仮面ライダーを受け継ぐ者   作:剣 流星

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どうも、剣 流星です。

連日の暑さで、早くも夏バテ気味です。

では、第58話をどうぞ~。


第58話 鏡の中からの刺客!狙われたアイドル達!!④

 

どこかの誰もいない路地裏。その場所に突如姿を現す二人の人物。テレポートリングで転移してきた誠也とこあである。

 

 

こあ「ここが・・・千早さんが居る「765プロ」ですか?」

 

誠也「違うよ。765プロが入っているビルの近くに有る、人通りの少ない路地裏だよ。直接跳んで行ったら騒ぎになるだろう?」

 

こあ「確かにそうですね。いきなり目の前に人が現れたら流石に驚きますもんね。」

 

 

誠也の言葉を聞いて納得しながら、歩き出す誠也の後について行くこあ。

路地裏を出て、表通りに出た瞬間、ふたりの目に一つのビルが入ってくる。一階部分に、居酒屋らしき店が入っており、まだ昼間なので準備中の看板が出ていた。その居酒屋の上の階の部分の窓に「765プロ」と書かれてあった。

 

 

誠也「あれが「765プロ」だよ。」

 

こあ「アレが・・・ですか?イメージしていた物よりも小さいですね。もっとこう・・・・バー〇ングプ〇ダクションや、ジャ〇ーズ位の大きさをイメージしてました。」

 

誠也「出来てまだ数年のプロダクションと業界最大手を比べるなよ(^_^;)」

 

 

誠也はこあの765プロを見た感想を聞きながら、ビルの一階部分にある居酒屋のすぐ横にある、二階部分へと上がるための階段をこあと共に登った。そして階段を上がり、2階部分への入口である765プロの入口にさしかかった時、突如誠也の足に「クンッ!」と何かが引っかかる感触が伝わってきた。

 

 

誠也「うん?」

 

 

誠也は足の引っかかりを感じ、すぐに引っかかった物を確認しようと足元を見た瞬間、突如頭上から何か網のような物が誠也とこあの頭上に降りかかった。

 

 

誠也「なっ!」

 

こあ「キャッ!」

 

突如降ってきた網のようなものに絡まれて、誠也とこあはいきなりの事で取り乱してしまい、そのせいで階段から足を踏みはずし、網に絡まったまま、ふたり仲良く階段の下まで転げ落ちてしまった。

 

 

誠也「痛っててててて・・・な、なんだ?・・・・網?ったく、何なんだよコレ。こあ、大丈夫?」

 

こあ「う~~、お尻打っちゃった・・・な、なんとか大丈夫です。マスターは?」

 

誠也「俺も大丈夫だよ。それにしても・・・この網、ホント何なんだ?」

 

 

網に捕縛された状態のまま、二人は互いに怪我が無いかを確認しあった後、自分たちを絡みとっている網に視線を向けた。その瞬間、数人の人影が二人を取り囲んだ。

 

 

双海亜美「捕まえたぞ!はるるんを狙う怪人め!」

 

双海真美「私達が退治してやる!」

 

星井美希「怪物退治なの♪」

 

高槻やよい「は、春香さんを守ります!」

 

 

誠也とこあを取り囲む人影。それは765プロ所属に所属しているアイドルである双海亜美、双海真美、星井美希、高槻やよいの四人だった。4人は金属バットやモップなどを手に持ち、ヘルメットなどを被って武装していた。

 

 

誠也「へ?か、怪人?」

 

美希「罠が張ってあったとも知らずに、ノコノコと入口から来たのが運の尽きなの♪」

 

亜美「もうはるるんを襲わせたりしないんだから!ここで私達が退治してやる!」

 

 

「何を言ってるんだ?」と心の中で思っている誠也を他所に、持っている金属バットを手にジリジリと詰め寄る4人。

 

 

誠也「か、怪人って・・・ちょっと待って!俺達怪人なんかじゃないよ!」

 

こあ「そ、そうですよ!よく見てください!」

 

やよい「た、確かに言われてみれば・・・」

 

真美「騙されちゃダメだよ、やよいっち!」

 

亜美「そうだよ、こういう怪人は人間に化けて騙すのが常套手段なんだから。」

 

美希「そうそう。きっとこいつらも、羽や尻尾なんかを隠してるんだよ。現にほら、お尻のあたりからシッポがはみ出てるの!」

 

こあ「えっ!?」

 

 

