リリカルなのは~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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後日談

 

異伝7 IF話

 

~もしもドゥーエが管理局の暴走を押さえるより先に一夏がキレていたら~

 

 

 

「そろそろ実力に訴えてもいいと思うんだ」

「賛成です」

 

俺となのちゃんの話し合いはその言葉から始まり、そしてすぐさま作戦会議に入った。

とりあえずそろそろ本気で管理局の本局を潰さないと、こっちの精神が持たない。

毎日毎日営業妨害やらなにやらかにやら鬱陶しいし、訳のわからないことを当然のように要求してくるし……。

そんなわけで、俺に出せる全力で本局を潰すことにした。できるだけ他人から恨まれないように、俺がやったとバレないように、こっそりこっそり……。

 

「あ、ユーノ君に連絡入れときますね? 向こうに着かれても厄介ですし」

「ああ、よろしく」

 

防御とバインドの達人……正確には後方支援全般があのフェレットモドキの特技だから、先に伝えておかないとその時になって本局を守られるのは面倒だ。

実のところ、防御を無視して攻撃することだってできるから問題ないと言えば問題ないんだが……転移で逃げられる可能性は多々ある。

 

そんなわけで、作戦開始。まずはなのちゃんがあのフェレットモドキに連絡を入れて、無限書庫から退避してもらう。

しかし、どうやら無限書庫にずっと引き込もって情報収集をいたらしいフェレットモドキは、既に仲間を引き連れて故郷に帰る準備を整えていたらしい。どうやら無限書庫で未来の情報を発見し、そしてそれに備えていた結果であるようだ。

 

こうして割と簡単に第一関門を突破したので、俺は次の仕込みに入る。

ライアーズマスクを使用して様々な場所に潜り込み、本局に存在する色々な物に触っていく。

基本は壁と床。それからデバイスに触り、機械類に触り、扉に触り、艦に触り、そしてそうしながらもこっそりと空き部屋に爆薬をセットしていく。

分身していてもそれなりに時間はかかったが、五時間も過ぎる頃には粗方接触することができていた。

 

同時になのちゃんはこっそりとゆりかご事件の首謀者であるスカリ博士とその作品二名を脱獄させ(正確には、本人達の脱獄をあえて見逃しだだけ)、そして本局潰しを依頼。

……報酬は『ピンクの部屋(上下左右前後六方向からスターライトブレイカー)』と『黒ひげじゃないけど危機一発(閉じ込めて外から槍を刺す。刺さると痛い)』らしいが……物好きだよなぁ……?

 

まあ、そんな物好きな奴のお陰で楽ができるんだから、俺は別に構いやしないけどさ。

 

……さて、準備も終わったことだし、さっさと終わらせるとしようか。面倒だし。

 

まず、眼鏡の四番と俺のシルバーカーテンを展開して通信網を切る。

さらにアリス・イン・ワンダーランドをばら撒いて相手の計器類やらデバイスやらを無力化する。

そしてスカリ博士が転移のゲートを弄り、外から中への転移はできても中から外への転移はできないようにして、ついでに自力での転移もできないようにガジェットを多数召喚してAMFを張って、非戦闘員と戦闘員を同時に追い詰める。

 

……で、最後に中身ごと本局爆破。当然ガジェットも一緒に爆破。死ぬまで中身に生体反応が無くなるまで爆破を繰り返せば死ぬはずだ。あの脳味噌がどこに居ても、本局ごと綺麗に潰してみせよう。

……そうそう、二番を拾っとかないとな。

 

それで俺達は地上本部に遊びに出ていよう。アリバイ作りアリバイ作り。これで俺達が分身できるって知っている奴(具体的には地上の中将とその娘さんとなのちゃん一家マイナス2)以外には完璧なアリバイが出来上がる。

記録も残って無いだろうからやる意味はあんまりないんだろうが、それでも面白そうだからやっておこう。

 

さて、それじゃあ実行だ。死ぬほど殺してやろうじゃないか。

関係無い奴には悪いが、お前達の上の腐れ脳味噌共がうざったいのが悪いんだ。恨むなら俺じゃなく向こうを恨め。

 

レッツゴー!

 

 

 

~~管理局本局崩壊END~~

 

 

 

 

 

Q.こんな終わりもあったの?

 

A.実際にはこれもありかなと思いましたが、一応両立版なので。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 そのx

 

私は今日も炎の中を駆け回る。

立ちはだかるものは右の拳で打ち砕き、助けを求める人の元へと、最高速で。

 

崩れそうな所はシールドで補強し、壊したらまずそうな所だけは壊さず進む。

…………そして今回も、私はこの子を助けることができた。

 

「……おねえちゃん……だれ?」

 

腕に抱えたその子の問いに、私はその子が落ち着けるようににっこり笑顔を浮かべてから答える。

 

「管理局の救助隊だよ。君を助けに来たんだ」

 

その言葉を聞いて安心したのか、その子は私のバリアジャケットを掴んだまま気を失ってしまった。

……まあ、確かにこんな状況で張り詰めっぱなしだった神経を緩ませたらそうなるよね。

 

……なんて考えながら、私はいつも私と一緒に成長してきてくれた相棒に頼んでエリアサーチをしてもらう。探してもらうのはもちろん生体反応だ。

 

『付近に生体反応はありません。しかし建物の強度が限界です。脱出を』

「わかってるよ、マッハキャリバー」

 

サーチした現在の建物の内部の地図を頭の中に浮かべて、最短距離を検索する。

さっきからの念話で、もうこの建物の中にはこの子と私しかいないことがわかっているし、この建物はもう壊すことが確定されているから遠慮なく壊していける。

私は、前方に三角錐型のシールドを張り、それを高速で回転させながら突き進む。

壁を貫き、道無き道を突き進む。これは、なのはさんとの特訓のお陰でできた私の技。フェイトさんのとはちょっと違って、私の技はただひたすらまっすぐ突き進むだけの荒っぽい技だけど……それで人が救えるんだから躊躇はしない。

 

……ちなみに私は何故だか最近『正義の壊し屋』なんて呼ばれています。ただの救命隊員ですってば。

 

六課を卒業(?)してからすぐに災害対策本部に所属して、それから大体一年。地上が主な職場ですが、よく次元世界の災害に呼ばれています。

どうやら最近は地上だけでなく本局の方でも『なのはさんの教え子』と言うのはブランドみたいなものになってきているらしく、よく本局の武装隊から勧誘を受けるようになってきました。

キャロやエリオも勧誘を受けていたらしいけど、二人は辺境自然保護隊の仕事が気に入ってるみたいで毎回蹴っているという話を聞いた。

……そう言う私も、私の力は戦うためじゃなくて守るために使いたいから、戦闘が主な任務の武装隊からの勧誘は毎回断ってるんだけどね。

 

それと、私に新しく家族ができました。

チンクと、ノーヴェと、ディエチと、ウェンディの四人の妹。なのはさんにつれられて来た時には治療用ポッドの中で真っ白になりながら体育座りをしていたり、ポッドの外で体育座りをしていたりという状態を、慰めたりあやしたりなのはさんの演奏の力を借りたりして戻して、それから色々あって私達は家族になった。

ここにはいないけれどセインとオットー、ディードは聖王教会の方で預かってもらっていて、それからトーレとセッテはなのはさんの口利きで地上で働いているみたい。

 

……きっとあの二人は、今日も仲良く地上で訓練を続けているんだろう。どこまでも強さを求めて修行するのが趣味で、今の生き甲斐って言ってたけど……どのくらい強くなったのかな?

