やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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歴代ジョジョ&いろは対暴走八幡戦です

戦闘描写が上手く出来るかわかりませんが、がんばって書いてみます


八幡VS歴代ジョジョ①

side 東方仗助

 

ザ・ワールド?「無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」

 

少年から出現したスタンドは、出た次の瞬間には周囲に破壊を巻き散らかしていた。

周りにいた花京院家の人達も一人の例外を除いて殴り飛ばされて意識を失っている。

 

康一「ヤバいよ!スタンド、暴走している!承太郎さん達は何でフリーズしたみたいに動かないんだ!」

 

何よりも問題なのはスタンドの本体である少年が、意識はあるのにしっかりとした自我を持っていない事だ。

子供のスタンド使いが自らのスタンドを制御できず、暴走させてしまうことはわりとよくある現象だが、この少年のスタンドは周りの墓石をあっさり破壊してしまうくらいのパワー(親父ギャグじゃないからな?)。単純な破壊力はとても少年のスタンドとは思えないパワーだ。

 

…っつうか…

 

仗助「何でガキのスタンドのクセに大人の人型をしてるんだ!?このスタンド!」

 

通常、完全な人型のスタンドは、その精神年齢に合わせた姿、形をしている。だが、奴のスタンドは小学校に上がるか上がらないかの子供が操るには不相応な完全な大人の姿をしていた。

 

康一「そんな事を考えている場合じゃあ無いよ仗助君!怪我人が多すぎる!死人が出る前に治さないと大変だ!」

 

おっと、ヤベェ。確かに疑問ではあるが、あのスタンドは無差別に人も物も破壊しまくっている。このままでは死人が出てもおかしくない。

それに、ケガを治せるのは俺のクレイジーダイヤモンドしかない。

俺は静を康一に任せ、あのクレイジーダイヤモンドモドキの被害者を助けるべく走る。

奴からこっち側の人達の治療はすぐに終わらせる。問題は奴から向こう側の被害者だ。

出来れば承太郎さんやジョルノの援護も欲しいところだが、何故か目を見開いたまま硬直している。

援護が期待できないなら、どう切り抜けるか…いや、切り抜けるんじゃない…

 

仗助「ぶっとばし抜ける!」

クレイジーダイヤモンド「ドララララ!」

ザ・ワールド?「無駄無駄無駄無駄無駄!」

 

人型スタンド同士の殴りあい。承太郎さん風にいえばパワー比べだ。

ぶつかり合う拳と拳。威力は互角。

その年でクレイジーダイヤモンドと互角なのはやっかいではあるが、相手は子供な上に暴走スタンド。勝つのは難しくない。

 

仗助「攻撃がよぉ、パンチ一辺倒なんだよぉ!」

 

俺は奴のスタンドにローキックを仕掛ける。異変がおきたのはこの瞬間だった。

気付いた時には俺は空中に放り投げられていた。

 

仗助「何が起きたッスか?!」

 

地面に落ち、奴の方に目を向いた…と同時に俺の顔の横を承太郎さんがぶっ飛んでいった。

ホントに何がおきたんだ!?

 

 

side 空条承太郎

 

あの子供から出現したザ・ワールド。それを見た瞬間、本来ならすぐに判断をしなければならなかった俺とじじいは「あり得ない」と固まってしまった。

言い訳になるが、それも仕方のないことだと思う。

あの16年前のエジプトの旅から生還できた俺達は、あのスタンドの恐ろしさ、そしてそれを操るあのゲス野郎の最期を知っているのだから。

硬直から真っ先に動けたのはザ・ワールドを知らない仗助だけだった。(ジョルノも俺達が叫んだDIOの名前を聞いて硬直していた)

仗助はザ・ワールドによって傷つけられた花京院家の人々をクレイジーダイヤモンドで治療して行く。

巻き込まれた一般人の救助を優先したのはいい判断だったが、反対側の人を助ける為に奴との戦闘に突入したのは悪手だと言わざるを得ない。

クレイジーダイヤモンドとザ・ワールドの基本能力はやや互角。敵が暴走しているのならば工夫で勝てると見込んでいるようだが…

 

承太郎(まずい!奴に『あの』能力があるならば!)

