仮面ライダーを受け継ぐ者   作:剣 流星

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こんにちは、剣 流星です。

ここ一週間ばかり雨続きな上に、気温が急に下がって体調を崩しがちです。
皆さんも体調管理は十分気を付けてください。
では第60話をどうぞ。


第60話 鏡の中からの刺客!狙われたアイドル達!!⑥

亜美「これからよろしくね、セイカちゃん♪」

 

誠也改めセイカちゃん「だから“セイカちゃん”言うな!」

 

 

女装姿にセイカちゃんと名付けられ、亜美達にいじられる誠也改めセイカちゃん。

そんなセイカちゃんの姿を少し離れた所から、苦笑しながらこあはそれを眺めていた。

 

こあ(女装姿が本当によく似合ってるな~マスターは・・・・ん?)

 

 

いじられる誠也改めセイカちゃんを眺めていたこあは、セイカを見つめる、ほかの視線とは違う一つの視線に気が付いた。

 

 

四条貴音「・・・・・・・・」

 

 

こあ(あの人は確か・・・・四条貴音さんだったよね。なんだろう、さっきからマスターをじっーと見てる。この視線・・・・他の人とは違う。何か・・・マスターを監視してるかのような目つきだ。どうしてそんな目で見てるんだろう?)

 

 

こあは、自分のマスターに向けられている、貴音の監視しているかのような視線が気になり、貴音に声をかけてみた。

 

 

こあ「あの・・・・・さっきからじ~っとマスターを見ているようですけど、何か用ですか?」

 

貴音「え?いいえ、その・・・ちょっと彼の手の包帯が気になって。」

 

 

貴音はそう言ってセイカが手に巻いている包帯を指さした。

 

 

こあ「ああ、あの包帯ですか」

 

 

こあはセイカが片手の手の甲を隠すように巻いている包帯を見て言った。その包帯は、数日前に誠也の手の甲に現れた、強大な力を秘めた27の真の紋章の一つ、「竜の紋章」が二つに分かれた物の片割れ、「地竜の紋章」を隠すために巻いた物だった。

 

 

セイカ(誠也)「この包帯が気になってたんですか?」

 

 

こあ達の会話を聞いていたセイカは、貴音に対して包帯が気になってるのかと聞いた。

 

 

千早「そう言えば、私も来た時から気になってたけど、その包帯、どうしたの?ケガでもしたの?」

 

セイカ(誠也)「え~とこれは・・・その~」

 

 

セイカは千早に包帯の事を聞かれて返答に困った。真の紋章については、その秘めたる力や、その性質の事もあって、なるべく人に知られたくないと誠也改めセイカは思っていた。ましてや、自分の姉とも言える存在の千早に紋章の事で心配をかけたくないセイカは、どう答えて良いか一瞬考え込んだ後、答えた。

 

 

セイカ「(誠也)これはその・・・・料理教室の時にケガをして・・・」

 

千早「料理教室の時にケガをしたって・・・・まさか!シャマルさん達の作った料理に喰いつかれたの!?」

 

セイカ(誠也)「・・・・へ?喰いつかれた?」

 

 

予想外の答えが返ってきたので、思わず間の抜けた声を出してしまうセイカちゃん。

 

 

セイカ(誠也)「ね、ねえ・・・千早姉、喰いつかれたって、どこをどう考えたそんな発想が出てくるわけ?」

 

千早「え?違うの?私はてっきりシャマルさん達が料理教室で“また”不定形生物(クリーチャー)を作って、それに噛みつかれてケガをしたんじゃないかと思って。だってあなたが料理でケガをするなんて、予想外の事が起きてケガをしたとしか考えられないし、料理教室で予想外の事が起きると言ったら、大抵その原因はシャマルさん達のことだから、それ以外考えられないから、てっきり・・・」

 

セイカ(誠也)「ま、まあ・・・・確かに料理教室で予想外の出来事が起きると言ったら、大抵はシャマルさん達料理下手の人達が起こすバイオハザードだけどね(^_^;)まあ、時々イエス様やブッタ様が奇跡テロを起こしての騒ぎもあるけどね(^_^;)」

 

 

今まで料理教室で起きた騒ぎを思い出して苦笑いをするセイカちゃん。

 

 

春香「・・・ねえ、さっきから気になってたんだけど・・・その料理教室って、誠也くんが開いてる月二回で開いてる料理教室の事だよね。」

 