 

私は壁を撃ち抜いて、関係のない思考を散らす。今はこの子の救助が先で、そして脱出できる場所まであと少しだけ。

この子は私の事を信じて身を預けていてくれてるんだし、その信頼には答えなくっちゃね。

 

外に連絡を入れて、壁から離れてもらう。中には誰もいないことを再確認して、私は今にも崩れそうな壁にシールドの先端から突撃していく。

同時に色々な所を支えていたシールドを解除して、シールドの維持に割いていたリソースをこっちに回す。

 

「シールドランス!」

『ドリルブレイク』

 

そこまで固くもない壁を貫き、建物の外へと飛び出す。要救助者も無事だし、私達の中に死人はいない。

私にできる限りの仕事はしたし、助けられるだけの命を助けることができた。

私があれからたった一年でこうして活躍できているのも、なのはさんの地獄の教導のお陰だろう。

昔は本当の地獄にしか感じていなかったが、今となってはあの程度の訓練で音をあげていた自分が恥ずかしい。

 

外に出た私は救助したばかりの子供を救急隊員に預けて、帰還命令を待つだけとなった。毎日が忙しいことこの上無いけれど、とても充実した毎日。私はとても幸せです。

 

 

 

一日の仕事と一度の出動を終えて帰ってきた私は、簡単にお風呂に入ってみんなと一緒にご飯を食べる。

 

ノーヴェは素直じゃなかったり意地っ張りだったりするけれど、どうやらこの家にも結構慣れてきたみたい。

チンクはいまだにアイアンクローに若干トラウマを残しているようだけど、それでも元気に振る舞っている。

ディエチはちょっと明るくなって、あんまり変わらなかった表情にも多彩な色が出るようになっている。

ウェンディは……結構初めの方からこんな感じだったかな?

ギン姉も怪我は治っていて、今では普通に働いてるし……本当によかったと思います。

 

…………そう言えば、ティアは今ごろどうしてるのかな? 執務官試験には合格したって聞いたけど……。

きっと、本局の方で頑張ってるんだね。また今度会って、コンビで模擬戦とかしたいなぁ…………。

 

……なのはさんの相手はちょっと勘弁してほしいけど。

 

 

 

Q.ドリルランスて何?

 

A.シールドを三角錐にして、そのままドリる突貫技です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 そのxx

 

執務官資格を取ってから三ヶ月。私はまだまだひよっこだということは十二分に理解できているので、焦ったり無茶をしたりはしない。

少しずつ実績を重ねて、堅実に堅実にやっていく。それが私の道で、兄さんと私の夢への最短距離だと思うから。

 

そう言うわけで、私はこの三ヶ月で少しずつ執務官という仕事について学んできている。

色々な所に顔を出しては仕事を見せてもらい、要請があったら私も参加して事件解決の手伝いをする。

お陰で私はそこそこの実績と信頼を一部から得てはいるけれど、私はまだまだ新人で若僧。初見で信じてくれる人は、けして多くはない。むしろ、私の事を小馬鹿にしたり、侮ったりする人の方が断然多い。

 

まあ、確かに私はなのはさんのように人外とも言えるような戦力は持っていないし、なのはさんの教え子組でもスバルやエリオ達のような高威力で派手な技は持っていない。

……正確には、そう言う技もあるし、使えないわけでもないけれど……必要がなかったから使っていないだけなんだけれど。

 

今まで相手にしてきたような相手なら、射撃と幻術、ついでに近接格闘だけでも十分だった。

元々私の射撃は射程が広いから、わざわざ狙撃に砲撃を使うよりも射撃で攻めた方が効率の面でも良かったし。

 

……それを理解している人からは結構好評だけど、上の方にはまだまだ魔力量で人を見るような人も大勢存在している。

だから、なのはさんの弟子である私たちも魔力量が相当多いと思っていたのかもしれないけれど……残念なことに、私の魔力はそう多くはない。

それで見下される私としては堪ったものじゃないけれど、そんなものは実力でいくらでも覆せる。別に、その相手に実力を見せ付けなければならない訳じゃない。私の仕事は上司に自分の実力を認めさせることではなく、ランスターの弾丸がちゃんと大切なもの、護らなければならないものを護れると言うことを証明し、次元世界の平和を護っていくことなんだから。

 

……一部の人は色々と黒っぽいことをしていたから、地上に行った時になのはさん経由でアコース査察官に伝えてみたりもしたけれど。

 

……例えば、魔獣が蔓延る世界のとある村で、魔獣が入ってこれないように結界を張っていた宝玉を『ロストロギアだから』という理由でアフターケアも何もなしで取り上げたり、ちょっと散策してみたら途中で贈賄現場を見てしまったり(現場はクロスミラージュにきっちり保存しました)、あからさまに体を要求されて断ったらかなりの超過任務を押し付けられたり(内容はしっかり保存しました。ちなみに任務は30分で完璧に終わらせて誤字脱字を抜き出してその上司の鼻先に叩きつけてやりました)、事故に見せかけて殺されかけたり(反撃してテロリストと言うことにして執務官権限で逮捕しました。尋問しても裏の事情を吐いてくれなかったので、なのはさん式の『体にお話』をしたら10分足らずで吐いてくれました。お陰様で命令をしたその上司も捕まえることができました)、そう言うのの後詰めをお願いしてみたところ、アコース査察官は素晴らしい仕事ぶりを発揮してくれました。

何でも、証拠は無限書庫にいつの間にか揃っているらしいので、司書長に頼めばすぐになんとかなるそうです。

 

……無限書庫の司書長と言えば、確かなのはさんの友人のユーノさんでしたよね。

実は、あの人にも色々な噂があったりします。

 

ユーノさんの魔導師ランクはA-。大したことないと思われがちですが、流石はなのはさんの友人と言うべきか魔導師ランク詐欺師であり、実際の実力は単独で次元航行艦を五十までなら落とせるとか。

無限書庫でユーノさんの機嫌を損ねると、いつの間にか無限書庫の奥深くに迷い込んでしまって二度と日の目を見ることなく餓えと渇きで死んでしまうとか。

一部でアカシックレコードじゃないかとも言われている無限書庫の全ての本の内容と場所を覚えているとか。

 

……そんな噂は普通はすぐ消えてしまうもののはずだけど、ユーノさんの場合はそれがもしかしたら事実なんじゃないかと思わせるほどの高い能力を見せているため、いつまでたってもこれらの噂は消えないみたいだ。

 

……さて、それじゃあ私も次の仕事に向かおう。私は平和が大好きだけど、世界には事件が満ちている。

そんな事件をなんとかして収め、被害を最小限度に抑えて解決するのが執務官たる私の役目だから。

なのはさんに教わった戦術と、鍛え上げられたこの技で。

私、ティアナ・ランスターは、今日も頑張ります。

 

……それはそうとして、スバルは結構個人的に連絡を取り合っているからいいとして……エリオとキャロ、それにチビ竜は今ごろ何をやってるのかしらね?

