やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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父と娘

side空条徐倫

 

戦いも終わり、落ち着いて話が出来る状況になった。

あ、ちなみに私たちのケガはいろはが治療してくれた。いろはのスタンドであるナイチンゲール・エメラルドは自己治癒能力を最大限に高めてることで治療できる。

 

承太郎「稽古をつけるつもりでいたが、まさか俺が負けるとはな。比企谷八幡、お前は大した奴だ」

 

父さんが手放しで八幡を誉める。確かに父さんを負かすなんて大したものだわ。

 

承太郎「勝敗を分けるのは執念だ。そこまでの根性を養うにはそれなりの事があったのだろう」

 

すると陽乃が誇らしげに胸を張る。

 

陽乃「八幡は私を庇って二度も交通事故から身を呈して助けてくれたし、誘拐された私達を助けるためにヤクザと手を組んだ敵対会社に乗り込んだりとかしてくれたわ。その辺の高校生とは違って八幡も修羅場を踏んでるのよ」

 

へぇ……根性が座ってるはずだわ。何の力も持たない高校生が歩んだにしては半端じゃあない人生ね。それだけ陽乃や周りが大切だったのね。ハッチが珍しく平行世界の自分を気に入っているのも分かる気がするわ。

 

陽乃「しかも、最初の時は子供の時に見ず知らずの私を助けてくれたのよね。しかも、自分が死にそうになったいるのにすごく私に気遣ってくれたの。カッコ良かったわぁ……」

 

当時の事を思い出したのか、陽乃は向こうの陽乃が見たら目を見開くくらいにクネクネしながらのろけ出した。

陽乃ののろけは兎も角としても、そりゃ根性据わるし陽乃も一発でコロリといくわ……。

 

いろは「ハチ君だってカッコいいもん…。5歳で仗助とかジョルノとか康一さんを死にそうになりながらも勝ってたし、承太郎と引き分けたり…(第1章参照)」

 

イーハ…対抗しない。ハッチの良いところはあたし達もよくわかってるから。

 

八幡「陽乃……照れるから///それに、5歳でこの人と引き分けるって、DIOの奴も相当だな……あ、DIOの奴が捻デレてる。しかも一色の拗ねてる姿に萌え悶えてる」

 

徐倫「想像つくわ。ハッチ、イーハのこと好きすぎるから」

 

承太郎「5歳で8年前の俺と引き分けた事も驚きだが、むしろあのDIOが女に悶える事の方が驚きだ」

 

SPW「いろはさんはエリナさんの転生ですから、ジョースターさんの転生である八幡…DIOにとっては運命の相手なんですよ」

 

陽乃「エリナ?」

 

いろは「前世のわたしです。ハチ君の前世の一つ、ジョナサン・ジョースターの妻でした。新婚旅行で目の前でジョナサンは死んでしまったので、幸せは長くは続かなかったですが…」

 

のろけモードだった陽乃もバツが悪そうな顔になる。

前世も今も、イーハは波乱万丈の人生だ。

 

承太郎「別の世界のとはいえ、俺のご先祖様だったんだな。八幡に入り込んでいる魂も、その少女も…」

 

ジョリーン「驚く事が多すぎてもうお腹一杯だわ…」

 

いろは「それなら他にもありますよ?マチちゃん…小町ちゃんの前世はエリザベス・ジョースターと言って、ジョセフの母親ですし、そこにいる戸塚さんはSPW財団の創設者であるスピードワゴンさんの生まれ変わりです。承太郎にとって馴染みがあるのは、海老名さんという人は花京院典明さんの生まれ変わりです。あ、花京院おじさんはわたしの母の従兄でもありました。由比ヶ浜結衣先輩の飼い犬のサブレはイギーの生まれ変わりですし、三浦優美子先輩はアヴドゥルさんの転生です。あと、スージーもわたしが8歳の時に老衰で亡くなったんですが、そこにいる川崎沙希さんの妹に生まれ変わっていますね」

 

承太郎「ヤレヤレだ…もう何を聞いても驚かないつもりでいたが、ここまでとは…」

 

呆れた父さんはため息を吐く。

 

小町「ねぇ…いろはさんの人生、エリナさんや向こうの小町の事も含めて教えてくれますか?」

 

