やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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東京ワンニャンショー3

side比企谷八幡

 

俺はペットショップを即金で買い落とし(手持ちでは足りなかったのでカード払い)、陽乃さん達を待っている間、俺達は陽乃さん達が合流するまで鳥エリアで待っていた。

予想外の出費だったが、前にもいった通り、人の縁ほど得難い宝はない。偽物の縁は要らないが、ペットショップとの縁は忠犬ならぬ忠隼。多少の出費など問題ではない。

思い出のエンジェルラダーならぬ、思い出のワンニャンショーじゃあないか。幕張の町は一体、どれだけこの俺に得難い思い出をくれるというのだろう。

ちなみにペットショップをいつまでも滞空させているのも可哀想なので、鷹狩用に使われる手袋と肩当てを一緒に買って装着している。

ペットショップは満足げに肩に止まっていた。

そう言えばディオだった時はこんな身近には置かなかったからな。それが嬉しいのかも知れない。

一方で、反対側の肩にはイギーの転生、サブレが乗っていた。

 

小町「犬と鳥……あとは猿が加われば桃太郎完成だね?お兄ちゃん」

 

八幡「止めて。フラグ立てないで。ストレングスは要らないから」

 

あの色ボケ猿のフォーエバーは管理しきれる気がしない(オラウータン)。あのエジプトでも館の女とかに手を出そうとしていたから、早い段階で承太郎の刺客として放り出し……もとい、送り出したわけだし。

……まさかいないよね?フォーエバーいないよね?

ペットショップは可愛いけど、フォーエバーは嫌だからね?

 

雪乃「比企谷くん。なんか小動物エリアにいる猿がこちらを見ているのだけど?」

 

やめて、なんかそれっぽいのがじーっとこっち見ているのを敢えてスルーしているんだから。

 

八幡「もううちには猫と隼がいるから猿まで面倒は見切れない。高崎山なり河口湖なり猿まわし劇場に送ってあげて。俺は関係ない」

 

うん。世話が無理ならペットを飼うべきじゃあないよね?いっそ、カマクラを虹村家に贈ろうか考えていたくらいだし。

 

小町「カーくん追い出したら責任取ってもらうから、確実に小町を貰ってもらうからね?」

 

前半は底冷えするような声で、後半はキャルンとあざとく。

 

いろは「マチちゃん。そのキャラクター性、むしろわたしのキャラクターとセリフなんだけど…」

 

メタいからやめようね?一色…ではなくいろは。

そのあざとすぎるいろはは俺の中ではイロハをはじめとした基本世界をはじめとする一色として登録されているから。

 

八幡「にしても、何でお前がここに?何か見に来たのか?」

 

雪乃「……ええ、まぁ、色々と」

 

幼なじみーズ+仗助「まぁ、どうせ猫だろ?」

 

雪乃「…………(顔真っ赤)」

 

隠さなくても川…川…川何とかさんのアニマルセラピー作戦の件は奉仕部の活動レポートに書かれてるから。小町がしっかりと書いているから。

 

雪乃「んんっ!ジョースターさん達や由比ヶ浜さんは?何故ここに?」

 

八幡「俺ら兄妹といろはは毎年の恒例行事なんだ。それに、今年はコイツとも再会できたし」

 

俺はペットショップを撫でる。

 

小町「うちの猫ともここで会ったんですよ!スタンド使いはスタンド使い同士惹かれ合うんですかね?小町はカーくんを見てすぐに気に入っちゃったんです!」

 

あの時は会場が騒然としたからな。後のカマクラとなる血統書付きの猫を俺に預け、小町は大急ぎで人ごみを飛び越してATMにお金を下ろしに急いだ。

ちなみにその間はカマクラは俺を嫌がって空気弾の洗礼を飛ばして来やがったが。

 

静「私達は私を誘わないで家族デートしてるハッチ達に頭来て追いかけてきた」

 

仗助「俺はそのお姫様の送り迎えの運転だ」

 

雪乃「仲が良いのね?」

 

いろは「かれこれ12年の家族ぐるみの付き合いですからね」

 

雪乃「良い幼なじみね?それに比べてこっちは…」

 