確かキャロは六課に行く前に居た辺境の自然保護隊に出戻って、六課が初めての勤務場所だったエリオもそれについて行ってたはずだけど。

 

……まあ、あの二人なら問題は無いわよね。エリオもキャロも、あの歳の子供にしては非常識なほど強いし……キャロは六課時代で一番なのはさんに似た子だしね。

…………むしろ、あの二人の居る所で犯罪行為に及んだ馬鹿共の方が憐れね。自業自得だし、同情の余地も無いけれど……冥福だけは祈っていてあげるわよ。

……そんなことをしなくても、地獄の誰かさんはあまりに不憫で惨たらしい死に方をしたそいつらに温情を与えてくれそうだけど。

 

 

 

Q.9ヶ月で執務官になったの?

 

A.そうなりますね。もう凡人とは言わせない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 そのxxx

 

僕とキャロは今、密猟者を追いかけている。

密猟者は三人居て、そのうち一人はAランク、残りの二人はBからB+程度の魔力反応があり、油断できる相手じゃないことを知らせている。

僕もキャロも魔導師ランクは上げてないからBのまま。だけどなのはさんの教導によって鍛えられた僕とキャロの能力値は、およそAAAランクにも匹敵する。

特化部分ならSランクくらいあるとフェイトさんからのお墨付きが出てるけれど、Eランクの魔力ランク詐欺師なのはさんの事を知っている僕としては、魔力ランクも魔導師ランクもただの飾り以上の意味は持っていない。

 

だから、一人は現行犯と言うことで(キャロと協力して)落とさせてもらい、今は個別に残りの二人を追いかけている。

 

なお、気絶させた密猟者はフリードが運んでくれているから気にしなくても大丈夫。

竜魂召喚されていないフリードは小さいけれど、純粋な力だけならあの状態でも僕達の中で一番だから……密猟者が途中で起きて攻撃してきても反撃できる。

それに、フリードもなのはさんの弾幕から逃げる訓練とかはやってきているから結構強いし。

 

……居たっ!あの人だ!

 

僕は逃げ続けていた密猟者の前に、槍を構えながら飛び出した。

それに気付いた密猟者はすぐに止まり、新しい逃げ道を探してか視線を高速で動かしている。

 

「……どうも、管理局です。密猟の現行犯で、あなたを逮捕します」

「……ちっ。なんだガキかよ。ビビって損したぜ」

 

そう言いながらその人はデバイスを構える。どうやら大人しく捕まってくれる気はないらしい。

……あんまり暴力は好きじゃないんだけど、向こうから暴力を振るってくるなら仕方ない。大人しく殴られようだなんて思わないし……攻撃してきてくれれば公務執行妨害と、ついでに殺傷設定なら殺人未遂の罪も追加することができる。

 

撃ち出された弾丸をギリギリまで引き付けてから避け、呆けた表情を浮かべている密猟者の肝臓にストラーダの柄を打ち込む。凪ぎ払うようにして打ち込まれたそれで密猟者が吹き飛ぶ前に、自分の腕を中心にストラーダを振って逆方向から首に叩き付ける。

胸を中心に空中で回転を始めた密猟者の胸の中心に、サンダーレイジを乗せたストラーダを叩き付ける。斬れないように刃面は立ててないけど、結構なダメージは通ったみたいだ。

 

べしゃり、と地面にくずおれた密猟者を、自然保護隊の本部に運び出す。

 

……だけど、この人は運がよかったかもしれない。だって、キャロじゃなくて僕に捕まったんだから。

 

そう考えながら歩く僕の足取りは軽い。これでフェイトさんへのお土産話がまた一つできた。

流石に不謹慎だから鼻唄を歌ったりはしないけど、ちょっと足取りが軽くなってスキップのように歩調でリズムを刻んでしまうくらいは許されるだろう。

 

……キャロの方は大丈夫かな? キャロじゃなくて、密猟者が。

 

 

 

 

 

side キャロ・ル・ルシエ

 

指先から魔力を圧縮した糸を出して、この森中に張り巡らせる。

……あの密猟者は許されないことをした。子供を想う親の気持ちを利用して、どちらも捕らえて高く売り飛ばそうとしていたと、捕まる寸前だった獣の親が教えてくれた。

どうしてか、こうして私は獣の……いや、自然の声を聞き取ることができるようになっていた。

糸状の魔力を張り巡らせて意識を集中すれば、色々な物があの密猟者がどこに行ったのかを教えてくれる。

 

踏み躙られた草が。

枝を折られた樹が。

潰された虫が。

それを見た別の植物や動物が。

 

吹き付けてくる風が。

降り注ぐ光が。

流れる水が。

ただそこにある大地が。

私の探す相手がどこにいるかを伝えてくる。

 

指を動かし、魔力糸を操る。効果はバインドと同じように。ただ、他のバインドと違うのは……接触面積が小さいから、暴れれば体が傷つくと言うところ。

それを密猟者の指に巻き付け、デバイスを持つ手から握力を奪う。全ての指を傷つけたから、次は足。片足ずつ潰して使えなくしていく。

どうやら相手に空戦適正は無いみたいで、手足を潰された所で動きを止めた。

 

『手がっ……足がぁ……っ!もう……もう勘弁してくれよぉぉっ!』

 

大の男が顔をグシャグシャになるほど歪めて命乞いをする姿は……なんと言うかとても醜悪だった。

それに、そんなことを言いながらも左に握ったデバイスを放していないし、これは明らかに演技の類いだと思われる。

 

……けれど私は、それが演技だろうとあたりを付けながらも、無防備そうに歩いて出ていく。

その密猟者は、私の指先から出ている魔力光が自分の手足を苛んだそれと同じことを一瞬で確認して、それからまた惨めっぽく命乞いを続行した。

 

けれど私はけして油断しない。相手がまだ私に敵意を持っているなら、油断なんてできないから。

 

糸を繰って、地面についているデバイスの先端を固定する。

それから多少の話をして、密猟の現行犯で逮捕することを伝え、密猟者はそれに『何でもいいから助けてくれ』と答えた。

そして私が背中を向けた瞬間に…………密猟者の男はデバイスを持っていた手を私に向けた。

 

……しかし、デバイス本体は地面から動いていなくて、本人が思っていただろう不意討ちは失敗した。

勿論それがわかっていた私は即座に密猟者の首に糸をかける。密猟者はまた命乞いを始めたけれど、今度は聞く耳を持たない。

 

「……悔い改めなさい」

 

密猟者を樹から吊るしている糸を、私の手元で弾いて揺らす。スバルさんの振動破砕を見せてもらって考え付いたこの技は、その振動を糸を通して増幅して首から相手の体に叩き込む。

 

……殺傷設定でやればきっと苦もなく相手の首を落とせるだろうこの技は、非殺傷設定であるがゆえに相手のリンカーコアを機能不全に陥らせるだけで終わらせた。

 

……胸をかきむしるようにして気絶しているこの男は、きっとしばらく魔法を使えなくなるだろうけど……もう二度と使えないわけでもないし、いいよね、別に。

 

私は密猟者を引きずるようにして、自然保護隊の本部に歩を進める。

 

……なんだか私は変わっちゃいましたけど、フェイトさんはきっといつまでも優しくて暖かいフェイトさんでいてくれますよね?

