side海老名姫菜
寒い……薄着で飛んでいるから冬の寒さは堪える…。
ミドラー「日本組は大丈夫かい?」
普通に厚着を持ち歩いているミドラーさんに感服する。
まぁ、1日の気温差が激しい砂漠地方出身のミドラーさんは旅では常に防寒着と薄着を持ち歩いているみたいだけど。
霊夢「寒い……寒い……」
承太郎「だから前回も言ったが、ポリシーだからと言って何で脇だし巫女服で飛び出してくるんだ?」
そういう承太郎は白の承太郎の服を着ている。ヒキタニ君風に言えば杜王町バージョンのコートだね。暖かそう。それに、咲夜っちが用意したマフラーを着けている。
承太郎「はぁ……また上空に向けて飛ばなきゃいけないのか…。今回はアリスとかにも会わないですみそうだが…」
アリスって宴会の時にマリマリっちの極太ビームを食らって飛んでいったショートカットの綺麗な金髪の人だよね?
三浦「あーしはスタンドの力で気温を保ってるから大丈夫だし。ほら海老名。あーしの近くに来なよ。すこしは暖かくなるはずだから」
海老名「優美子ごめん。そうさせてもらうよ」
サブレ「ワウワウ!(俺も混ぜろ!)」
三浦「うわっ!イギーまで何だし!」
文「冬の毛に変わってないから寒いんじゃないんですか?大抵の動物って夏毛と冬毛にはえかわりますから」
三浦「そうなん?仕方ないし。ほら、入りなよ」
優美子がサブレを抱き抱えて飛ぶ。
やっぱり優美子は面倒見が良い。それでこそ前世からの盟友アヴドゥルだね。
さりげなく霊夢っちが優美子の方に近付いているのは見なかった事にしよう。
承太郎「しかし、敵の黒幕の狙いは何なんだ?かつて俺達が倒した妖怪の悪霊といっても紫をどうにかできる存在だとは思えない。もっと強大な敵の存在の影がちらついている」
空条「…………気付いて無いようだな。承太郎」
承太郎博士の方は何か気付いているようだ。
もしかしたらヒキタニ君も気付いているかもしれない。
何か強大な力の持ち主の存在に。
霊夢「承太郎が気付いていなくて空条博士が気付いている?どんな存在なんだろ」
承太郎「……静・ジョースター…お前は気付いているのか?」
静「………ハッチの魂の欠片のお陰かな。薄々は感付いているよ。でも、信じたくないかな?あり得ないんだよね。そいつがこの世界にいるなんて」
ジョジョっちも何かに気が付いている様子だね。誰なんだろ。
承太郎「八幡の魂の影響?何だ?」
空条「嫌なものを見る羽目になるかも知れんぞ…お前にとっても、俺達にとっても」
わたし達にとっても嫌なもの……まさか。
だってそんなのはあり得ない…だって、既にここに2つあるんだし…。
承太郎「どうなっているんだ?もしかして八幡が俺にわからないようにしているのか?」
可能性は無くはないよね。だって…
魔理沙「何だ?より寒さが増してきたんだぜ。もうじき慧音との合流地点だよな?」
霊夢「………しっ!その慧音との合流地点で何か霊気の乱れがあるわ……慧音はもしかしたら戦っているのかもしれない」
承太郎「なにぃ!急ぐぞ!」
言われてみると、その方向で光が見える。
もしかして弾幕ごっこ?
海老名「わたしが先行するよ!ハイエロファント・グリーン!」
美味しいところを持っていかれたとはいえ、前の戦いでは慧音さんに世話になった。今度はわたしが助ける番だ!
