やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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前回はジョルノが。今回は怒れる静といろはが残酷になります。
苦手な方はご注意下さい。



















覚悟は出来ましたか?



アーシスの判断

side静・ジョースター

 

由比ヶ浜、雪ノ下、戸塚、三浦、材木座……私達を助けるために再起不能(リタイア)になった五人…いえ、ハッチとマーチも含めると7人。

私達の為に自分を犠牲にしたこの五人には頭が上がらない。絶対に残された私たちが何とかしてくれると信じてくれたからだろう。

 

仗助「じゃぁ、俺もお前らに託させてもらうかな。今後はコイツが能力を解除するまで、プライベート用のメールを見ることを禁じるぜ。見なければコイツの能力はどうということはない。じゃあ、後は任せたぜ…」

 

そう言ってお兄ちゃんはばったりと倒れた。

絶対にコイツは許さない…

 

静「おい、クソヤロウ。覚悟は出来てるんだろうな?私はできている。8人もやってくれた借りは返してもらうわ」

 

大和「ひ、ひぃ!なんなんだよ!お前は女のクセになんてガンを飛ばすんだよ!」

 

静「男とか、女とか…下らない。私たちは下手な奴よりは強い。プロのアスリートやグラップラーよりもね。あるのはそれだけだ」

 

いろは「ハチ君が去年くれたこのカーディガンに、あんたごときの指紋を付けやがった報いは受けてもらう」

 

静「イーハイーハ、口調口調」

 

いろは「あんなのは対外用に心がけていた淑女のたしなみ。ハチ君に幻滅させない為、エリナ・ジョースターの心意気を忘れないため…でも、こんな有象無象が寄ってくるくらいなら、ハチ君の前以外には捨ててあげるよ。あんなあざとい口調」

 

ペッと唾を吐き捨てるイーハ。心底大和が嫌いという態度がありありと出ている。

 

海老名「よっくも優美子と結衣をやってくれたね?大和。あんたすごいね?たかだかスクールカーストごときでいい気になって、ここまで敵にまわしちゃいけない人間をここまで敵にまわすなんて。今すぐ殺されるか、一生最底辺で生きていく覚悟があったんだのね?日本の最高峰を敵に回したんだから、そういうことで間違いないよね?」

 

大和「日本の最高峰って、そりゃ言い過ぎっしょ?」

 

静「なら、見てみる?その力の一端を、自分の身で」

 

お兄ちゃんとハッチ、マーチ…。私たちが一番大事にしている三人をコイツは二度と目が覚めないかも知れない状態にしやがった。

生かすにしろ、殺すにしろ、ただじゃあ終わらせない。せいぜい、恐怖を与えないと気が済まない。

私はお兄ちゃんからもらったハートのバッチを横に倒して指し直す。

 

静「死にたくなったら言えよ?クソヤロウ」

 

大和「は?」

 

そして、人差し指を大和に向ける。すると…。

 

大和「っ!!」

 

大和がその場に倒れる。そのあとにターン!と銃声が響く。長距離用の対人ライフル。私達は常に護衛されている。ただし、日常に支障がない程度の範囲で。

基本的に長距離ライフルでの狙撃が基本となる。

私たちが普段から何かしらのバッチを付けている理由。

場合によっては相手を狙撃しろという指示を出すときの目印となる合図にするためだ。

横に倒すは行動不能にしろ、逆さにすると生死を問わない。そういうサインにしてある。

今の場合は大和の太ももにスナイパーは射撃したのだ。

 

静「私達は常にスナイパーに護衛されている。いきなり体とかに触れなくて正解だったよ?そんなことをした日には、あんた程度の命なんてすぐに消せるから。こんな風に」

 

私はもう一度、大和に向けて指を向ける。

 

大和「がぁ!」

 

反対側の太もも。ターン!

 

静「さぁ、謝罪の言葉もなしですか?SPW財団の上級幹部も舐められたものね」

 

再び指指し。次は右肩。

 

大和「がっ!やめろ!やめてくれ!」

 

ターン!

