side一色いろは
いろは「ハチ君!ハチくぅぅぅぅん!ううう……」
わたしはとにかくハチ君に抱きつき、泣きわめいた。隣のハルさんは目を見開いて私を見た後に怒りの表情に変えていくけれど、それどころじゃあ………あれ?
いろは「何でハルさんがいるんですか?確かジョルノさんと一緒に一条さんの世界に行ったんじゃあないんですか?雪乃先輩もマチちゃんも材木座先輩もそれぞれの世界に行ったはずですし……それに、あなたは誰ですか?」
わたしはそう言いつつ、彼女を見つめる。材木座先輩に隠れながらもしっかりとした目で見てくる彼女を。基本世界にもわたし達の世界にもいない存在を。
風鈴「えっと…風野風鈴ですけど……あなたこそ誰ですか?いえ、一色先輩であるのはわかるんですけど、なんか違いますよね?」
陽乃「そうなんだよね?あなたいろはちゃんじゃないよね?」
いろは「そう言えばハルさんも茅ヶ崎さん時代のような…」
風野風鈴…、そんな人物はわたしはしらない。どうやら、ここはわたしたちの世界でも基本世界でもない世界…色々情報を共有した方が良いだろう。
あっさりハチ君の魂の欠片が見つかったのはよかったけれど、どうすればいいのかはまだわからない。というより、ストーンオーシャンが始まる今となってはすぐに帰るつもりはない。ハチ君が実体を持っていてもそうするに違いない。
side DIO
さて、どうするか。……というより、この男は気付いていないようだが、通風ダクトに誰かいる。忍者か!
悪意は感じられない。この忍者を弥七と仮称しよう。弥七とは?水戸黄門を知らない人はいないだろう。水戸黄門の忍者と言えば…ジョジョが千葉村でやる陽炎のお銀が有名なところ(柘植の飛猿はマイナーかな?)だが、初代忍者と言えば…風車の弥七だ。うっかり八兵衛の親分として物語の華を添える忍者弥七。水戸光國公の情報屋として影で動く者。それが弥七だ。
八幡(何を考えている?DIO)
DIO『別に?取り敢えずダクトに向けてよろしく、弥七、無料に感謝するとだけ言っとけ』
八幡「(よろしく、弥七?無料に感謝する。これで良いのか?DIO)」
side弥七(仮)
何ですか弥七って!無料に感謝するって意味がわからないんですけど!まぁ、無料で動くんですけど、なでなでくらいはしてもらうから!それにしてもDIOは八幡先輩の異時間同位体、つまり別世界の先輩?…ということは今から八幡先輩たちの身に何か!?こうしてはいられません!さっそく皆に連絡を!
見せてやりますよ?異世界の先輩、DIO。弥七とバカにした責任を取ってもらいますからね!
side空条徐倫
DIO……DIOねぇ。ハッチも自虐が効いた名前を考えるわ。それに…弥七に感謝する……?それってどういう…!?…なるほどね。この私が気がつかないとはね、やるじゃない。それにしても…遊ばれてるわね?弥七。
この世界のハッチはハッチ…ややこしいからDIOで良いわ。DIOから聞いたこの世界の情報をみんなに伝える。
この世界の陽乃、マーチ、雪ノ下、戸塚、材木座、風鈴は息を飲んでそれを聞く。
ここで互いの世界の情報交換を行う。
基本世界の事も交えてまとめてみるとこうだ。
あたし達の世界=基本世界=この世界
あたし達の周囲は歴代ジョジョの転生者=なし=なし
ジョースター家との関わりががっつりある=あたし達の介入で少しはある=なし
SPW財団はジョースター家と完全に融合=同盟態勢ではあるが融合していない=基本世界と同じ
ジョースター不動産はSPW財団として世界展開=アメリカのみの会社であり、既にジョースター家の手からは離れている=基本世界と同様
SPW財団は多目的複合会社=医療を中心とした技術開発研究集団=基本世界と同じ
パッショーネを吸収しており、裏社会でも幅を利かせている=パッショーネはあくまでもスタンド使い関連の事件などで協力体制ではあるが、融合はしていない=基本世界と多分同じ。裏社会のことなので八幡達は知らない。
ブラッディ・スタンドあり=なし=雪ノ下家の様子を見る限りではない。それどころかただのスタンド使いですらない。
ジョルノ兄さんの母、汐華冬乃は柱の一族で、雪ノ下家を含む柱の一族の首領=ジョルノ兄さんの母は行方不明で柱の一族とは無関係=基本世界と同じ
東方仗助は高校卒業後、アメリカに留学。次期ジョースター家の当主最有力候補=杜王町で会社員=不明だが、陽乃が名前を聞いたことがない事から基本世界と同じだと思われる。
GDstから四年後=前に見たときは五年後=これら始まる
ヴァレンタイン閣下がアメリカ大統領=別人=あたし達の世界と同じ
世界的な事は以上かな?
