とある兵士の日記 作:初月
□月12日 晴れ
島嶼基地に到着した。
波浪による損傷や改装などで一度本土へと戻るようだ。
出港は明日なので今日はゆっくりと休むことにする。
□月13日 晴れ
夕方に友軍の戦爆連合が飛んで行った。
近くに攻略作戦でもあるのだろうか?
まあ帰ってくる頃には決着がついているだろう。
どうやら今回は特設空母と輸送船2隻を守りつつの帰還のようだ。
□月14日 曇り
ついてきた駆潜艇が潜水艦を発見したようで天津風と第五号駆潜艇が対潜攻撃を行った。
だが逃げられたようだ。
まあ被害はないから今のところはいいや。
□月15日 曇り
第五号駆潜艇が対潜行動の後緊急浮上した敵の潜水艦を拿捕してきた。
今まで雪風で前線に出てきてあまり見ることの無かった大破艦。
少し背筋が凍り付いた。
船に乗っていると感覚が薄れてくるが俺たちは人を相手に戦っているんだ。
そう痛感した。
□月16日 晴れ
拿捕した潜水艦や、相次ぐ対潜行動による爆雷不足により味方の泊地に寄ることになった。
捕虜の引渡しもここで行うようだ。
ラムネの配布もあるようだ。
□月17日 晴れ
天気晴朗なれども波高し。
そんな天気だった。
あとなぜだか知らんが機銃座員内でのラムネ製造機設置の要望書を俺が代表して出しにいくことになった。
□月18日 曇り
今日艦内放送が入った。
俺たちの部署以外からも要望書が出たようで、どうやらラムネ製造機を雪風の中にも設置できるよう司令部と交渉してくれるらしい。
やったぜ。
□月19日 晴れ
友軍飛行艇が出迎えてくれた。
もうそろそろ本土だと思うと少しうれしい。
□月20日 曇り
南方へ向かう機動部隊とすれ違った。
ざっと見たところ正規空母が2隻もいた。
これから大規模な作戦でもあるんだろうか。
□月21日 晴れ
遂に本土へ帰還した。
10日ほど休みがあるので実家に帰ろうと思う。
幸いここからは近い。
◇月1日 曇り
家族に見せるために書いてきたこの日記だが、地名をそのまま書いていたのでこの部屋においていった。
ここまで書いたものが検閲にかかって取られてしまうのはさすがに悲しい。
休暇は終わりとはいえ自由時間も多いのでそこの書き直し作業から始めたいと思う。
◇月2日 雨
生憎の雨ではあるが他の艦へと転属となる者の送迎会をおこなった。
同じ部署の者も行ってしまうようで少し悲しくはなるがまた会えることを祈ろう。
◇月3日 曇り
遂に明日出撃だ。
今度は味方の軽空母や重巡と北方へ向かうらしい。
少し早いが冬服の準備を始めておくようにと艦長からも言われたのでかなり北へ行くのだろう。