sideエリザベス・ジョースター
S・R「ゴミゴミゴミゴミ」
サンシャイン・ルビーがトリオン兵をベコベコにし、動きが止まったところを……
リサリサ「コォォォォォォ…ワッセローイ!」
小町の掌底がネイバー兵を破壊する。
ペットショップ「クエェェェェェェ!」
ペットショップちゃんが戦車くらいはありそうな氷の塊を空中で作ってネイバー兵を押し潰す。
トリオンで作られたスタンド攻撃…。やるね、ぺっちゃん。
リサリサ「ぺっちゃぁん!素敵だよぉ~!」
ペットショップ「クルルルルル♪」
小町が誉めるとぺっちゃんは嬉しそうな鳴き声をあげる。
本当に頭の良い隼だよね。
シーザーもぺっちゃんに負けじと奮闘している。というか、小町達だけで全域を賄っているから休む暇がない。
迅「いやぁ~。やるねぇ。いっそ正式にボーダーにはいったら?ペッチャンこ……」
ピカッ!
…シュウウゥゥゥ………
迅さん頬スレスレの壁に当たるようにレーザーを発射する。
安心して。今回は威嚇だよ?
リサリサ「次にセクハラ発言したらルビーレーザーで頭を貫くからね?本体にダメージが行くスタンド使い仕様で」
迅さんは頭に冷や汗をかいて降参のポーズをする。
迅「やべぇ……あれだけは防げねぇ……。そして確実にやるといったら本当にやる…。次にセクハラしたら俺は死ぬ」
リサリサ「ルビーレーザーは一本射ったら同じ赤石からは1分間のクールタイムが必要なんだから無駄射ちさせないで。勿体ない……」
迅「かるっ!俺の命の扱いがかっる!射たない理由がクールタイムが勿体ないからっていう理由!?その非情さに痺れる憧れる!」
リサリサ「とっとと次に行きますよ?次のネイバーの出現場所はどこ?」
小町はオペレーターに連絡を付ける。
ジョセフ『そこから南に二キロじゃ!』
迅「何でオペレーターがジジイなんだよ…」
リサリサ「舌っ足らずのスージーのサポートだよ。仕方ないでしょ。オペレーションは出来てもまだ四才なんだから」
オペレーターはスージーだが、まだ喋りが苦手なスージーの代わりにジョセフがスージーの思考をスタンドで読み取り指示を出している。
迅「幼女とジジイがオペレーターって……ボーダー史上こんなに色気がないオペレーターもねぇな……」
リサリサ「………」
小町は無言でサンシャイン・ルビーの指を向ける。もう面倒だから全方位バージョン射とうかな?
迅「何でもありません…お嬢様」
リサリサ「次は無いですよ」
小町は音速で移動して次のネイバー兵の所へと急いだ。
迅「あ…あの小町の目…養豚場の豚でも見るかのように冷たい目だ。残酷な目だ…“かわいそうだけど明日の朝にはお肉屋さんの店先に並ぶ運命なのね”って感じの!