セイカ「あれ?知ってるんですか?」

 

春香「う、うん。前に千早ちゃんが教えてくれたんだけど・・・さっきから聞いていたけど、「不定形生物」だの「バイオハザード」だの「奇跡テロ」だの物騒な言葉が聞こえてくるんだけど、一体どんな料理教室なの?」

 

千早「・・・春香、あなたは知らない方が良いわ。」

 

セイカ(誠也)「・・・春香さん、世の中には知らない方が良い事もあるんだよ。」

 

 

遠くを見るような目をしながら「知らない方が良いと」と言う千早とセイカちゃん。そんな二人を見て「一体何があったんだ?!」と思う765プロの面々。そんな彼らにプロデューサーが声をかけた。

 

 

プロデューサー「はい、みんなおしゃべりはそこまでだよ。次のロケ地に行くためのバスが来たみたいだから、続きはそこでね。」

 

 

プロデューサーの言葉を聞いたセイカは、窓の外を見てた。そこには事務所の入っているビルのずぐ前にマイクロバスが止まっているのが見えた。

 

 

セイカ(誠也)「次のロケ?もう夕方ですよ?今から出発したら目的地に着く頃には夜になりますけど、夜の撮影なんですか?」

 

 

セイカは自分の側に居る春香にこの後のロケについて聞いてみた。が

 

 

春香「うん、そうだよ。夏の定番番組である“心霊特番”の撮影だよ。」

 

貴音「(ピクッ!)し、心霊・・・特番の・・・撮影?」

 

春香の言葉を聞いて反応する貴音。そんな貴音の反応に気づかずに春香は話を続けた。

 

春香「某有名な心霊現象が多発するトンネルに、私達765プロのアイドル達が、中でどんな現象が起きるのかを二人一組で順番にカメラと一緒に入るって企画みたい。」

 

貴音「し、心霊現象が起きるトンネルに・・・入って撮影・・・・・・わたくし、聞いてませんよそんな話。」

 

春香「あれ?知らなかったんですか?昨日プロデューサーさんから話があったはずですけど?」

 

貴音「き、昨日は所用で出かけていたので・・・・」

 

春香「あ、そう言えばいませんでしたね、昨日。」

 

 

昨日プロデューサーから話があった時の事を思い出し、その場に貴音が居なかった事を思い出す春香。

 

 

こあ「あの・・・なんだか顔色が悪いですけど、大丈夫ですか?」

 

 

顔を真っ青にした貴音を見て心配になり声をかけるこあ。

 

 

貴音「い、いいえ・・・だ、大丈夫です。」

 

 

そう言って、他の765プロの面々の後を追うように、外に行く貴音。体のあちこちをぶつけながら・・・・

 

 

千早「だ、大丈夫かしら?なんだか、かなり同様してるように見えたけど・・・」

 

春香「どうしたんだろうね?四条さん。」

 

 

外に出ていく時の貴音の様子を見て、心配する春香。

 

 

セイカ(誠也)「う~ん、なんだかお化け屋敷行く時の美香みたいな反応だな。ひょっとしてお化け関連の物が苦手なのかな?」

 

千早「まさか、四条さんに限って。それよりも二人はどうするの?撮影に付いてくるの?」

 

セイカ(誠也)「もちろん。ボディーガードをするって言ったでしょう?その為にこんな格好してるんだから。」

 

こあ「マスターが行くのなら、私も行きます。私はマスターの使い魔なのですから。」

 

 

千早の言葉に「付いて行く」と当然のように答えるセイカとこあ。

 

 

千早「やっぱり付いてきちゃうか。「後の事は私に任せて、あなた達は帰って」って言っても聞かないでしょうね。分かったわ。ボディーガードの件、お願いするわね。」

 

セイカ(誠也)「うん、まかしといてよ。「ただし!」うん?」

 

千早「無茶なことはしない!良いわね。」

 

セイカ(誠也)「は、はい。」

 

千早の迫力のある言葉に思わず尻込みしながらの返事をしてしまうセイカちゃん。

 

千早「よし!さあ、みんなもうバスに乗り込んでる。私達も急ぎましょう。」

 

 

そう言って千早は外のバスへと向かい、それを追うように、セイカ達も慌ててバスへと向かった。そんなセイカ達の姿を外のビルの屋上から見下ろしている二つの人影があった。

 

