リリカルなのは~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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side 織斑 なのは(異世界)

 

こちらの世界のレヴィちゃんがこっちの世界のフェイトちゃんに説明していた内容を、遥か彼方……具体的には元の世界で私がさくらさんと出会い、その人生を変えてもらった場所でこっそりと聞きながら、これからの事を考える。

 

闇の書が闇の書と呼ばれていた根本的な理由であるシステム、アンブレイカブル・ダーク。特定魔導力の無限連環機構。

……つまり、闇の書の魔力を無制限に産み出す永久機関みたいなものなんだろうね。確かにそれを手に入れれば、闇の書に縛られることもなく自由に過ごすことだってできるだろうけど……そううまくいくかな?

私としては手伝ってあげてもいいんだけど……その前にヴィヴィオ達を未来に帰してあげないとね。じゃないと世界の法則が乱れて大変なことになるだろうし。

 

……でも、なんとなくシステムU-Dは人型をしてる気がするんだけど……気のせいかな?(【直感:A+】発動中)

だってほら、話を聞いてみるとレヴィちゃん達も元々人型なんてしてなかったんだろうし、多分……まあ、本当になんとなくなんだけど……そう思った。

人型をしてるとなると、やっぱり色々面倒だよね。ちょっとお腹と頭を交互に撃ち抜いて気絶させないように、かつ抵抗できないように弱らせようとしただけでもはやてちゃんやヴィータちゃんに『やりすぎだ』って言われちゃうし。

ガジェットなら叩き落として核を踏み砕いてもなにも言われない……どころかむしろ推奨されるのに、どうして人型をしているだけの人形や機械を相手にやると非難されるんだ。どうしてだろうね?

まあ確かに子供の教育には悪いかもしれないけど、私としてはそれを込みにしても悪いことをしたらお仕置きされるって言う事を教えておかない方が教育には悪いと思うけどね。

 

「なのは。肩か膝を貸してください」

「ああ、はい」

「それでは失礼します」

 

さくらさんと同じように子供状態(四歳から五歳くらい?)になったシュテルちゃんが眠そうに目を擦りながら膝枕をしてほしいと言ってきたので貸してみたら。やっぱりすぐに眠ってしまった。バリアジャケットを着てるみたいだから寒くは無いだろうけど、普通に考えてこの季節はまだ寒いよね。

 

そう思いながら猫のように体を丸めながら私の膝を枕にして眠るシュテルちゃんの頭を撫でる。反対側の隣には、体は大きいままにレヴィちゃんを膝枕しながらうとうととしているディアーチェちゃんがいて、私の肩に頭を寄りかからせている。

やっぱり姿形は変わっても、闇の欠片で再生されているような状態になっていても、さくらさんはさくらさん。眠るのが大好きで、暇になれば眠るって言うのは変わらないらしい。

 

……ああ、これも私が素直で純粋な子が好きな理由の一つかもね。自分に素直で純粋に眠ることが好きなさくらさんと一緒にいることが多かったから、そんな感じの子供のことが可愛いと思うのかも。

もちろん前に言った理由も嘘じゃないけど、多分こういう理由もあるんだろうなと。

 

右手でシュテルちゃんの頭を撫で、左手でディアーチェちゃんの頭を抱く。やっぱりあったかいなぁ……。

バレないようにこっそり魔力を集束させるのは続けてるけど、これは私が魔力集束に使っている道に直接入るなりなんなりしないとわからないようになってるから、多分衛星軌道上のアースラにもバレてないと思う。

おもいっきり集束力を上げると、魔力が散らなくなって反応がなくなるからね。レーザーは進行方向以外から見ても何も見えないのと同じように、一点に集中していく魔力を散らさないようにしながら移動させると、こうなるって訳だ。

凄いでしょ? これができる人って私の世界でもあんまりいないんだよ? 私と、ティアナと、小規模だったらヴィヴィオが憑依状態でなんとかできるくらいで。

 

……んん? 何か魔力集束の気配を感じるんだけど……それに空間振動も。

何かが出てくるような……出てきたら色々面倒になりそうな…………ああ、こっちの世界のディアーチェちゃんが何かやってるね。これで砕けえぬ闇を出そうとしてるみたい。

 

……だけど、やっぱりやな予感がするなぁ……私はどうしてかこっちの世界の闇の欠片に嫌われてるみたいだから、もしかしたらU-Dも突然襲ってきたりするかもしれないよね。ああ怖い。

無限の魔力を持つ相手を落とすには、肉体面で殺すか……ああ、永久機関だから中身の魔力が全部なくなれば一時的に止まるかな?

あとは……再生できなくなるまで粉々にするか、ノイズィソングと声圧砲の合わせ技で魔力でできているだろう構成要素の根本からガタガタにして壊すか、永久機関から壊すか、最終手段としてさくらさんに頼れば……本当に最終手段だけど……なんとかなるよね?

 

とりあえず、この先を考えるのは何か起こって本当に敵対してからかな。できればこんな考えは無駄になってくれるのが一番なんだけど……それはやっぱり難しいだろうなぁ……。

こう言う時の私の勘は必要以上に当たるから、できるだけ準備はしっかりしとかないとね。その時になって困るのは私だし。

 

そんな訳で、集束集束、魔力を集束……っと。

 

……あれ? なんだか突然闇の欠片が異常に増えたような……。

 


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