コレが、『神林提督』の考え方です。シリアス中心。オリキャラ新登場。
※ラストで無理くりほんわかさせたせいか、若干キャラ崩壊してるかもしれないです。
「遠路遥々、ご苦労様です」
「ふん、視察とはそう言うものだ」
「仰る通りで」
時刻は昼過ぎ、朝の打ち合わせ通りに視察にやって来た将校を執務室にて応待する。
階級は少将。重そうな勲章をいくつも提げていらっしゃる。
一先ず簡単な挨拶を済ませ、陸奥が淹れたコーヒーと先程の焼き菓子を振舞う。
陸奥が最初に感じた感想は、はっきり言って嫌悪感だった。
なんというか、非常に偉そうだ。まぁ、少将なのだから実際偉いのだろう。
見た目はいかにも『私腹を肥やしてます』といった感じで、丸々としている。
そして何より、さっきから自分に向けられている視線が気持ち悪くてしょうがない。
元来女性というのは視線に敏感だ。陸奥も例外ではない。
陸奥自身、自分がどういう格好をしているかは理解している。しかし、幾らなんでも限度があった。
太腿を執拗に見ている辺り、この男の嗜好が表れているといって良い。鳥肌がたった。
『本当に気持ち悪いわね…』
第三砲塔に詰めて深海棲艦に打ち込んでやろうか。
そこそこ重そうだし、威力もありそうだ。油もたっぷりだし、弾種は焼夷弾あたりか。
…あ、それ良いかも。深海棲艦の奴らも、こんなのが飛んできたら裸足で逃げ出すに違いない。
そんな少々危険な事を考えつつ、ストレスに耐える。
神林提督も察したのか、現在は自身が座っているソファーの後に控えさせている。
これなら、彼女の諸々の部分を隠せる。そんな提督の何気無い気配りがありがたかった。
「先日は酷くやられたそうだな」
「ご存知でしたか」
「貴様は有名だからな。バシー島とオリョール海の件もある」
「あれは運が良かっただけですよ」
神林は南西諸島海域において『バシー島沖及び東部オリョール海を一度の出撃かつ最短の航路で攻略』という結果を残していた。
尤も、神林本人は『只運が良かっただけ』と思っている。
たまたま最短のルートを通れ、結果戦闘も少なく、大した損害もなく敵艦を落とせただけに過ぎない。
そもそもバシー島では、ルート上で一度しか戦闘をしてないのだ。そりゃ早いだろう。
お陰で周りの評価が無闇に上がってしまい、『沖ノ島海域』の攻略も急かされる羽目になったのだ。
本来はもっとゆっくり進める予定だった。しかしそうも行かなくなったのだ。
それで『早く進め』という周りの声を黙らせる為に、今回の作戦を実行した。
『勝てるとは思っていなかった』とはそう言うことだ。それの結果がこの様である。
尤も艦娘を失わずに済み、結果的に自分の身に合わぬ評価を失くす事が出来たので、まだマシだろうと判断していた。
今後は妙な横槍をされずに、じっくり攻略が出来る。そう思うことにした。
そう思いつつ陸奥の淹れたコーヒーを愉しんでいると、不意に少将が声を掛けてきた。
「神林中佐。貴様、なぜ夜戦に入らなかった」
「…と言うと?」
コーヒーを置き、少将と向き合う。
…彼はなにを言っているのか?
