side一色いろは
はい、一色いろはです。ワシントンD・Cを出発して現在は夜、ノースカロライナのロッキーマウントにいます。
今日は三人の敵と戦いました。戦ったというのは語弊がありますね?誰とも戦ってないんですから。
最初に来たのはリッチモンドのレストラン。
前回はダービーさんに襲撃された場所です。
ここで彼らが来るのはわかってました。例の諜報部隊がリッチモンドのレストランに予約を入れ、その情報を周辺にばら蒔いたからです。
普通その段階で怪しむものですが、組織的な動きが出来ていないあちら側からしてみれば格好の餌に見えるのでしょう。
確かに餌ですね。ただし、釣り餌的な意味で…ですが。
ところが、到着した瞬間に戦闘とかそういうのが起こることはなかった。何故なら…
オヤジ「あんたら、大統領の使いだよなぁ?なぁ、そうだよなぁ?」
陽乃「え、ええ……そうですけど?」
オヤジ「お、俺はオインゴ!あっちにいる本を持っているのは弟のボインゴだ!頼む!俺達は降参するから匿ってくれ!」
八幡「え……?襲ってこないの?」
いきなり降参してきたオインゴさん(わたし達の世界でも二人は更正を終えて財団に就職している。特にボインゴさんのトト神は経営に役立っている)に先輩は拍子抜けをしていました。確かに身構えていたのにいきなり白旗を上げられたら普通はビックリするよね?
オインゴ「他の奴が正気じゃあねぇんだ!普通アメリカ大統領相手にケンカを売るかぁ!?しかもほとんど計画が破綻してんのに!まだプッチの計画に乗るなんて無謀だろ!」
確かに……普通は国家権力…しかもアメリカ合衆国なんて個人が敵に回して無事でいられる可能性なんてまずない相手です。
普通に考えたらテロを起こそうだなんて考えませんよね?
オインゴ「二十年前にDIO様の話に乗ったのは敵が個人だったからだし、成功すれば弟のボインゴを一生養えるだけの金が入ったからであって、決して世間に不満があるとかじゃあないんだ!今回はただ脅されただけだ!頼む!助けてくれ!」
オインゴは土下座せんばかりにすがり付いてくる。
困ったわたし達は先輩のツテで七里ヶ浜さんに連絡を入れ、諜報機関の人達に来て貰った。
ちなみに七里ヶ浜さんがなぜ諜報機関の人たちの連絡先を知っているかは知らないです、はい。
FBI「話はわかりました。後はこちらで対処します。脅されて来ただけのようですから悪いようにはならないでしょう。それでは彼等についてはお任せ下さい。ついでに、弟さんの社会復帰の訓練についても専門家を紹介します」
オインゴ「ありがとう!トト神の予言は絶対だ!」
風鈴「トト神?」
風鈴さんが言うと、ボインゴさんが近付いて来て本の中身を見せた。
ボインゴ「これだよ。この漫画が予知のスタンド、トト神さ」
風鈴ちゃんはトト神を覗き込む。すると…
風鈴「こ、これは……能力とかはともかくとして、この独創的な絵は……時代が時代ならピカソのそれにも匹敵する芸術……」
うそ……露伴先生だって酷評したこの絵を理解できる人がいるなんて…。
ボインゴ「初めてだ!この絵をわかってくれる人が現れるなんて!」
風鈴「これは芸術です!冬乃さんならきっと…!ボインゴさんと言いましたね!もしよかったら日本の雪ノ下冬乃さんを訪ねて見てください!」
材木座「師匠にか風鈴殿?」
風鈴「はい!冬乃さんならこの人を上手くプロデュースしてくれるはずです!」
陽乃「なら、オインゴさんもうちに来ない?身長体重も真似出来るということはモデルとして色々できるだろうし。どう?」
ボインゴ「わかった!ありがとう!ありがとう!」
イエー!
パァン!ピシッ!ガシッ!グッ!グッ!
凄い……この人達の才能と使い方をあっさり見破った!
え~……確かハルさんのお母さんですよね?こっちの世界の雪ノ下の関係者は凄い人達ばかりだなぁ…。
それに何で風鈴ちゃんとボインゴがポルナレフさん式ハンドシグナルを知ってるんだろ…。
オインゴさんとボインゴさんは何度も頭を下げながら諜報機関の人達に連れて行かれた。
そして、出発しようとした時である。今度は子供を二人連れたミドラーさんが立っていた。あれはネーナちゃんとンドゥール君かな?
