side静・ジョースター
私達は魂魄妖夢との戦いをポルナレフさんと十六夜咲夜に任せ、階段の上を飛んで進む。
ハッチの反応が朝からない。
承太郎さんからもたらされた情報により、私達はめちゃくちゃ焦っていた。
もし、本当の異変の黒幕があれならば…ハッチの魂が危ない。
その焦りが私達の油断だった。
霊夢「空間が!」
いきなり空間が避けたと思ったら、そこに承太郎さんとおじさんが飲み込まれる。
承太郎「来るならそろそろだと思っていたぞ!紫!」
空条「霊夢、ジョジョ!この結果は予想していた!お前達は西行寺幽々子を救え!俺達は八雲紫と八雲藍を救って来る!」
承太郎「幽々子の事は頼んだぞ!霊夢!静・ジョースター」
二人は落ちて行きながら私達に西行寺幽々子の事を託して行った。
そして空間の裂け目は閉じていく。
静「任せて下さい…おじさん…承太郎さん」
霊夢「紫の事は任せたわよ…承太郎」
私と霊夢はお互いの顔を向け合い、頷く。
静「また、相棒だね。霊夢」
霊夢「2度目の…そして最後の…ね」
静「悪くなかったよ。この1週間のあなたとの生活」
霊夢「神社の生活がここまで賑やかだったのは久々だったわ」
私と霊夢は拳と拳を合わせる。
静「行こっか。幻想郷の素敵な巫女」
霊夢「ええ。行きましょう。七代目ジョジョ」
私達は階段の最上段の先、白玉楼へとたどり着く。
幽々子「いらっしゃーい。霊夢ちゃんと…あなたは?」
ニコニコと掴みところのない笑顔で私達を迎える西行寺幽々子。
城廻先輩を彷彿させるホワホワな雰囲気とは裏腹に、黒いしょう気が逆に恐ろしさを感じる。
静「ジョースター…静・ジョースター」
幽々子「ジョースター?ああ!作者の名前ね!」
メメタァ!
私と霊夢はガクリとスッ転ぶ。
静「メタい!メタいっつーの!ジョースターさんはコラボ先の作者!書いているのは本城淳っていうしがない公務員だっつーの!」メメタァ!
霊夢「あんたもメタいわよ。はぁ…戦う前から毒気を抜かれたわ…緊張感を返しなさい。せっかくの決戦ムードが…なんで異変に冒されてるのに相変わらずの天然なのよ…」
霊夢が頭を押さえながらヤレヤレとため息をつく。
幽々子「異変ってこの西行妖?そう言えば春を更に集めているのに何で全く咲かないんだろうね?それどころか妖気がどんどん無くなっていくみたい。不思議だねー」
そんな事の謎解きをするつもりは全くない。
今はとにかくこいつを倒して正気に戻させる事が私達のやることだ。
そして真の異変の黒幕を引きずり出す。
静「私はあんたを倒しに来た。異論、反論は一切認めない」
私がそう言うと、西行寺はホワホワな雰囲気を一変させ、静かにこちらを見据える。
幽々子「偽りのジョースター。あなたの存在はあのお方を脅かす。やるならやりましょう」
西行寺が沢山の弾幕を展開する!
この禍々しい弾は……死霊!?
霊夢「気を付けて!幽々子の能力は死を操る程度の能力!弾に当たったら死ぬわよ!」
静「そういうことは早く言えっつーの!ドララララララララララ!」
霊夢「霊符・封魔陣!」
私の波紋の弾幕や霊夢の弾幕…というよりかはもはやこれは爆発としか言いようがない攻撃で応戦する。
幽々子「やるわね。本当に弾幕ごっこ初心者?」
霊夢「本当に弾幕ごっこ初心者よ。でも、レミリアといいあなたといい、静・ジョースターの対決相手は彼女と本当に相性が悪い。あなたの攻撃が死であるのなら、静・ジョースターの攻撃は生を象徴する波紋。弾幕に当たれないのはあなたも同様なのよ。幽々子」
うん、誉めてくれるのは嬉しいよ?
でもね。
静「だから何であんたは涼しげな顔してこんな凶悪な弾幕を避けまくってるんだっつーの!しかも適当に射ってる弾幕も適度に相殺してるし!」
霊夢「前にも言わなかったかしら?勘よ」
納得いかないっつーの!
こっちは必死で避けてるのに勘でひょいひょい避けるってどれだけ強運に恵まれてるんだ!
幽々子「中々やるわね静・ジョースター。面白くなってきたわ忘郷・忘我郷自尽」
スペルカードを使ってきたぁ!しかも私が射っている手数より霊夢の手数の方が多いのに何で私を狙ってくるんだっつーの!
霊夢「危険度的には波紋の方が危険だからじゃない?いやぁ、今回は楽で助かるわ」
死人は出てないようだけど。
幽々子「忘舞・生者必滅の理ー魔境ー」
確かに魔境だよ!
この幻想郷は私達の世界から見たら魔境以外の何物でもないよ!
それ以上にこの凶悪な弾幕が迫ってくるこの状況も魔境だよ!