「とぼけるな。報告は聞いている。戦闘は継続可能だったはずだ」
「…あぁ、そのことですか。…無意味でしたからね」
「何だと?」
「言葉の通りです。確かに夜戦突入は可能だったかもしれません」
「ならば「ですが確実に轟沈艦が出ていました。戦闘経験豊富な戦艦を失って勝利しても意味がありません」
戦いはこれで終わりではないのですから、と言ってコーヒーに手を伸ばそうとした時、少将が小さく笑った。
「は、貴様は腑抜けか。轟沈が怖くて海戦など出来るものか。最後の一隻となっても敵艦を屠る。それが我が帝國海軍の誇りなのだぞ」
神林の手が止まる。
「軍艦ではなく艦娘?だからなんだと言うのだ。所詮奴等は兵器に過ぎん。兵器を効率よく運用する、そのための『提督』だろうが」
少将は自身の言葉に酔った様に言葉を続ける。だから気付かない。目の前にいる神林の、そして陸奥から発せられる『怒気』に。
「大体大破していたのは欠陥戦艦の扶桑型だったのだろう?代わりなどいくらでもいるではないか」
神林は一先ずコーヒーを口に含む。…うむ、良い腕だ。毎日飲みたくなるな。いや、それではカフェイン中毒者か?しかしある程度なら…
一度、場違いな事を考えて、腹に宿った熱を冷ます。
相手は曲がりなりにも少将。階級は自分より上なのだ。感情的に応えるのは得策ではない。
「…敗北よりも死を選ぶ。確かにこの国の兵士たちが築き上げてきた、云わば伝説と言っても良いでしょう」
落ち着いた口調で少将に賛同する意見を述べる神林。それを陸奥は止めなかった。不快にも思わない。後ろからでも判る、彼の『感情』を察知していたからだ。
「艦娘達は兵器。それも一つの事実です。資材と時間…それに若干の運も必要ですが、同じ艦娘を何度も生み出すことも可能でしょう」
好戦的な艦娘も多い。ある意味、彼女達にもあるのだろう。この目の前の男が口にする、『誇り』とやらが。
「では何故あの時撤退した?」
「自分の中で、あの作戦は偵察戦扱いでした。所謂、威力捜索ですね。尤も、彼女達には伝えていませんが」
そう、自分は今回の作戦で勝てるとは思っていなかったのだ。
「…貴様は自分の率いている艦隊すら欺くというのか?」
「それは言葉のあやです。艦隊士気の関係上、『多分勝てないだろうが行って来い』とは言えませんから」
「貴様には海兵として『誇り』はないのか?」
「誇り…ですか」
『誇り』…その言葉を耳にし、口にすると、在りし日の記憶がよみがえる。
「それで彼女達を救えるのであれば、従っていたかもしれません」
口元が歪んでいくのが分かる。自分は今、酷い顔をしているだろう。陸奥が後ろにいてくれて助かった。
「ですが自分には、誇りの為に…名誉の為だけに彼女達を戦わせ、剰え沈めさせる、というのは、酷く恥ずべき行為だと思うのですよ、閣下。例え―――」
耳の奥が熱い。どこかで声が聞こえてくる。コレは誰の声だったか。
――――美人だろ、いつか逢わせてやるよ
――――自分がやった事は、すべて無意味だったと云うのですか?
――――貴方が!私に!人殺しをさせて来たんじゃないか!
――――誰の為に、何の為に力を振るってきたの?
――――この先に、俺の何が、誰が居ると言うんだ…
――――私は…私は貴方が良いのですよ?
自分の発したモノだったか。はたまた自分以外の誰かが口にしたモノだったか。
「そう例え、歴史と伝統が其れを許しても、自分の中にある『何か』が、其れを許容しかねるのです」
何だ、この男は。
最近、舞鶴で頭角を現している若造がいる、という話を聞いたのは少し前だ。
何でも、とある上級将官の肝煎りらしい。
上昇志向の強い彼は大いに興味を持った。自身の為に使えるものは、なんでも使おうと思っていた。
視察前の任務で、そいつは少々やらかしたそうだ。それはさぞ、天狗になっていた鼻を折られた事だろう。
丁度良い、うまい事こちらに引き込んで―――
そう思っていた。
だが何だ。この目の前にいる男は。
「―――酷く恥ずべき行為だと思うのですよ、閣下」
そう言って此方を見る。歳は30にも満たない若造だ。
だが何なのだ。こいつ、妙な『凄味』が―――
「―――自分の中にある『何か』が、其れを許容しかねるのです」
