“自称”何でも屋の幻想郷―――生活   作:牙の道化師

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待たせたな。
一応、設定はオリジナルが多い。
ただ、こんな感じかなとは思う。
原作の性格には合わせる様にしている。


宵と闇を司る者と何でも屋+a

霧の湖に続く林道―――もっとも、獣道に近い道ではあるが。

 

彼等はそんな場所に来ていた。

そして、今日は新月の夜の前日の日であった。

 

「さて、なるべく平和的に協力を取り付ける……ってのは無理か。」

 

直人は希望的観測を呟き、すぐさま否定する。

 

「一応食料とかを上げれば手伝ってくれるかもしれないわよ?」

 

交渉の上等手段を口にする鈴仙。

 

「でも……それだけじゃ足りないって言われて、食べられちゃうかもね?」

 

にやにやと告げるてゐ。

 

「女性に食べられるなら本望かなー。」

「……此処まで来ると立派としか言いようが無いわね…。」

「別の意味で言ってるんじゃない?」

「失敬な、俺だってどういう意味で食べられるか解ってるっての。」

 

直人がそう反論した時、

 

 

「それじゃあ、目の前の貴方が―――取って食べれる人類?」

 

 

彼の背後に立つ少女が尋ねた。

 

彼は振り向かず、その返答を返す。

 

「生憎と、まだ貞操を捨ててないから食べられないよ。」

「ていそう?」

「………それ以上説明したら……。」

 

鈴仙の指が、彼の股の間を狙う。

赤い目がたぎる様に燃えている。

 

「OK、冗談は置いておいてだ。」

 

彼は後ろを振り返る。

 

「何か御用かな?“妖怪のお譲ちゃん”?」

 

そして、妖怪と接触した―――

 

 

 

 

さて、この話掛けてきた妖怪の―――金髪のショートボブに深紅の瞳、その左側頭部には赤いリボンが結ばれている。

身長は低めで、白黒の洋服を身につけ、スカートはロングを履いた―――少女は、疑問符を浮かべた。

 

「どうして私が妖怪だって解ったの?」

 

不思議そうに尋ねる。

 

「簡単な事さ。まず1つ、こんな時間帯に子供が起きてる訳が無い。ましてや、こんな夜遅くに何故居るのかが理由の一つ。2つ、もし君が人間なら、先程の言葉を発言した後、冗談でしたって言えば冗談だと思うけど、君はあの言葉を言った以降にそんな発言をしていない。まぁ一番の理由は―――君が地面に足を付けていない事が妖怪だと理解したって訳さ。」

 

長々と理由を説明した。

 

「そうなのかー。」

 

何故か笑顔で返された。

 

「それで?何か用かな?もしかして、俺と一夜の過ちを「違うのだー。」………最後まで言わせてくれ。」

 

落ち込む直人。

 

「………やっぱり、ロリコン?」

「いやー犯されるー(棒)」

「…………剥ぐぞ?」

「スイマセン、調子に乗りました。」

 

gdgdである。

 

「私の目的、それは……目の前のご飯を食べる為なのだー!」

「ナ、ナンダッテー!?」

「……帰って良い?」

「ごめんなさい。」

 

………最早何も言うまい。

 

「と言う訳で……、先生!お願いします!」

「フラグっぽいから止めて。」

「兎が相手なのかー。今夜は人肉に兎鍋なのだー。」

「良い度胸ね。知ってる?追い詰められた生き物が、逆に相手を追い詰めるって。」

「の割りには、此処最近負け続きだよね?」

「そーなのか?」

「そーなんだよー。」

「(*´-`)」

 

表現出来ないほど怒り狂った鈴仙は、こう呟いた。

 

「アナタ達……マインドエクスプロージョンでボコるわ……。」

(あ、これ死んだ。)

(やりすぎちゃったウサ☆)

(え……これ、不味い?)

 

そして、弾幕ごっこ―――一方的虐殺―――が始まった。

 

 

 

数分後

 

「…………。」   チーンッ

 

物凄くぼろぼろになった宵闇の妖怪が其処に居た。

 

「ふぅ……少しだけすっきりしたわ。」

「………まぁあれだ、今度から気をつける。」

「いや、何に気をつけるのよ……。」

「とりあえず、この子起こさないと意味が無いな。」

「解ってる。てゐ、鞄の中身からあの薬とあの薬出して。」

「了解ウサ。」

 

 

 

しばらくして。

 

「うー、痛かったのだー……。」

「弾幕ごっこって始めてみたが、あそこまで壮絶な戦いなんだな。」

「違うわよ……ちょっとやりすぎたけど……。」

(今度から起こらせるラインを見極めないと……。)

「さてと、とりあえず君に用事があって来たんだ。」

「用事?」

「まぁ結果的にはだけど。その前に、君の名前は?」

「……ルーミア。」

「そうかい。俺の名は直人、自称何でも屋店長さ。」

 

何でも屋と聞いた時、少しだけルーミアが震えた。

 

「どした?」

「……それって、妖怪退治とかもするの?」

「…………もし、そういった依頼が来たとして、詳しい話を聞いて本当に被害があるなら退治するかもしれない。だけど、もし内容が違ったら、俺は放置するね。その結果誰かが“死んだ”としても、俺は知らないね。」

 

以外にも、その内容は冷酷ではあった。

 

「まぁ、出来れば誰も怪我や死ぬ事が無いに越した事はないね。妖怪の方もね。」

 

そう言って、彼は手を差し出し告げる。

 

「君の協力が必要だ、手伝ってくれないか?」

 

差し出した手は、何処か震えてる気がした。

そして、彼女は―――

 

「…………変な事じゃなければ、良いよ?」

 

その差し出した手を握り返した―――

 

 

後に、ルーミアはこう話したと言う。

 

「直人ってなんだかんだ言って“臆病”な性格なのかー。」

 

との事だ。




いよいよ序章を終わらせられる段階に入ったぜ。
感想とかください。

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