 

ローキックを放ったクレイジーダイヤモンドだが、その時に俺が危惧していた現象が発生した。

 

ザ・ワールドの真の能力…時を止め、止めた時間の中で動くことが可能な能力。

 

あの少年はまだ自我を失ったままだ。ダメージを受けるのを嫌がった本能が時止めの能力を発現させたのだろう。

時を止めたザ・ワールドはやはり一番近い仗助を標的に攻撃を仕掛けた。

 

承太郎(迷っている暇はねぇ!奴が何秒、時を止めることが出来るかはわからねえが、今、仗助を失ったら終わりだ!)

承太郎「スタープラチナ・ザ・ワールド!」

 

俺は自分のスタンド、スタープラチナを出現させ、能力を発現させる。

スタープラチナはザ・ワールドと同じ能力のスタンドだから、時の静止した世界の中を動くことが出来る。

だが、スタープラチナが停止した時の中で動く事が可能な時間は2秒のみ(止まった時間の中で2秒というのもおかしな話だがな)。

承太郎「やれやれだぜ。自分からダメージを喰らいに行くなんて真似は、もう二度と御免だったんだがな」

スタープラチナ「オラオラオラオラオラ!」

ザ・ワールド「無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」

俺は仗助との間にスタープラチナを割り込ませて攻撃を反らし、本体である俺は仗助を真後ろに投げ飛ばしてザ・ワールドからの射程から逃がした。

出来ればそのまま自分も射程から逃げることが出来れば良かったが、そこで俺が動く事が出来る時間は終わってしまった。

DIO『見えることが逆に恐怖だなぁ!?承太郎!』

 

迫る拳をスローで見ながら、エジプトでの戦いで言われたあの言葉。

まさか再びそれを体感しようとは…

 

承太郎(あのゲス野郎の言うとおりだぜ!)

 

そこから3秒。俺はしこたま無駄無駄のラッシュを喰らい続けた。

 

承太郎(ぐぅっ!)

 

時が動きだし、俺は仗助の横をふっとばされた。

 

承太郎(やれやれ…杜王町の靴屋の時といい、誰かを庇ってダメージを受けることが多くなった。スタンドのパワーも段々弱くなっているし、歳は取りたくねえものだぜ…)

 

かつてはほとんど互角であったパワー比べも、今では衰えのせいか、少しパワー負けをしていた。

幸いだったのは、杜王町での反省を踏まえて時を止める訓練を定期的に行っていた為、止められる時間が少しだけ…0,5秒程度だったのが2秒まで延ばせていたことだろう。もう少し短ければ死なないにしても、意識を失っていた可能性があった。

受けたダメージはそれなりに大きい。手足の骨折も多々あるし、内臓へのダメージも少なくない。だが、仗助が無事ならば、今を乗り切れば問題はない。

 

承太郎(この空条承太郎が人任せになるとは…本当にやれやれだぜ…)

 

 

side ジョルノ・ジョバァーナ

 

承太郎さんが負けた。

あの人は僕達スタンド使いの世界では「最強」と言われている無敵のスタンド使いとして名高い人だ。

僕がパッショーネ新人時代に配属されたチームで言えば、承太郎さんはブチャラティのような絶対の信頼をおける人、それが今のジョースター家での承太郎さんの立場だ。そんな人が敗北する。それは僕達の精神的支柱を失ったに等しい。

事実、仗助さんも康一くんも残るスタンド使いの戦いのベテランとも言える人達が唖然としているのが、この状況の酷さを物語って言える。

 

ジョルノ(護衛をつれてこなかったのは失敗したかな…フーゴかミスタのどちらかをつれてきていれば少しは安全な作戦を考えることもできたんだけども…)

 

そんな事を考えても今、この場にいないのだから無駄でしかない。ミスタは僕が不在の間はパッショーネ(表向きはSPW財団のイタリア支部)の代表代理、フーゴは対麻薬チームの対策チームの責任者として、今はイタリアから出ることは出来ない。

もっとも、今回の旅行はただの墓参り。スタンド使いの戦闘が起こるなんてまったくの想定外の事だったから、護衛が必要とは始めから考えてもいなかった。

ましてや、ジョースター家はスタンド使いの戦闘においては戦いを挑むこと自体が無謀と言われているくらいには有名な一族だ。彼等自体が最強の護衛とも言っても過言ではない。