 

???「ジン、どうやら彼女達は撮影に向かうようですね。」

 

ジン「せやな。朝からずっとあの娘らをいっぺんにさらう隙をうかがってたけど、全員が撮影に向かうのなら、撮影先でならその機会も多いはずやな、タカヤ」

 

 

タカヤと呼ばれた、長髪の男と、メガネをかけた男の二人組は、二人共、財団Xの関係者が着る白いスーツを着ていた。

 

 

ジン「それにしても・・・あの赤毛の二人の娘ら・・・・」

 

 

メガネをかけた男、ジンは女装した誠也であるセイカとこあを目で追いながら、相棒である長髪の男タカヤに話をふった。

 

 

タカヤ「うん?先ほど事務所に入って行った二人ですね。見かけない顔ですが、765プロの者と一緒に撮影に向かうようですね。765プロに新たに入った新人でしょうか」

 

ジン「あの娘・・・・・」

 

タカヤ「あの娘?どちらです?」

 

ジン「はずかしそうにしながら、うつむきぎみに歩いている娘の方や。」

 

 

ジンはこあと一緒にはずかしそうに歩いている女装誠也であるセイカの方を指す。

 

 

タカヤ「あの娘がどうしたのです?」

 

ジン「あの娘・・・・・・・・・ワイのめっちゃ好みのタイプや♡」

 

タカヤ「・・・・・・・は?」

 

 

予想外の言葉がジンの口から出てきたため、一瞬その動きを止めるタカヤ。

 

 

ジン「新人の娘やかな?デビューはいつするんやろ?デビューしたらワイ・・・めっちゃ応援するで~♡」

 

 

セイカを見て、テンションを上げまくるジン。そんなジンをタカヤは呆れた顔で見た。

 

 

タカヤ「・・・・・ジン。私達はアイドルの追っかけをしに来たのではありませんよ。私達はリュート様の命で、「歌詩の紋章」の所持者候補である765プロのアイドル達を誘拐しに来たのですよ。我々を救い、拾ってくださったリュート様のためにも、我々はリュート様の期待に答えねばなりません。」

 

ジン「わかっとる。リュート様のためにも、期待にはきっちり答える。公私の切り替えもきっちりする。それよりほら、あの娘らバスに乗って移動するで。ワイらも後を追うで。」

 

タカヤ「・・・・そうですね。では我々も移動しましょう。」

 

 

バスで移動を開始した765プロの後を追うように屋上を後にする二人であったが、追跡をしている自分達も、実は誰かに見られていたことには気づいていなかった。

 

二人が居たビルの屋上。そこからさらに離れた場所にあるビルの屋上から、小柄な女の子と巨漢の男と言う不釣合いな二人組がジン・タカヤの二人を見ていた。二人は共に黒鳥のマークが入った黒い時空管理局の制服に身を包み、ジンとタカヤが居たビルを見て居た。

 

 

小柄な女の子「・・・監視対象は移動を開始しました。」

 

巨漢の男「そうか。美月の命令で例の「白き魔獣」を探していたら、偶然にも財団Xの親衛隊の隊員を見つけ、何をしているのかと見ていたら・・・何やら面白い物を追っているな。」

 

小柄な女の子「・・・監視対象が追っているのは、「歌詩の紋章」の所持者候補のようです。」

 

巨漢の男「なるほど、今現在行方不明の「歌詩の紋章」を見つけた時ため、すぐに回収できるよう、その器である所持者候補を探していたのか・・・・面白い!ならその所持者候補、我々がいただくとしよう!行くぞ、「瞳」いや、時空管理局特別部隊「ブラックスワン」の「アイズ中尉」」

 

目原種改アイズ「了解です「腕」、いいえ・・・「アームストロング大尉」」

 

 

財団Xの親衛隊の隊員であるジンとタカヤを追う、時空管理局のブラックスワンに所属する機界最強七原種である瞳原種と腕原種。そんな二人を無人のパトカーが後を追って行った。

 

 

???「原種二体の姿を確認。これより追跡に移ります。」

 

 

つづく

 

 

初登場キャラ出典作品

 

タカヤ(ペルソナ3)

 

ジン(ペルソナ3)

 

腕原種(勇者王ガオガイガーシリーズ)

 

瞳原種(勇者王ガオガイガーシリーズ)

 


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