次にハッチ……つまり比企谷八幡を取り巻く状況。
婚約者はいろは=なし=陽乃
幼なじみはいろは、仗助兄さん、小町、静、同列で陽乃=小町だけ=陽乃、雪乃、小町。同列で材木座、風野、城廻、折本っていうあたし達の世界のハッチとトラブった子。
葉山は柱の一族の関係で敵(柱の一族の呪いで今後次第になった)=よくわからない(未来の出来事は世界の修正力でプロテクトがかかっているので忘れてしまう)=雪ノ下家とトラブった関係で敵。
ハッチは基本的に親しいもの以外とは無関係=奉仕部とイッシキ・イロハ以外はあまり関わりがない=影では大人気。七里ヶ浜とかいう生徒を筆頭に何があるとあたしの勘が囁いている。弥七が絡んでいる?ハッチとツェペリ(あたし達の世界の沙希)は波紋の気配で弥七の正体を見破ったが、この子達は気付いていない。あたし?さっきのハッチの物言いでやっと気付いたぐらいだから相当なものね。
材木座に彼女はいない=いない=いる。正直驚いたわね。風野風鈴、彼女がそうだとは…。こちらのメンバーも全員びっくりしていたし、それに同居しているという。様々な世界にいったけど、こんなことは初めてね。こちらの世界に来てからというもの驚きの連続ね。
そしてこれが重要。基本世界と大きく歴史が外れた世界観では珍しい事なのだが…。総武高校の生徒があたし達と同様に敵対していない。
何度か訪れた平行世界の大半はハッチの過去が変わっている関係から敵対的な関係である場合か、何かしらのプロテクトがかかっている未来の出来事が原因で対立している場合が多いのだが、この世界ではそういった世界の中では珍しく対立していない。
そういったほとんどの世界では戸塚、材木座、沙希以外は対立している。酷い場合は小町やいろはですら敵対している場合もある。これは嬉しい誤算だった。この世界の比企谷八幡は幸せみたいだ。
守ってあげたい…プッチの下らないメイドイン・ヘブンから。
陽乃「事情はわかった。だけど腑に落ちないんだよねぇー。何でこの世界の事情にいろはちゃん達は首を突っ込んでくるの?関係ないじゃん?そっちの八幡の魂を回収しちゃってとっとと帰れば良いんじゃないの?」
小町「そうそう。小町たちにもこんなものが出来ちゃって困ってるんだけど」
マーチは服をずらして首筋を見せるようにずいっと出てきた。
ああ、ハッチに浮かんだからマーチにも出てきたんだね?血縁にも浮かぶように出るから…あたしたちジョースターの星形の痣は。
戸塚「こ、小町ちゃん…その……あまり人前でそれは…」
小町「え?や、やだ////戸塚さん、見ないで下さい」
SPW(ややこしいので前世の名前でよぶようにしてもらった)「そういう関係なのかな?ふ……戸塚彩加……いや、スピードワゴンはクールに去るぜ」
陽乃「気になったんだけど、そっちの戸塚さんが名乗ったスピードワゴンってSPW財団に関係あるんですか?」
SPW「よくわかったね?僕の前世のスピードワゴンはSPW財団の創始者、ロバート・E・O・スピードワゴンだよ」
八幡「戸塚…スゴい奴だったんだな、お前は……」
戸塚「いや、僕とは関係ないからね?小町ちゃん、キラキラした目で見られても困るんだけど。あと、そっちの僕……ええっと、スピードワゴンさん?」
SPW「何?」
戸塚「その似合わない改造スーツみたいな服装とシルクハットみたいな帽子、止めてくれませんか?僕まで恥ずかしいんですけど……」
あっ!バカッ!戸塚!