そういって嗤う奴と目が合った。背筋に冷たいものが奔る。
その目は黒くて暗く、深い闇、いや、海の底のような錯覚すら覚える。
彼は確信する。こいつは間違いなく有能だ。きっと冷静であり、冷酷であり、冷徹なのだろう。それでいて―――
こいつは、何処かが狂ってる。何処かが壊れている。
こいつは『自分の中の何か』と言った。
自分の中にある『異物』を自覚して、なおかつ平然としている奴が、正常である筈がない。
「あぁそう、大事な事を言い忘れていました」
突然、目の前の若造が『今思い出した』とでも言うように声を上げる。
その顔は先程の激情を秘めた歪んだ笑顔ではなく、酷く穏やかな微笑みだった。
「…何だ?」
「先程の閣下の発言に対してですよ。一つ、訂正しておこうと思いまして」
「訂正?」
「はい、先程閣下は仰りましたね?『欠陥戦艦の扶桑型』と」
そう言って、改めて少将に目を向ける。穏やかな笑顔は変わらない。
だが、その目には明確な『怒り』と隠しようのない『敵意』が現れていた。
「我が艦隊に、『欠陥戦艦』など存在しません」
笑顔を保ちつつ、神林は続ける。
「扶桑型戦艦の開発経緯は理解しています。時代の流れもあった」
扶桑型は日本でもかなり初期に設計・開発された超弩級戦艦である。
云わば『日本の戦艦開発の礎』であったといっても過言ではない。
そのせいか、開発後に諸々の問題が散見していた。艦橋の形であったり、主砲や機関等の配置然り。
本来それは『造り上げた者達』の責任である。造られた物に非はない。
それでも戦闘における欠点は見過ごせず、『欠陥戦艦』などと言う不名誉な称号を与えられてしまったのだ。しかし―――
「ですがそれはあくまで『戦艦』扶桑での話。『艦娘』扶桑は関係ありません」
そう、今彼の艦隊にいるのは、『戦艦娘扶桑』なのだ。
現在の彼女は間違いなくこの艦隊の核だ。性能・経験共に優秀な彼女が沈めば、間違いなくこの艦隊は瓦解する。
「もし彼女が不本意な結果を残したのであれば、それは指揮官たる私の失態です…くれぐれも、お間違えのないように」
背中に嫌な汗が流れる。気付けば、酷く喉が乾いていた。
目の前の若造が出す覇気に、呑まれ掛けていると自覚する。
それと同時に、自身の甘さを思い知った。
コイツは利用できるような存在じゃない。下手に手を出せば、此方が喰われる。
手元で飼うには、コイツの牙は危険すぎる。
それでも、自分の方が階級が上なのだ。これ以上調子に乗らせるのは気に喰わない。
乾いた舌をコーヒー(すっかり温くなっていた)で濡らし、何かを言おうとした時―――
「…いい加減黙りなさいよ」
執務室に、凛とした声が響いた。
いい加減、我慢がならなかった。
これ以上、こいつの口から何も聞きたくなかった。
自然と、陸奥の口から言葉が出ていた。
「…いい加減黙りなさいよ」
目の前の豚のような男は唖然としている。今発せられた言葉を反芻しているのか。それは牛の領分だろうに。
神林提督は大して慌てた様子はない。むしろ陸奥から見える背中は、この状況をどこか愉しんでいるようにさえ見える。
ようやく、自分に向かって言われた事だと理解した男が、顔を赤黒くして怒鳴った。
「無礼だぞ貴様!!それが上官に向ける言葉か!!」
喚く男を鼻で笑い、陸奥は続ける。
「私は長門型戦艦二番艦の陸奥。私は戦艦。私は兵器よ。人間様の階級なんて知ったこっちゃないわ」
そう、先程自分で言っていたではないか。『艦娘は兵器』だと。
階級を気にする兵器など、あるわけが無い。
「さっきから五月蝿いのよアンタ。大体何しに来たのよ。失敗した提督を笑いに来たわけ?」
「何だと貴様…!」
「おまけに私達を替えが利くだの沈んで当然だの…ふざけた事言ってんじゃないわよ」
陸奥の怒りに満ちた瞳が男を射抜く。
コイツはさっき何と言った?『轟沈が怖くて海戦など出来きない』だと?怖いに決まっているではないか。
例えば、あの時大破していたのが扶桑ではなく長門だったら。
そして万が一、提督が進撃を指示していたら。
戦闘に勝ったとしても、結果長門が沈んでいたら。
コイツは『それは仕方の無い事だった』とでも言うつもりのか?
