やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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黄金の…


運命の聖地、千葉村へ

side比企谷八幡

 

ついにこの朝が来たか…朝から蝉がうるさいが、もしかしたらこの家で朝を迎えるのもこれで最後だ…。今までありがとう……。

 

カマクラ「にゃー……」

 

カマクラが俺の足にじゃれつく。こいつともこれで最後になるかもしれないな。

 

八幡「……元気でな?カマクラ」

 

カマクラ「うなぁ!にゃー!」

 

カマクラが俺の足にしがみつく。やっぱりわかっちまうのか…。

付けっぱなしのテレビからはこの夏一番の猛暑だとか。お天気おねぇさん。それ、毎日言ってませんか?

そう思いながらテレビをプツッと切る。ソファに沈み込むと、荷物のチェックを始める。宿泊道具に武器、サバイバルセット一式いろは。

さむっ!

そして………万が一の為の遺言状。

城廻弁護士にこれの作成を依頼したときは目を見開いて驚かれた。

立場が立場だからという事で無理矢理納得してもらったが。

夏休みが始まって二週間足らず。

とうとうこの日が来てしまった。俺の生活は例年と打って変わり、地獄の社畜生活から一転して謹慎生活だ。まぁ、性懲りもなく出掛けていたけどな。その度に承太郎が第7倉庫に居座らなくてはならなかったことだろう。

謹慎期間中は身辺整理をしていた。

いろはや小町、ジョジョ達は会社から帰ってくると片時も離れようとしなくなった。事情を知っている仗助もそれに付き合ってうちに来る。

武器作りにも余念がなかった。何度か材木座とエンポリオを呼び出しては特殊ギミックの武器が出来ないか試行錯誤をしていたが、短期間でまともな資材もない状態では出来る事などたかが知れた。

最初は最後の休暇だと満喫する満々で昼まで寝て、「ペット百科」観て、ペットショップとじゃれついて、思い出したように無意味に出掛けて承太郎を疲れさせて…だった。去年までは憧れた学生らしい夏休み。

いざそういう期間に入ると、自由だ!フリーダムだ!ガンダムだ!俺が、俺たちがガンダムだ!…という気にはならない。会社から何もしなくて良いから…と言われるのがこんなに嫌な気分になるなんて。辛い…。理由は知っていても辛すぎる。

だが、謹慎は昨日で終わり、今日から復職だ。と言っても、今日からSPW財団主催の運命の千葉村へのボランティア。地元への感謝への気持ちを還元する地元小学生の林間学校の支援活動だ。

これは財団のキャンプ旅行も兼ねてのボランティアだ。大抵は俺達も参加している。やることはやるが、基本的にはジョースター家、空条家プラス幼なじみーズのキャンプ旅行の意味合いが強い。今年は更に有志のアーシスと奉仕部が加わった。汐華とジョースターの決戦の為にと…俺の覚悟を止める為に。

 

八幡「よしっ!」

 

俺はネガティブになりそうな気持ちを高揚させる為に気合いを入れる。

キャンプだキャンプ!こんな時はガイアを感じるんだ!ティガでもダイナでもギンガでもなくガイアを!ウルトラマンかよ!

そんな時、ウルトラマンが欲しい!…ではなく、メールの着信があった。画面を見て差出人を確認する。

 

ー平塚静ー

拒否設定。削除。

 

もはやこの教師は奉仕部からも抹消されている。

俺にはもう関係のない人物だ。次に会うときは千葉村でケリをつけるとき。城廻先輩からは肉の芽を埋め込まれたようだが、知ったことではない。彼女自身が選んだ道だ。今頃メーラー大門五郎さんががんばっているだろう。

また携帯がなった。

何だよ。携帯を見るとどうやら電話らしい。仗助からか?

と、思って見てみると平塚静からだった。

通話拒否。着信拒否設定。

つうか、何で俺の番号知ってるんだよ。今度はメールが鳴る。ジョジョからだ。

 

静『クソ教師がウザイ』

 

ああ、お前の所にも来たか。

 

八幡『三日間で合法的に始末できるんだ。拒否設定でしのげ』

 

静『了解。アイツと名前が同じだということにメチャクチャ腹が立つ』

 

バタン!

 

いろは「ハチ君。あのブラッディ・スタンド使いからメールや電話が……」

 

小町「お兄ちゃん……会社で聞いたんだけどさ、あの教師、復職したんでしょ?しかも千葉村のボランティア、学校枠で来るらしいんじゃん…。絶対にドンパチになるよねぇ」

 

二人が俺の所に来てコアラのイーハとマーチになった。方々に電話やメールを活用してやがるな。

俺はカマクラを撫でながら俺は仗助にメールを送る。

 

八幡『アーシス案件。総武高校奉仕部に対し、平塚静ら汐華一派がやたらメールや電話を送ってる模様。ザ・フラックの例もあるので対処及び指示されたし』

 

宿り木代わりに取り付けた木製のポールに停まっていたペットショップが嫉妬し、肩に降りてくる。

ハイハイ。俺はペットショップの頭を撫でる。

あ、仗助からメールだ。アーシス用に。

 

仗助『隊長、東方より伝達。総武高校関係者は平塚静及び葉山一派の連絡を一切拒否されたし。なお、彼等の携帯等は止めるように根回しを実施する。それまでは拒否設定で対処されたし』

 

グループ一斉送信か。

 

八幡「対処早いな、アイツ。さすがだ」

 

いろは「そうですね。ところでハチ君」

 

小町「ところでお兄ちゃん」

 

八幡「うん?」

 

いろは「ハチ君が謹慎中、わたしたちは凄ーく頑張りました」

 

小町「小町達はご褒美が欲しいのです」

 

