やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

200 / 731
4-2ラストバトルです。

また、200話に到達しました。

\(^o^)/

みなさまこれからもよろしくお願いします。


白雪の世界

sideジョナサン・ジョースター

 

八幡「スノーパープル!」

 

八幡は刀を持った手からハーミット・パープルを伸ばしてそこに袖の白雪の冷気を伝わせる。

 

ピッキーン!

 

凍りつくまで固められた吸血鬼は氷像となり…砕け散る。

ふん、気化冷凍法が出来る吸血鬼なのに、ディオ程の発想力は無いか。

 

八幡「ホワイト・ラッシュ。技を借りるぞ、スタンド使いの雪ノ下」

 

T・W「無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」

 

ドバババババババババ!ピッキーン!

 

ザ・ワールドとブラックトリガーの力を合わせ、吸血鬼の集団を粉々に砕く。もう完璧にスタンドを使いこなしている。やっぱり凄いわ…この男…。

ジジイや小町(リサリサ)達も奮闘し、この場には迅さんも一緒に戦ってくれている。

 

迅「一色と陽乃ちゃんもそれぞれワムウとエシディシとかという柱の一族のネイバーを倒したらしいぞ。ほとんど相討ちだったらしいが、無事にベイルアウトしたみたいだ」

 

波紋の戦士じゃあ無いものがあの柱の一族を倒すか。

俺達、別にいらなかったんじゃね?

 

八幡『そうでもない。吸血鬼はともかく、2柱の柱の一族は攻撃の特性の情報がなければ犠牲は出ていた』

 

そう言われると、立つ瀬があるよ。

 

カーズ「ふん…ワムウとエシディシが敗れたか。ネイバーフッドの者達といい、貴様らといい、トリオン等と下らん技術を次々と…」

 

出てきたか…。柱の一族の首領、カーズ…。

 

八幡「ザ・ワールド。お前がカーズか」

 

カーズ「ふん……太古の昔に我々の祖先が見限った世界の戦士か」

 

八幡「大方、トリオンが…生命力が具現化した力が弱点のお前たちが、他の国家に遅れを取り始めて焦ってこっちの世界に侵攻してきたところだろうが…」

 

カーズ「焦る?違うな。ネイバーフッドの国家など、物の数ではない。トリオン戦士どもよ。生物の頂点には天敵などおらぬことを教えてやる…」

 

八幡「その余裕、ハッタリにしてもムカつくな」

 

……こいつ。

 

八幡『殺気がない…おかしい…』

 

八幡もそう思ったか…

 

ジョジョ『気を付けろよ…俺の世界のこいつはとことんまで腐っていた…多分こいつも…』

 

八幡「ザ・ワールド。時よ止まれ」

 

ドワワワワン!

 

世界から色が失われ、時が止まる。

 

八幡「ザ・ワールドの練習はそれなりに訓練してきた。今、俺が止められる時は5秒。その5秒で方をつける。4秒前。初の舞・月白」

 

八幡がカーズの足元に冷気のサークルを作り出す。

 

八幡「こいつに触れられると吸収されるらしいな。だが、直接触らずとも攻撃する手段ならいくらでもある。3秒前…次の舞・白蓮」

 

八幡が刀を振るうと、氷の斬撃の軌跡を描くように氷の刃がはっせいする。

 

八幡「2秒前。全周に白蓮を作り出す」

 

八幡は残り二秒でカーズの周囲に氷の斬撃を次々と作り出す。

 

八幡「ゼロ……そして時は動き出す」

 

最初の月白で作ったサークルから氷の柱が作られ、カーズが氷の柱に閉じ込められる。

柱の一族を柱に閉じ込められるとか…なかなか皮肉な真似をするな。

そして、周囲に作った白蓮がその柱を滅多斬りにし、カーズごと細切れにする。

 

迅「おいおい…風刃のような技を…いつの間にこんな技を覚えたんだ?」

 

八幡「白霞罸は小町(・・)のルビーレーザーのように強すぎるのが弱点。ついでに、絶対零度の威力は正に自爆技。それを抑える訓練をしていたんですよ。白蓮は風刃を参考にしましたが、なかなか使い勝手が良い技じゃあ(・・・)ないですか」

 

迅「だろう?……にしても、カーズの奴は偉そうな口の割には、大した事が無かったな」

 

ああ、あっけなさ過ぎるにも程がある。その時だ。

ズンッ!