確かに同じ艦娘を再び建造する事は可能だろう。
資源と時間、それに運(長門を複数作るにはかなりの運がいるとは思うが)があれば、長門を複数建造だって不可能ではない。
しかし、それは長門であって、長門ではない。
例え姿形は一緒だったとしても、『あの夜』に微笑みながら陸奥の話を聞いてくれた『長門』とは違うのだ。
「海戦に出た事もない小娘が生意気を…!」
…何故この男はこうも陸奥の逆鱗を触れてくるのだろう。
艤装を外しているのが残念でならない。つけていたら間違いなく撃っていた。…流石に色々と問題だろうが。執務室は意外と狭くて脆い。
「海戦に出て、結果を出せば良いわけ?分かったわ。提督!」
それまでのやり取りを面白そうに見ていた神林提督に声を掛ける。…というか、この状況を愉しむな、と思う。
特に驚くことも無く、神林は「何だ」と問う。もしかして、私が言い出すのを待っていたのか?それはそれで若干面白くないが、まぁ良い。
「私を第一艦隊…南西諸島『沖ノ島海域』の攻略艦隊に入れなさい。今すぐに」
そういって、目の前の豚男を真直ぐに見据える。…こう言う輩は口では駄目だ。結果で黙らせねばならない。
「エリ艦だかフラ艦だか知らないけど、長門と二人で残らず沈めて来てあげる」
私は誰だ?長門型戦艦二番艦『陸奥』だ。そう、日本が世界に誇る『ビッグ7』の片割れなのだ。
二人が揃って、沈めれない船など存在しない。それが私達の『誇り』なのだ。
それを聞いた神林は、小さく笑う。
「あぁ、もとよりそのつもりだ。お前は我が艦隊の誇る『ビッグ7』、むしろ長門と共に最前線にいてもらわなければ困る」
それを聞いた陸奥は満足そうに頷き、改めて豚男に宣言する。
「見てなさい、『一隻も沈めることなく』勝って見せるんだから」
「とは言ったものの、暫くは無理だろうなぁ」
「…まぁ、そうよねぇ」
視察に来たぶt…もとい少将が帰った後、陸奥の入れたコーヒーを飲みつつ二人で雑談する。
…これは何杯目だったか。あまり飲みすぎるのは良くないと思うが、やはり美味い。扶桑が淹れる緑茶とはまた違って―――
「女性と二人きりの時に、違う女の事を考えるのは感心しないわね」
「…気のせいだ」
女性とは何故こうも鋭いのだろうか?いや、自分が顔に出やすいだけか?思わず顔を触る。
一つ試してみるか。
『長門長門ながとながもん…』
「…喧嘩売ってる?」
すみませんでした。
「ともあれ、今のお前では力不足だ。暫くは演習や近海出撃で経験を積んでもらう」
「仕方ないわね…そうするわ」
確かに陸奥は現時点でも大きな戦力となるだろう。
だが、内容はどうであれ、近代改造を終えた長門達が負けたのだ。この艦隊に入って日も浅い陸奥には少々荷が重いだろう。
少なくとも、彼女も近代改造を終える位には鍛えてもらう必要がある。
「まぁ、時間はあるんだ。焦らずやれば良い」
「入渠ドックが間に合ってないんでしょ?さっさと拡張しなさいよ」
「これ以上俺に出費を強いるなよ…今でもカツカツなんだ」
だらしないわねぇ…と陸奥は焼き菓子を頬張る。…何と言うか、いつの間にやら随分と打ち解けた気がする。
彼女の中で、何かしらの踏ん切りがついたのだろう。喜ばしい事だ。
その件については、今回の視察に感謝すべきかもな、と神林は本当の意味で新たな仲間となった、艦娘の淹れたコーヒーを口にした。
自身の淹れたコーヒーを美味しそうに飲む神林提督を見る。
そこには、先程見せた激情は欠片も見受けられない。
…恐らく、長門はこういう所に惹かれたんだろうな…と思う。
先日、提督について話す長門の顔はそれはそれは穏やかな笑顔を浮かべていた。
それはもう、見ていたこっちが何だか面白くないと思う程に。
今思えば、提督を快く思っていなかった原因の半分以上がコレな気がする。…子供じゃあるまいし。
思うに、彼は何処か自分達艦娘に似ているのだろう。
何が、と問われると表現し辛い。しいて言えば、『失う恐ろしさを知っている』…だろうか。
先程の会話の際、陸奥は大して動じていなかったが、あの激情が自身に向けられていたら、果たして冷静でいられただろうか。
彼の中には云わば『冷静に統率された狂気』がある。
一体どれ程の地獄を見てくればそのような怪物を内に秘める事が出来るのか、実戦をあまり知らない彼女には想像もつかない。
そしてその狂気には、妙な『伝染力』のようなものがあるのだ。
彼の傍にいると、何処か冷静でいながら、不思議と気分が高揚してくる。あの時私が口を挟んだのも、あるいはそれの影響かも知れない。
自身を狂わされる類のものではない。むしろ不思議と安心できるのだ。
『あの人の下にいれば、少しはまともな地獄を見せてくれる』
あれは誰の言葉だったか。空母?重巡?あるいはどこぞの好戦的な軽巡だったか?