雪ノ下は吐き捨てるように言う。奴の事か……。

 

結衣「あたしはサプレのトリミングで。ほら、優美子と姫菜、それに空条博士がサブレと会いたいって言っていたじゃん?今日、トリッシュ先生の誕生パーティーがあるし、連れてきても良い?って聞いたらOK出たから、それならサブレもオシャレにしてみようかなって」

 

サプレ「ガルルルル!」

 

八幡「嫌がっているようにしか見えないのだが?」

 

俺はサプレをなだめる為に頭を撫でる。

すると、ハッハッハッとなすがままになって、俺の手を舐める。

コイツ、俺にだけは心許しているよな?

ペットショップとも和解したみたいだし。

 

結衣「う~!サブレがあたしよりヒッキーになついてるし!」

 

確かに話に聞いていたイギーのイメージは人になつかないって資料に載っていたからな。

それが俺だけにはこのなつきよう。普段は動物になつかれないから嬉しいには嬉しいが。

 

陽乃「あー!雪乃ちゃん見つけた!」

 

雪乃「姉さん」

 

陽乃さんは雪ノ下を見付けると、ダッシュで近寄って来て雪ノ下を抱き締めた。本気で心配していたのが伺える。

どれだけ方向音痴なんだ?雪ノ下……

そして陽乃さん。波紋使いの人外の力を発揮してダッシュしないでください。波紋の量なら川嶋よりも上なんですから。あれ?川村だっけ?

 

陽乃「あれ?八幡君、その隼」

 

陽乃さんはペットショップを指差してアヌビス神を出現させる。

天敵の方は目に入っていないようだ。

 

ペットショップ「クェェェェ!」

 

ペットショップの方も陽乃さんに見せるようにホルス神を出現させた。

 

陽乃「やっぱり!久しぶ…り………」

 

そこで初めて陽乃さんは天敵の存在に気が付いたようだ。

 

陽乃「ね、ねえ?この犬って、由比ヶ浜さんの?」

 

八幡「え、ええ…。イギーの転生です」

 

ダラダラダラダラダラダラ(大汗)

滝のような汗をかいて徐々に距離をとる。

 

承太郎「八幡。その犬がイギーか?」

 

ジョセフ「前世とは違って可愛いげがあるのう?」

 

八幡「確かめて見るか?サブレ、ザ・フールを出してほしい。出せるか?」

 

サブレ「キャン♪」

 

バアァァァン!

 

サプレが砂のスタンドを集め、ビジョンを作る。

おれ自身は知らないビジョンだったが、承太郎達は見覚えがあったらしい。

サブレはジョセフと承太郎を警戒している。前世で何かあったな?

 

三浦「イギー、見るし」

 

海老名「覚えてくれているかな?」

 

三浦と海老名がマジシャンズ・レッドとハイエロファント・グリーンを見せる。

 

サブレ「あう?」

 

サブレは「おいおい、お前らが女だって?何の冗談なんだ?」とか言いたげな目で見ている。

三浦がコーヒーガムをサブレに渡す。

 

ポルナレフ「イギー…。会いたかったぞ。私はお前のその孤高の精神が好きだったからな」

 

サブレ「アウ!」

 

サプレがポルナレフの頭にしがみつこうとして突き抜ける。

 

サプレ「あぎ?」

 

ポルナレフ「済まないなイギー…私も死んでしまったのだ。15年前にな。せっかく再会できたのに申し訳ないが、この亀の寿命が尽きたとき、私は本当に天へと召されるだろう」

 

サブレ「クゥン……」

 

サブレは哀しげに鳴く。イギーはイギーでポルナレフの事が気に入っていたのだろう。触れられないことを寂しがっているようだ。

人懐こい犬種に変わったこともあるのかもしれない。

 

ポルナレフ「お別れは近いが、それまで仲良くしよう。イギー」

 

サブレ「ワン!」

 

ジョセフ「にしても八幡。あそこの猿が…」

 

八幡「さて、小動物エリアはパスして犬エリアにいくぞ~!特にウサギはともかく猿はパスしていくぞ!」

 

俺が先導する形で小動物エリアを足早に通過する。

 

