク『フン!』

 

間近でみるその姿は、かつて能力を知らずに鉄塔から出ようとした仗助の変化と相違ないブリキのロボットのような姿だった。『スーパーフライ』と融合した影響かぁ?

 

 

ドーナシーク『デは始めまショウか……残虐二満チた人間ト悪魔狩リをォォッ!!』

 

億泰「面白え。削り取って引き寄せる暇がなくなったぜ!」

 

手間が省けたってもんよ。

 

小猫「……同じフィールド」

 

ドーナシークはその両手に光の槍を出し、鉄塔内の俺達二人に先制攻撃を仕掛けてきやがった。これに俺と小猫は二方向に分かれ回避する。切り返してドーナシークに殴りかかる。

 

億泰「うらァァッ!」

 

小猫「……ッ!」

 

ドーナシーク『ポゥッ!』

 

なぁにがポゥッ!だ!小指を腹に突き立てでもすんのかよぉ!

でもよぉ、すんでのところで姿勢を低くして、これは空振りになっちまった。寸止めで相打ちにはならなかったけどよ、下の死角から光の槍で攻撃してきやがった。

 

ドーナシーク『ハア!』

 

小猫「……甘いッ!」

 

億泰「おっと!」

 

ドーナシーク『チ!』

 

当たるかよ。どれだけジョースターさんに鍛えられてると思ってやがる。

距離は僅か数ミリ。小猫は見た目からは信じられねぇ身体能力でマトリッ◯スの如く身体を反らして避け、俺は右手だけ出した『ザ・ハンド』で背後の空間を削って瞬間移動。今度は自分の前の空間を削ってドーナシークを引き寄せた。

成長した俺をなめてんじゃあねぇぜ!ダボが!

 

朱乃「気をつけて下さい! その光の槍は人間でも触れると有害ですわ!」

 

億泰「おう! 任しとけェッ、『ザ・ハンド』!!」

 

俺は朱乃のアドバイスを聞き、引き寄せたと同時にガラ空きになったボディに蹴りを一発お見舞い。思わず手放した光の槍を空間ごと削り取った。

 

ドーナシーク『クッ、小癪なァァァッ!』

 

しかしすぐに槍を作り直し、今度は投擲しようとそれを幾重にも増やした。

小癪なのはどっちだ!タコ助野郎が!

 

億泰「!?」

 

ドーナシーク『今度ハ避けらブゲェッ!?』

 

小猫「……油断大敵、火がボーボー」

 

俺は一瞬動きが鈍ったが、すぐに背後で体制を立て直した小猫がカバーしてくれた。ドーナシークの背をサマー◯ルトよろしく蹴り上げ、朱乃と音石に攻撃のチャンスを作る。やるな!子猫!

 

朱乃「音石さん、行きますわよ!」

 

音石「おっしゃあっ! 気合い入れていくぜェッ!!」

 

音石のギターに合わせて『レッド・ホット・チリ・ペッパー』が前に出て、その後ろに朱乃が宙に魔法陣を展開した。そこから放たれた稲妻が『レッド・ホット・チリ・ペッパー』に直撃し、纏う輝きが一層強くなった。

音石と朱乃、いい組み合わせじゃあねぇか!

アシストを貰ったまま突貫し、目にも留まらぬスピードでドーナシークに連撃を叩きつけていく。

 

音石「いきなりfeatだぜ! Yeah!!」

 

音石の演奏の区切りと同時に殴り飛ばされ、ドーナシークが地面へ一直線。音石の意図に気付き、すかさず落下地点に駆け込んだ小猫と俺のツープラトン攻撃が頭部を捉えた。

 

小猫・億泰「「シャアァッ! (ニャアァッ!)」」

 

ドーナシーク『ゴファッ!?』

 

ぶっ飛ばされるドーナシークの肢体。だがすぐに復帰し、宙で一回転した後に着地する。かなり頑丈な肉体だな。

鋼田豊一郎が相手だった時は本体自体に戦闘能力がなかったからよぉ、技を駆使した戦法で俺や仗助も苦戦した。けど、今回は戦闘経験が豊富な堕天使だ。有害な光の槍が生成できる上にこの場の主だ。加えてこの様子だと恐らく一、二を争う程の敵のボスである可能性がたかいわけだ。こいつぁ気ぃひきしめねぇとよぉ。

 