 

私はフェイトさんの笑顔を脳裏に浮かべてそう呟き、また静かに歩を進め始めた。

 

 

 

Q.キャロがwwwwwwキャwwwロwwwがwwwwww

 

A.なのはに似たんでしょう。ちなみに戦闘時のキャロは大抵目が若干虚ろです。瞳孔開きかけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 そのy

 

機動六課が解散してから大体一年が過ぎて、私はそれまで通りに執務官として働いている。

私が追いかけているのは、主に生体に関する違法研究やロストロギア。広く浅く、色々な仕事を繰り返しているティアナとはたまに仕事先で出会うこともあるけれど、やっぱりその頻度はとても少ない。

 

……むしろ、なぜかなのはと出会うことの方が多かったりする。

 

六課が解散した後に、なのはが物凄い自由人になって、そして色々な世界を回っているのは知っていたけど……どうしてそんな頻度で出会えるのかが不思議で不思議で仕方がない。

出会う度になのはは私のことをからかってくるけれど、からかい終わると私がその世界で探そうとしていた情報をいくつかくれる。どうやら私のリアクションによってくれる情報の数が変わるみたいで、今のところは自然に応対するのが一番みたい。

そんなわけだから私は今日も、

 

「ところでフェイトちゃん。今日はいったいどうしてこんな辺境に来たの? 旅行? 密輸? それとも私みたいにケーキ屋巡り?」

「仕事だよ!? と言うかなんで聞くことの中に密輸が入ってるの!? 私管理局員だからね!? むしろ密輸とかを防ぐ方だからね!?」

「ああそうなんだ? じゃあ犯罪組織のデータとかを探してるのかな? 生憎とこの世界から犯罪組織は二年くらい前に逃げ出して、半年くらい前にこの世界に新しく来てちょうど私が泊まってる町の地下で巨大な違法カジノで儲けては、昔管理局のデータベースから溢れた遺伝子データからクローンを作って兵隊にしたり愛玩人形にしたりしてるやつらくらいしかいないよ?」

「ちょうどそれだよ探してたのは!」

「え、そうなの? 見付かってよかったね」

「うん。教えてくれてありがとう。助かるよ」

 

……こんな感じで、なのはといつも通りの掛け合いを楽しんでいた。

 

……うん、まあ、楽しいよ? なのはとのおしゃべりは疲れるけど、それでもね。

私自身も楽しくて、それでいて役に立つんだから、やらない理由はどこにもないよね。疲れるけど。

 

「それじゃあフェイトちゃん、お仕事頑張ってね?」

「なのはもね」

 

ぱいばーい、と手を振るなのはに小さく手を振り返して、私となのははお互いに背を向けて歩き出す。

なのはは多分、これから翠屋に戻って美味しかったケーキの再現をするんだろう。そしてそれが上手にできたら、色々と組み合わせを変えてみたりしながら新作ケーキを……。

……私も食べたいなぁ……なのは、呼んでくれないかなぁ……?

 

……まあ、今はこっちのお仕事を終わらせるのが先だけどね。

例えクローンだったとしても、命を弄ぶ犯罪者は許せない。

……絶対に、許さない。

 

 

 

執務官には犯罪者を逮捕する権利が存在している。しかもそれは上に掛け合って許可をもらわずとも使用できると言う代物で、私も何度も使っている。

だから私はなのはが言っていた地下の違法研究施設に堂々と侵入し、そこに居た多くの違法研究者達を捕まえた。

中にはそれなりに厄介な能力を持っていた人も居たし、クローンの兵士を投入されたりもしたけれど……終わってみれば私は無傷で研究施設内の全員を捕縛していた。

 

逃げ出そうとした違法研究者の延髄にフォトンランサーを撃ち込み、向かってくる無表情のクローン達にはすり抜け様にバルディッシュのサイズスラッシュを打ち込み、AMFに似たような機械を出してきた研究者の親玉は直接鳩尾に抜手を入れて大人しくしてもらった。

命乞いなんてさせないし、たとえしたとしても私にはそんなものは聞こえない。精々頑張って意味の無い声を上げ続ければいいと思うよ?

 

……って、いけないいけない。こんなのだから『管理局の金色夜叉』とか『黒い死神』とか呼ばれちゃうんだよ。

なのはに影響されたのか、どうしてかこうやって犯罪者を相手にしている時の私は容赦がなくなるみたいだからね。ティアナも敵認定した相手には似たような物だと言ってたし、やっぱりなのはの影響だよね、これ。

 

……でも、これで助かったこともあるから一概に悪いことだとは言えないんだよね。

それに、こうして悪名が広まってると、相対する犯罪者が勝手に怖がって投降してくれたりするし。

 

……その時に交わされた犯罪者達のどこから流れたかわからない噂にちょっと心を傷つけられたりもするけどね。

 

…………私は相手の全身にライトニングバインドをかけて相手が電撃で苦しむ様を眺めながらワインを美味しそうに飲んで、

 

『……やっぱりいいワインには人の慟哭がよく合うね。ふふふふふふ……♪』

 

……って言うなんて酷いことはしてないし、降伏している相手が動かなくなるまで魔力刃で寸刻みにしたりとか、そんなことは一切してないのに……と言うか、いったいどこからそんな噂がたったんだろう?

 

……悲しいなぁ……。ほんとに、なんでだろう?

 

はぁ……とため息をつきながら、私は死んでいないクローン達を魔法で浮かせて運んでいく。

ついでに本局に連絡して、違法研究者を大量に捕まえたから迎えを寄越してほしいと伝える。

私は実績だけはそこそこあるので、結構簡単に受理されている。

 

…………けど、どうして連絡を受けた相手は大抵顔を青くしていたり、声が震えてたりするんだろう?

 

ねえ、はやて。理由を知ってるなら教えてくれない?

私ははやてに向けて、そう呟いた。

 

 

 

Q.このなのはさんは分身ですか?

 

A.はい、分身です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異伝 そのyy

 

私が機動六課を作り、JS事件を解決した……と言うことになってから大体一年が過ぎた。

解決したと言うことになっている……と言うのは、実際に事件を解決したのはなのはちゃんなのだけど、なのはちゃんはその時機動六課に所属しとったから本局が『機動六課が解決した』と公式発表したって言う話や。

ほんとならなのはちゃんはもっと報いられてもおかし無いんやけど……本局には金がないらしいで? あんだけ次元航行艦を抱え込んどる癖になぁ?