SPW「ああんっ!おいそこのアンちゃん!いまこの僕の格好をなんつったぁ!?」
仗助兄さんのような事を言って戸塚は……ええいややこしい!スピードワゴンは戸塚に詰め寄る!
SPW「例え異世界の自分でも、ジョースターさんとの思い出が詰まったこのスーツをバカにするやつは許さない。僕自身の手となり足となり、前世でも千葉村でも屍生人の大群から身を守ってくれたこのハットカッターをバカにするのはゆるさない。君もハットカッターの餌食になりてぇのか、ああん?」
キャラが崩壊するほど怒ってるぅ!前世に傾いてるよスピードワゴン!
戸塚「えっと…ごめん?」
この世界の戸塚もドン引きしている。女みたいな扱いをしたり、前世の服装が似合っていないとかの発言をすると途端に怒り出すのがスピードワゴンだからなぁ…。
あたしはこっそり戸塚に近付き、耳打ちをする。
徐倫「だめよ戸塚…あたし達アーシスの人間って服装とかに拘りがあるの。沙希だってタキシードみたいな格好にシルクハット被ってるし、イーハ…ああ、いろはの事だけど、ごてごてとバッチ付けてるでしょ?その手の事にマイナス的な指摘をすると地獄を見るわ。あたしの親戚の影響で……」
主に仗助兄さんのせいで。
戸塚「わ、わかりました」
戸塚がやはりドン引きしながら苦笑いをして答える。
陽乃「そんなことよりも」
そうすると、陽乃が手をパンパンと叩いて話の流れを元に戻す。
陽乃「そ・れ・よ・り・も!何であなた達は目的である八幡…というよりは、DIOの魂を回収して帰らないの?見つけたならそうすれば良いじゃない」
八幡「それは俺から説明してやるよ。陽乃さん」
陽乃「八幡?…いえ、あなたは…」
徐倫「八幡?じゃあなくてハッチ?」
いろは「ハチ君!」
DIO「そうだいろは…俺だ。それにしてもさすがだな、こちらの世界の陽乃さん、すぐに別人だと気づくとは…。今は比企谷八幡の体を借りてこのDIOが喋っている。俺の事はDIOと呼んでくれ」
sideDIO
八幡『DIO!勝手に人の体を乗っ取るんじゃねえよ!』
DIO『だが、お前で説明できるのか?これから起こる事の説明が』
八幡『まぁ、確かに少し難しいけど…』
この世界の俺…まぁ、八幡で良いか。八幡は難しい表情で答える。それに…いろは達と話したかった。わずかな時間でも…
DIO『ならば任せてくれ。悪いようにはしない』
俺は精神の中での会話を終え、現実の世界に意識を戻す。
DIO「これから話すことは冗談でも気が触れた訳でもない。いろは。スマホを貸してくれ」
いろは「ハチ君……話せて嬉しいです!それで、何をするきなの?」
いろはが俺に携帯を渡す。
DIO「ハーミット・アメジスト。これで俺の世界で起きたGDstや世界の一巡を止められなかった場合の記憶を見ることが出来る」
俺が手からハーミット・アメジストを出現させる。
砕けた俺が…ましてや他人の体でもスタンドが使えるのはラッキーだった。
これも城廻先輩がくれた幸運の力のおかげなのか?