ドーナシーク『エえい、ならバこレダ!』

 

そう言ってドーナシークはまた光の槍を作りやがる。

 

億泰「へっ、またそれか。どうやらオメーは馬鹿の一つ覚えしか出来ねぇようだな!」

 

小猫「……………………」

 

俺の発言に、ドーナシークの野郎は。はニヤッとわずかに口角を上げやがる。近くにいた小猫はそれに気が付いためてぇで何かを警戒始めた。そこで俺も小猫の表情の変化で何かあると警戒をする。あぶねぇ……いつもここで油断すっから負けるんだよな。子猫がいて助かったぜ。

 

ドーナシーク『ハッ!』

 

直後、ドーナシークは光の槍を周囲に放った。光の槍はその全てが進行方向の鉄塔の足に直撃し、吸い込まれるように消えた。

 

億泰「な、なんだ?」

 

小猫「……消えた…?」

 

『スーパーフライ』に光の槍が直撃した。ということは能力によって光の槍が帰ってくるはずだよな。しかし方向的にドーナシークのいる方向に光の槍が飛んでくると思うんだけどよぉ……

 

その時だった。

 

(バシュバシュバシュゥッ!!)

 

音石「おわァッ!?」

 

朱乃「下がって! 」

 

予想と違って朱乃達のいる鉄塔の外側に光の槍が大量に放射されやがった!完全に裏をかかれた音石は焦るが、入れ替わる形で朱乃が前衛に回る。両手を突き出して魔法を展開し、ガードに成功した。カマクラも本能で放たれる前に防御魔法の後ろに滑り込んだ。

 

音石「うっひゃあ……!! 地面がどんどん抉れて行くぜ……」

 

朱乃「それだけ光の槍が強力ということですわ!」

 

億泰「な、なんでだ!? あの量もおかしすぎるけど、フツー『スーパーフライ』の能力で光の槍は元の場所に戻るはずだろ!?」

 

俺は嘲笑うドーナシークに詰め寄る。

 

 

ドーナシーク『ハッハッハ! この鉄塔内ガわたシノフィールドだけダと思っタラ大間違イだァッ! フハハハハッッ!』

 

小猫「……多分、元の場所でも他の場所でも、好きな場所から放つことができるようになったみたいですね。元のスタンドより汎用性が向上しています」

 

億泰「チィッ、厄介な進化を遂げやがって!」

 

考えてみればよぉ、ドーナシークは『スーパーフライ』自体と融合しているんだよなぁ。『スーパーフライ』が自らの意思で元の場所に衝撃を返していたのかはわかんねぇけどよぉ、いずれにしろタチの悪い進化だぜ。

 

けど、ドーナシークの攻撃はこれが打ち止めではなかった。

 

ドーナシーク『これデ終わリデはあリまセンよォォッ! 喰ラエッ!』

 

音石「! マズイ、億泰! 逃げろォッ!!」

 

朱乃「小猫ちゃん!」

 

今度は俺と小猫のいる鉄塔内部が光り、そこから光の槍が出てきやがった。ドーナシークの奴の考えを読んだ音石と朱乃が警告をしてくるが、俺達は振り向きもせず全く動かねぇ。動く必要がねぇ!ドーナシークが大笑いをしやがる。相手が勝ち誇った時……か。ジョースターさんや八幡がよく口にするよなぁ。奴はそのまま鉄塔上部に避難したぜ。

 

ドーナシーク『ハ、所詮ハ人間ト悪魔の愚カな浅知恵! 間抜けハ間抜けらシク死んd』

 

 

 

 

億泰「……バーカ、間抜けはお前だよ。クソ堕天使」

 

 

 

 

 

俺の呟きと共に彼と小猫がその場で跳躍した。小猫はその前に掴んだ石を両手に、迫り来る光の槍に近距離パワー型ばりのラッシュを。俺も負けじと『ザ・ハンド』の空間削りの連撃を放ち、互いの持つ技で光の槍の軌道を変更。

 

小猫「フカ━━━━━ッニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャァッ!!」

 

億泰「シャアアアアアアアアアアァァァァァァァァァッッッ!!」

 

軌道を変えられた光の槍は俺達に当たらずに、代わりに放った野郎の元に一直線に飛んでいく。この程度ならよぉ、小町のルビーレーザーの方がよっぽど怖ええってもんよぉ!余裕ぶっこいた態度から焦ったドーナシークがさらに上へ逃げようとする。

 

ドーナシーク『マズイ! こンなはズでハ!」

 

カマクラ「ニャアァッ!!」

 

さっき攻撃されかけて怒ったのか、カマクラが放った空気弾によって進路を邪魔されてスピードが落ちやがった!はっ!それなら噴上のハイウェイ・スターの方が動きがはええっつうんだよぉ!

