コトダマ
・モノクマファイル
霧切曰く、死亡時刻は10時頃。右頬に殴られた痕があり、
頭部を洗濯機に強打し、脳の損傷により即死
・桑田の死体
桑田の周りに、血液が大量に溢れ出ていた。
その右頬に、殴打の痕があった。
桑田のズボンのポケットに、一枚の紙切れが入っていた。
どうやら、舞園さやかのメモらしいが……
・舞園さやかのメモ
桑田が死亡する前、舞園が桑田を呼び出していた。
時刻は11時と書かれていたが……
・洗濯機にあった二つの洗濯物
二つの洗濯機に洗濯物が別々で洗っていたようだ。
片方は、桑田のシャツらしきものがあり、血を拭ったような痕があった。
もう片方は、腹巻にタンクトップ、短パンが入っており、
十神は葉隠のもので間違いないと言ったが……
・引きずったような跡
桑田の倒れている洗濯機から、左の洗濯機までに血痕が線を引くように着いていた。
そして桑田の倒れている周辺の血の量より、左の洗濯機の周辺の血の量が遥かに多かった。
十神曰く、人間は頭部を軽く切るぐらいで簡単に血がでるらしい。
・倒れていた椅子
椅子の脚の側面には血が着いていた。
・仰向けに置かれた雑誌
雑誌には所々血が着いていた。
・山田の証言
9時ごろ、食堂へ向かう途中に葉隠がランドリーへ入る姿を目撃。
その後、またも食堂へ向かうと、次には桑田がランドリーへ入る姿を目撃したという。
河上曰く、ランドリーで洗濯を要する時間は45分ぐらいと言う。
・不二咲と石丸の証言
不二咲と石丸はずっと個室にいたらしく、事件の概要はわかっていない。
不二咲は話す時、凄く落ち込んでいたが、河上のおかげで元気を少しだけ取り戻す。
石丸と話す時、服が皺くちゃで、風呂で制服を絞ったようだった。
・舞園の言動と行動
何やら後ろめたさがあるようにさっさと寄宿舎へ向かった。
・葉隠のランドリーの行動
ランドリーに来た葉隠は洗濯物をしていて、
途中で来た桑田が暗いムードだったので占いをしたそうだが、
「今日中に桑田っちが他界する」と占い結果をそのまま桑田に伝えた。
桑田が怒って、そのまま葉隠は寄宿舎に戻ったそうだ。
・朝日奈の証言
眠れなかったので、食堂で紅茶を飲もうと厨房で紅茶を入れていたとき、
舞園さやかが厨房に入ってすぐに帰ったそうだ。
帰るときに包丁を見たら一本だけなくなっていたそうだ。
はじめ来た時はあったそうだが……
とうとう起きてしまった殺人事件！ 被害者はなんと桑田怜恩だった！
現場もランドリー起きて、ゲームとは違う展開に！
望んでいなかったこのゲームに、河上は立ち向かうことを決意する。
クロと判定されるのは、一体誰なのか……？
ここで、学級裁判のルールを把握しておくために、江ノ島さんから聞いたルールを噛み砕いて説明することにする。……ようするに、江ノ島さん、もとい戦刃さんの説明は分かりにくかったということだけど……なんだかこれ以上言うと、僕の身が危なさそうなので、これ以上は言わない。
しかし、一様校則にも学級裁判のルールが載っているみたいだった。これならある程度説明しやすくなる。
学級裁判とは、今回起きたような殺人を誰が殺ったか議論しあって、正しい犯人(クロ)を見極めなくてはならない。
議論しあった結果、誰がクロかを学級裁判の最後の投票で決まる。
その時、正しいクロを指摘できれば僕らの勝ち。クロは秩序を乱した罰としておしおきされる。
しかし、間違った人物をクロと指摘した場合、本物のクロ以外がおしおきされ、僕らを欺いたクロが卒業できる。
知っている人も多いと思うけど、この学級裁判は『人狼』を基に作られたゲームで、僕自身、人狼はやったことがないけど、テレビで見た時は結構面白かった印象がある。
人が狼を言い当て処刑する。人は狼の魔の手から逃げなければならない。
生徒がクロを言い当てるとおしおきする。生徒のクロの企みから逃げなければならない。
そう考えると、基が人狼だと頷けると思う。
まあ、僕自身も説明が苦手な部類であるからして、上手く説明できてるか甚だ疑問だけど。
僕はこれから、この命がけの推理、命がけの謎解き、命がけの裁判をしなければならない。
正直、嫌な思いでいっぱいだった。
しかし、やらないといけない。それが……僕らに課せられた運命なのかもしれない。