 

……まあ、なのはちゃんが怒っとるわけでもないし、私は構わんけどな。なのはちゃんを怒らせるのだけはほんまに勘弁してほしいけど。

たまに本局の元気のよすぎる人が地上で行方不明になっては記憶を失った状態で本局の近くの管理世界で見付かっとるらしいけど……怖いからなのはちゃんにはなんも聞いとらん。

地上ではなのはちゃんは多分かなり凄い権力を握っとるからなぁ……怖い怖い。

 

まあ、そんなわけで私は一時的に指揮官業務を休んで勉強中。なのはちゃん式の簡単節約術とか、そんな感じのことも習っといた方がええしな。

色々厳しい先生が教えてくれて、恵まれた環境やと理解はしとるんやけど……やっぱりきついものはキツいなぁ……。

 

それに、一応私もなのはちゃんに頼んで暇潰しでええから私のことも鍛えてくれるようにお願いした。

なのはちゃんはかなり面倒臭そうな表情を浮かべとったけど、一応了承はしてくれた。

機会は一年に二回か三回くらいしか無いけど、一度受けると大体半日がつぶれるため、色んな意味でかなりきつい。全身筋肉痛と強制回復(激痛付き)によって強制的に強くはなるし、普段の暮らしに重りがついたから鍛えられとるんやけど…………このまま鍛えていったら、いつか凄い筋肉になってまうんやないか?

……六つに割れた腹筋は欲しくないなぁ……こんなんでも一応女の子やし。

 

……でも、私につきあってるシグナムやヴィータには筋肉はしっかりついとるけど、どうしてあんなに綺麗なんやろうか? 私も体鍛えてああなれたら嬉しいんやけど……なってくれるかな?

 

あと、最近は戦いとか殆どしとらんで勉強やら指揮訓練やらで魔法使っとらんなぁ……

なのになのはちゃんの訓練を受ける度に魔法の扱いも身体能力もバンバン上がっていくんはなんでやろうか?

 

……なのはちゃんやからやな。流石はなのはちゃんの訓練や。

 

……なんでこんなになのはちゃんの話をしとるかと言うと、そのなのはちゃんから驚きのニュースが入ってきたからや。

まあ、私にとってはよくわからないんやけど……フェイトちゃんのお母さんとお姉さん……ああ、リンディさんとエイミィさんとは別人やで? ……が、見つかったそうなんや。

そんでそのこととその世界の座標をフェイトちゃんに伝えてほしいと手紙に書かれとったんやけど……自分で伝えればええと思わん?

 

……そう思っとったら、一緒に入ってた私宛のメモに『説明とかが面倒だったからはやてちゃんに丸投げします』って書いてあった。

 

……あははは、なのはちゃんも中々面白い真似をしてくれるなぁ……? あることないこと吹き込んだろか? フェイトちゃんは純粋な天然さんやし、信じるやろ。

 

『追伸。フェイトちゃんにあることないこと吹き込みたいなら吹き込んでもいいけど、月の無い夜にしか襲われないってことは無いんだからね?』

 

…………怖っ!なんやこの脅し文句!? 『月の無い夜には気を付けろ』やないんか!?

……もしかしてあれか? 『そんなことしたら白昼堂々だろうか人前だろうが狙撃して脳味噌ぶちまけるぞ』ってことか!? 怖すぎるっちゅーねん!

 

……ま、まあ、私が変なこと言わなければ問題ないもんな。うん。

 

『追伸の追伸。懸命な判断だと思うよ』

 

なのはちゃんはいったいどこまで予測して書いとんねん。どこまでもか? どこまでもなんか!?

……まあ、フェイトちゃんへの説明は一言でええな。

『なのはちゃんやから仕方ない』

 

この一言でみんな解決や。だってなのはちゃんやもんな。

 

……さてと。それじゃあそろそろ頑張ってフェイトちゃんへの説明文を考えなあかんな。

フェイトちゃんは天然さんで普段はぽけぽけなのに、なんでか時々妙に鋭いからなぁ……色んな意味で困ったわ。

……まあ、なのはちゃん曰く『すぐさま会いに行こうとするだろうから仕事の合間に伝えるか、あるいは休暇中に伝えてあげてほしい』っちゅーことらしいし、あんまり考える必要は無いんかもしれんなぁ……。

 

とは言っても、絶対に必要ないと言うわけでもないし……用意はしとかなあかんよなぁ……。

 

……まったくもう、なのはちゃんは……ほんまに色んな仕事を押し付けてくるな? 私も色々なのはちゃんにお願いしてお仕事引き受けてもらってるし、人のことは言えへんのやけど。

 

恩返しとフォローの永久機関が友達ってもんらしいけど……そう言うんはビジネスライクな関係にも適応されるんやろうか?

 

……場合によりけり……ってとこかな? 相手によって態度とかそういうのを変えるんが人間やし、私もそうやしな。

 

……あーあ。私も汚い大人になってもうたな。できればフェイトちゃんにはいつまでも綺麗でいて欲しいわ。

 

……ヴィータ。シグナム。なんだか私は自分が汚れた大人だと見せ付けられてもーた。私が帰った時に家にいたら、私を慰めてな?

 

 

 

Q.近接戦もできるようになりますか?

 

A.それなりに。多分いつまでもザフィーラには勝てない程度でしょうけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 そのyyy

 

「てめえら、なのはじゃなくて悪いが、今回はあたしが教官だ。しっかり動いてくれよ?」

『イエッサー!』

 

そう言いながら私に見事な敬礼を見せ付けているのは、なのはの教え子である地上部隊の隊員たち。こいつらの練度は、あたし以上と言うことはないけどそれでも破格と言っていいほど高い。

それこそ、本局の武装隊と真正面から同数対決をしたら、魔力量とかそう言うのを吹っ飛ばして勝ちを拾って見せるだろうと言うことが簡単に予想できてしまう程度には。

 

その上、こいつらはそれを自覚しながらもさらに上を目指し続けて足掻いている。

多分だが、こいつらの目蓋の裏側にはなのはの姿が映っているんだろう。

なのはの魔力ランクは公式にはE。……E+だったか? ……まあ、そんなもんだ。実際リミッター付けてる時はそんなもんだからな。

 

それでもなのははあれだけ強い。魔導師ランクで言えば、確実にSS+を取れるだろう。

リミッターを外せばいったいどこまで行けるのかはあたしじゃ想像もつかねえが……とにかくなのはの能力値の上限は凄まじいことだけは理解できる。

 

こいつらは、そんななのはを尊敬している。魔力量が少なく、年齢も自分より若いなのはを心底尊敬し、敬服し、そしてその域まで届くことは無いだろうと頭のどこかで理解していてもその高みを目指して進んでいく。

 

……その感情は、最早崇拝にも近いものがあるだろうとあたしは思っているが……それでもこいつらは止まらないだろう。

 

『彼方にこそ栄えあり』

……何時の日だったか、そんな言葉を聞いたことがある。

それを言った大きな男は、その巨体に見合った巨大な騎馬に跨がり、片手に剣を取りながら、あたし達、ヴォルケンリッターを前にして言っていたっけ。

 

『彼方にこそ栄えあり。届かぬからこそ挑むのだ』

 

その背に自らの民の希望を背負い、豪快な笑いを浮かべながら。

 

……今なら、あたしにもこいつらの気持ちがわかる気がした。

 

「今回はなのは式でビシバシ行くからな!なのはの教え子が、まさかあたしの教導なんかについてこれねえとは言わねえだろうな!?」

『死力を尽くします!ヴィータ教導官!』

「よしいい返事だ!運のいいことにあたしはなのはの教導を間近で一年見てきた!お前ら好みのきっつい訓練が待ってるぞ!嬉しいだろ? 嬉しかったら返事しやがれ!」

『サー!イエッサー!』

 

あたしは笑う。こいつらも笑う。きっと考えていることは全く同じだ。

 

『なのはの奴に近付きたい。肩を並べ、強くなった姿を見せて、「立派になった」と一言でいいから誉めてほしい』

 

共通した目的のために、あたしとこいつらはデバイスを取る。

さあ、始めるぞ!