 

いろは「やめろ?口の聞き方がなってないんじゃあないの?」

 

今度はイーハがバッチを横にして指差す。今日はてんとう虫のバッチだ。

 

大和「ぐわっ!一色!テメェ、先輩に向かって…」

 

いろは「このバッチを逆さにして指させば、あなたは殺されるんですよ?よく殺生与奪を握っている人間相手にどうでもいいところで上から目線で物が言えますね?なに?自殺希望?遠慮なく逆さまにバッチを付けてもいいの?」

 

大和「ひいぃぃぃ!や、やめてください!し、死にたくない!」

 

海老名「とは言っても、大和っちのやったことで死んじゃった人がいるんだよね?私達の任務って、大和っちみたいなことをやった人を捕まえて矯正施設に送るか、始末するか…そういうのなんだよね?矯正施設も矯正不可能と判断したら処分するらしいし」

 

大和「姫菜!?俺達友達だよな!?殺すなんて非道な事はしないよな!法律を破るなんて真似はしないよな!」

 

海老名「優美子が言ったよね?私も優美子以外を友達とは思っていなかったし、見直したのは奉仕部やアーシスだけ。むしろさ、結衣や優美子をこうしておいて友達?私は趣味が腐ってるけど、大和っちは人間が腐ってるよね?腐ってる人間はどうするべきだろうね?あと、アーシスに関しては法律は通用しないよ?」

 

海老名さんはハイエロファント・グリーンを出現させる。イーハもナイチンゲール・エメラルドを出す。

私?とっくに出現させてたよ?「アクトン・クリスタルact1」の方を。

 

いろは「魂とかに左右するスタンド能力は、大抵の場合が使用者が気絶すれば解除されますよね?海老名先輩」

 

海老名「そうだね。試してみよっか?いろはちゃん」

 

いろは&海老名「ダブルエメラルド・スプラッシュ!」

 

二人のエメラルド・スプラッシュ(片方はストライクだけど)が大和を吹き飛ばす。

我々がここまで容赦をしなかった理由、それは…

 

いろは「やっぱり、ジョジョ先輩の携帯を奪ってたんだ。まぁ、無駄だけどね」

 

吹き飛ばされた大和が元々いた場所には、私の携帯が転がっていた。ここまでやられても、まだ降参していないんだ。もう徹底的にやるしかないかな?

イーハは私の携帯に指さした。そして、私の携帯が破壊される。

 

大和「くそ……だけどよ、お前らを操るのが、携帯だけとはかぎらねぇんだよ!」

 

大和はザ・フラックで地面に文字を書こうとしていた。そういう能力ね?その手のスタンドで書いた文字を見せればその通りに動かすことが出来る。しかし、それほどの強制力はない。もっと個人を特定したり、具体性がなければ強制力が落ちる。ヘブンズ・ドアーの自動操縦型の劣化版。

 

静「モード、ファーストヘブンズ・ドアー。目を瞑れ」

 

いろは・海老名「オッケー」

 

露伴先生のヘブンズ・ドアーの初期能力。

アメリカのワシントンでボインゴに対して使った能力の発動法だ。漫画の生原稿を相手に見せることにより、相手を本に変える能力。コイツの発動条件は、初期のヘブンズ・ドアーにそっくりだ。目を瞑れば無効化できる。

今のヘブンズ・ドアーには通用しない防御法だが。

手のスタンドで書き込んだ内容を読ませれば、その内容を現実化させる能力。種がわかれば何ともない能力ではあるが、実に恐ろしい能力だった。

海老名のメールならと思って、無警戒で見てしまったせいで、三股の二人目になってしまったんだから。

そして、イーハも私からのメール故にやられた。

コイツ自身が気付いてなかったが、もしインターネットの書き込みやツイッターとかで能力を発動させていたら、もっと手のつけようのない事に陥っていただろう。コイツがそこまで頭の回らなくて助かった。

 

大和「ちっ!でも、目を瞑っているならば!」

 

今度はその手で殴りかかってきたか。だが、私には無意味だ。どれだけ目を封じられた状態での訓練を積んでいると思ってる!マーチの波紋の修行に欠点はない!気配でわかるんだよ!