フォーエバー?「キー!キー!ウキャっ!キー!」

 

ストレングスのフォーエバーなんていなかった。色ボケ猿なんて知らない。

 

フォーエバー?…仲間になりたそうな視線を送ったが、八幡に拒否された。

 

なお、ミドラーも気付いていたが、エジプト時代にセクハラされた事から無視した。

 

side東方仗助

 

犬ゾーン

 

雪ノ下姉妹がびくついている。

ジョジョもスチャッ!とサングラスをかけ、俺により強くしがみつく。コイツは覚えていないのに、犬が苦手な理由は杜王町の荒野で野犬に襲われたのが原因では無いかと思っている。

3人とも犬が苦手だからな。

俺?猫も犬も好きだぞ?八幡もそうみたいだが、八幡は逆に犬や猫に嫌われる。

ペットショップやイギーというのがなついているのにびっくりしたくらいだ。

 

億泰「あんま大人数でぞろぞろ動くのも迷惑だからよぉ、うちらの家族は小動物エリアでウサギとかみてるぜぇ。また後でな?」

 

仗助「おうっ!楽しんで来いよ?億泰」

 

ミスタ「あ、俺はピストルズの食事の時間だからサイゼリアに行ってくる。またな!」

 

ミドラー「あたしらもいくわね。ゆっくり日本のイベントを観光したいし。懐かしい顔にも会えたしね」

 

虹村一家とミドラー一家とミスタは俺達から離れていく。

 

承太郎「俺達も行くか。たまたま焦っている陽乃を見付けたから協力していただけで、今日はイギーに会うためにここに来たからな」

 

結衣「あ、そうでした。ユキノン、トリッシュさんの誕生パーティーでまたね!」

 

そう言ってスタクルメンバーと由比ヶ浜、ジョルノが去っていった。よっぽどイギーと会うのが楽しみだったのだろう。

残ったのは幼なじみーズ+雪ノ下姉妹だ。

 

小町「うーん。犬も捨てがたいんだけど、雪乃さんは猫エリアに早くいきたいですよね?陽乃さんも」

 

雪乃「いえ…そんな事は…」

 

陽乃「もちろん!早く出ましょう!猫エリアに行きましょう!ペットショップもそうよね!」

 

ペットショップ「クェェェェ!」(確かに前世は犬に殺されたが、別に俺は犬が苦手じゃあないから、どっちでもいい。つうか変わりすぎだろ、お前)

 

陽乃「良いから行く!」

 

八幡「陽乃さん。俺を引っ張らなくても」

 

雪乃「姉さん、待って」

 

いろは「待ってくださいよー!ハルさーん!ハチ君は置いていって下さいよー!」

 

陽乃は八幡とペットショップを連れて猫ゾーンへと引っ張り、それを雪ノ下といろはと小町が追う。

 

静「お兄ちゃん。私も早く犬から離れたいんだけど」

 

仗助「はいはい。雪ノ下が長い時間、猫をもふり続けて時間がかかるんだ。猫エリアでゆっくりしてこうぜ?」

 

静「ええ。ほら早く!」

 

ジョジョは俺の手を引っ張って俺を犬ゾーンから連れ出した。

猫エリアでは予想通り、雪ノ下が猫をもふりまくり、陽乃が苦笑いをしながらそれを見守り、幼なじみーズは思い思いに仔猫と戯れながら楽しんでいた。八幡だけはどの猫からも避けられていたけど。

 

その時だ。雪ノ下が爆弾を投下したのは。

 

雪乃「比企谷君達。明日、付き合ってくれる?」

 

いろは、小町、陽乃「あ゛(# ゜Д゜)」

 

この面子相手にそのセリフをいう勇気に感服するわ。

 

尚、思う存分猫を堪能した俺達は、お馴染みとなったホテルロイヤルオークラで着替えをし、トリッシュの誕生パーティーを楽しんだ。イタリア支部の幹部は勿論、杜王町の仲間やミドラーをはじめとした別の支部、ラスベガスで働いているダービーも来ており、大いに盛り上がった。

そして、一際ばか騒ぎをした翌日…俺達はららぽーとにいた。

 

←To be continued


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