ミドラー「待ってくれ!あたしも降参するから匿ってくれ!」
あ、ミドラーさんならわかる。クリスタル・クルセイダーズ時代も嫌々プッチの計画に参加させられていただけだから、こっちの敵になる要素がないものね。
それに、ミドラーさんはいい人だからどう説得するか迷っていたんだけど、向こうから降参してきて助かった。
いろは「はい♪良いですよー?わたし達の世界のミドラーさんは仲間ですし、ネーナちゃんとンドゥール君とも友達なんですよ!争わないで良かったです!」
ミドラー「は?」
わたし達はミドラーさんに事の経緯を説明した。ついでに結衣先輩の誕生パーティーの時に撮影した集合写真も見せる。
ミドラー「へぇ……。これがあんた達の世界のあたしかい?ネーナもンドゥールも良い目をして成長したじゃあない」
いろは「はいっ!ンドゥール君は経営学に才能がありますし、ネーナちゃんは凄いアラビア美人になります。ほらネーナちゃん?これが未来のネーナちゃんですよ?」
ネーナ「これがわたし……」
わたし達の話を聞いて反応したのがハルさんだ。
わたしはハルさんの目が獲物を見るように光ったのが見えた!
陽乃「ねぇ、ミドラーさん?ジプシーダンサーとしても有名な方なんですよね?親子揃って雪ノ下と契約を結びません?ンドゥール君は経営で、ネーナちゃんはミドラーさんの跡継ぎとしても、他の芸能面としても磨けば凄い逸材だわ!ね?ね?そうしません?」
ミドラー「良いのかい?」
陽乃「もちろん!うちのお母さんに頼んでおきます!養育費とかはこちらで持ちますから是非!」
ミドラー「ありがとう……世話になるわ」
笑顔の下で陽乃さんの本性ががクックックッ…と笑っているのがわかる。そして…
DIO「陽乃さん」
陽乃「ん?」
DIO「グッジョブ!」
イエー!
パァン!ピシッ!ガシッ!グッ!グッ!
ああ、ハチ君も同じ事を考えてたんだね?
ポルナレフさん式ハンドシグナルをやるほど。
それにしても雪ノ下冬乃さんってホントに何者!?
雪ノ下建設がだんだん強化されていく!下手したら千葉だけ限定で見るならわたしの世界の財団の上を行く!
そしてロックマウントの町…。仗助とジョジョ先輩の事実上の婚約が決まったホテルにて……ダービー兄弟がいた。正確には脂汗をかいて苦しそうにしているダニエルさんと、それを必死に支えるテレンスさんがいた。
テレンス「すみません!助けて下さい!」
八幡「どうしました?」
テレンス「兄が……兄が今にも死にそうなんです!」
ああ、そういえばこの時期ダニエルさんは病魔に冒されていましたね。でも、何でわたし達に頼むんですか?罠なんですかね?
いろは「何でわたし達に頼むんですか?わたし達は医者ではありませんよ?」
テレンス「そんな事は百も承知です!誰が治して欲しいって言いました!医者を呼んで下さい!誰も見て見ぬ振りをするんです!お願いします!」
ああ、普通に救急車を呼ぶ発想がなかったんですね?必死すぎて。まぁ、そう言うことならわたしが治してあげましょう。
いろは「ナイチンゲール・エメラルド」
テレンス「ハイエロファント・グリーン!バカな、花京院は死んだはず!やめろ!兄にとどめを刺す気か!例の連中はお前達だったのか!」
よくハイエロファント・グリーンに間違われますね。メロンみたいな筋が入っている事以外はカワイイ女性型のスタンドじゃあないですか!
いろは「エメラルド・ヒーリング」
テレンス「あ、兄貴ぃぃぃぃぃぃぃ!」
悲痛な叫びを上げるテレンスさんですが…。
ダニエル「???体が……治った。いや、健康な時のように体が軽い……何をしたんですか?」
いろは「エメラルド・ヒーリングは欠損と死亡以外は病気も含めて治せます。多分、ダニエルさんの病気も治せたと思いますよ?」
ダニエル「これは……ありがたい…もうだめかと思いましたが助かりました」
テレンス「本当にありがとうございます。何故神父はあなた方のような良い方々を殺そうとするのか…」
あれ?そういえばテレンスさんは…
いろは「テレンスさんはダニエルさんとは不仲だったと聞いていますが?」
四年前は最後までプッチ側に付き、魂はダニエルさんにチップにされ、体はハチ君に殺されたはずでした。
わたしがそう言うと、テレンスさんはばつが悪そうにほほをかく。
テレンス「なぜそれを…?いえ、なんでもありません。
つい最近まではそうでしたが、神父の計画には付いていけませんでした。そこで兄と共に逃げることにしたんですよ。いい機会ですから兄弟仲をやり直しましょうと兄から言われて…兄は病魔に蝕まれていましたから最期くらいは…と思っていたようですが」
どんな理由であれよかったです。わたし達の世界のように最終的には兄弟で殺し合いになるなんて悲しいですからね。
ダニエル「テレンス……お前が必死になってくれたお陰で私は助かった…。そして私を助けてくれた少女…名を教えてくれないか?」
いろは「一色いろはと言います。別の平行世界からやって来ました。わたしの世界ではお二人は最後までいがみ合っていましたから、お二人が仲直りできたことが嬉しいです。友人のダニエルさんにお土産話ができました」
どういう事だと不思議な顔をするお二人にわたしは写真を見せながら説明をする。
テレンス「何と……その少年に異世界のとはいえ、DIO様の魂が……」
ダニエル「そして私達はDIO様の奥様にお助け頂いたようなものですね。お礼に我々が出来ることはありませんか?」
すると今度は材木座さんが前に出ました。
材木座「ダービー殿達は様々なゲームを極められたと聞く。シナリオ等やゲームメイクの知識も豊富であろう?是非とも我に知恵を貸して頂けないだろうか?」
そういえばわたし達の世界の材木座先輩もラノベ作家の副業としてシナリオライターを考えてましたね。こちらの材木座さんもそうなのでしょうか?才能は理系やセキュリティ関係のエンジニアに向いているのに。
陽乃「でしたらお二人も雪ノ下家で働きませんか?母もそう言うのには強いので歯応えのあるプレイヤーがいないってぼやいていたんです。業種も色々ありますから是非ともいかがですか?せっかくの縁ですから友達になりましょう!いろはちゃん達の世界のように!」
またハルさんが勧誘してます!それにまた雪ノ下冬乃さんですか!?多才すぎやしませんか?雪ノ下冬乃さん!