 

 

 

 

 

side シグナム

 

武装隊の出動はそれなりに多い。今日もまた私は次元航行艦に乗り、次元の海で犯罪行為を働く不逞の輩を斬り捨てる。

……高町の教導を受けてから、若干だが私の身体能力が増してきている。昔の感覚で動くと多少やり過ぎてしまうが……まあ、テスタロッサとの模擬戦の勝率が上昇したのは良いことだ。これからも高町に教導を頼むとしよう。

 

同時に教導を受けているヴィータや主はやても、私と同じように成長が著しい。

ヴィータは一年前に手傷を負わせたものの敗北したあの騎士に勝てるだろうし、私は勝率が悪かったテスタロッサに勝てるようになってきていて、主はやては……少なくとも近付かれた時の対処法が身に付いたように見受けられる。

一年前までは主はやてが近接戦闘でザフィーラの拳を止められるようになられるとは、私を含めた全員が思っても見なかっただろう。

 

……だが、それも高町にとっては予想の範囲内なのだろうな。恐らくではあるが、高町はその程度のことは簡単に予想してみせるし、化物のような直感や思考能力もある。予想できていないわけがない。

 

それからザフィーラも参加し、元々固かった守護の技をさらに強固にしている。

……ああ、出動命令か。今回の敵は……魔導師ランクAAAの空戦魔導師が一人と、S-の空戦魔導師が一人。どうやらかなり厳しい状況にあるようだが……私はそうは思えない。

なぜなら、相手は自らの魔力を振り回しているだけ。高町の圧縮された砲撃や、テスタロッサの高速機動からの神速の斬撃に比べれば……全くと言ってもいいほどに驚異を感じない。

 

……だが、この船の艦長は私の出動を望んでいるようだ。ならば出動させてもらうとしようか。

 

 

 

管理局の武装隊であることを伝え、投降を促したのだが完全に無視され……それどころか攻撃してきたので私は相手を殲滅することに決めた。

弾幕を避け、時に剣で、時に鞘で叩き落としながら私は進む。

相手は逃げようとしているらしいが、このような薄っぺらな弾幕など目眩ましにすらなりはしない。

私に目眩ましをかけたいのか、それとも攻撃しているのかは知らないが……どちらにしろ密度が薄すぎる。高町のを完全再現しろとは言わないが、せめて今の五倍は持ってこなければな。

 

犯罪者のデバイスをレヴァンティンで半ばから切り捨て、鞘の方で擬似的な紫電一閃を放つ。

それは見事に相手の胴体に吸い込まれ、相手は吹き飛んでいった。

 

片割れが吹き飛ばされたことに動揺し、片割れが吹き飛んだ先を目で追ってしまったもう片方にはレヴァンティンでの紫電一閃を叩き込み、戦闘は終わる。

戦闘開始から終了まで三分もかかっていない、呆気ない幕切れだった。

 

レヴァンティンを納刀した私は、空を見上げて思う。

 

シャマル。ザフィーラ。お前達は息災か?

 

当然ながら答えは返ってこなかったが、私は気にせず次元航行艦からの回収を待つのだった。

 

 

 

Q.どっかで聞いたことがあるような言葉が出てきたんですけど?

 

A.気にすんな★

 

 

Q.はやてはザフィーラに勝てないんじゃ?

 

A.一回なんとか拳を止めただけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 そのz

 

私はヴォルケンリッターでは戦闘の腕は良くはない。

ザフィーラのように防御は固くないし、ヴィータちゃんのような突破力やシグナムのような攻撃力も無い。

けれど、そんな私でもできることがある。それはけして目立たないけれど、なくなればきっと誰もが困るお仕事。

まあ、簡単に言ってしまえば回復と補助。そしてヴォルケンリッターにはちょっと少ない頭脳労働担当が私、湖の騎士ことシャマルのお仕事です。

 

そんな私は管理局では裏方として色々な人の治療を手掛けてきました。

闇の書のことを今でも気にしている人は私に治療されることを良くは思っていないようだし、心ない言葉を受けたことも多々ありますが……そんなことは管理局に入る前から覚悟していましたから何でもありません。

それを知ってはやてちゃんが心を痛めていたけれど、私はこれでも結構打たれ強いんですよ? ザフィーラほどじゃ無いですけど。

 

それに、十年以上働いていればそれなりに知り合いもできるし、私の治癒術の腕を買ってくれる人だって出てきます。苦しいことも無いとは言いませんが……そこそこ充実した日々を過ごしています。

 

「はい、それじゃあお大事に。ちゃんと治るまで……あと二~三日は無理しちゃダメですよ?」

「はい。ありがとうございました」

 

私の言葉にぺこりと頭を下げて、若い魔導師が退出していく。

あのくらいの年頃なら二~三日もすれば完治しているだろうし、よっぽど無理をしなければ今の状態で動かしても問題ないけれど……あの子はよく救護室に運び込まれるから、一応釘は刺しておかないとね。

 

それから私は報告書を作る。こういう暇な時間に作っておかないと、突然忙しくなった時に困るのよね。

ちょっと面倒だと思う気持ちもあるけど、それも組織に所属している以上は仕方の無いことだと諦める。

……それに、素直にお礼を言われるのは悪くない気分だし……ね?

 

ふと、はやてちゃんの家を任せているザフィーラの事を思い出す。

あの優しい蒼い狼は、人には無茶をするなと言うくせに、自分は物凄く無茶を繰り返すタイプだから……やっぱり少し心配だ。

ヴィータちゃんやシグナムも心配だし、はやてちゃんも心配だけれど……いつも黙って一番無茶をするのはザフィーラだったから。

 

……元気……よね?

 

 

 

 

 

side ザフィーラ

 

主はやてが本拠地を地球の家からミッドチルダの家へと変えられた。それから私の仕事は主にその家の守護へと変わったが……主の戻られる場所の守護と言えば大役だ。確りと務めさせてもらう。

 

……しかし、どうも最近は私の仕事は番犬のようなものになっていると思うのだが……まあ、主の意向に従おう。主が犬だと言えば我は犬だ。わん。

 

だが、この家に侵入しようなどと言う不届き者は今のところは一人もおらず、我はただ番犬としてここでゆっくりと過ごしている。

当然ながら日々の鍛練は欠かしたことが無く、高町に言われている教導の内容も毎日毎日繰り返している。

そのためかどうかはわからんが、我が守護の技は今日も冴え渡っている。

 

こうして日々を鍛練に費やすと言うのは中々に有意義ではあるが、できることならばもう二度とこの拳を振るうべき事態が起きないことを望もう。

だが、いくら望んだところでそれが実現されるようなことはまずあり得ない。だからこそ我は有事のために、この拳を磨き続けよう。

 

……我等が最後の夜天の主のために。

 

 

 

 

 

いつもにこにこはやてちゃんの側に、二代目祝福の風リインフォースⅡなのですよー。放っておいたら出番が無さそうだったのでザフィーラとシャマルの出番をちょっとずつ削って出演させてもらったのです!