小町がイーハに聞く。そっか、あたし達のマーチは既にブラコンの領域から既に大きく外れ、手遅れレベルでハッチに依存しているけど、こちらの小町は普通のブラコンレベルそうね。こちらの世界にはマーチは来ていないから異世界の自分のことが気になるかもね。マーチ本人だったら絶対に喋らないだろうなぁ…。マーチの平行世界の自分嫌いは筋金入りだし。

 

いろは「良いけど、また今度の機会にね?小町ちゃん。大分話が逸れちゃったけど、今はもっと真面目な話があるから」

 

そう言ってイーハは黙って事の成り行きを微笑ましく見ていた閣下に目を向ける。

 

ヴァレンタイン「ふむ。もう良いかね?今後の事についてだが、空条博士父娘にはそちらの世界に匿って貰おうかと考えている。向こうの私からも了承は得ている」

 

あれ?このまま一緒に行動するものかと思っていたけれど。

 

承太郎「敵の狙いはやはり俺だ。俺がDIOの日記の記憶を持っている以上、間違ってホワイト・スネイクに記憶を奪われては元も子もない。俺とジョリーンはそっちの世界に匿って貰うことになった」

 

ジョリーン「あたしも少しはコイツ…いや、父さんに歩み寄ろうと思う。あんたのように。稽古も付けて貰いたいしね」

 

 

ジョリーンがあたしに対して右手を差し出す。

あたしもその手を取って握り返した。

 

ジョリーン「次は負けないわ。空条徐倫の名にかけて」

 

徐倫「そう簡単には越えさせないわ。あたしも空条徐倫の名にかけてね」

 

一方で父さんの方も八幡に右手を差し出す。

 

承太郎「八幡…そして生まれ変わったDIO。この世界の事は頼んだ」

 

八幡「期待に応えてみせますよ。空条博士」

 

そうして二人は大統領にどジャアアアンされてあたし達の世界へ飛んで行った。

さて、今日はもう夕方だ。そろそろホテルを取って明日に備えよう。まだ日が高いが、ホテルを……

 

 

………………

 

 

徐倫「ねぇ、今何時?」

 

いろは「え?夕方の7時……あれ?この時期ってこんなに日が高かったでしたっけ?」

 

………………

 

確か資料にあったわね。「太陽」のスタンド使いの……

 

いろは「アラビア・ファッツ…順番が変わってます!前回はワシントンD・Cでこの闘いだったのに!」

ヤレヤレだわ…今日はこれで四回目のドンパチになりそうだ。

 

 

sideDIO

 

全員が三人一組で散ってアラビア・ファッツを探しだすが、上手く行くだろうか?

このタイミングで太陽(サン)が来やがったか。

前回はワシントンでやられたからそこだろうと思っていたけれど甘かった。思い込みによるミスだな。

この分だと前回の記憶はあまり当てにならないかも知れない。

しかし、前回も思ったがアラビア・ファッツも本当に頭を使うようになったな。前回は承一郎がいたから簡単に事は終わったが、今回はそうもいかない。

承一郎が簡単にアイツを倒せたのは一時的にプッチ側に味方しており、その時にアラビア・ファッツのキャンピングカーを見ていたお陰で偶然倒すことが出来ていたからだ。

俺達はその時の車をよく見ていなかったし、なによりその時と同じ車で現れているとは限らない。どうするか…。

八幡はスピードワゴンと雪ノ下と共に飛び出したが、ここは世界の経済の中心たるニューヨーク。ワシントンD・C同様に通行車両の台数は半端じゃあない。闇雲に探していたんじゃあこちらが先に参っていまう。何か手は…

ん?