八幡「ご褒美…ご褒美ねぇ…ああ、良いぞ。いろは達にはたくさん迷惑をかけた。何が欲しい?」

 

最後の家での朝だ。二人が望むことなら出来ることなら何だってやろう。出来ることなら…

 

小町「撫で撫でして欲しい…お兄ちゃんの手で…」

 

いろは「わたしにも…。ハチ君がいまここにいるってことを実感させて欲しい…」

 

八幡「わかった…」

 

こんな事で良いならお安いごようだ…俺は二人の頭を代わる代わる交代交代で撫でる。

 

いろは「この平穏な朝が、いつまでも続いて欲しい…

わたしには何が起ころうとしているのかわかりません。万が一の事になったら、泣けばいいのか叫べばいいのか、それとも気を失えばいいのか分からないのですもの…でも言える事はただ一つ。一色いろははあなたと伴にいきます…」

 

いろは…その気持ちはありがたい。だけど…

 

八幡「いろは…俺は…」

 

小町「小町もだよ、お兄ちゃん……小町はお兄ちゃんのすべてを肯定したい。だけど、それがお兄ちゃんの犠牲の上で成り立つのなら……」

 

俺だって諦めていない。だけど、犠牲になるのが俺か雪ノ下達か…。

俺は曖昧に笑いながら、時間ギリギリまで二人を撫で続けた。

 

小町「かーくん。行くよ?億泰さんも来るんだって」

 

いろは「ペットショップちゃんも行くよ?狭いけど我慢してね?」

 

小町はカマクラをキャリーバックに、いろははペットショップを大きめの鳥籠に入れた。

 

カマクラ「にゃー……」

 

ペットショップ「クエェェェ…」

 

一匹と一羽は俺に一鳴きした後に大人しく収まる。

荷物を持った俺達は玄関を出る。そこには仗助とジョジョも待っていた。そして……。

 

八幡母「帰って来なさいよ…八幡」

 

八幡父「帰って来なかったら…許さんからな」

 

いろは母「ハチ君……」

 

いろは父「いろはの婿は君以外に認めない…」

 

俺の両親と一色夫妻が待っており、声を掛けてくる。

 

八幡「ああ。必ず帰ってくる」

 

そう言って俺は仗助達に続いてあのジジイの趣味全開のマイクロバスに乗り込む。俺たちが最後のようだ。

 

出発直前に…タイヤが動き出した後…

 

八幡「今までありがとう…親父、母さん。さようなら」

 

と誰にも聞こえない音量で呟く。

 

八幡父「!!行くな!戻ってこい八幡!はちまぁぁぁぁぁぁん!」

 

親父が唇を読んだのか、追い付くことが不可能なのがわかっているのに走って追ってきた。

さようなら…親父。もし無事に帰ってこれたら…また暖かく迎えてくれ。俺も…そうあって欲しい…。

 

 

side汐華冬乃

 

葉山「ジョースター達は平塚静達を無視してこの千葉村へ向けて出発を始めたようです」

 

冬乃「都築にご苦労様と伝えて下さい」

 

馬鹿なジョースター…そして初留乃。

DIOはおろか、カーズでも無理だった者達をあなた達でどうにか出来るものですか。

それも、私達柱の一族と協力するならともかく、私達と敵対して事を構えるだなんて出来るわけがないじゃないの。

それにしても愚かなのはDIOの転生、比企谷八幡。何故プッチを止めたのか…いえ、何より何故自分で天国を完成させなかったのかしら?そうすれば奴らは労せずに滅ぼせたのに……私達だって形は違えども、一巡した世界で幸せになれたかも知れない。

新しい世界で、新しいジョースターと共に歩めばこんな苦しまずに済んだのに…

 

冬乃「仕方ない事ね。雪ノ下、葉山。全ては明日よ。明日にすべてがけっするわ!紅き神の弓矢の最大の目的…新たな神の誕生…」

 

目標は比企谷八幡、ジョースター家、一色いろは、比企谷小町、そして初留乃……。最後の決戦はもうすぐよ。

 

←To be continued




短いですが今回は以上です。

いよいよ千葉村が始まります。

スタンドバトルラッシュにしようかとも思いましたが、能力が思い付かない!どないしよ…。


それでは恒例の…

カマクラは八幡になついていない➡のは同じだが、不穏な空気は感じている。

八幡は小町と平塚先生にはめられて千葉村に連れ出される。荷物などの諸々は小町が準備➡会社主催の毎年恒例行事兼気が合う者同士のキャンプ旅行。荷物も自分で用意した。

ガンダムネタのみ➡ついでにウルトラマンネタもやってみた。仮面ライダーネタは思い付かなかった(作者はコンパチヒーローズの中で唯一知らない)

平塚先生のメールは中身だけは一応見た。無視したのは変わらない➡大和のザ・フラックの例もあるので警戒して見なかった。

メーラーダエモンさん➡メーラー大門五郎さん。あ、KOSF忘れてた。こっちのストックがヤバイ!

小町が来たのは宿題の休憩➡平塚先生のメールが来たので相談に来た。いつも朝は一緒にいるいろはも同様。ザ・フラックの件もあるのでアーシス対処(←一応犯罪に該当します)

小町の望むご褒美は千葉(村)へ行くこと(平塚先生と共謀。法律に照らし合わせると立派な拉致監禁罪に該当する)➡頭なでなで。この八幡なでなでをすっっっっっかり忘れてました。

千葉村に動物組も同行させました。

八幡の父は小町と同じくらい八幡を愛してます。

それでは次回もお願いいたします。



はて?最近、恒例の何かを忘れているような?

仗助「『前回までの奉仕部の活動』と『総武高校都市伝説』シリーズじゃあないか?」

あ………『総武高校都市伝説』シリーズは完全に忘れてた。

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