ゆるせねえ!天使のようにカワイイだけになおさら怒りがこみあげるぜ!」
宇佐美『迅さん、早く移動してください!それでもS級ですか!』
……なにしてんだろ?あの人。
とりあえず、こっちは小町達が頑張るから、結衣さんのケアは任せたよ?お兄ちゃんと中二さん。
sideジョナサン・ジョースター
ガハマ「あ、あの…比企谷さん。本当に行かなきゃダメですか?」
綾辻の予備の制服を着てガハマが行きたくなさそうにしている。
怖いのだろう。ボーダーの隊員から聞いた由比ヶ浜結衣の評判の悪さ。そんな異世界の自分に会いたくないのが本音だろう。
最初に基本世界に行った時に向けられたあの俺に向けられた『比企谷八幡』の悪意…。その時の俺はその比企谷八幡に会うのが怖かった。何があったのかは未来の出来事なのでプロテクトがかかって覚えていないが…。
ガハマの心境はその時の俺と一緒だろう。悪意を向けられる異世界の自分に会うのが怖いのだ。
八幡「覚悟を決めて来い。お前は覚悟を決められる奴だと聞いているぞ?」
ガハマ「こういう覚悟は決めたくないよぉ」
平行世界の自分の嫌な側面を見せられる。戦いとは違う種類の覚悟の決め方は本当に勇気がいる。
だけどな、由比ヶ浜…。お前の勇気は決してそんな事に負けないと信じてるぞ…。
八幡「止めるか?俺は強制しないぞ?お前がとても大変な状況なのは知っている。だけど、ジョジョの奴はお前が乗り切れられると信じている」
SH「結衣どの…自分もだ。自分は早く結衣どのの屈託のない笑顔を見てみたい。共に行こう!」
ガハマ「……中二……ヒッキー……」
遥「頑張って。ガハマさん。あなたの辛さは私にはわからないけど、アーシスとして戦ったあなたはきっと強くて自分に負けない人だと思うから…」
由比ヶ浜はしばらく俯いた後に目に力を入れて強く頷く。
ガハマ「うん……ありがとう。比企谷さん。綾辻さん。怖いけど……行ってみる。大統領閣下も元気付けてくれたし、本当ならあたしを嫌っている比企谷さんだって励ましてくれてるんだもん…。ここで行かなくちゃ、辛かった今までも嘘になっちゃう。げんそーきょー?に行った優美子や姫菜、スタッチ、サブレ。それにゆきのんだって辛くても頑張ってるんだ…。あたしだって…」
由比ヶ浜は強く歩を進める。
八幡『強いんだな…お前の世界の由比ヶ浜は。最初に冷たい態度を取ってしまって悪いことをしたな…』
ジョジョ『それはアイツが変わろうとして変わって来たからだと思う。俺達はきっかけに過ぎないな』
八幡『材木座のガンズ・アンド・ローゼズの戦いを見せてもらったが、戦う力が無いのに少しでも役に立とうとあの場に飛び込む…並の勇気ではない。俺があの由比ヶ浜を悪く言った時にお前が怒ったのもわかる。先入観って怖いな…正しいものも雲って見えてしまう』
ジョジョ『それはお前らに対する俺にも言えるな。ボーダーの世界……捨てたものじゃあない。舐めてたことを謝る』
由比ヶ浜を通して、少しだけ俺と八幡の距離が縮まった気がした。これを見越していたんなら、やっぱりジジイは凄いな…。
sideユイガハマ・ユイ
怖い…見るのが怖い。この世界のあたしを…。
わかるんだ。ボーダーの人達もアーシスみたいに本当に仲間を大切に出来る良い人達だ。
あたし達と仲が悪いのは、ほんの些細なボタンの掛け違いなだけだって…。
あの人達はヒッキーやジョセフおじいさんが辿ってきた前世や人生に同情してくれた…。百年以上も辛い運命を乗り越えて来たジョースター家の宿命を応援してくれた。失礼な事をしてきたあたし達にだって協力してくれる人もいた。比企谷さんだってあたしという人間を『由比ヶ浜結衣』とは別の人間として今は見てくれている。
あんな良い人達全員から聞いたゆきのんと由比ヶ浜結衣の評判は最悪だった…。
どんな人間なのか…知るのが怖い。
sideジョナサン・ジョースター
総武高校か……なんだか久々な気がするな。
俺は今、八幡から体を借りて2-Fに入った。どうせなら心行くまでこの世界を体験してみろ。ということだった。良いのか?少なくとも俺は葉山や平塚は大嫌いだぞ?まぁ、どうせ寝るのが目的だろうが。
同じ俺だ。考えていることはわかる。
八幡『既に大学出てるお前と一緒にするな。これでも勉強は真面目にやってるんだよ』
ジョジョ『Capisco che è giusto.(さいですか)』
八幡『イタリア語で喋るな!』
案外面白い奴だな。
戸塚「はちまぁん♪って、その目は……」
ジョジョ「よぉ~戸塚。お察しの通り、ジョナサン・ジョースターだ」
戸塚「………トラブルだけは起こさないでね?」
俺だとわかった瞬間に表情が固くなる戸塚。
ジョジョ「善処する。まあ、好きでトラブルを起こしたいわけじゃあない。八幡が気を利かしてくれたんだ。感じるままのこの世界を見ろってな」
戸塚「今一信用できないなぁ…」
沙希「まったくだよ」
なにもしないよ?仕掛けられなければ。ハチマンウソツカナイ。ちなみにガハマとシュトロハイムは生徒会室で待機中。城廻先輩はナイスです。
ーキングクリムゾンー
昼休み。
ベストプライス
いろは「………で、平塚先生の授業をメチャクチャにしたと……」
ジョジョ「いやぁ、アイツの顔を見ると殺気が押さえられなくて♪」
遥「それで体調不良者続出させてちゃ世話がないでしょ!しかも平塚先生をゴミ箱に捨てるって何してるのよ!」
ジョジョ「何もしてないのに殴りかかって来る方が悪いんじゃあないか。窓から捨てなかっただけ良心的とまである」
まったく失礼な教師だ。
戸塚「まったく嘘を言っていないのが逆にタチが悪い!」
歌歩「先に暴力を振るったのが平塚先生のほうだったからおとがめ無しだけど…。立派に過剰防衛よ?ジョジョ」
ジョジョ「心の奥隅に止めとく。次はスタンドで迎撃する」
出水「善処すらする気が無いのが逆に清々しいな」
遥「あっちの世界の空条徐倫先生の苦労がわかる気がするわ…」
ジョジョ「誉めるな。照れるぞ」
遥「誉めてないから!」
ペチッ!