 

あ………

 

DIO『俺はアホか…こういう時こそこのスタンドが役に立つじゃあないか。八幡、ハーミット・パープルだ』

 

八幡『あっ!そうか。念写のスタンドなら!』

 

八幡はスマホを取り出してハーミット・パープルで地図を映し出す。そこに写し出された場所は……

 

DIO『こ、この場所は…』

 

八幡『知っているのか?DIO』

 

DIO『ああ……その場所は…。記憶に間違いがなければジョセフ・ジョースターの邸宅がある場所だ!』

 

仗助が日本に帰ってくるまでホームステイしていた場所だから覚えている。俺と出会ってジジイが空条家に移住するまでの二年間でわずか数回しか行ったことが無いが、それでもいろはが懐かしがっていた場所だから覚えている。エリナとジジイがアメリカに移住して以来、60年もの間、住んでいた場所だからだ。つまり、エリナが最期を迎えた場所…。

 

八幡「何っ!あのジョセフ・ジョースターの家だって!?」

 

SPW「ならば大丈夫じゃない?ジョセフなら?」

 

戸塚は軽く見ている。

 

DIO『それは俺達の世界のジョセフだ!この世界のジョセフは年相応なんだよ!今のジョセフに闘う力はあまりない!まったく戦えないわけじゃあないはずだが、アラビア・ファッツとは相性が悪い…静・ジョースターはわからんが…』

 

この世界のジジイ達は日本に移住していないければ俺達の世界のジジイのように若返っていないはず!ジジイとこの世界の静・ジョースター、生きていればスージーが危ない!

 

八幡「何だって!?…この場所からは結構近いな…急ごう!」

 

八幡達はジョースター邸へと急いだ。

 

キング・クリムゾン!

 

八幡「これは………酷い。屋敷がボロボロだ…」

 

DIO『野郎……別世界とはいえ、思い出の場所を…』

 

たどり着いたジョースター邸は、サンの遠距離攻撃によってボロボロになっていた。

 

雪乃「はぁ…はぁ…暑いわ…立っているだけで体力が消耗する…」

 

八幡「大丈夫か雪乃?…そうだ、雪乃のエンジェル・ラフレシアで周りを冷やしたりすることはできないか?そうすれば涼しくなるかもしれない。」

 

雪乃「さすが義兄さん、やってみるわ」

 

雪ノ下は氷のフリスビーを数枚発現させて八幡達の頭上に展開した。すると、フリスビーが回転し出し、冷気をだす。中々面白い能力だな。

これで少しは涼が取れるが、問題はジジイとスージーさんだ。

八幡はハーミット・パープルで敵の位置とジジイ達の居場所を念写する。青い点が固まっている場所に二ヶ所、赤いアラビア・ファッツの居場所から少し離れた場所に一ヶ所あった。

 

八幡「SPWと雪乃は2つの点に向かってくれ。多分、それがジョセフ・ジョースターさんとスージーさんだ。俺は多分戦っているであろう静・ジョースターさんのところに向かう。くれぐれも気を付けろよ」

 

SPW「わかった!」

 

雪乃「義兄さんも気を付けて!」

 

二人はまだ燃えている屋敷へと身を隠しながら走っていった。

 

sideロバート・E・O・スピードワゴン(戸塚彩加)

 

酷い状況だ。それに、熱い…。雪ノ下さんのおかげでだいぶマシだけどそれでも熱い。雪ノ下さんはエンジェル・ラフレシアを更に増やして消火活動をしながら進んで行く。向こうのエンジェル・ダストのように冷気のビームが射てないか試してみたところ、思い通りに射つことが出来た。出来なければエンジェル・ラフレシアを直に炎に突っ込ませなければならなかったから、もしかしたら火傷するかも…と心配したけれど、何とかなった。スタンドが燃えたら雪ノ下さんまで燃えるかも…と。それが怖かったから良かった。八幡の念写だと、確かこっちの方に…。

 

おじいさん「誰じゃ!そこにおるのは!」

 

声のした方を見てみると、お婆さんを抱えて歩くヨボヨボのおじいさんがいた。聞いてはいたけど、ジョセフ…ホントに波紋の修行をサボっていたんだね。僕の世界のジョセフとは全然違う。

 

雪乃「ジョセフ・ジョースターさんですか!?私達はあなたを助けに来ました!」

 

雪ノ下さんはこの世界のジョセフさんを見て少し幻滅したような顔をする。あの写真と比べるとヨボヨボ過ぎるものね。

 

ジョセフ「誰じゃかわからんが、助かった。妻を助けてくれんかのう?攻撃にやられて動けんのじゃ」

 

スージーを見ると、わずかにだけと火傷している。高齢のお婆さんだからこんな傷でも危ない!

