とある兵士の日記 作:初月
○月11日 晴れ
昨日ついた港に接岸することになった。
どうやら戦力を整えて先日襲撃したあの基地を占領するようだ。
おかげで1週間の休暇が出来たのだがあまりにも僻地過ぎて探検くらいしか出来ないだろうな。
なにも出来ないところで休暇なんて無念なり。
○月18日 曇り
俺たちが休んでいる間に重巡洋艦古鷹、加古、青葉、衣笠と軽巡洋艦夕張、天龍、龍田が第六駆逐隊を連れて来た。
あと古鷹の乗組員に聞いたところによると沖合にて軽空母瑞鳳を旗艦とする空母艦隊が輸送船団の近くにいるとかいないとか。
古い船が多いが全力で落としに行くようだ。前の襲撃と比べて安心して突撃できそう。
○月19日 晴れ
朝食を食べてから数時間後出撃命令が下りた。
今回の任務は輸送船団の護衛のようだ。
またもや潜水艦相手に戦うのは疲れそうだが瑞鳳が直掩を出してくれるから大丈夫かな?
○月20日 霧
朝食を食べ終わったころ霧に紛れて水雷艇に接近された。
雪風、時津風に対し雷撃があったようだが回避できたので航行に支障はない。
だがここで襲撃を受けたということは情報は筒抜けということだ。
警戒せねばなるまい。
○月21日 晴れ
今日は最高の爆撃日和となってしまった。
おかげで朝から空襲続きだ。
だが幸い飛んでくるのが重爆だけなので命中率のかなり低い水平爆撃だけなので来てもひたすら回頭すればどうにかなった。
ただ予定からかなり遅れてしまったので突撃は明後日になりそうだ。
○月22日 快晴
またもや最高の爆撃日和。
あの島に近づくにつれて機種が重爆から降爆や艦攻に変わってきた。
航空基地でもあるのだろうか?
攻撃を仕掛けてくる敵機に対し友人のパイロットから教わった予測射撃なる技術を使って対空射撃をしていたら2機落とすことが出来た。
あと少しでエースになれたりするのかな?
○月23日 曇り
23日未明、遂に上陸地に到着する。
上陸地周辺から火が上がっていることを察するに友軍艦隊が砲撃を行ったようだった。
ちなみに俺らは支援砲撃の傍らで対潜行動を敢行、大損害を与え浮上してきたところを鹵獲した。
これでまた第十六駆逐隊の戦果は増えましたとさ。
それにしても港湾施設や航空基地に比べて妙に敵が少ないな。
○月24日
早朝に突然総員第一種戦闘配備命令が下った。
その掛け声とともに全力で機銃座に上がり朝霧の中見えたのは少数の航空機と重巡洋艦6隻を主体とする敵艦隊だった。
どうやらわざと上陸させ油断したところで襲うという計画を立てていたようだ。
無駄なことを考えていると時津風左舷後方より軽空母鳳翔が単装砲を撃ちまくりながら数隻の駆逐艦や輸送船とともに離脱していく。
いらないと今まで散々言われてきた対艦用の単装砲がこんなところで役立つなんて一体だれが思っていたんだろうな。
そのままボサッと鳳翔を眺めていると第十六駆逐隊を先頭に駆逐艦が敵艦隊へ向け突撃していった。
発射管より次々と撃たれる魚雷、けたたましい音をかなりの速さで出していく主砲。
あんまり機銃座の活躍しない艦隊戦である。
活躍しないくらいなら敵の攻撃も無い方がいいな。戦争中だから無理に近いけどさ。
そんなことを考えていると後方で着弾音が鳴った。
どうやら時津風に敵駆逐艦の砲弾が直撃したらしく機銃座が何基か吹き飛んでいた。
自分の未来を見ているようで少し寒気がした。
でも連射中の機関銃によってかき消される。
そして今度は敵艦隊のほうにて大きな水柱が10回上がる。
魚雷が何本も炸裂したようで敵艦が3隻ほど折れるのが爆発の最中に見えた。
大きさからみて軽巡2、駆逐艦1だろうか?
とにかく誰が撃った魚雷かは分からないがやったぜ。
このときに瑞鳳と鳳翔の離脱が完了したようなので俺たちもあとは先ほど到着した前衛艦隊に任せ離脱することにした。
あとで聞いた話によると戦果は重巡1、軽巡3、駆逐艦4を撃沈、ほかに重巡1を拿捕し軽巡1と重巡3、駆逐艦2に損害を与えたようだった。
友軍の損害は青葉小破、衣笠中破、加古軽損傷、夕張中破、時津風中破といったところで友軍の勝利で間違いないようだ。
その後上陸も無事完了し、俺たちは衣笠、夕張、時津風を島嶼基地護送することになった。
明日からまた出撃だ。