海老名「承太郎達は先を急いで!すぐに追い付くから!」
ポルナレフ「死ぬなよ!花京院!」
海老名「わかってるよ!ポルナレフ!結衣達に会うまでは死ぬつもりはないから!」
承太郎達はわたしを置いて上空を目指す。その承太郎の後を追っていくつもの存在が後を追う。
黒いしょう気を纏いながら。
前回とは違う…明らかに何者かに操られている雰囲気。
多分、承太郎達を行かせる為に何人かがあの追っ手を足止めするために残る事になるだろう。
わたしも急がないと…。
わたしは慧音さんを助ける為に戦いの場へと急ぐ。
そこには…
チルノ「あはははははっ!私が最強なのだー!」
大妖精「ちょっと宿題を忘れただけでいつも頭突きを…あなたにはいい加減うんざりです!」
レティ「せっかく夏の惰眠を貪っていたのに異変を起こしたのはあんた?ねぇ、あんた?」
黒いしょう気を纏った前回わたしが倒した妖精二人となんかチルノっちと同じように寒さを操る誰か…雰囲気からして冬の妖怪の女の子が三人がかりで慧音さんを襲っていた。
慧音「くっ!正気に戻れ!チルノ!大妖精!レティ・ホワイトロック!」
いくら慧音さんが強くても、三人がかりでは手に余るようで大苦戦している。
H・G「ハイエメラルド・スプラッシュ!」
ドカン!
先行させていたハイエロファントの触手から発射された緑色の弾丸が大妖精ちゃんを襲う。
大妖精「あうっ!」
ひゅるるるる……ドスン!
不意討ちで頭部から弾丸を食らい、落下した大妖精ちゃん。
慧音「これはハイエロファント・グリーン!海老名か!」
H・G「そうです!助けに来たよ!慧音さん!」
慧音「助かった!君はチルノを頼む!」
H・G「了解だよ!」
わたしはチルノっちに向かって攻撃を仕掛ける。
チルノ「お前は海老名姫菜という女のスタンド!この前はよくもー!」
チルノちゃんは巨大な氷の塊をわたしに放ってきた。
でかい!これが本気のチルノっちの弾幕!
H・G「ほどけて!ハイエロファント!」
先日の弾丸なんて目じゃあない。ハイエメラルド・スプラッシュじゃあ相殺できないと判断したわたしはハイエロファントを糸状にほどいて回避する。
いろはちゃんはすごいよね。相殺した上でしきれなかった分を無理無理ラッシュで弾くんだから。
似たようなスタンドなのにハイエロファントにはナイチンゲールのようなパワーはないし、治す力もない。
チルノ「ダイヤモンドダストをくらえー!」
吹き荒れる氷の弾丸がハイエロファントを凍りつかせる!
海老名「ぐううううぅぅぅぅぅ!」
やっと到着したわたし本体もろともどんどん体温が奪われる!
慧音「姫菜!」
レティ「よそ見するなんて余裕だね!フラワーウィザラウェイ!」
わたしがダメージを受けてよそ見をした慧音さんにレティがビームと小型の弾幕をばら蒔き、不意を突かれた慧音さんにもダメージが入る。
慧音「ぐうっ!」
ダメージを受け合って互いにぶつかり合うように飛ばされたわたし達。
海老名「ごめん。慧音さん…。助けに来たつもりが逆に足手まといになっちゃったね…」
凍傷と寒さでろくに動けなくなったわたしは慧音さんに謝る。
慧音「諦めるのか?姫菜。お前達アーシスは諦めるということは知らない存在だと思っていたぞ。ジョジョ原作における花京院典明はそういう存在だと解釈していたんだがな」
今にも落ちそうになっていたわたしはそれを聞いて気力で浮き上がる。
そうだね。諦めるなんてわたし達らしくないよね。
慧音「そうだ。やはり異世界でも人間は面白い。こうして底力を見せる。だから私は人間が好きなんだ」
海老名「乗せるのが上手いね。それだったらもう少し頑張ってみようかな?」
わたしはハイエロファントを糸状に配置してスプラッシュを放つ。
海老名「ぐうっ!まだまだぁ!」
糸状にしたことで寒波と弾幕でダメージを受ける密度が増してよりわたしはボロボロになる。
だけど、それでも全周囲からチルノっちにスプラッシュを射ちまくる。
慧音「これだけ逃げ道を塞いでくれれば十分だ!終符・幻想天皇!」
慧音さんは魔方陣を配置してそこからスプラッシュの間を埋めるようにチルノっちを射ちまくる。
チルノ「ギャアアアアアア!」
弾幕に撃ち抜かれ、チルノっちに落下していく。