 

雪乃「すぐに冷やします!」

 

雪ノ下さんが応急処置で火傷を冷やすが、あくまでも応急処置。早く本格的な治療をしないと!それに、屋敷から脱出しなければ!

すると……

 

N・E「エメラルド・ヒーリング!」

 

パアアアア……

 

緑色の弾丸がスージーさんを治した。エリナさん!来てくれたんだね!

弾丸が飛んできた方向を見ると、ナイチンゲール・エメラルドが立っていた。

 

ジョセフ「ハイエロファント・グリーンじゃと?ワシは夢でも見ておるのか?花京院は既に…」

 

N・E「わたしは一色いろはでーす。花京院典明さんとは親戚ですよー?エリナ・ジョースターの転生でーす。異世界のですが。それよりも、早く脱出して下さい」

 

ナイチンゲール・エメラルドがそう言うと、外から総武高校の制服を着た女子の何人かと、黒服を着たアメリカの人達が突入してきた。

 

七里ヶ浜「こっちです!ジョースターさん!歩けますか!」

 

ジョセフ「スージーを頼む!ワシは娘を助けに行かねばならん!」

 

ジョセフは「コオォォォォ…」と波紋の呼吸をして立ち上がる。その目には若い頃のジョセフを思わせる闘志があった。カッコいい…。ヨボヨボでもジョセフはジョセフだ。

僕は闘いを八幡達に任せてスージーを連れて屋敷から脱出を開始した。

…ところで、この女子達はなんなんだろ?

 

sideDIO

 

屋敷から駐車場に出るまでの庭までの入り口に中学時代の静・ジョースターは隠れていた。肩までのセミロングにジョジョと同じようにリサリサのサングラスを頭にかけている。ロングヘアーにカチューシャが当時の姿だったから違和感があるな。

ワイルド・ハニーを出して歯噛みしていた。サンから出るあの攻撃が厄介だからだろう。それにしてもこの世界の静もワイルド・ハニーなんだな。性格もあっちの静・ジョースターなんだろうな。

 

八幡「静・ジョースターさん…かな?」

 

静「!?誰だテメェ!敵か!?」

 

うわぁ…やっぱりあっちの静・ジョースターだ。徐倫のような性格だわ。

 

八幡「俺は比企谷八幡。空条徐倫さんの友人だ」

 

静「徐倫お姉ちゃんの?聞いたこと無いんだけど?それに、何でテメェの首筋にはその痣があるんだよ」

 

ああ、ジョジョもこの頃はジョースターコンプレックスが凄かったな。

 

八幡「俺に取りついた悪霊の仕業だ」

 

おい、俺を悪霊扱いするんじゃあない。

 

静「悪霊?スタンド?取り敢えず、助けに来てくれたことは感謝するわ」

 

それにしてもおかしい。静・ジョースターならワイルド・ハニーで透明になって突進して行きそうなものなのに。

 

八幡『ん?構わないが…そう言えば向こうでは幼なじみだったな。良いぞ』

 

八幡はあっさり体を明け渡してくれた。え?そんな簡単に!?まじでこいつは良い男過ぎるだろ!

 

DIO「よう、静。俺は比企谷八幡に取り付いている異世界の比企谷八幡。俺の事はDIOと呼んでくれ」

 

静「雰囲気が変わった…。DIO…ね。ジョースター家にとっては嫌な名前だ。あたしは養子だからあまり関係ないけどね。で、悪霊が何の用?」

 

DIO「疑問に思ってな。お前のワイルド・ハニーと身体能力なら透明になってあそこにある車まで走れるだろ?何でそうしない?」

 

俺がそう言うと、静はビックリした表情を見せる。

 

静「驚いた。あんた、何であたしのスタンド能力を知ってるの?ストーカー?」

 

失礼な奴だな。少し俺の世界のジョジョと混じってないか?