 

静「無駄よ!無駄無駄無駄無駄ァ!」

 

ハッチがいたら文句を言われるかな?無駄無駄は俺の掛け声だ!って。でも、たまには良いよね?

 

大和「くそっ!卑怯だぞ!こっちはアチコチ銃で撃ち抜かれているって言うのに!そっちは五体満足で!」

 

静「卑怯汚いは褒め言葉。殺し合いに卑怯もへったくれもないっつーの。『パシッ!』こんな手段も私には通用しない」

 

こいつ、スナイパーを操る文字を書いたな?だが、私もイーハも海老名も、殺気の対処は充分だ。殺気さえ感じ取れればなんとでもなる。

 

静「さて、そろそろ大人しく降参して貰おうか。能力を解除して、全員を起こせ。でなければ、確実に殺す」

 

私が殺気を全開にしてぶつける。イーハも、海老名も容赦なく。

 

大和「ひ、だ、誰が解除するか…や、やくざはそうやって目的を果たして、約束を破るんだ!騙されるものか!絶対に解除はしないぞ!それどころか、もっと能力を使って…」

 

???「いや、もう君は能力は使えない。二度とね。エコーズact3!スリー・フリーズ!」

 

メリメリメリメリ!

 

大和「ぐおああ!」

 

静「やっと射程内まで入ってくれましたね。康一さん」

 

康一「遅くなってごめんね。代わりにしっかり働くよ」

 

私のアクトンで姿を消した康一さんが、姿を現す。

いつの間にやったんだって?イーハや海老名が大和を引き付けている間にだよ。

材木座が何故倒れたのか。それは露伴先生に救助要請のメールを送っていたからだ。そして、露伴先生から康一さんへ連絡が届き、こうして救助に来てくれた。

 

康一「よくも僕の親友達をこんな目に遇わせてくれたね。君は絶対に許さない。さぁ、ジョジョちゃん」

 

静「本来なら貴方に触るのは嫌ですが、一回だけ触ってあげましょう」

 

バリバリ!私は大和の体に触れ、操る波紋で奴のスタンドを操る。

 

大和「なぁ!体が勝手に!」

 

奴のスタンドで地面に能力を解除する。と書かせる。

そうすることでスナイパーの攻撃が止む。

次にもう一人、私が透明化させた人間にこの文字を見てもらう。露伴先生だ。

露伴先生も、私を心配して総武に来ていてくれていた。

 

露伴「君が僕の大切な盟友の八幡君、静君、そして弟子の材木座君をこんな目に遭わせた張本人か。僕が来たからには二度と君の能力を使うことは出来ない。君のスタンド能力は危険すぎる。封印させてもらうよ。ヘブンズ・ドアー!」

 

元祖、操る系スタンド能力の使い手、露伴先生の能力が大和を襲う。

そして、本になった大和に露伴先生は次の事柄を書き加える。「スタンド能力を全て解除する」「スタンド能力を二度と使うことは出来ない。しかし、自らの行為は戒めとして覚えている」という二つの事柄を書き込んだ。

 

結衣「うう…」

 

雪乃「目が覚めた…勝ったのね、ジョースターさん」

 

目を覚ました人の中には、私の最愛の人も。

 

静「お兄ちゃん!良かった!……助けてくれてありがとう!」

 

そう言ってお兄ちゃんにキスをする。

 

仗助「無事で良かったぜ?ジョジョ」

 

お兄ちゃんが、優しく私の頭をなで回す。

倒れていた人達が次々に目を覚ます。校舎の方に目を向けると、窓から飛び降りる承太郎おじさんを抱えたハッチとパパを抱えたマーチの姿が。そして、葉山を連行した徐倫お姉ちゃんと、ジョルノ兄さんも。

 

葉山「大和…お前がこの惨状を…」

 

大和「隼人くん!た、助けてくれ!俺は少し魔が差しただけなんだ!」

 

葉山「………くっ!なぁ、ヒキタニ君。誰だって魔が差すことはあるだろ?彼を許してやって…」

 

八幡「いろは!」

 

いろは「ハチ君!」

 