そして霊夢!なにふよふよ浮いて観戦モードに入ってるの!?
静「やっぱさっきのは撤回だぁ!殴る!異変が終わったらあんたを殴る!」
霊夢「そのときは全力で逃げさせて貰うわ」
静「良いから戦えやコラ(# ゜Д゜)」
段々腹が立ってきた。
それに、一応は過去に異変を起こした張本人が相手だよね?
当たれば死ぬような弾幕だよね?
何でこんなに慎重無いわけ?
幽々子「うふふふ♪霊夢が本気になることは無いですよ?本気を出して負ければもう後がないということですから。華霊・バタフライディルージョン」
へぇ…だから本気を出さないと…。
…
……
………
ざけるなコラ(# ゜Д゜)
それに何で私ばかり狙う。
静「アクトン・ベイビー!」
私はアクトン・ベイビーで姿を消す。
どうだ!透明になれば私を狙えないだろ!
幽々子「無駄ですよ?死を操るということは、生を感じる事が出来るということ。いくら姿を消しても私はあなたの位置を感じる事が出来ます。幽曲・リポジトリ・オブ・ヒロカワ‐神霊‐」
だからって私ばかり狙うんじゃあない!
だったらこれならどうだ!(失敗フラグ)
静「
幽々子「だから通用しないと言っているではないですか。いくら透明にしても波紋というエネルギーは生命のエネルギーだと」
うん。フラグもバッチリ立てちゃったしね。
なんとなく全弾相殺されるとは思っていたよ。
こんな弾幕バトルが主流の世界だとわかっていたらいくつか行ったボーダーの世界でトリガーをパクって来るんだったかな?
射手の訓練ってこの世界にはすごい有効じゃん!
たしかハウンドだったっけ?自動追尾弾の弾は。
あ、ホントにトリガーが欲しくなってきた。
まぁあれも生命エネルギーを媒介にしてるから西行寺には通用しないか。
あー!もうっ!トリガーとまでは言わないまでもエメラルド・ストライクくらいの弾丸が欲しい!
霊夢「霊符・封魔陣」
!
あれだ!
私は霊夢の近くまで飛び(弾幕を回避しながらだからすごく大変だったけど…)、耳に顔を近付ける。
静「ねぇ、霊夢」
霊夢「きゃっ!透明になりながら耳元で話しかけないでよ!」
細かい事を気にしている場合じゃあないっつーの!
静「あのさ……ゴニョゴニョ…」
霊夢「え?う、うん。まぁ、良いけど…そんな勝ち方ってちょっと…」
静「正義か悪かなんてものはね、勝ったものが決めるんだよ。裁くのは私達。良い?」
こうなったらこの巫女の異常なまでの強運を味方にしよう。
「あと味のよくないものを残す」とか 「人生に悔いを残さない」だとか… 便所のネズミのクソにも匹敵するそのくだらない物の考え方が命とり!
「勝利して叩き伏せる」!それだけよ!それだけが戦いの総てよ!過程や!方法なぞ!どうでも良いんだっつーの!
……なんか邪悪の化身のようなものの考え方だけど、今はそこに総てが集約される。
まだ戦いは残っている…。こんな幽霊に苦戦している暇なんてなぁぁぁぁぁい!
幽々子「しつこいですね。最後の奥義です!桜符・完全なる墨染の桜‐開花‐」
今だ!
霊夢「霊符・夢想封印!」
静「アクトン・クリスタルact1!」
霊夢が作ったスペルカード…最大の必殺技を私のアクトンが透明にする。
幽々子「なっ!夢想封印の透明化!こんなもの、感知できない!」
残念だったね。私なら波紋の能力で感知できる!
波紋のエネルギーは感知できても、夢想封印ならどう?
霊夢「いけぇ!」
霊夢が霊力の炸裂弾を放射する。
西行寺は慌てて回避を始めるが…。
静「そんな事は折り込み済み!震えるよハート!熱くなるほどヒート!砕けろ!ぶっ壊れるほどの波紋のシュートォ!」
透明化した私が霊夢の夢想封印の炸裂弾の一発を波紋のキックでサッカーボールのように西行寺の方向へ撃ち込む。
見えない夢想封印を見えない私が蹴り込む見えている霊夢の弾道上の死角からの攻撃…。
これなら避けられないでしょ?
幽々子「キャアアアアアア!」
ドォォォォォォン!
シュウゥゥゥゥゥ……
西行寺幽々子は見えない霊力の爆発に飲み込まれ、気を失ったのかそのまま浮かんでいる。
霊夢「夢想封印を蹴鞠のように蹴って弾道を変えるなんて非常識だわ…やっぱりただ者じゃないわよ。あんたは」
静「あんたの強運なら私のシュートのドンピシャな位置に弾を飛ばしてくれると思ったからね」
笑顔の私と呆れ顔の霊夢はハイタッチを交わす。
後は……奴だけね…。
出てくると良いわ!
西行寺幽々子(主に死を操る程度の能力)…
←To be continued
今回はここまでです!
残す戦いはあと2つ!
第4章ー3クライマックスまであと少し!
それでは次回もよろしくお願いいたします!