自分の攻撃を自分で食らいやがった。ざまぁみやがれ!

 

ドーナシーク『ワぁアアあガアアアああアアアッッ!?』

 

億泰「だからオメーは間抜けなんだ。以前の俺が相手ならちったぁ優勢になれたかもしれねぇがよォ、反省も学習も学んだ今の俺を倒すんならもう少し周到に戦法を練っておくべきだったな」

 

俺はよぉ、少しは成長したんだ。この虹村億泰をなめるんじゃねぇ!

 

何とか掴んだ鉄塔一部にぶら下がり、息を荒げるドーナシーク。してやったりとばかりに笑う俺と、平然と石を片手でお手玉する小猫が。

すげぇな……こいつも。スタンド無しで平然とあの攻撃を何とかしやがった。

 

小猫「……自在に反射場所を設定できる点は、確かに強力だと思います。しかし根本的な話、当たらなければ意味はない。当たる寸前に軌道を変えられたり、本体でガード◯ントされたら元も子もありません」

 

ドーナシーク『グヌヌ……ッ!!』

 

心底悔しそうに顔を歪ませるドーナシーク。

 

億泰「まぁアレだ。チョーシこいて色々抜けてたお前の負けってやつだよ。諦めな」

 

ドーナシーク『えエイ、死ね死ネ死ねェッッ!!』

 

自棄になったのかドーナシークは逆上して光の槍を乱発してきた。けどよぉ、ここで勝ち誇っちゃあいけねぇ。

アーシスの奴らは追い詰められているように見せかけて次の手をこっそり打ってくるような奴らばかりだからなぁ。

更に冷静になった俺が『ザ・ハンド』で対抗したことで無効にする。その間に小猫が走る。鉄塔を駆け上がってドーナシークのもとに駆け寄り、土手っ腹に一発入れて打ち上げ、そこからラッシュを叩きつける。

波紋の戦士みてぇな真似をするなぁ。やっぱりただもんじゃあねぇ。やっぱこの世界は5つの世界の中でも一番過酷な世界というのは間違いねぇみてぇだな。

 

小猫「フカッ!! ニャ─────ニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャァッ!!」

 

ドーナシーク『グブアアアッッ!』

 

鉄塔の真ん中ぐらいの高さまで吹っ飛ばされ、食らった衝撃からかグロッキー状態のドーナシーク。そこに間髪入れず朱乃と音石が鉄塔の上から魔法陣とスタンドによる先程よりも強烈な落雷攻撃を仕掛けた。

音石はともかく朱乃の奴も何て反応速度だ。息も子猫とピッタリじゃあねぇか!

幼なじみーズ……いや、それ以上だ!

 

朱乃「その隙、突かせてもらいますわ!!」

 

音石「使った電力は全て、テメーんトコの親玉のメーターにつけておくぜッ!!」

 

音石の奴は決め台詞を言いながら、レッド・ホット・チリ・ペッパー』の突貫が鉄塔の頂上を粉々に蹴散らし、ポッカリ空いた箇所から朱乃が射ったフルパワーの雷が落ちてくる!上手ぇ!

チリペッパーに合わせる技術が半端じゃあねぇ!まるで知っているかのようだぜ!

雷はドーナシークを着実に通っており、直撃した。

 

ドーナシーク『うごアアアァァァッッ!?』

 

音石「オラオラァッ! こいつもついでに食らっとけェッッ!!」

 

加えて『レッド・ホット・チリ・ペッパー』もラ◯ードのアル◯イル張りの連続蹴りを放って、おまけのオーバーヘッドキックで下に叩き落とす。

F・Fとウェザーと言ったか?音石の目の前で死んでしまった徐倫の仲間は…。

それ以来、後悔の念から音石は仲間を守ることに特にこだわりを持つようになったと酒の席で語っていた。特に八幡は長年しこりになっていた俺との関係を大きく改善するきっかけになった奴だ。

千葉村で八幡が砕けちまった事は音石にとってもショックにちげぇねぇ!だから人一倍アイツは頑張ってるんだ。八幡を救いてぇってよぉ。

だから…

 

音石「億泰ゥッ! トリは任せたぞ!!」

 

おうよ!おめぇに譲ってもらった見せ場はキッチリ決めてやるぜ!音石ぃ!

