やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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前回までの八幡の日常!

八幡の学生生活は幼馴染み3人達で少なくとも本物に囲まれた充実した穏やかなものだった!
しかし、それも突然の終わりを告げた!
空条親子の危機!そして奪われた承太郎の記憶!
それは危惧していた八幡の正体が知られてしまうという事なのか!?
天国の阻止を狙うべく、八幡達の冒険が始まる!


中学編 第6部 ストーンオーシャン外伝
幽波紋の戦士達


side東方仗助

 

仗助(退屈だ…)

 

今日はSPW財団各支部長定例会議。

三ヶ月に一度行われる定例会議は必ずどこかの支部で行われる。

今回は日本支部が主催だ。

 

仗助(これが別の支部だったら観光とか楽しめたんだけど、自分の支部が主催じゃぁ無理だしなぁ)

 

食事会の調整やホテルの手配に他支部長達の研修と称した観光の手配など、本来の仕事であるプレゼンの事以上にやることが多い。

そのプレゼンも日本支部の報告は終わった。

後は他の支部の報告を聞き、現会長が締めて終わり。

後は会場を押さえてあるホテルへと移動し、懇親会。

そこで一言二言スピーチをして本日は終了。

 

仗助(その後はジョルノを家に招いて飲むか)

 

イタリア支部の席に座るジョルノにグラスを傾けるゼスチャーを送る。

するとジョルノも察して頷く。

これで少しは楽しみが出来た。

会議はもうじき終わる。

…が、今回の会議はそれで終わることはなかった。

突然慌てて職員が入ってきた。

 

職員「大変です!

空条徐倫さんが裁判で有罪判決!

救出に向かった空条承太郎さん、敵のスタンド使いにより記憶とスタンドを奪われ、意識不明の重体!」

 

SPW財団に衝撃が走った。

 

 

場は会議どころではなくなり、会議室は騒然となった。

SPWにとって、ジョースターのピンチは社のピンチだという鉄則がある。

特に、承太郎さんは直系の人間だからなおさらだろう。

 

仗助「どう思う?」

 

ジョルノ「これは予想ですけど、狙いは最初から承太郎さんだった…と見ています」

 

仗助「DIOの日記を読んだ承太郎さんの記憶が狙い…というわけか?

やはり八幡が言っていた…」

 

ジョルノ「天国ですね…それで、どうするんですか?」

 

それはこれからどうするのか?

それとも…

 

ジョルノ「もちろん、八幡も連れていくかです。

これからどうするかなんて…愚問ですよね?」

仗助「…だよなぁ。

だったら、決まっている。八幡も連れていく。

これはアイツの目的の1つだったんだ。

連れていかなければ俺達が恨まれるぜ?

ましてや、俺達は家族…なんだからな」

 

ジョルノ「そうですね。

そうなると、いろはも小町も、そして静も付いて来るでしょうね」

 

仗助「……八幡はともかく、他の3人はなぁ…」

 

ジョルノ「説得しようだなんて無駄なことは考えない方が良いですよ?

あなたと八幡が行く以上、あの3人はあらゆる手段を尽くしてでも付いて来るでしょうね」

 

仗助「ハァ…承太郎さんだったら、ヤレヤレだ…と言っている所だぜ」

 

ジョルノ「そうですね。後の護衛はどうします?

敵は多分、僕達の横槍も予想していますよね?」

 

俺は一人の男を思い浮かべた。

 

仗助(そう言えばいたな。

八幡達との件で呼ばれなかったのを根に持っていた奴が…

それに、今は千葉の件に関して手を緩める訳にはいかねぇからな。

康一は連れていけねぇ。

そういえば高校の修学旅行に行った「ひびきの」や「きらめき」だったか?スタンド使いじゃぁ無いのに変身できる藤崎という妙な奴がいたのは。

従姉に今の静と似てる女の子もいたな。

同い年のクセにやけに戦いなれしてたし、いたら心強いけど、あれから会ってねぇしなぁ。

最初の数年は年賀状のやり取りはしていたが。

いねぇのは仕方ねぇか)

 

仗助「一人、いるぜ。信頼できる男がな。

ジョルノの方は?」

 

ジョルノ「今、連れて来ている護衛をそのまま連れて行くことにします。

新しい護衛を待っている時間はありませんから」

 

仗助「そうか。俺の方もすぐに呼ぶ。

連絡がつき次第、アイツらの所に行くか」

 

そう言って俺はその心当たりに電話を入れた。

もうアイツも自分の家庭を持ち、仕事もあるから快く引き受けてくれるかはわからないが、多分大丈夫だろう。

 

 

side比企谷八幡

 

突然だが大変な事になった。

承太郎が記憶とスタンドを奪われ、意識不明の重体ということだった。

 

八幡(つまり、俺の…と言うよりはディオの日記の記憶を狙われた…ということか?)