その代表格とも言える承太郎さんの敗北は僕が嫌いな「無駄」な事をついつい愚痴ってしまうには十分な事実だった。

 

ジョルノ(でも、この状況を覆すのは不可能じゃあない)

 

そう、この程度の事は三年前に先代から送られてきた刺客との戦いでは当たり前の事だった。

父、DIOと同一のスタンドが突然現れた事に動揺してしまい、初手こそ譲ってしまったが、この程度の事態で打開策が出てこないようでは先代の…ディアボロとの戦いで生き残ることは不可能だったのだから。

 

ゴールドエクスペリエンス「無駄ぁ!」

 

僕はあのスタンドが破壊した墓石を中型犬に変える。

僕のスタンドは承太郎さんや仗助さんのようなパワーに優れているスタンドではない。むしろ、人型スタンドとしての基本性能は低い方だ。

でも、無機物から生物を産み出す能力は、彼等にはない一味違った能力がある。その中でも基本的な使い方…『産み出した生物が受けた行為をそのまま相手に返す』能力。

ただ闇雲に周囲に破壊をもたらす少年のスタンドに対しては一番効果的な方法だと思う。ただ、墓石を変えたあの犬を近付けるだけで勝手に自滅してくれるだろう。

たが、この戦いではそれが最適解か?と問われればエローレ(間違い)と言える。

この戦いはただ勝てば良いものではない。彼が明確な敵ならば生死を問わずに戦闘不能にすれば良かった。

だが、彼は意識がない状態で、自分のスタンドが制御不能になって暴れているだけに過ぎない。

つまり、彼の正体がなんであれ、死なせず捕らえるのがこの戦いでの絶対的なコンゼツォリ ビニタリア(勝利条件)だ。

あのスタンドの攻撃を受けるのが承太郎さんのように鍛えられた肉体であるならば、耐えることが出来る。だがあの少年が自身のスタンド攻撃の威力に耐えられるかと言えば…

 

ジョルノ(不可能だとしか言えない)

 

最悪の場合はそれも仕方のない事だとは思う。

相手の身を優先し過ぎて自分が死んでしまっては、そんな選択をしてしまう方が愚かで無駄な事だ。

だが、今はその段階ではない。

最低限、確実に相手を倒す方法が存在する以上、より良い最適解を出すことが僕に与えられた使命だろう。

 

ジョルノ(とにかく、あの犬でザ・ワールドを引っ掻き回す。彼を無力化する手段はその時に考えれば良い)

 

とりあえずの方針を決め、犬を動かそうとする。

 

ジョセフ「ジョルノ君。君はザ・ワールドを撹乱するつもりかの?」

 

車椅子に座ったジョースター卿が僕に話しかけてきた。

 

ジョルノ「ええ。何か作戦があるのですか?」

ジョセフ「ああ。儂に考えがある。じゃから君にはザ・ワールドをできるだけ引き付けてもらいたいのじゃが、頼めるかのう?」

僕は驚いてジョースター卿を見た。

 

ジョセフ・ジョースター卿

 

かつて若かりし時は父や父と同じ人外の力を得た者、それらを作り出した異形の者達と戦い、勝利を手にしてきた歴戦の勇者。

しかし、それも今となっては足腰も弱くなり、車椅子頼りで、しかも痴呆(2005年の当時は認知症という言葉はまだ一般的ではなかった)が出てきている。

普段ならば彼の言葉に耳を貸すことはなかっただろう。

だが、今のジョースター卿の目は、空条承太郎さん達のような力強い意思を感じる…信頼に足ることが出来る目だった。

 

ジョルノ「わかりました。あなたに従います」

 

僕はジョースター卿のその目を信じて見ることにした。

 

 

 




戦いの途中ですが、一旦ここで切ることにします。

さて、ジョセフはいったい何をするつもりなのでしょうか?
読んで下さった方は予想してみて下さい。
僕が考えた展開よりも素晴らしい物でしたならば、そちらを採用されるかもしれません。
また、いろはもジョジョキャラの転生者の設定です。
彼女は誰の転生者で、どんなスタンドを使うでしょうか?
感想で予想して頂けると嬉しいです!

では、次のお話でお会いましょう!

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