八幡を助けてぇのはオメェだけじゃあねぇぜ!一緒にやってやろぜ!音石よぉ!

黒焦げでボロボロとなったドーナシークを、音石は俺の方へと落下させてきた!それを視認した俺は片足を一歩後ずらせ、腰を下ろす。そして側に『ザ・ハンド』を構えて最終ポジションを固める。

決めるぜ音石!オメェの想いに応えてよぉ!

 

 

億泰「テメーの敗因はたった一つ。たった一つの……シンプルな答えだぜ」

 

 

アンダースローの構えで大きく振りかぶり、ドーナシークの落下する風切り音を頼りにタイミングを見切る。

承太郎さんの決め台詞を言いながら……

 

 

億泰「───────俺たちの力を、見くびった事だァァァァァァッッッ!!」

 

ドーナシークごと一際大きく空間を削り、奴を再び奈落の底へと送り込んだ。

 

 

カマクラ「ニャ────ッ!」

 

音石「おっしゃ────ッ、勝ったァ────ッ!」

 

 

カマクラを抱き上げて拳を天に突き、ドーナシークを葬った事に歓喜する音石。そして小猫と朱乃も互いに顔を見合わせ、サムズアップを交わす。

ありがとよ、四年前からの俺の親友、音石。それと、俺のかけがえのねぇ家族……カマクラ。

それに朱乃と子猫。

音石朱乃コンビも億泰子猫も悪くねぇじゃねぇか!

それに…みたか?兄貴。俺にもやれたぜ?

 

小猫「……やりましたね」

 

億泰「あー……疲れたぜ。ま、リベンジも果たせたし、よしとすっか」

 

俺が鉄塔を見上げると、上部から透けるように鉄塔が姿を消えていく。本体であるドーナシークが消えた事で鉄塔自体もその姿を保てなくなったみてぇだ。これなら出ようとしても鉄塔の一部になることはねぇな。俺と小猫は揃って脱出し、朱乃と音石、カマクラの元へ。

 

朱乃「とりあえず、ドーナシークは倒しましたわね」

 

音石「あとは……途中で別れた仲間が心配だな。一旦来た道戻ろうぜ。苦戦しているようなら合流してさ」

 

億泰「だな! よし、そうと決まれ……ば…ってヘアッ!?」

 

小猫・朱乃・音石・カマクラ「「「「!?」」」」

 

 

俺が先陣を切って駆け出そうとしたその時、俺の目に信じられねぇ光景が映る!

いきなり前触れもなく新校舎上空から何機もの飛行機が墜落する所を見ればよぉ、誰だって某王子の叫びをあげるに決まっているだろ?

続けざまに起こった現象に若干メダパニを起こしかける俺達だったが、すぐにそこが丈城や仗助たちが戦っている場所である事に気づき、冷や汗が吹き出す。

 

朱乃「あそこ……っ! ジョジョ君達がいる場所ですわ!」

 

音石「そうだった! てっ、てかあれ不味くねぇか!? いくらなんでも飛行機落下は洒落にならねぇって!!」

 

小猫「……とにかく急ぎましょう。あれだけの規模なら、皆さんの行く場所はあそこに決まっています!」

 

 

一瞬呆気に取られて足が止まってしまったが、気を取り直して一同は次なる目的地・新校舎へと走り出した!

無事でいろよ!?仗助、八幡、丈城!

 

(←To Be continued…)




今回は億泰&子猫、朱乃&音石&カマクラ回でした!
流れが幻想郷編のようにアーシスとDXDの息を合わせた戦いかたでしたね!

尾河さん、うちのキャラ達を(と言ってもジョジョ原作キャラなのです)上手く扱って見せ場を作ってくれています!
特に成長後の億泰と、関係が改善した音石の扱いまで考慮に入れてくれているのは感涙ものです!
チーム編成も億泰を中心に考えてくれているとは…。

もうすぐラストバトルでしょうか?黒幕は誰なんでしょう!?続きが気になります!
天の声『おい、作者(# ゜Д゜)』

それでは次回もよろしくお願いいたします!

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