石「皆は……どれをどう、定義する……?」
桑「んなこと言われても……わけわかんねーよ……」
守「一生ここで暮らせ、そう言ってたな」
腐「な、なによこれぇぇ……! なんなのよぉ!!」
霧「皆落ち着いて。とりあえず、さっきの話をまとめましょう。
あのモノクマとやらの発言によると、私たちには『二つの選択肢』が与えられたことになる。一つは、皆と共にこの学園で『期限のない共同生活』をするか……。もう一つは……」
守「生きて出る為に『仲間の誰かを殺す』ことやな」
山「ひえぇ!」
千「こ、殺すなんて……そんな……」
セ「拉致られて、この学園で閉じ込め、殺し合いをさせる。それが奴の目的でしょうか」
石「そ、そんなはずあるまい! こ、こんなバカげた話が……あるはずないじゃないか……!」
十「嘘か本当かの話ではない。問題なのは……この中に、その話を信じる奴がいるかどうかだ……」
その言葉の次に、皆押し黙った。押し黙ったまま、皆は互いの顔を見回していた。
互いの胸のうちを探ろうとする視線、敵意さえ感じられる視線。
僕は実感した。モノクマが提示したルールの恐ろしさを。
『誰かを殺した生徒だけがここから出れる』
その言葉の重み。これ異常ないくらいの重さ。
それは、僕らの思考の根底となる、
誰かが裏切るのでは?
始め来た時は、僕がしっかり守らないと、そうしないといけないと思っていたが、何故か、恐ろしいほど怖かった。
リアルはゲームじゃない。だからこそゲームは面白かった。傍観者だったから。僕は苗木誠と同じ気持ちだとさえ思えた。だって、僕には『危害なんか一切加えられない』から。僕は楽しめた。
それも過去の話。僕は、僕なら、皆をこの15人を救えると、始めは信じていたが、その覇気は、いつの間にかなくなり、ただただ、自分が助かる方法を考えた。
考えてしまっていた。
本当に死んでしまうんじゃないかと考えてしまうと、僕は怖くなった。生まれて初めて、疑心暗鬼に陥っていた。
夢オチであってほしい。そんな微かな希望を抱くが、今僕がいる感情は本物だった。
これはゲームじゃない。リアルだ。
僕は自分を呪った。何で寝るとき、『皆を助けたい』なんて思ったのか。
僕は自分を襲いたい。過去の自分を襲って、その考えをやめさせたかった。
僕は自分を助けたい。今の状況から、助かりたかった。
僕は自分を思った。何でそんなことを思ってしまうのかを
怖い。皆の視線、空気が、怖かった。恐らく、皆も同じだろう。
そして思い出した。これは、このゲームは、このリアルは。
『ダンガンロンパ』だったことを。
プロローグ 「ようこそダンガンロンパ」
変な終わり方じゃないかな。その心配。
面白く作るのは、難しい。