俺の胸から……刃が突き出していた。

 

リサリサ「八幡さん!お兄ちゃん!」

 

迅「ハチ!」

 

若ジョセフ「やっぱりか!カーズ!てめーの根性はッ! 畑にすてられ、カビがはえて、ハエもたからねー、カボチャみてえにくさりきってやがるってのはよ!」

 

俺の背後には…地面に潜って隠れていたカーズが立っていた。では……白蓮で滅多斬りにしたカーズは…

見ると、カーズによく似た吸血鬼がトリオンによって煙になっているのがわかる。

 

八幡()どうりで殺気が無かったはずだ…自分で戦う気が全くなかったんだな()

 

…と、思うじゃん?

 

八幡「次にお前は『どんな手を使おうと、最終的に勝てばよかろうなのだぁぁぁぁ!』と言う」

 

カーズ「どんな手を使おうと、最終的に勝てばよかろうなのだぁぁぁぁ!………はっ!」

 

()は口角を吊り上げ、ニヤリと嗤う。

 

リサリサ「その目は…お兄ちゃん?」

 

ジョジョ「そうだよ!俺だよぉ!この間抜けがぁ!」

 

時が動き始めると直前に、俺と八幡は入れ替わっていた。

 

ジョジョ「八幡のサイドエフェクトをなめるんじゃあない!テメェが地面に潜って隠れていたことなんて最初からお見通しだったんだよぉ!」

 

カーズ「それでこのざまか?むざむざ心臓を刺されてしまっては無意味じゃあないか」

 

若ジョセフ「次にお前は『間抜けはやっぱりお前の方だったようだな、この下等生物が!』と言う」

 

カーズ「間抜けはやっぱりお前の方だったようだな、この下等生物が!………このカーズの言葉を先読みしたから何だというのだぁぁぁぁ!」

 

へ!この俺がテメェの罠ごときに引っ掛かる訳がねぇだろうが!

 

ジョジョ「テメェはこの比企谷八幡との知恵比べに負けたんだよ!ほどけろザ・ジェムストーン!」

 

幻影の波紋で俺に化けていたザ・ジェムストーンがハーミット・アメジストにほどけ、カーズを雁字絡めにする。そして、同じく自分に絡めていたハーミット・アメジストによる幻影の波紋で透明になっていた俺が姿を現す。

 

ジョジョ「終われ、カーズ。紫水晶の波紋疾走(アメジストパープル・オーバードライブ)!」

 

バリバリバリバリバリバリバリバリ!

 

シュウウウウ……

 

波紋が決まり、カーズの体から煙が発生する…

 

ジョジョ「…………テメェ、カーズ……既にお前は…」

 

カーズ「………………フッ………」

 

柱の一族が波紋を食らって無事で済む筈がない……。

そして、波紋を全身に流された柱の一族が辿る末路はただ1つ…煙となって消えるのみ。

なのに、カーズが無事な理由はただ1つ…

 

若ジョセフ「既に……究極生命体になっていただと…これはまずいっ!全員、退却するんだ!逃げるんだよォォォォ!」

 

迅「マジかよ!波紋が効かない=トリオンが効かないって事だろうが!読めねぇ!こいつの未来が読めない!」

 

小町「遊んでた……こいつは最初からこっちを全滅させようと思えばやれていた!」

 

忍田「勝てないのか……こいつに……」

 

ジョジョ「ザ・ジェムストーン!時よ止まれ!」

 

ドワワワワン!

 

ジョジョ「8秒間、逃げられるところまで逃げるぞ!その後は頼む!」

 

俺は八幡と交代する。

 

八幡「逃げる……だと?白霞罸で砕けば…」

 

ジョジョ『無駄だ。ガンズ・アンド・ローゼズ以上に無敵…それ故に究極生命体!砕こうともまた1つになるだけだ!』

 

小町が言うように、こいつは遊んでいた…。

最初からこのメンバーで勝てる相手じゃあ無かった!

億泰さんのザ・ハンドやヴァニラアイスのクリームのように空間ごと削り取って始めて消滅させられる存在。

もしくは…

だが、その手は使えない…。

鎮魂歌(レクイエム)

ザ・ワールド・レクイエムなら或いは究極生命体を消せるかも知れないが、俺の魂は砕けているし、八幡の魂まで巻き込む訳にはいかない。

それに、やりたくてもこの世界に矢はない。完全にチェックメイト…。

 

八幡「ルビーレーザーなら…」

 

ジョジョ『再生されて終わりだよ。火山の溶岩だって克服する奴だぞ!手段があるなら宇宙に放逐するしか無いんだよ!』

 

八幡「どうやってやるんだよ!そんなの!」

 

ジョジョ『知るかっ!あったなら無策で逃げてねぇよ!飛行機もねぇし!逃げたところで焼け石に水だ!時間稼ぎにすらなってねぇ!くそっ!もう時間切れだ!』

 

時間停止ももう終わる。

俺達が出来るのは罵り合いながら逃げるのみ。

惨め…ジジイが俺達の世界でカーズを宇宙に放逐出来たのもスーパーエイジャの力と火山の噴火による偶然が重なったに過ぎない…。

 

リサリサ「ルビーレーザー!」

 

ドスドスドスドス!

