作風がまた変わり、今度は二人揃うと録でもないことしかしない八幡と静に振り回される幻想郷の空条承太郎。
果たして承太郎の胃は無事でいられるのか!
座敷わらし以上に質の悪い二人のイタズラに、博麗霊夢は無事でいられるのか!?
そこに魔理沙や射命丸文が加わったら!?
さぁ、みんなで承太郎の胃に穴を空けましょう!
振り回されて下さい!ジョースターさん!
side空条承太郎
博麗霊夢が何か術のようなものを使い、空間に穴が生じる。
霊夢「結界一時的に解除したわ。急いで入ってくれないかしら?」
霊夢に言われるがまま、俺たちは空間の穴に入る。
穴の先に広がる光景に俺たちは驚いた…。
空条「澄んだ空気だ…こんな光景は俺達の世界ではアフリカでも中々お目にかかれない…今の時代では、どこもかしこも人の手が入っていてこんな自然が豊かな所は意図的に作られた場所しかない。または人が住めないような秘境くらいのものだ」
冒険家の血が騒ぐな。
是非とも色々探検してみたいものだ。
静「おじさん。仕事柄探検してみたいのはわかるけどさ、目的を忘れないでよ?でも、綺麗な所だよね。さすがは幻想郷って名前が付くだけあるよ。幻想的な光景だよね」
ぬ………危ない。
思わず目的を忘れる所だった。
この世界のジョースターの末裔を拝みに行かなくちゃあならない。
それも、空条承太郎…とか言ったな。
どういう男か見るのが楽しみだ。
三浦「とりあえず、神社があるからお参りするし」
霊夢「ここが私の神社の博麗神社よ。正確にはここは幻想郷の東の境目で、幻想郷とも言えるし、外の世界とも言えるわ。素敵なお賽銭箱はそこよ」
海老名「お賽銭をねだる巫女って…」
ミドラー「これがジャパニーズ・ジンジャーかい?とりあえず毎日5回、この神社に向けて土下座をすれば良かったんだっけ?いや、2礼2拝1礼だったかねぇ」
ポルナレフ「ミドラー……。イスラム教と神道が中途半端にごっちゃになってるぞ」
ポルナレフに突っ込まれてるミドラー。
外国人からしたら神道のお参りは独特だろう。
チャリンチャリン♪
それぞれが小銭を賽銭箱にいれ、お参りする。
霊夢「ちっ……小銭ばかりね……」
このアマ……。あからさまに舌打ちをしやがった…。
空条「文句があるなら二度とお参りをしないが、それでも構わないか?」
霊夢「いやねぇ。信仰心は大切よ?空条博士」
守銭奴な事はよくわかった。
だが、この幻想郷では信仰心は大切なのだろう。
何でも妖怪とかの魑魅魍魎が我が物顔で歩くとかいう世界だ。
俺達の世界の常識は通用しないと思って良いだろう。
空条「早速だが、その空条承太郎とやらに会わせて貰おう」
俺は霊夢に頼んで八幡と同化したという空条承太郎に早速会わせて貰うことにした。もしかしたら互いに背中を預ける間柄になるかも知れないからな。
相容れないようならば、俺達で異変とやらを解決すれば良い。
そうはならないことを願うが。
霊夢「良いわよ。さぁ、靴を脱いで神社に上がって頂戴。伝説のジョースターの末裔と聞いたら、喜ぶと思うわ」
そう言って霊夢は我々を神社の本殿に案内した。
大きな神社だが、そのほとんどは居住スペースのようだ。
いきなり守銭奴な面を見せられたから小さな貧乏神社かと思えば、それなりの神社のようだな。
もっとも、参拝者が全くいないのが気になるところではあるのだが。
side比企谷八幡
承太郎(幻想郷)の精神世界。
そこで俺は妙な奴らと話をしていた。いや、妙というのは語弊がある。何故なら、良く見知った奴等だからだ。
DIO(幻想郷)「まったく…不完全なレクイエムなどと、無茶なことをしたものよ」
DIO(ガイル)「DIOよ、貴様もそう思うか。まったく…このDIOの転生であろうものが後先も考えずにバカな事をしたものよ!」
ジョナサン(幻想郷)「まぁまぁ、記憶を見る限りは仕方がないことじゃあないかな?」
ジョナサン(ガイル)「あそこでああしない八幡は八幡じゃあないからね。あそこで結衣を見捨てる八幡じゃあないよ」
八幡「おまえら、言いたい放題だな…」
承太郎「やかましい!鬱陶しいぞ、この悪霊共!」
あ、こっちの世界の承太郎……に似た誰かが起きた。
八幡「よう、偽承太郎。気分はどうだ?」
承太郎「とても最悪だ。何で俺の中で五人も騒がしく談笑してやがる。しかも何でその中にDIOとジョナサン・ジョースターが二人ずついやがるんだ。あと、俺は偽物じゃあない。お前達とは別の平行世界のジョースターの末裔だ。名前も偶然とはいえ、空条承太郎という」