黒いしょう気が薄れていく。
レティ「チルノ!」
慧音さんのおかげでチルノっちは倒せた…だけど、わたしももう…無理。
わたしも力尽きて落下する……。
慧音「よく頑張った……姫菜。多勢に無勢で危なかったところをお前のお陰で状況がひっくり返った。私もその頑張りに応えなければな」
仰向けに倒れたわたしに向けて慧音さんが優しく微笑む。
レティ「まるで一対一なら勝てるようなものいいだね」
慧音「調子に乗るんじゃない。冬の妖怪。お前にこの技は勿体無いが、このままでは姫菜が危ない。手早く終わらせる!」
そういって慧音さんはスペルカードを取り出す。
慧音「日の出ずる国の天子!」
慧音さんから青と赤のビームが全方位に発射され、その合間を隙間なく弾幕が補う。
なにあれ…小町ちゃんのルビーレーザーみたい…。
ルビーレーザーは光速の見えないレーザーだけど、もし見えたらあんな感じなのかな…。
レティ「ぐううううぅぅぅぅぅ!あああああああ!」
レティっちは弾幕を回避しきれず、直撃をもらって落下した。
すごい…やっぱり幻想郷の戦士は強いんだね。
わたしの意識は徐々に薄れていく。
慧音「姫菜!寝るな!死ぬぞ!待ってろ!私の霊力を分けてやる!」
慧音さんから霊力が譲渡され、失いかけたわたしの力が少しだけ戻ってくる。
回復したわたしはよろよろと起き上がる。
海老名「ありがとう…助かったよ」
慧音「何を言う。助けられたのは私の方だ。あのまま三人と戦っていたのなら、負けていたのは私だったかも知れない。礼を言うぞ、姫菜」
わたしと慧音さんは固く握手を交わす。
大妖精「ううん……」
チルノ「あれぇ?何でこんなところに…」
レティ「うう……せっかく惰眠を貪っていたのに…なんで夏にわたしが目覚めてるの?」
黒いしょう気から解放された三人が目を覚ます。
慧音「正気に戻ったようだな。大丈夫か?」
慧音さんが三人に声をかける。
大妖精「慧音先生!もしかして私達はまた?」
チルノ「何か変な男に触られたと思ったら、意識が真っ黒になったのだ」
レティ「真夏の真冬…。こんな歪な冬は嫌ね。ちゃんとした冬に目覚めたいな」
慧音「お前達。疲労が凄いみたいだな。しばらく休むと良い。特にレティ。無理矢理起こされて本調子ではないだろう?」
レティ「ええ…安全な場所で眠らせて貰うわ…。真夏の惰眠中に襲われたらひとたまりも無いもの…」
チルノ「安全な場所まで送るのだ!大ちゃんも手伝って!」
大妖精「うんっ!」
チルノっちと大っちはレティっちの肩を抱いてふわふわと浮かぶ。
レティ「慧音さん、そして外来人の海老名姫菜…気を付けて。そしてこの異変を早く終わらせて…。真夏の冬なんて…こんなのは自然の掟に反するわ。………迷惑をかけてごめんね?助けてくれてありがとう…」
レティっちはそういって二人の妖精に運ばれて行った。
さようなら…自然を愛する冬の妖精…。
もし全てが終わって冬の季節になったら、わたしの世界の幻想郷にいる彼女に会いに行こう。
慧音「まだ行けるか?姫菜」
海老名「うん…。まだ優美子やジョジョっち、それに承太郎が頑張ってるからね…。まだ
慧音「わかった。だが、無理はするなよ?」
わたしと慧音さんは浮き上がり、上空を見据える。
慧音「行くぞ!姫菜!」
海老名「うんっ!」
わたし達は優美子達を追って飛び上がる。
幻想郷の戦士は強すぎる。手加減されていた紅霧異変なんかよりもより苦戦が予想できる。
ダメージは小さく無いけれど、まだ戦える…。少しでも戦力になるために頑張るんだ。
だから…待っててね。イギー、ミドラー、優美子、ポルナレフ、ジョジョっち、ヒキタニくん……そして承太郎。
わたし達は上空へと飛び立った。
大切な仲間を助ける為に…新しい異世界の仲間と共に。
レティ・ホワイトロック(寒気を操る程度の能力)…
チルノ(冷気を操る程度の能力)…
大妖精(瞬間移動する程度の能力?)…
海老名姫菜(ハイエロファント・グリーン)…少しの間だけ
←To be continued
今回はここまでです。
海老名さんが死にかけましたが何とか無事です。
次は誰の出番でしょうか?
それでは次回もよろしくお願いいたします。