ガシィ!二人は抱き合い、イーハはいつものようにグシグシと泣く。そのイーハにマーチも抱き付き、ハッチは二人をまとめて抱き締める。

ハッチはバカ男を無視してイーハへと一直線に駆け寄る!そりゃ、バカ男の事よりもイーハとマーチが最優先だろう。

イーハはハッチの精神安定剤なのだから。

 

仗助「さて、コイツの処遇に関してだが…どうする?」

 

お兄ちゃんが大和の襟首をつかみあげる。

 

静「矯正施設行きは確実に。最短でも一学期は帰ってこれないように」

 

八幡「それが妥当だが、このままで気が済むか?みんな」

 

大和「ゆ、許して…助けて…隼人くん…」

 

葉山「東方会長。ここは穏便に…本人も反省しているということだし。ケガをしているのだから、僕の顔を立てていただけると…」

 

仗助「オメェの顔を立てたところで、我がSPWに何かメリットでもあるのか?それに、オメェは何の被害が無かったから良いけどよぉ。危うく死にかけたり、部の存続が危うかった奴らはどうしたい?」

 

戸部「といったってさぁ、俺、危うく死ぬとこだったんだべー。ジョルノさんが助けてくれなければ、俺、ヤクザの手先になってたんっしょ?許せないっしょ!」

 

大岡「コイツのせいで、野球部は対外試合が今年の夏は出られなくなった!3年にとっては最後の夏だったのに…まさか許せと言わないっしょ?隼人くん!」

 

戸部と大岡の二人は葉山に詰め寄る。

 

葉山「そ、それは…………」

 

仗助「まぁ、どっちにせよ、コイツは能力を使って人を殺してしまうきっかけを作った。それも、自分の意思で。アーシスの規定で、コイツは矯正施設に送られる事は確定している。まぁ、社会に復帰したければ励むことだな。ウチには嘘をついて更正した振りをしても、無意味な奴がいるんでな。10年以内に更正を認められなければ…始末されるから。ということで、コイツは未来が確定した。ジョジョ、いろは、海老名。どうする?」

 

ジョジョ「もちろん…」

 

いろは「殺ります」

 

海老名「一歩間違えれば…コイツによって私の貞操は」

 

大和「ま、待ってくれ!お前達のスナイパーによって俺の体はボロボロだ!心が痛まないのか!」

 

静「ああ、そう言えばそこまで蜂の巣にしたっけ。そうだよね?そこまでボコボコにしたのに、更に痛め付けるなんて、卑怯者のすることよね?心が痛むよね?」

 

大和「そ、そうだろ?だったら…」

 

いろは「そう言うと思ってね、とっくになおしていたの。あんたのケガ。自分で普通に立てるのに、気がつかなかったの?」

 

大和「え、あ、ホントだ」

 

ザッザッザッ……

 

海老名「一旦、君を治してしまえばさ。これでもう全然卑怯じゃあ無くなるってことだよね?」

 

大和「違うんだ!魔が差しただけなんだよ!」

 

戸塚「魔が差した?違うね!能力が開花する前から君はあのチェーンメールを出していた!臭い!利己主義の臭いがプンプンするよ!

 

承太郎「一度君は自分を見直すべきだ。そして、今回自分がやったことのみんなの心の痛みを知るべきだ。後は任せたぜ、静」

 

静「了解。ドララララララララララララ!ドラァ!」

 

大和(本名不明)(ザ・フラック)…全身打撲、露伴に永久にスタンドを封じられ、再起不能(リタイア)

矯正施設に送られる

 

稲毛カラーギャング…犯罪に荷担していたものたちは死亡。その他の者は警察により逮捕された。

 

野球部…暴行事件により一年間の対外試合が禁じられかけるも、仗助の治療と露伴の記憶改竄により事実は闇に葬られた。

 

葉山グループ…葉山以外は記憶を改竄された。理由は戸部は殺人を目の当たりにしたショックが大きかった為。大岡は野球部救済の為。

 

←To be continued




…………とうとう、救われない形のアンチをやっちゃいました。

まぁ、これが唯一のアンチでありたいものですが。
今回は特に言うことがありません。
いずれ、大和にも再登場の機会を与えたいものです。ただの一般人として。

それではまた次回に。

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