そう言って承太郎は俺達が囲んで座っている輪の中に入り、あぐらをかく。太ももの上に肘を起き、頬杖をついて俺達を目で見回した。
俺達の承太郎よりは朗らかそうで親しみが沸く表情だが、その目には油断がない。
こいつ、俺と同じように裏の世界を良く知っているな。
ますます親しみが沸くじゃあないか。
八幡「自己紹介をありがとう。俺は比企谷八幡。ジョナサンとディオが融合して転生した者だ。そこのジョナサン達は前世の残留思念…って奴か?なぁ?」
俺がそう言うと、俺の世界のジョナサンとディオがうんうんと頷く。
承太郎「最近はやっと静かになったと思ったのに、今度はよりにもよってジョナサンとDIOの転生とはな。それもやたらと性格が悪いと聞く。また胃薬の世話になりそうだ。ヤレヤレだぜ」
承太郎は深くため息を吐いた。普段からストレスを溜め込んでいそうだなぁ…。
八幡「性格が悪いとか…テメェ…」
承太郎「ん?流石に失礼だったか?」
八幡「誉めるな、照れるぞ」
承太郎はガクッ!っと頬杖から頭を落とし、脱力した。
承太郎「誉めてねぇよ!性格が悪いと言われて喜ぶ野郎なんて…時たま現れる外来人には多いか。あと、あの隙間妖怪もか」
わりと本気で苦労してるんだな。
仕方がない……
八幡「もっと胃薬が必要になるまで引っ掻き回してやるしかないよなぁ!そうだろ?ディオ達よ!」
ダブルDIO「WRYYYYYY!当然だぁ!」
ゴンッ!×3
承太郎「やめろバカ野郎!邪悪の化身が一気に3人になるってどういう悪夢だ!ふざけてるのか!」
八幡「わたくし、大マジですわ」
ゴンッ!
八幡「ナイスツッコミのセンスだ。徐倫並のタイミングの良さだぞ。気に入った!承太郎!」
承太郎「やかましい!俺が拒否したいぞ!大真面目でふざけていることだけはよぉぉぉぉくわかった!」
面白いな、この承太郎。
うちの承太郎だったらすぐにプッツンしてオラオラしてくるしな。
八幡「まぁ、掴みはコレで上々として、ちょっと良いか?承太郎2号」
承太郎2号「真面目な顔してふざけてるんじゃあない!あと、その2号はやめろ。それと何で名前が2号になっているんだ!」
八幡「面白いがメタイぞ?」
ゴンッ!
承太郎「疲れる………マジでこいつはこれまで以上に疲れる奴だ…」
yeah!パァン!ビシッ!ガシッ!グッ!グッ!
俺とダブルディオとダブルジョナサンはポルナレフさん式ハンドシグナルをやる。
ゴンッ!×5
八幡「流石に拳骨を落としすぎじゃあないか?」
承太郎「やかましい!だいたいやった直後に波紋や吸血鬼の再生能力で効いてないじゃあないか!話が進まんからさっさと用件を言いやがれ!」
いやぁ、面白くてついつい…ハチマン反省。8秒だけ。
5秒前…2秒前…ゼロ…終了♪バァカバァカ♪
承太郎「そろそろスター・プラチナで拳骨を落とすぞ」
八幡「っと…流石にふざけすぎた。それで聞きたいんだが、いまいち俺が置かれている状況がよくわからん。ここが地球じゃあ無いのはよくわかったが、だとしたら何で俺はここにいて、お前の中に入り込んでいる?」
そろそろ本気で2号が怒り出しそうだから真面目に話をする。まぁ、あまりふざけすぎても(十分すぎるほどふざけ倒したが)仕方がないしな。
承太郎「その前にお前が何故聖なる遺体となってしまったのかの説明をしてくれ。こっちも多くは情報を持っている訳じゃあないんでな」
それもそうだな。
俺は承太郎にこれまでの経緯(第1章~第3章まで)を詳しく…それはもう詳しく説明し……
承太郎「かいつまんで頼むぞ」
…ようとして、読まれてしまったので要所要所を詳しく説明した。
5歳の時に前世を思い出してジョースター家と出会ったこと、8年後にプッチの計画を止めたこと、更に四年後にこれまで出会ったジョースターの仲間達との転生者との出会いと柱の一族との戦いを…、最後にブラッディ・スタートの最終覚醒として柱の一族に覚醒した由比ヶ浜を救う為に不完全な…2つのスタンドのレクイエムを1つの魂で行い、魂が5つに砕けてそれぞれの世界に飛ばされてしまったこと…その内の1つが俺であること。
承太郎「ヤレヤレだぜ……お前という男がますます分からなくなった。どこまでもふざけているかと思えば、DIOみたいに外道になる。かと思えば妙なところで変にジョースターの気質が出てくるしな。どれが本当のお前なのか…」
八幡「どれが俺なのか…おれ自身も良くわからん。もっとも、コレが自分だと思った自分というのは、大抵が往々にしてその人物像とかけ離れているっていうしな」