……勿論、お二人に許可はもらいましたよ? 内容はぼかしましたが、ちゃんと『いいですか?』と聞いたら『いい』って言ってくれたのです。

 

まあ、実はその時最後に一つ残った翠屋のシュークリームを前にしていたからなにか勘違いしていたかもしれませんが、許可は許可なのです。有効に使わせていただくのです!

 

さて、祝福の風の二代目たる私のお仕事は、主にはやてちゃんのお仕事の補佐。なのはさm……なのはさんに教えてもらった魔力の手をいくつも使い、はやてちゃんのお仕事を減らしてあげるのです。

 

……とは言え、はやてちゃんは階級が私よりもずっと高いので、私が任せてもらえる書類には限度があります。

そんな時にはユニゾンしてはやてちゃんがやっていることにしているのですが……そんなことをしなくてもはやてちゃんの書類整理能力は六課時代で凄まじく鍛え上げられているから必要かそうでないかで言えば必要無いのですが……はやてちゃんは優しいのでリインにはやてちゃんのお手伝いをさせてくれるのです。

 

デバイスにとっての幸せは、マイスターの役に立つこと。それは人とほぼ同じ思考をするユニゾンデバイスでも同じ。いつだって優しいマイスターのお役に立ちたいと思っているのです。

 

だから私はこれからも、はやてちゃんのために頑張っていくのです。

 

頑張りますよ? だからアギトも頑張って!なのはさm……なのはさんは色々な意味で常識の通用しない人だと聞いていますが、アギトならきっとなんとかなりますよ。

 

 

 

Q.わん。

 

A.わんわん。

 

 

Q.リインが黒くね?

 

A.可愛い悪戯でしょう。

 

 

Q.なのは様?

 

A.なのはさm……なのはさん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 そのzz

 

“烈火の剣精”アギト。それがあたしの名前だ。

“烈火の剣精”ってのはあたしを作ったやつが着けた、言わば作成における方向のようなもの。つまりあたしは炎熱変換と、そして剣を使う奴との相性が一番いい。勿論使う魔法は古代ベルカ式な。

その点で考えたらあたしのロードはシグナムっていう女騎士なんだけど、姐御との相性もけして悪くねえ。むしろいいって言っても問題ないくらいだ。

それに、あたしは姐御に旦那とルールーを助けてもらったって恩がある。その上ルールーのお母さんまで。この恩を返すには、ほんとに何をすればいいのかわからないくらいなんだけど…………姐御自身は『好きにするといいよ』としか言わないんだよなぁ……。

 

……なんと言うか、そう言うところはちょっと旦那に似てる気がする。人に恩を売るとかそう言うことをあんまり考えないタイプだと思う所とか、約束は必ずできる範囲で守ろうとする所とか。

それに、なんつーか……頑固だしな? 旦那も姐御も、どっちもさ。

 

そう言うわけであたしは今、姐御の居るミッドチルダの翠屋で暮らしている。

姐御は本当は故郷で暮らしたかったそうなんだけど、娘にしたヴィヴィオに事情があって、それができない状況なんだとか。

なんでも、あの日に空に浮いていたゆりかごと密接に関わる内容だから深くは教えられないけど、ヴィヴィオの体は一部の好事家が涎を垂らして喜ぶもんなんだそうだ。

理由は教えてくれなかったけど、姐御の表情は完璧にマジだった。ってことは、今の話は大真面目の話なんだろう。

 

……だからさ姐御。ぼそっと

 

「聖王教会がなくなれば静かになるかなぁ……?」

 

とかマジな顔で言わないでくれよ。怖いから。

あと、ヴィヴィオのは聖王教会関連なんだとわかっちまうからさ。ほんと心臓に悪いから(あたしに心臓はねえけど、似たようなもんはあるから)勘弁してくれ。

 

……それにしても、ヴィヴィオは姐御に愛されてるな。そうじゃなかったら多分姐御はさっさと切り捨てて地球に引っ込んでるだろうし、わざわざ引き取ったりはしないだろうし。

確かに姐御は優しいけど、世界中の誰にでも優しいって訳じゃねえし……敵対したら友人だろうが何だろうが殺傷設定の魔法を撃ち込みかねない女だし。

 

……色々言ったけど、あたしは姐御の事が好きだよ。人間として付き合っていて気持ちいいし、いちデバイスとしてマイスターを見る視点でも姐御はいいやつだ。

 

あたしのことをしっかりと見てくれて、あたしにできる仕事をちょこちょこ用意してくれるし、疲れたら労ってくれたり休ませてくれたりもする。

なんと言うか……こう、一つの意思ある生物相手として対応してくれるんだよな。どこかの研究者共と違ってさ。

だからあたしは姐御が好きだし、ヴィヴィオも優しくて強い姐御の事が大好きだ。

 

そうだろ? ヴィヴィオ。

 

「アギト? 今は学校が終わって自由になり始める時間なんだから、忙しいんだよ? 黄昏れるのは後にして、シュークリームと紅茶運んでくれない?」

「!お、悪い、すぐやる!」

 

あー、いけねえいけねえ。一回深く考え事すると中々戻ってこれないんだよな。今度から気を付けねえと。

 

あたしは紅茶のカップとシュークリームが乗ったお盆を持って、注文を受けた所に飛んでいく。

そして笑顔を浮かべて言うんだ。

「お待たせしました」

 

ってな。

 

……紅茶の銘柄? 知らねえよ。あたしが知ってるわけないだろうが。

 

 

 

 

 

side 高町 ヴィヴィオ

 

ママと一緒に暮らし始めて一年くらいの時間が過ぎました。今では小学校に通っていて、もうすぐ二年生に進級します。

 

……あっ!自己紹介を忘れていました。それでは早速。

 

高町ヴィヴィオ、年齢は七歳です。

好きなものはなのはママとフェイトさん、それにシュテルさんレヴィさんディアーチェさんの翠屋従業員三人と、私の友達アギトと、いつも寝てばかりいるお兄ちゃん。……あと、ママの作ってくれたお菓子とご飯!

嫌いなものは管理局からの勧誘。それとピーマン。苦いのキライ……。

 

特技はママに教わった近接格闘術と、そこそこの腕のお菓子作り。苦手なことは……あんまり無いかな?

 

将来の夢はママの後を継いで三代目翠屋店主。ママのように歌って踊れて演奏できて……って言うのは無理かもしれないけど、とりあえず自力で翠屋を守れるくらいにはなりたいと思います。

 

……さて、自己紹介も終わったので、最近の私の生活を見てもらおうと思います。

 

まず、朝起きたらママと一緒にランニング。途中で一回ママと別れますが、すぐに合流します。

ママはその三十秒にミッドチルダの決められたコースを一周してるみたいですが……私にはちょっと真似できないです。

それから汗を落とすためにシャワーを浴びて、いつの間にか用意されていた朝御飯をママと一緒に食べます。

 

ご飯を食べ終わったら食器を片付けて、私は学校に。ママは翠屋でお仕事です。

この時、行ってきまーすとママとハイタッチ。ママはにっこりと笑って、私の頭を撫でてくれます。

 

学校では、友達と一緒に楽しく勉強。ゴーレム創造と操作が上手なコロナと、実家で拳法を習っているらしいリオ。二人とはとても仲良しだと自負しています。えっへん!