『戦争は地獄』という言葉がある。だが、彼が率いてくれる限り、違うものが見えてくるらしい。
『まぁ、私も近いうち見れるのかしら。それが楽しみだとは思わないけど』
近い将来、『激戦区』と呼ばれる海域に赴くのだ。少しは『まし』だと良いのだが。
「提督?」
目の前のカップを見詰ながら、呟く。
「…なんだ?」
コーヒーを飲みながら提督が応える。
「あの言葉…信じても良いのよね?」
陸奥は、あえて暈しながら問う。
「ふむ…それは『我が艦隊に欠陥艦は居ない』事か?」
「それもあるけど…」
「では、『お前が我が艦の誇るビッグ7』って事か?」
「それもそうだけど!」
「ならば『長門と共に』ってとこか?」
「…………」
沈黙は肯定、という事なのだろう。
「微笑ましいな。実に羨ましい」
「う、煩いわね…からかわないで」
「純粋に羨ましいんだよ。俺は兄弟が居ないからな」
少し頬を赤らめながら抗議する陸奥に対し苦笑を返す。
此処まで慕われているのだ。長門も同じ気持ちに違いない。
「いい機会だ。長門に色々教えてもらえ。どの道、艦隊再編には時間が掛かるからな」
「…他意は無いのよね?」
「他に適任が居ないんだよ。深い意味は無い」
扶桑型や伊勢型は『航空戦艦』、金剛型は『高速戦艦』な為、厳密に言うと長門型とは運用方法が違う。
というか、陸奥は素直に姉を慕うのが若干照れくさいようだ。まぁ姉に対するコンプレックスもあるのかも知れないが。
この傾向は珍しいと思えた。
基本的に、姉妹艦娘同士は友好的な傾向が強い。扶桑型や金剛型が言い例だ。…限度もあるが。
「…まぁそう言うことにしといてあげる」
「いっそ『お姉さまありがとう♪』とか言ってみたらどうだ?喜ぶぞきっと」
「な…!か・からかうなって言ってるでしょう!」
―――後日談。
「提督!陸奥が!『姉さんいつもありがとう』って!どうしよう、嬉しくて泣きそう!」
「なに!こうしちゃ居られないよ日向!」
「いや何が」
「提督…日向が冷たい…どうしよう泣きそう」
「姉さま、私達も負けていられません!」
「伊勢や長門には…負けたくないの…!」
「待って下サーイ!一番姉妹仲が良いのは、金剛型デース!」
「その通りですよ!流石ですお姉さま!」
「は、榛名達でいいのなら、お相手しましょう!」
「もう、皆さん落ち着いて…大丈夫ですか、提督?」
「…限度って、あるだろ?」
○後書き
司令室ぐっちゃぐちゃ。
いや、シリアス続いたからほのぼのに戻したくて。
長門はともかく、他の戦艦姉妹は左程キャラ崩壊していない不思議。
次回は…天龍が主役になる予定です。提督無双?になるかも。