 

だがなぁ…いくら36の極罪の魂や14の言葉があったところで、天国に必要な俺とザ・ワールドが揃って初めて成り立つんだよなぁ…

と言うか、絶対今度は俺を狙ってくる!

だって承太郎の記憶を取られたと言うことは、俺の正体がプッチにバレたということだろ?

 

当然、今いる日本支部の関東地域担当部の空気…と言うよりは俺といろはと小町の空気が重い。

 

いろは「ハチ君、承太郎を当然、助けに行くよね?」

 

小町「行かないとポイント低いよ?お兄ちゃん」

 

八幡「行く…と言うよりは、承太郎と徐倫を人質に取られたも等しいから行かざるを得ない…

と言った方が正しいな」

 

いろは「どういうこと?」

 

八幡「これはディオが生存していた時の話だけどな?

ディオはある二つの存在について恐れていたことは知っているよな?

それらから逃げる方法として用意していた手段が天国だ」

 

小町「名前だけ聞くと、別段悪いものでは無さそうだけど?」

 

いろは「むしろ良いもののような気がする」

 

確かに天国と聞いて悪いイメージを抱く者はいない。

結果を知らなければ…

 

八幡「まったくリスキーな物でなければ真っ先に俺が目指してるよ。

やらなかったのには理由がある」

 

いろは「理由ですか?」

 

八幡「天国を成功させた場合、どうなるかというとな?結論から言えば、時間が加速し、宇宙が一巡して世界が一度やりなおされる…余計なものを除外してな。

早い話が究極の逃げ…という訳だな」

 

概要を説明するといろはと小町はドン引きしていた。

 

小町「うわぁ…それってディオだけにとっての天国で、世界が滅ぶのと同じじゃん…」

 

八幡「だから俺が実行してないんだろ。

俺一人が天国へ到達したって仕方がないからな。

そこにお前らがいなければ意味がないとまである」

 

いろは「普段人の事をあざといとか言いながら、ハチ君の方が何倍もあざといですよ?」

 

小町「お兄ちゃん、今はのろけてる場合じゃないから。

で、それと行かざるを得ない…というのはどういう関係があるの?」

 

八幡「天国への到達の最大の前提条件は…

ザ・ワールドの存在…つまり俺と言うか、ディオ。

そして、今回何がマズイって…俺がディオの転生と知っている承太郎の記憶が奪われた…

つまりは、ディオの最大の友人だったエンリコ・プッチは間違いなく俺を狙ってくる…

最悪、承太郎のスタープラチナが奪われたようにザ・ワールドが奪われる…」

 

いろは「え?じゃあ…行っても行かなくても…」

 

八幡「戦いに巻き込まれるな…最低でも俺は間違いなく」

 

小町「うわぁ…どのみち戦いになるんだね」

 

八幡「だったら攻勢に出てやるってところだな」

 

いろは「仕方ないですね。しばらく学校はお休みです」

 

小町「そうだね。まったく、面倒なお兄ちゃんを持つと妹は苦労するよ」

 

ホワット?

 

いろは「ハチ君の事だから、私達を残して行くつもりでしたね?」

 

小町「何年お兄ちゃんの妹と幼馴染みをやってると思ってるの?

ここでおいてくなんて小町的にはポイント低いよ?

たかだか中坊に労られるほどやわな人生送ってないからね?」

 

そういうお前は小学生の小娘だからね?

 

八幡「ハァ…わかったよ。実際、お前達がいると心強いしな」

 

まぁ、多分こうなると思ったけどな。

さて、そうなると…

 

仗助「話は決まったな?」

 

八幡「出番待ちお疲れ様。仗助、俺達3人は行くことにした。

どのみち狙われるんじゃな」

 

仗助「3人じゃ無いだろ?