イメージが女版ジョセフになってきてますよ!?
もしかしたら波紋の戦士とかというオチはないですよね!?」
エルメェス「イーハ。口に出してる」
あ、ハチ君のクセが出ちゃった。
陽乃「波紋の戦士じゃ無かったとは思うけど…。そう言えば昔、お母さんともう1人の人がメキシコで旧ナチス軍の地下に保管されていた変な彫刻みたいな物を
『破壊しちゃった♪』
『破壊してしまいましたね…』
とか言ってたような気がしたような……」
サンタナを倒してましたー!
別の平行世界のハチ君の雪ノ下冬乃さん何者ですか!?
お陰で今回はサンタナと戦う事がなくなったので助かりましたけど、ホントに波紋の戦士じゃあ無いんですよね!?
ハチ君、ジョジョ先輩、一条さん、忍さんの四人がかりでやっと倒した柱の一族を「破壊しちゃった」…って。
いろは「え…?ちなみにもう1人って?」
陽乃「たしか、八幡の親戚とかって言ってたと思うんだけど…」
八幡「俺の親戚?名前とか知らないのか?」
陽乃「たしか…、お母さんが『白良さん』って言ってたみたいな?」
八幡「母ちゃんと同じ名前?聞いたことないけどな…」
先輩は首を傾げているが、今なんて言いましたハルさん!?
その名前、たしか閣下がわたしたちをそれぞれの世界に送る際に…
ヴァレンタイン『なお、白良という人物を聞いたら注意して欲しい。いや、というか敵に回さないようにしてくれ!敵に回ったら私たちにではとても敵わない!頼む!』
あんな必死な閣下初めて見ました…
というか閣下がわたしたち全員言ったってことは閣下と同じく平行世界に行けるチカラが?やばくないですか?
陽乃「あ、そうそう。前に聞いたときは悪魔と天使と堕天使が争う世界にちょっかいをかけたと聞いたわよ?」
あれ?確か仗助が向かった世界もそういう世界だったような気がしたけど…。(「第4章ー4」は「ハイスクールDXD」の世界。「異常なまでの恐怖症」にそのエピソードがあります。多分別の平行世界です)仗助、もしかしたらその白良さんに会うかも…。
無事でいてね?仗助…。
テレンス「凄い人なんですね、あなたのお母様は」
ダニエル「そんな超人と勝負ですか…面白いですね。是非ともお手合わせ願いたいものです」
お二人は興味を持たれたようで、オインゴさん達と同様にFBIや総武高校の女子達(だからあなた達は誰なんですか!?何で当たり前のように国家機関と行動を一緒にしてるんですか!?)によって保護された。
こうして、わたし達の世界ではいちいち戦って退けた相手はハルさんと謎の超人、雪ノ下冬乃さんのお陰で一切戦う事なく円満に和解できました。
危険な目に遭わないで済みましたし、こうして落ち着いて話をしてみると話が通じる人達でしたから良かったのですが、雪ノ下冬乃さんのお陰で一切戦う事なく円満に和解できました。
とても気になって今夜は寝付きが悪そうです。
もしかして弥七は冬乃さんやもしくはサンタナを倒した白良さんって人じゃあないですよね?
←To be continued
はい、今回はここまでです。
いやぁ、サンタナ問題をどうしようかと思いましたが、意外なところに解決法がありました。
「異常なまでの恐怖症」に関しては…現段階では無許可です(汗)
冬乃さんに関しても「異常なまでの……」の比企谷白良も超人過ぎるんです!特に後者。
出しませんよ!?明らかに二人ともバランスブレイカーですから!
そこっ!「その二人がいれば万事解決じゃあないか」とか言わない!ただでさえ弥七がバランスブレイカーなんだからこれ以上のバランスブレイカーはいりません!ダブル八幡の出番がなくなるじゃあないか!
なお、弥七予想がちらほら来てますが、回答はメッセージにてお願いします♪
それでは次回もよろしくお願いします。