承太郎「言いたいことはわかるが、お前とここで人間の精神について哲学を語り合う気はない。興味深くはあるが、それよりも重要な事がいくつもある」
そうだな。まずは状況の整理がしたい。
承太郎「まずはここがどこだというお前の質問に答えよう。ここは幻想郷。お前達が住んでいる世界とは隔絶された日本の秘境に位置する結界に覆われた異世界だ。
もっとも、お前は更に別の平行世界から現れた更なる異物扱いだがな。
幻想郷は外の世界で失われ、「幻想になった」ものが集まるといわれ、外の世界で減少した生物が幻想郷で増加したり、外の世界で消えつつある道具などが幻想郷に現れる…そんな世界が幻想郷だ。簡単に説明するとこんな所だ」
これだけ濃い内容でも簡単に説明している方なのかよ。
結構複雑な事情があるようだな。
八幡「概ねは理解した。それで、俺はどうなるんだ?」
承太郎「俺も詳しいことは良く知らん。同居人の博麗霊夢という幻想郷の管理人は何か知っているようだが。この世界は度々異変に見舞われる。妖怪だったり吸血鬼だったり、そう言った奴等が自分達の住み良い環境に変えようとしたり、または個人的な目的を果たそうとしたりなど、理由はまちまちだが、超状現象に見舞われる。それを解決するのが俺やその霊夢の仕事なのだが…霊夢の話ではお前はこの平行世界の幻想郷で起こる異変解決の鍵となるようだ」
おいおい。つまりあれか?どうせ魂だけになった…幽霊みたいな存在だから利用しようって腹か?
まぁ、やることもないから別に構わんのだが。
とりあえず、その博麗霊夢という奴を見極める必要がありそうだな。
それを考えていると、承太郎の意識の世界に白い光が差し込み始める。
この光景には見覚えがある。5歳の時、ジョナサンとディオが完全に融合し、俺という存在が生まれた時のような…(第1章「こうして俺達の心は1つになる」参照)
八幡「どうやら、お前が目を覚ますみたいだな。とりあえず、これからよろしくな。空条承太郎。胃薬は沢山用意しておけよ?」
承太郎「勘弁しろ…この悪霊」
もはやこれは趣味だ。あいつのように……。
それに、魂の惹かれ合いを感じる…。
来てくれたのか…。アーシスの…俺の家族の誰かが。
side静・ジョースター
霊夢に案内され、博麗神社の中に案内された場所…寝室のような所で眠っていたのは…。
静「うそ……本当に若い頃の承太郎おじさん?」
空条「それも、八幡にあげた学ランそのものを着ている。気味が悪いくらい、若い頃の俺にそっくりだ」
おじさんは努めて冷静を装っているけど、気持ちはわかる。
この承太郎さんは完全におじさんとは他人だけど、私は平行世界の自分を知っている。
ワイルド・ハニーのスタンドを持つグラサン女の静・ジョースター。自分でありながら自分ではない、あの気持ちの悪さは言葉にし難い。
初めてそういった存在と出会ったおじさんの心中は良くわかります。でも、承太郎おじさんとは明らかに違う特徴がある。
前髪の一部の髪色だ。
染めているのか地毛なのかは良くわからないけど(徐倫お姉ちゃんは染めているしね)、癖毛の一部が金色、更に別の癖毛の一部が緑色をしている。
今は脱いでいる帽子だけど、帽子が被りにくそうにアホ毛が跳ねている。ハッチのアホ毛のように。
承太郎「うう……ん…」
承太郎さんは目を覚ましたようで、瞼を開けて上体を起こして頭を振る。
承太郎「ここは……いつもの寝室か。霊夢が運んでくれたの………か……?」
空条「…………」
承太郎さんはおじさんと目が合い、絶句している。
承太郎「オリジナル……空条承太郎……だと?」
空条「俺の事を知っているのか?」
承太郎「……ああ。俺は……幻想郷の守護者、空条承太郎。あんた達の…子孫だ」
二人の空条承太郎が邂逅した。そして……
私とおじさんの中にあるハッチの魂の欠片が共鳴している…。
静「ハッチ!お前、見ているなぁ!」
ゴンッ!×2
ダブル承太郎「いきなりネタに走るんじゃあない!」
うん、承太郎さんも面白いね。
承太郎「参った…このグラサンのアマも比企谷八幡と同じタイプの人間か…胃薬の追加が必要そうだ…」
空条「気持ちはわかるぞ。そっちの空条承太郎。八幡と静が揃ったら録でもない事ばかりを企む。胃薬は確実に必要になるぞ」
承太郎「マジか…まったく本当に…」
空条「ああ、マジだ。まったく本当に…」
ダブル承太郎「ヤレヤレだぜ(だ)」
←To be continued
はい、今回はここまでです。
早速、八幡と静は承太郎の胃を攻略しにかかっています!
それでは次回もよろしくお願いいたします!