とある兵士の日記 作:初月
△月2日 晴れ
小さな港があるだけの基地での上陸は結構時間を使うようだ。
揚陸艇を出すわけではないのでなおさら。
その間護衛隊である雪風は輸送船の近くを航行するのだが航空機が来ても早速配備された戦闘機が落としてくれるのでやることはなかった。
ちなみに来たのは相変わらずB-17。
余っているんだろうか?
△月3日 晴れ
上陸が終わったようなので輸送船を守りながら島嶼基地への帰路につくこととなった。
あと残っていた上陸支援艦隊も俺たちとともに帰るようだ。
おかげで何も積んでいない輸送船2隻を軽空母1、重巡洋艦3を主体とする艦隊で守るという奇妙な光景が生まれた。
明らかな過剰防御だと思う。
△月3日 快晴
最近雪風に不穏な噂がある。
どういうものかというと水兵服を来た少女の幽霊を見たというものだ。
女性である艦長が何かしているのを見間違えたのではとか艦長の目の前で言った航海長が鉄拳制裁にあったらしい。
話の真偽は不明だが別段気にする必要も無いだろう。
ちなみに雪風の艦長は第十六駆逐隊の司令官も兼任している結構すごい人である。
有能女性司令官兼艦長。それがうちの艦長の肩書だ。
△月4日 晴れ
島嶼基地へ帰還した。
それで護衛任務も一旦解除されたので停泊中だ。
時津風があと1週間くらいで戦線復帰できるようなので多分哨戒任務ぐらいしか回ってこないだろう。
もしかしたら休暇が来るかも。
△月5日 曇り
1週間半舷上陸の許可が出た。
やはり時津風戦列復帰まで休めるようだ。
あと敵の戦艦が出てこないのは一か月前に敵母港にあった燃料を焼き払い、艦船に被害を与えていたからというのが大きいのだろう。
空母と航空隊に感謝だ。
△月6日 曇り
今日は艦長に呼び出された。
なんか軍規違反でもしたのかとか思ったら対空射撃での撃墜数が多いので他戦隊の機関砲手の教官をやってほしいそうだ。
作れるのなら教本だけ作って終わりでもいいらしい。
どちらにしろ忙しくなりそう…。
△月7日 曇り
訓練の話をどうするか、正直かなり迷っている。
予測射撃って半分感覚でやるものだしそれに曳航目標なんかを撃つには少々危ないのだ。
下手すれば曳航機を誤射しかねない。
まあそこら辺は艦長と話し合えばいいか。
△月8日 晴れ
開戦からちょうど一か月が経った。
南方では快進撃をしているようだが一つ一つの基地の距離がかなり遠い中部戦線では大して戦線が動くことはない。
中部戦線で開戦の日を除き一番大きな海戦だったのは鳳翔の14cm砲が大活躍したあの海戦くらいだろう。
あと艦長から訓練の件で提出を強要されたので徹夜で頑張った。
そのあと「今日頑張ったから明日明後日は自由に動いちゃっていいよ」みたいなことを言われたので十分休むことにする。
ちなみに俺は教本のほうにすることにしておいた。
△月9日 曇り
ここ最近晴れが続いていたから俺の休みも晴れるかと思っていたのだが曇ってしまった。
日向ぼっこでもしながら昼寝でもしようかと思ったのに…。
おかげで暇になってしまったから島嶼で演習をしている巡洋艦でも眺めることにした。