リリカルなのは~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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side 織斑 なのは(異世界)

 

真面目にやろうと決めたところで、こっちの世界の私とフェイトちゃん達に顔合わせ。闇の欠片かなにかと勘違いされているかもしれないので、ちょっと急いで自己紹介。

 

「初めまして、こちらの世界の私。それにフェイトちゃんとはやてちゃん」

「は、はい……初めまし……て……?」

「えっと……なのは……だよね? なんだかおっきいけど……」

「そやなぁ…………うん、大きいわ。シグナムほどじゃないにしろシャマル以上は」

「悪いけどそれより先を口にしたら『ピンクのお部屋』に招待するよ?」

「『ピンクのお部屋』? なんやそれ」

「平たく言うと、対象の上下左右前後からディバインバスターを撃ち込む。中から見ると全面ピンクの部屋の中に居るように見える」

「怖っ!? なんやその恐ろしい技は!? なのはちゃんは大きくなったらそんなことまでできるようになるんか!?」

「む、無理だよぉ!」

「ディバインバスターじゃなくてスターライトブレイカーでも可」

「それ非殺傷設定でもヤバいやろ!? 死人出るやろ!? なのはちゃん怖っ!?」

「私はやらないってば!」

 

……ああ、楽しい。純粋な子のツッコミはいいなぁ……。

だけど、こんな風に純粋だったはやてちゃんも未来ではあんな中途半端で片手落ちな腹黒さんになっちゃうんだよねぇ……。時の流れって言うのは無情だなぁ……。

 

「まあ、ピンクのお部屋の話は置いといて……私についての説明をしようと思うんだけど、いいかな?」

「あ、お願いします」

「はい、お願いされます」

 

さて、何から話そうかなぁ……。

 

 

 

 

 

side 高町 なのは

 

クロノ君とリンディさん達に呼ばれてアースラに来た私達の前に居たのは、なんと私と同じ顔をした、だけどシュテルとは別の大人の人だった。

その人は自分を『平行世界の高町なのは(私)』だと言い、そして平行世界と言うものがなんだかわからなかった私達に優しく説明してくれた。

 

「その『平行世界』って言うのは、管理外世界とか管理世界とかとは違うんですか?」

「違うよ。そうだねぇ……例えば、コインを弾く。……はい、どっち?」

 

キィン……と高い音をたてて跳ね上がったコインを手の甲で受け止め、同時に逆の掌で隠す。

 

「はい、どっち?」

「……じゃあ、表」

 

すっ、と手が離れて見えたコインが見せていたのは裏。ちなみに百円玉だった。

 

「はい残念、外れちゃったね。……じゃあ、ここで問題です。今みたいにコインを弾いて表裏をなのはちゃんが当てられる確率は? ……あれ、まだ習ってなかったっけ?」

「習ってないけど大丈夫です。1/2ですよね」

「正解」

 

大きな私は、にっこりと笑顔を浮かべながら私の頭を撫でて……ふぁ……んぅ……。

 

「それで、今はなのはちゃんは外しちゃったけれど、もしかしたらコインが表になっていたかもしれない。なのはちゃんが表じゃなくて裏って言ってたかもしれない。そうやって結果が別れていくんだけど、そうやって別れた世界も消えちゃう訳じゃなくって独自に進んで行く。そうやって少しずつ少しずつ違うことが重なって、最後には全然違う結果になったりする。それが平行世界なんだけど…………聞いてる?」

 

……ほわぁ………………。

 

「あらら、なのはちゃん蕩けとる……これじゃなに言ってるかわかっとらんな」

「な、なのは、なのは!失礼だよ!」

「……ふぇ?」

 

……はれ? なにが……?

 

「よーしよしよしよしよし♪ なのはちゃんは可愛いねー♪ 私はこの頃にはもう純粋な子供じゃなくなってたから余計にそう思うよ」

「うにゃうにゃうにゃぁ~~……♪」

 

はぅぅ……♪

 

「ああ、なのはちゃんが蕩けとる……もう女の子として見てられへんレベルや……」

「えっと……あの……」

「ほら、フェイトちゃんもおいで」

「あ……!」

 

……あー……ふぇいとちゃんだぁ……♪

 

「ん……ふぁ……」

「……なんやこの状況。と言うかフェイトちゃんまで蕩けとるし……そんなに気持ちええんか?」

 

きもちいいよぉ……。

 

「きもちいいよー……ひゃんっ」

「……さて、話を続けよっか」

「……そのままでですか?」

「このままで」

「……なのはちゃんたち蕩けとって話通じないと思いますけど……」

「とろーんとしてる間に色々言われると大抵の事は受け入れられるようになるから、説明するんだったらこっちの方が便利なんだよ? 特に私の話みたいに理不尽とか不条理とか言われることの多い話はね」

 

そーなんですかー。

 

「そーなんですかー」

「ああフェイトちゃんも蕩けきってしもた……あの、できれば私にも……」

「残念だけど、見ての通り私に腕は二本だけなんだ。頑張れば増やせない事もないけど」

「腕増やせるん!? ほんまに人間か!? ……あ」

「よく言われるから別にいいよ。……それで、今はやてちゃんがツッコミ入れたことだけど、今のなのはちゃん達の反応は……」

 

うでふえるんだってー。すごいねー?

 

「うでふえるのー? すごーい」

「……洗脳とちゃいます?」

 

はやてちゃんのあたまを、おっきなわたしがまりょくでかたどったてでなーでなで。はやてちゃんもきた~♪

 

「きたね~♪」

「きたで~♪」

 

あははうふふにゃははははー♪

 

 

 

 

 


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