十本のルビーレーザーがカーズを蜂の巣にするが…

 

カーズ「小賢しい!」

 

カーズはすぐに再生した上に、両腕を鳥の翼に変えて上空に羽ばたく。

 

若ジョセフ「まずい!一ヶ所に固まってシールドを張るんじゃ!」

 

忍田「他の地域の者は!?」

 

若ジョセフ「助からん…諦めろ」

 

八幡、ジョセフ、リサリサ、迅さん、忍田さんが固まり、シールドを重ね合う。

 

カーズ「先ずはその忌々しいトリオンから破壊してやろう!」

 

カーズは羽根を手裏剣のようにしてボーダー、吸血鬼を滅多刺しにする。

 

八幡達を除き、戦場の全ての隊員…再起不能(リタイア)

吸血鬼兵士…全滅

 

忍田「バカな……一瞬で味方もろとも全滅させた…だと?」

 

若ジョセフ「関係ねぇんだよ…完全生物にとって味方とかそんなものは…俺の世界の奴が言った究極生命体の定義はこんな物だ。

ひとつ 無敵なり

ふたつ 決して老いたりせず

みっつ 決して死ぬことはない

よっつ あらゆる生物の能力を兼ね備え

しかも その能力を上回る

そしてその形はギリシアの彫刻のように美しさを基本形とする…究極生命体故に味方なんて必要ない…

スーパーエイジャもない…」

 

八幡「チート…何てものも生ぬるい…あんなものを相手にスタンド能力もブラックトリガーも意味がない…」

 

リサリサ「………スーパーエイジャなら…ある!」

 

おい、小町…まさか!

 

リサリサ「トリオン体ならば…このスーパーエイジャは使える!サンシャイン・ルビーの胸にあるスーパーエイジャが!」

 

確かにサンシャイン・ルビーの心臓の位置にはスーパーエイジャが埋められている…。だが、いくらスーパールビーレーザーでも…

 

カーズ「後は貴様らだけだ!WRYYYYYY!終われぇぇぇぇ!トリオンの戦士共ぉぉぉぉぉ!」

 

カーズが急降下して迫ってくる!

 

リサリサ「八幡さん!白霞罸を!」

 

八幡「こうなったら何だってやってやる!卍解!白霞罸!」

 

ピッキーン!一瞬で動けなくなるカーズ。だが、そんなことをしたって…

 

カーズ「無駄無駄ぁ!」

 

リサリサ「無駄なもんか!これで倒せなかったら…ごめんね…コォォォォォ…究極赤石の光線(アルティメット・ルビー・レーザー)!」

 

今まで一度しか試したことのないサンシャイン・ルビーの最大の必殺技。

だが、その代償も大きい。

それをやった直後、サンシャイン・ルビーの胸はベッコリ穴があき、本体である小町も胸が抉られる。

過去に試した時は、ジョルノが近くにいたため、速攻で心臓を含めて抉られた胸を作って小町を治療し、九死に一生を得た。

その極太のルビーレーザーがカーズを上空へと押し上げる!このまま宇宙へ飛ばせ!

そして、絶対零度で凍結させたのも無意味では無かった。

カーズを砕き、軽くなったその体をより宇宙へと飛ばす!そして、急激な温度変化による噴出力も加わり、カーズを更に押し上げる!

 

リサリサ「やった………これでダメなら…もぅ……」

 

エリザベス・ジョースター(サンシャイン・ルビー)…再起不能(リタイア)

 

よくやった…小町。お前は俺の誇り……

…………っ!

八幡のサイドエフェクトが言っている!何てことだ…

 

カーズの肉片が落ちてきた…そして、カーズはそこから再生する…。魔人○ウかよ!

 

カーズ「危なかった…肉体のほとんどが消滅し、この欠片以外は全て宇宙に放逐された……。偶然この欠片だけが逃れる事が出来た…やってくれたな…下等生物」

 

ドスドスドスドス!