それとも、俺の影響で八幡にも能力が使えるようになったのか…。
八幡『何だ?俺の手から蔦が出ている!』
陽乃「何これ!」
めぐり「え?え?どうしたの?みんな何を驚いているの?」
この世界の陽乃さん達にスタンドが見えているだと?もしかしたら俺達がこの世界に来た影響かも知れない。
DIO「この手から出ている物が見える者は手を挙げてくれ。あ、アーシスの奴等は聞くまでもないから手を挙げなくていいぞ?」
俺が言うと陽乃さん、雪ノ下、戸塚、材木座、小町、風野が手を挙げた。由比ヶ浜はダメだったか…。ダクトの中に潜んでいる弥七の気配が揺らぐのを感じる。弥七も目覚めたか…それに、まずは説明をしなければならないしな。
俺はいろはのスマホにハーミット・アメジストを通して俺の記憶をスマホに映し出す。
DIO「この能力はスタンド…一言で説明するなら超能力が実体化したものだと思えばいい。スタンドが使える者の事をスタンド使いと言う。スタンドはスタンド使いでしか見ることは出来ない。そして、俺のこのハーミット・アメジストは念写だ。この映像を見ろ」
俺のGDstの記憶をスマホに映す。すると、全員が息を飲む。
小町「小町が……死にかけてる…それも何度も…」
雪乃「私が…義兄さん達の敵だったなんて…何の悪夢なの?」
陽乃「私も死にかけてるし、八幡の…いえ、DIOの敵として最初は関わったんだ…。あ、DIOとキスしてる///キャッ♪」
キャッじゃあない。そこは今は重要じゃあない。だからいろはは殺気を押さえろ。俺の意思でやっていることじゃあない。
小町「小町ともキスしてる…気持ち悪いよゴミィちゃん……」
DIO「ぐふぅ!こっちの小町は健全でよろしい。でも俺の意思じゃあないからね?あと、ゴミィちゃんは止めてね?お兄ちゃん、ショックで成仏しちゃうからね?」
八幡『おい、俺にもダメージが入るんだが』
DIO『うるせぇ!俺の意思じゃあない!』
八幡『その「じゃあない」って話し方も勘に障るぞ』
長年のクセだ!俺の世界じゃあコレが当たり前なんだよ!
いろは「マチちゃんじゃあなくて、小町ちゃん…赤の他人だと思った方が良いよ?わたしも基本世界の自分の事をそう思うようにしてるから」
SPW「アハハハハ…僕もさっき、そう思う事にしたよ。自分だけど他人だって思えば気が楽だよ?リサリサ」
戸塚がフォローに入る。スピードワゴンの方な?