 

放課後は基本的に自由時間。私とリオとコロナの三人は、色々なことをして遊びます。

時には近接戦闘の手合わせをしたり、時には無限書庫で本を読んだり、時には勉強会をしてわからないところを一緒に考えてみたり。

無限書庫はいいところです。司書長でママの友達のユーノさんはとても優しい人ですし、教え方が上手なので時々教えてもらったりもしています。

ママは戦闘関連のことを教えるのが上手で、勉強方面はそこそこ。ユーノさんは多分逆で、戦いのことを教えるのはあんまり上手じゃないんだと思います。

 

だって、ユーノさんが実際にそう言ってましたし。

入門編にはいいけれど、それ以降、初めの壁……あるいはその次の壁にぶつかってからはあんまり役には立たないらしいです。

 

……ママの魔法の先生二号だって聞いてたんですけど……ちなみに一号は『さくらさん』って人らしいです。

 

それから家に帰ってママ達と一緒にご飯を食べたり、夜の訓練をママと一緒にしたりして、それから布団に入っておやすみなさいです。

大人モードのままママを見ると、なんとなく額がヒリヒリするような気がしますけど……きっとゆりかご事件で床に大きな皹が入り、一部が陥没するほどの威力で額を叩きつけられた時にできた、一種のトラウマみたいなものだと思います。

 

……フェイトさんやはやてさんほど酷くは無いですけど。

 

いったいママは、何をしてあそこまでひどいトラウマを刻み付けたんでしょうか? 知りたいような、知りたくないような……そんな気持ちです。

 

 

 

Q.管理局の勧誘とピーマンが同列ってwww

 

A.ヴィヴィオにとってはその程度。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 そのzzz……

 

なんだか色々な人に色々言われてる気がするけれど、実害が無いから何も言わないことにします。

折角心の中に仕舞い込んでくれたのに、それをわざわざ掘り返そうとするほどねちっこい性格じゃないですからね。

 

……翠屋での暮らしに二人ほど新しい人物が追加されてからもうすぐ一年。私は日本でも堂々とお酒が飲める年齢になり、二十歳の祝い酒にお父さんとお母さんからお酒を一本貰いました。

 

……芋焼酎で、『魔王』って言う名前のお酒があるのは知っていますか? 私はどうもワインとかブランデーよりも日本酒の方が好きみたいで、結構美味しく飲んでるんですけどね?

その事を知ったはやてちゃんとフェイトちゃんが笑いを堪えてプルプルと震わせていたのを見て、私は罰ゲーム用のハバネロシュークリーム(けして不味くない。むしろ味だけなら結構美味しかったりする)をこっそり混ぜておいたりしたけれど、このくらいなら軽いお茶目で流されます。

 

そんな話はさておいて、ミッドチルダの翠屋が本局の方でも有名になってきました。私のことでじゃなく、美味しいお菓子と紅茶を出す店として。

喫茶店経営者としてこれほど嬉しいことはなく、私は最近大抵にこにこしています。

元々翠屋に居るときは笑っていることが多い私ですが、最近はなんと言うか色々な心労などから解放されているため、余計にいい笑顔(イイエガオとは別物)なことが多いそうです。

 

ヴィヴィオの反抗期は一度来てもう終わったので、次は何年後になるか……。

私の反抗期は……多分お父さんとお母さんに黙ってミッドチルダに来てしまったあの頃ですから……まあ、結構平均的だったんじゃないでしょうか?

 

アリサちゃんやすずかちゃんの反抗期は……そういえばあんまり覚えがありません。私が見てないだけなのか、それとも二人は理性的にそれを抑え込んだのか……きっと後者でしょうね。

反抗期は人生では重要な要素だと言う話ですから、無いのは困るんですけど……。

 

……あ、そう言えばさくらさんからプレシアさんの住所を聞いたから、フェイトちゃんに教えてあげないといけないんだった。最近フェイトちゃんは忙しいみたいで、あんまり来てくれないから忘れてたよ。

……私よりははやてちゃんの方が会う頻度も高いよね? ちょっと頼んでおかなくちゃ。

 

あと、地上本部のみんなの訓練メニューを作ったり、聖王教会の騎士団の訓練も(シグナムさんとヴィータちゃんの連名でお願いがあったから、ヴィヴィオとその親友二名も一緒に参加できるようにして受けた。報酬は一食奢ってもらうこと)見てあげなくちゃならないから……やっぱり忙しいなぁ……。

この話を聞いた時、ヴィヴィオも他の二人もそれなりに乗り気だったからきっと参加人数が騎士団プラス三名になるだろうと言うことを理解してメニューを簡単に作る。

いくつかの能力別に、その人のレベルに合わせて作っているけど……まあ、教会騎士団は精強な部隊だって聞いてるから大丈夫だと思う。精々ヴィヴィオが一度座ったら立てなくなる程度だしね。

 

それに、たまに脱獄して翠屋に来るスカリ博士や秘書さん、眼鏡さんの相手もしなくちゃいけないですし、トーレやセッテも地上本部で働きはじめてからはそれなりにここに来るし……。

 

……まあ、慕われるのは悪い気はしないし、別にいいと言えばいいんだけどね? スカリ博士と眼鏡さん以外は。

あの二人は本格的に情操教育に悪影響しか与えないからなぁ……ほんと、どうにかなりませんかね?

 

「ならないよ!」

「なりません!」

「なるわけないわぁ」

「黙りなさい」

 

まったくもうまた勝手に涌いて。少しは大人しく……ならないか。

このクーマゾと素直マゾとツンマゾ、本当にどうにかしないといけないね。

しかもこの三人、マゾだけどサドだからほっとくと勝手に悦んでるんだよね。と言うか何をしても悦ぶし、なにもしなくても悦ぶんだから……手におえない。

どうやって脱獄してるのかはわからないけど、結構簡単に脱獄してくるから凄く優秀なのはよくわかる。

…………脱獄理由がちょっと(かなり……凄く?)酷すぎるから、ほんとに才能の無駄遣いが激しすぎるとしか言えないんですけどね。

 

……まあ、そんな毎日ですが、私はとても楽しく暮らしています。

アギトと、ヴィヴィオと、さくらさん。時々変装して来る仮面さんと、結構な頻度で来るレジーとリシュ。

地上はある意味で、とても平和です。

 

……ちなみに、さくらさんは大抵二階で寝ています。時々起きて楽器を演奏したり、DASSルールの公式戦で猛威を振るったりしています。

 

 

 

……あ、最後に一つだけ。

私、結婚しました。織斑なのは……ですが、周りには今まで通りに高町で通していますので、よろしくお願いします。

 

 

 

Q.最後に爆弾落としていきやがった。

 

A.それを知った時、はやてとフェイトは戦慄したそうです。

 

 

 

 

 


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