 

DIO「ちげぇよ。俺の世界での俺とお前は幼なじみで相棒なんだよ。スタンド能力はお前と少し違うがな。透明化能力はワイルド・ハニーの方が上なんだ」

 

静「相棒………ね。まさかあんたが彼氏とか?」

 

DIO「ジョジョと俺が?ないない。ジョジョはお前より美人だが、感覚的には双子の兄弟みたいなもんだ。アイツも俺の前では下着でうろつくけど、健康的だねーくらいしか感慨がない。アイツも俺には恋愛感情なんてまったくないぞ」

 

静「は?ちょっとやめてくれる?気持ち悪い。あんた、それとあたしを重ねてるんじゃあないの?」

 

八幡『確かに可愛いからな、静・ジョースターさん』

 

それに関しては同意だが、俺にはだから?という感覚だな。他の連中とは違って、徐倫にしても静・ジョースターにしても根から同じ人間だ。多少の違いはあってもジョジョと静は完全な同一人物なんだよ。

 

DIO「はっ!言ったろ。双子の兄弟みたいなもんだ。それに、アッチはあの頃からスタイル良かったのに、お前はひんにゅ……」

 

バキィ!

殴られた…まぁ、デリカシーに欠けていたことは認めよう。

 

静「で……何で近付けないか…だよね?車までの埃のせいだよ。あれで透明になっても居場所がバレる。遮蔽物もないから隠れられないしね」

 

なるほど…だとしたら、援護なら出来るかも知れん。

 

八幡『何か考え付いたな』

 

DIO「ああ。相棒、お前の波紋の力と八幡の波紋の力を相乗させる。作戦は………」

 

俺は自分の作戦を伝える。だが、届くか?

すると、背後から声が聞こえた。

 

ジョセフ「ワシも参加させてくれんかのう?」

 

いつの間に近付いて来たのか、ジジイが…ジョセフ・ジョースターがヨボヨボの姿で現れた。

 

DIO「ジジイ!俺の世界のお前ならともかく、今のお前が戦えるのか!?それに、一番危険な役割だろ!」

 

ジョセフ「ワシは今でも現役のつもりじゃ。それに、カワイイ娘が戦っておるのに、ワシが何もせんわけにはいかんじゃろ。血は繋がっておらんでも、静はワシの大切な娘じゃ。ワシがやりたいんじゃよ」

 

ジジイが髭をさすりながら答える。ちっ……この世界の知り合いはどうしてこんなにカッコ良いんだかね?

 

静「ジジイ……いや、パパ……」

 

DIO「わかったよ。八幡……体を返すぜ。ジジイと相棒を任せた…今回ばかりは俺も力を出すぜ?」

 

俺は八幡に体を返した。

 

八幡「覚悟は良いですか?ジョセフさん、静さん!ザ・ワールド!波紋、同調!」

 

八幡が俺の波紋も同調させてジジイと静に波紋の力を相乗させる。三人…俺を含めれば四人の波紋の同調だ。莫大なエネルギーが生み出される。八幡は強化された腕力を使って静を担いだジジイを担ぐ。

 

静「ワイルド・ハニー!透明化するよ!」

 

ジョセフ「構わんよ!行くんじゃ!八幡くん!」

 

八幡「ザ・ワールド!時よ止まれ!」

 

DIO『ザ・ワールド!俺の力も同調しろ!』

 

八幡の時を止める力はせいぜい二~三秒。限られた時間の中を八幡はダッシュする。俺はザ・ワールドの力を同調させて少しでも長く引き延ばし、5秒まで止める事が出来た!ギリギリまで走った八幡はそこでジョセフを投げる。

 

DIO『そして時は動き出す……。サンからエネルギーの弾攻撃が来るぞ!回避なりなんなりしろ!ジジイが着地するまで、囮になれ!』

 

ガンガンガンガン!

相変わらず馬鹿げたパワーだ!波紋でガードをしても八幡がダメージを受けている。だが、八幡は持ち前の根性で何とか回避やガードを繰り返し、再起不能は避けている。しかしそれでも限界はある。くそ、俺の体が使えたらこれで8秒であそこまでたどり着いて終わりだったのに……体がないのが歯痒い。

だが、囮は上手くいった。今度はジジイだ!頼んだぞ!

 

ジョセフ「ハーミット・パープル!さらに遠くまで飛ぶんじゃ!静!」

 

見えなくても気配でわかる。ジジイは静をハーミット・パープルで地面に付かないように更に45°の角度でいばらを伸ばして静を投げ飛ばした。

サンからの攻撃がジジイを貫く!無事でいてくれ!