 

八幡を除き、全滅。全員ベイルアウト。

終わりだ……今度こそ…。

 

カーズ「さて…最後に残ったお前は、伝説の波紋で始末してやろう。トリオンの戦士は貴様を最後に全滅の最後を飾るのだぁ!コォォォォォ…!くらえええ!」

 

まさか…こんな終わりが…。

カーズが腕を振り上げてその手刀を降り下ろす。

八幡は最後までカーズを睨み付ける。せめて、心だけは屈服してなるものかと…だから気が付いた。

カーズの腕が遅くなり、最終的には…止まった。

ザ・ワールド?悪あがきか?

 

八幡「ちがう……良く見ろジョナサン……。俺も動けん!時が止まった世界じゃない!これは…レクイエムの世界だ!」

 

レクイエム?

よく周りを見ると、世界が黒と白の二色しか無くなっている。

まさか………

 

レクイエム「そうだ……川崎京華のデュオロン・オブシディアンだ。二人の比企谷八幡」

 

八幡「これが……レクイエムの世界!究極生命体ですら…」

 

レクイエム「この世界の比企谷八幡。これがレクイエムだ。真実の前には究極生命体ですらその意味を失う」

 

ジョジョ「チートと呼ぶことすら生ぬるい究極生命体をも赤子扱いか…何て力に選ばれちまったんだ…俺は」

 

八幡「はははは……想像を絶する事が連続して起こりすぎて訳がわからん…こんなものに魅入られる…もはや呪いだな…スタンド能力、やっぱり要らんわ」

 

カーズ「バカな……動けん!なんだこれは!何だ、この悪霊みたいな物は!」

 

カーズがもがくが、無駄だ。

レクイエムの前にはあらゆる事が無意味。

究極生命体すらも…

 

レクイエム「比企谷小町…エリザベス・ジョースターと比企谷八幡の足掻きは無駄では無かった。平行世界を越えた兄妹の奮闘が、川崎京華の心を動かし、私を呼び出した。私の出現はおまけに過ぎない。勝利者は君と比企谷小町だ…さぁ、神へと成り上がろうとした愚か者に罰を与えよう」

 

デュオロン・オブシディアンから無数の手が出現する。

カーズは手に捕まれ、首を除いてあの世へと体が運ばれる。究極生命体だろうとなんだろうと…、あらゆる者を死へと誘うルールに例外は存在しない。

 

カーズ「こ、この究極生命体であるカーズは…どうなるんだ…」

 

レクイエム「未来永劫、永遠に抜け出せぬ無限の地獄。その先には待つのは絶対の無。考えることを止めようなどと思わぬ事だ…。お前の真実は…永遠の地獄以外にない。それが…デュオロン・オブシディアン。これを知ることは、真実に到達し、その先へと進むもの以外に知ることはない」

 

デュオロン・オブシディアンが指を鳴らすと、最後に残っていたカーズの頭部は手に連れ去られる。

究極生命体の終わり…。何とも呆気ない。

 

レクイエム「ある世界に飛んだお前はたどり着いた。真実の到達に…。お前もこの世界で手に入れた物があるだろう…」

 

何をだ?俺は特に何もしていない。俺ではなく、由比ヶ浜や小町達が成長したくらいだ。

 

レクイエム「それがそうだ…。絆と共に更に磨かれるが良い。ザ・ジュエルよ…また会おう。真実の先へと進まんとする黄金の魂達よ…」

 

そう言ってデュオロン・オブシディアンは消え、世界に彩りが戻る。

いま、この場には八幡しか立っていない。

他の者はカーズが宇宙に放逐されたと思い込んでいるだろう。

それで良い。レクイエムの事など、呪われた者だけが知っていれば良い。

 

八幡「……はっ!今、とてつもないことが起こった…それだけはわかるのに…カーズは…カーズはどつなった!」

 

ジョジョ『お前と小町が宇宙に放逐したんだよ。覚えて無いのか?』

 

八幡「……………そうだったな。俺は何を見たのか…」

 

遥『全吸血鬼と柱の一族、撃破確認!ボーダーの勝利です!八幡君!素敵よ!』

 

一同『わああああああああああああ!』

 

終わった……この世界の危機は一先ず去った…。

 

八幡がボーダー本部に目を向けると、朝陽が登り始める。

 

八幡「さて……祝勝会をやるか。歩いて帰る気力もない。今回は横着するか……ベイルアウト!」

 

八幡のトリオン体が緊急脱出による転送により、八幡はボーダー本部へと帰還した。

 

カーズ…永遠の地獄へと連れ去られる。死亡。

 

 

←To be continued




次回、第4章ー2のエピローグです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。