綾辻のチョップが頭にヒットする。なにこれ、膨らました頬がカワイイじゃあないか。
いろは「むぅぅぅぅ~…ハチくんが浮気してる~…」
グハッ!一色よ……。いろはの真似はやめてくれ…。別人とわかっていても地味に威力が高い。
ジョジョ「す、済まなかった…いろは…」
なでなで。
いろは「えへへへ~……初めて先輩に名前で呼ばれた」
遥「体は八幡くんのなんだから一色さんとイチャイチャしないで!」
綾辻に怒られた。どうしろと?
ガハマ「安定のヒッキーだ……悪い意味で。空条先生がいたら間違いなく拳骨が落ちてたし……で、ヒッキー、クラスを見ていてどうだった?」
ん?そうだな……。
ジョジョ「葉山グループがうざかった。何度窓から捨ててやろうかと思った。三浦が女王様みたいで面白かった。アーシスの本人に見せたら「あれはあーしじゃあないし!ヒキオ見んなし!」とか言いそうだった。この世界にいないのが悔やまれる」
SH「それは面白そうだ……じゃあないわ!八幡!肝心の由比ヶ浜殿はどうだったのかと聞いておるのだ!」
そういう意味だったのかよ。早く言えよ。モグモグ…
旨いな、綾辻のハンバーグ弁当。これはいろはのよりも上かも知れんぞ?」
遥&いろは「嬉しいのか嬉しくないのか複雑な気分…」
(それぞれ逆の意味)
ガハマ「いつかは中2にあたしのお弁当を……」
SH「う、うむ……楽しみにしておるぞ?結衣殿」
材木座。それはいろはがいるときにしろ?あ、閣下に矢を持ってきてもらってこっちの一色に刺すか?
………無理だな。ナイチンゲール・エメラルドは俺のいろはがエリナだからこそ成り立つスタンドだ。こっちの一色だと別のスタンドが生まれそうだな…。あざとさが増すスタンドとか、周囲をあざとくするスタンドとか小悪魔が量産されるスタンドとか(基本世界のイロハのイメージ)。
SH「弁当の話は今はどうでも良い!どうだったのだ!?こっちの結衣殿は!」
ジョジョ「あ、そうだった…。まぁ……何て言うか…現段階では何とも言えんな。葉山グループとうるさくしていた…というくらいか?あ、あと…」
俺は一拍置いてから。
ジョジョ「なんか逆恨みされてる感じがした。何かあったのか?」
この世界が結末が違うだけで、学校生活の日常が俺達と同じ出来事があったのなら…おそらくはあの事件もあったはずだ…。それが関係している気がするわ。
←To be continued
今回はここまでです。
こちらでは発生し、kantaさんの方では発生しなかった由比ヶ浜が逆恨みするエピソードは何でしょうか?
ヒントはアルゼンチン・バックブリーカーです。
由比ヶ浜「こいつはメチャ許せんよなぁ!」
徐倫「バカーっ!」
由比ヶ浜「タコスッ!」
ガハマ「あの時のトラウマが…」
次回もまた、よろしくお願いいたします。