小町「うん、そうするよ。あとリサリサって人じゃないから。スピードワゴンさん」
小町がどんよりとした表情をする。
DIO「で、次の映像に変えて良いか?」
陽乃「あ、うん。続けて?DIO」
俺の陽乃さんがディオを呼ぶときは「DIO様」と呼ぶから新鮮だな。そういえばディオとジョナサンはどうなったんだろ?眠っているのか?いるのはわかるんだが。
DIO「次に見せるのは基本世界の1つで世界を救えなかったディエゴ・ブランドーの中に入ったディオ・ブランドーの記憶だ」
これはプッチの視点から世界の一巡を目にした記憶。
スティールボールランの世界にどジャアァァァンされたときにDio…ディエゴ・ブランドーから抜き取った記憶だ。俺じゃあ無いとはいえ、勝手にザ・ワールドを悪用しやがって…。
その映像には生物以外が全て時間が加速する様子が見られる。メイドイン・ヘブンが引き起こした宇宙の崩壊が映し出され、再生した世界でエンポリオにプッチが殺されるまでの記憶が流れる。
陽乃「これが…このまま放置された場合に起こる現象なの?DIO」
DIO「ああ。残念な事にディオ・ブランドーの魂は俺以外にこの世界に存在しているのは感覚でわかる。かなりの確率でこうなるだろうな。既に歴史は変わっているから閣下が黙っていないとは思うが…このままでは宇宙が終わる」
俺は淡々と事実だけを伝える。
DIO「八幡には迷惑だとは思うが、俺はこれを止めたい。アーシスのみんなはどうだ?」
俺が視線を向けるといろは達も頷く。
いろは「愚問ですよ?ハチ君。この世界の事はわたし達には関係ないかも知れません。でも、承一郎先輩は同じ立場でありながら、わたし達の世界の自分を救う為に頑張ってくれました。今度はわたし達がこの世界を救うんです!それが承一郎やジョニィへの恩返しになるのですから!」
SPW「僕は決めたんだ。力になるって!八幡の力に」
沙希「お人好しばかりだね。でも、嫌いじゃあないよ。あたしも」
アナスイ「助けたい奴がいるんだ。俺達の世界では死んでしまった大切な二人が…」
エルメェス「それに、あたし達自身も助けたい」
徐倫「空条承太郎……あたしの父さんもね。それに、陽乃と雪ノ下、マーチ…あんたらを見捨てて帰ったら、あたしらはジョルノ兄さんに怒られるわ」
アーシスのみんなは心が決まったらしい。
DIO『八幡、お前はどうしたい?悪いが戦いそのものはお前に頼る形になるが』
俺は心の中の八幡に問い掛ける。俺が八幡の体を借りられるのはわずかな時間だけだ。今も相当無理をしている。
八幡『(…やらなきゃ俺だけじゃなくて陽乃も雪乃も小町もヤバイんだろ?やるしか無いじゃないか)』
DIO「八幡も行ってくれるみたいだ…悪いが……俺自身は…魂の欠片だ………もう、起きてはいられない…ザ・ワールドとハーミット・パープル……そして波紋の力は………八幡に預ける……頼んだぞ……みんな」
そう言って俺は意識の闇の中に落ちる。くそ……もう少し…いろはと話したかった………。
side一色いろは
八幡「はぁ……はぁ……DIOめ……やっと体を返したか…幽霊に取りつかれた気分だ」
ハチ君は眠ってしまったみたいだ。でも、話ができて嬉しかった。例え、この世界の比企谷八幡…せんぱいの体を通してでも。
いろは「ナイチンゲール・エメラルド。エメラルド・ヒーリング」
わたしはせんぱいの体を癒す。
八幡「仕方ねぇからいってやるよ、一色。空条さん。俺の世界の事だからな」
せんぱいはそう言って立ち上がる。
いろは「ちょっとわたしは外で風にあたって来ます。話は後でお願いできますか?徐倫」
今はハチ君と話が出来た余韻に浸りたい…。頭を冷やしたいというのが本音だけど。
徐倫「良いよ、行ってきな」
いろは「ごめん……徐倫」
わたしはこみ上げる涙を見せないように小走りで部屋を出ていった…。
side空条徐倫
イーハが部屋を出ていく。そして、しばらくしたあとにイーハが戻って来た。
いろは「お待たせしました。徐倫」
…………。まぁ良いや。
陽乃「早かったね?いろはちゃん。それで、八幡も行くんでしょ?私達も行っちゃダメかな?」