俺とジョルノ、それに護衛が二人来てくれる事になった。

あと……出てこい静」

 

仗助が言うと、ストレートロングに白のヘアバンドの少女が姿を現した。

いるとは思ったけど、アクトンクリスタルで姿を消して盗み聞きは趣味が悪いですよ?ジョジョさん?

 

静「気付いていたなら、早く声をかけて下さい。

3人して無視するなんて酷くないですか?」

 

いろは「どうせ仗助が行くなら勝手に付いてくると思ってましたから、放っておきました。

ジョジョ先輩」

 

小町「ジョジョお姉ちゃん、仗助第一なのわかってるから」

 

静「むぅぅ!イーハもマーチも酷い!」

 

ジョジョは膨れっ面になる。

こんな表情は俺達の前でしか出さない。

普段のジョジョは無表情だ。

そんなジョジョの表情に皆がほっこりし、皆が笑顔になる。

だが、それも一瞬。

仗助の顔から笑顔が消えた。

 

仗助「出発は明日の朝。

M県から俺の仲間が合流し次第、出発する。

死ぬかも知れない旅だ。

気を引き締めろよ!それじゃ、各自準備を怠るな!」

 

仗助の言葉でその日は解散となった。

 

side??

 

やはり、ジョースター家は動くようだ。

私にも命令が下った。

今年の春に実家を追い出された私は、母方の親戚の養子となった。

本家の伯母の養子に…

今回の命令は伯母直々の命令だ。

 

ジョースターを消せ。

 

私に拒否権はない。だが、もしも彼らが私の求めたもの達ならば…その時は…

 

side比企谷八幡

 

成田空港

 

いよいよ出発の時だ。

既にジョルノと護衛と思われる二人が到着していた。

 

??「おう、俺は虹村億泰。仗助とは高校時代からの親友だ。

よろしくな、八幡」

 

ソフトモヒカンが特徴のちょっと頭のアレそうな男が挨拶してきた。この人が仗助のもう一人の親友か。

 

そしてもう一人。この人はジョルノの護衛として良く会うから知っている。

パッショーネボス親衛隊の隊長、グイード・ミスタだ。

 

今回はジョセフは留守番だ。

まだまだ戦えるが、じじいは「今回はお前がリーダーじゃ。ワシでも承太郎でもなく、お前がジョースターを仕切れ」と仗助に告げた。完全なる世代交代の時だ。

その仗助は、仕事の時のオールバックではなく、プライベート時のリーゼント姿だ。

 

仗助「さて、出発…ってところだけどよぅ…

いきなり刺客みてぇだぜ?」

 

ジョルノ「尾行があからさますぎますね。

スタンド使いでしょうか?」

八幡「景気つけには良いんじゃね?

成長後の初めての実戦だ。この俺が行く!」

 

刺客と思わしき者は、肩までのセミロングの先端を赤く染めた、美人の高校生だった。

うすら寒さすら感じる笑顔が闇の深さが窺える。

 

??「初めまして。私は汐華陽乃。

命令により、ジョースター…覚悟してもらうわ!」

 

汐華陽乃は刀のスタンドを出現させ、構えをとった。

 

………あれ?汐華?

 

 

←To be continued

 




はい、新章が始まりました。

そしていきなり爆弾を投入させて頂きました。

陽乃が名乗った名字、賢明なるジョジョファンの方々ならお分かりですよね?
そして、彼が何を探していたのかも。

そしてサブタイトルの「幽波紋の戦士達」は第3部のエジプトへ向かう承太郎達が出発する話のタイトルです。

さて、陽乃ですが、彼女の刀のスタンドの名は!
そして彼女の正体は!?

なお、作中ジョルノが静をジョジョと呼んでいないのはわざとです。
ジョルノは組織的コードネームで自らをジョジョと名乗っているので、自分と混同してしまうからです。
静自身はジョルノも家族認定しているので本心ではジョジョと呼んで欲しがってますが、理由が理由なので諦めています。
ジョルノのジョジョ呼び設定は「恥知らずのパープルヘイズ」からの解釈です。

越後屋様、いつもありがとうございます。
ギリギリでしたがお返ししましたよ?
↑ちなみに、コラボとは関係ありません

それでは次回にお会いしましょう!

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