 

静「パパァ!」

 

ジョセフ「ワシは気にせんでええ!決めるんじゃ!我が愛娘!」

 

静「八幡……ハッチとパパがくれたチャンス…無駄にはしねぇぞ!アラビア・ファッツ!覚悟ぉ!」

 

ノー着地で車までたどり着いた静。

 

W・H「ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ!ドラァ!」

 

ワイルド・ハニーがアラビア・ファッツが乗る車を完全にスクラップにする。

 

ファッツ「ギャアアアアアアアア!」

 

スタンドが解除され、空は昼から夜に戻る。

アラビア・ファッツは気絶したようだ。

 

静「………トドメ!ドラァ!」

 

メキョッ!

流石はジョジョの同一人物。ジョースターの家訓に従ってキッカリとどめを刺した。あれならしばらく起きないだろう。

 

静「パパぁ!」

 

静は動かなくなったアラビア・ファッツに目もくれず、一目散にジョセフに駆け寄る。

 

N・E「エメラルド・ヒーリング!」

 

ナイチンゲール・エメラルド!助かった!これでジョセフは助かる!

 

N・E「今度、なでなでして下さいね?先輩?」

 

そう言ってナイチンゲール・エメラルドは高い身体能力を使っておそらく本体がいる方へと飛んで行った。

マジで助かった。ありがとな?

 

静「パパぁ!もう年のクセに無理をして……」

 

静が倒れているジョセフを抱き締める。

 

ジョセフ「カッコつけたかったんじゃよ。大事な大事なカワイイ娘の前で……」

 

静がキョトンとした表情をしたあと、ニッコリと微笑む。

 

静「カッコ良かったよ。パパ」

 

静の目に、微かな涙も浮かんでいる。静のジョースターコンプレックスを解消する切っ掛けになれば良い。もうジョセフも長くは無いだろうが、今後は仗助や承太郎が静の助けになると信じよう。

 

八幡「お前、実はこれを狙ってたんじゃあないだろうな?」

 

買いかぶり過ぎだ。この結果はあくまでもジョセフの奮闘が…血は繋がっていなくとも、娘を想う本物の心が導いた結果だ。そこまで計算できるか。

 

DIO『俺は勝利しか考えて無かったよ』

 

八幡「そうか…」

 

そう言って八幡は静の所まで歩いて行き、その頭を撫でた。

 

八幡「頑張ったな。静・ジョースターさん」

 

静「ジョジョ」

 

八幡「え?」

 

静「ジョジョって呼んで。ハッチ」

 

プイッとそっぽを向きながら、静の目は八幡に向いていた。このツンデレさんめ。そして八幡の天然たらしめ。

 

八幡「しず「ジョジョ!」」

 

DIO『諦めろ。ジョジョはこうなったら頑固だ』

 

八幡「はぁ…わかったよ。ジョジョ」

 

静「うんっ!」

 

うわぁ…並の奴なら即堕ちている笑顔だな。俺もいろはがいなかったら告白してフラレるレベルだ。八幡ならともかく俺はフラれてるな。さっき貧……って言っちまったし。

 

いろは「せんぱーい!ハチくーん!ジョセフー!」

 

いろはが駆け寄ってくる。

 

いろは「大丈夫ですか!?ジョジョちゃんも!」

 

八幡「おー、一色。お疲れさん。ありがとな?」

 

八幡はいろはをナデナデする。おい、やめろ。いろはまで無自覚に落とそうとするな。まぁ、いろはは首をかしげるだけだろうがな。

 

いろは「はぁ?はぁ……」

 

案の定、いろははキョトンとするだけで、なすがままに撫でられていた。

 

七里ヶ浜「八幡せんぱーい!これ、FBIに引き渡しますねー!」

 

総武高校の女子達とFBIがアラビア・ファッツを連れ去って行った。だから何でいるんだよ!総武高校の女子生徒達!

 

アラビア・ファッツ(太陽(サン))…再起不能(リタイア)

静・ジョースター…数時間後、八幡ファンクラブから入会メールが届いた

 

←To be continued




はい。今回は長かったですがここまでです。

静・ジョースターのスポット参戦と、微妙に雪ノ下雪乃が活躍しています。
ナイチンゲール・エメラルドも良い働きしましたね♪

それでは次回もお願いします!

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