徐倫「………凄く危険よ。百戦錬磨のハッチやイーハ、あたしの家族達ですら何度も危険な目にあったんだけど」
陽乃「どういう訳か私にもスタンドが見えた。ならば私にもスタンドが使えるんだよね?」
徐倫「………心の中で敵をイメージして。そいつをぶっ飛ばす気持ちでスタンドを出してみなさい」
陽乃「わかったわ。ハァァァァ!」
陽乃が気合いを入れる。すると………
陽乃のから刀を持った狼人間のようなスタンドが現れた。その刀に見覚えがある。アヌビス神……。
あたし達の世界のエジプト九英神の姿のアヌビス神が出てくるなんて…。
材木座「ぬう!」
材木座からもガンズ・アンド・ローゼズが
小町「んんんんん!」
マーチからもサンシャイン・ルビーが出てくる。指先しかエイジャの赤石は無いけど。まぁ、却ってこっちの方がいいわ。波紋の達人であるあたし達のマーチですらルビーレーザーはコントロール出来ないんだから、こっちのマーチにはこれで丁度良いのかも。波紋の適正があるかはわからないけど。
戸塚「僕も…」
戸塚からもホール・シンクスが出現する。
SPW「僕のと微妙に違うね。僕のはラケットを自分自身で持っているけど、そっちはホール・シンクスがラケットを持ってるんだ」
あたしらの戸塚も興味深げに見ている。
風鈴「なにこれ?ペン?」
このスタンドはあたしも知らない。この子の完全なオリジナルスタンドね。
徐倫「そのスタンドはあたしも知らないわ。名前を付けて見る?あたしにもストーン・フリーって名前が付いてるから」
風鈴「うーん……マリン・スケッチって名前でどうですか?」
本人がそう名付けたのなら、それがそのスタンドの名前で良いんじゃあない?
いろは「ナイチンゲール・エメラルド」
何であんたまでスタンド出してんのよ。
まぁ、良いわ。
八幡「ザ・ジェムストーン」
八幡もハッチから託されたスタンドを出してみるが…。
徐倫(ザ・ジェムストーンじゃあない。これはザ・ワールドね)
ザ・ジェムストーンの色は水色。それに対して八幡が出したのは黄色だ。何故だろう。
いろは「せんぱいのスタンドは黄色いですねー。ハーミット・アメジストはどうですかー?」
それは気になるわ。八幡はザ・ワールドを消すと、今度は紫の蔦を両手から出した。でも、ハーミット・アメジストじゃあない。ハーミット・アメジストは本当に紫水晶のように輝いているけど、こっちはジョセフおじいちゃんのハーミット・パープルのようだ。両手からでているからハーミットパープル・ネオだと思う。
何故だろう?八幡自体は気が付いていないみたいだけどね。
雪乃「エンジェル・ダスト……だったかしら?」
雪ノ下もスタンドを出す…が、これもエンジェル・ダストじゃあなかった。
氷のフリスビーみたいなのが浮かんでいる。
そうか、あたし達の雪ノ下とは本質が全然違うんだ。エンジェル・ダストの概念…例えば人の絆とかを冷えさせる特殊能力は汐華の呪縛があった雪ノ下の特殊な環境によって産み出されたもの。この雪ノ下のように愛で満たされた環境ではエンジェル・ダストのような本質は産まれない。どういう能力だろう。
雪乃「エンジェル・ダストとは違うわね。名前も向こうの私と違う方がいいのかしら?」
徐倫「あなた次第ね。しっくり来ないのなら名前をつけるべきよ。それがあなたの魂の名前なのだから」
雪ノ下は少し考えた後、頷いて。
雪乃「そうね。エンジェル・ラフレシア何てどうかしら?」
良い名前だ。とりあえず、メンバーを確認しよう。
こちらの世界からはあたし、イーハ、戸塚改めスピードワゴン、沙希、エルメェス、アナスイ。
あちらの世界からは八幡、陽乃、雪乃、小町、戸塚、材木座、風野。この様子だと弥七もこっそり着いてきそうね。
クリスタル・クルセイダーズ時代のメンバーよりも多くなったけど、これが今回のメンバーだ。
待ってなさいプッチ!この世界でも世界の一巡は止めさせてもらうわよ!
←To be continued
今回はここまでです。さて、次回からは冒険開始!
となれば良いなぁ。