星井美希の言葉を聞いて、先ほどお尻を打った瞬間、隠していたジッポが出てしまったのかと思い、慌てて自分のお尻を確認するこあ。だが、そこには尻尾は無く、先ほどと同じ尻尾を隠した状態のままであった。

 

 

誠也「バカ!何反応してるんだ!」

 

 

誠也の言葉を聞いて「しまった!」と言う反応をするこあ。

 

こあ「ご、ごめんなさいマスター」

 

美希「引っかかったのね。」

 

亜美「その反応、やっぱりはるるんを狙う怪人だ!」

 

誠也「ま、待って!俺は千早姉の「弟分」の誠也って言うんだ!千早姉に会いに来たんだ、取り次いでくれ!」

 

 

誠也は襲いかかろうとする4人に、ここに来た理由を言った。だが4人は誠也の言葉を聞いて、急に怒り出した。

 

 

美希「語るに落ちるの!千早さんの「弟」は亡くなってるの!」

 

やよい「亡くなった千早さんの弟さんの名前を語るなんて許せません!それに・・・あなた女の子じゃないですか!男の子の服装していたってわかりますよ!」

 

誠也「へ?・・・・おんな・・・・のこ?ま、また女の子に間違われた」

 

 

女の子と間違われて落ち込む誠也。そんな誠也を他所にジリジリと誠也達に持っている武器で襲いかかろうとする4人。」

 

 

亜美・真美・美希・やよい「「覚悟なの(です)!」」

 

 

こあ「ま、マスター!落ち込んでる場合じゃないですよ!」

 

誠也「へっ?あ・・・・い、いやちょっと待って!俺は男だ!それに「弟」じゃなくて「弟分」だって・・・う、うわあああああああっー!」

 

こあ「きゃーっ!」

 

 

怒ってバットを振り下ろす4人。誠也はとっさにこあを庇い、4人の攻撃からこあを守る。そんな時、765プロの方から二人の人物が出てきて、誠也達に襲いかかっている亜美達に声をかけてきた。

 

 

天海春香「み、みんな何やってるの?!」

 

如月千早「い、一体何なの?この騒ぎは?!」

 

 

亜美「あ、はるるん出てきちゃダメだよ!」

 

真美「今はるるんを狙っていた怪人を退治している所なんだから。」

 

春香「へっ?私を狙っている・・・」

 

千早「・・・怪人?」

 

 

真美の言葉を聞いて、4人が囲んでいる人物に視線を向ける春香と千早。

 

 

誠也「千早姉!この子達止めて!」

 

千早「へっ?せ、誠也!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小鳥「鳴海誠也くん。千早ちゃんが765プロに来る前にお世話になっていた鳴海家の長男。母親は誠也くんが赤ちゃんの時に、通り魔に襲われて既に亡くなっていて、今は探偵をやっている父親である「鳴海誠司」さんと実の姉である「京香」さん。それと従姉妹である「悠菜」ちゃんと同じく従妹の「霞」ちゃんとの5人暮らし。千早ちゃんとはお母さん同士が学生時代からの付き合いで、その伝で誠也くん達とは小さい頃からの付き合いがあったの。いわゆる「幼馴染」ね。で、そんな間柄だから、千早ちゃんにとって誠也くんはもう一人の弟と言ってもいい存在なのよ。」

 

 

菊池真「へ~、それで「弟分」なのか。」

 

 

765プロ内で事務員である「音無小鳥」から誠也の事について説明を聞く菊地真を始めとした765プロの面々。そんな765プロの面々を見ながら、誠也はソファーに座って殴られた傷の手当てを千早とこあにしてもらっていた。

 

 

誠也「痛ってててて・・・」

 

こあ「あ、動かないでくださいマスター。治療ができません。」

 

千早「大丈夫?誠也?」

 

誠也「大丈夫大丈夫。殴られた所がちょっと痣になったぐらいで、たいしたことないよ千早姉。それよりこあの方はケガは無かった?」

 

こあ「はい。マスターが庇ってくれたおかげで、階段から転げ落ちた時、お尻を打ったぐらいで他はケガはありません。」

 

誠也「そっか、良かった。」

 

 

こあにケガが無い事にホッと胸をなで下ろす誠也。そんな誠也の耳に「秋月律子」とプロデューサーによる、先ほど誠也達を襲った4人に対しての説教が聞こえてきた。

 

 

律子「まったく!お客様を罠にはめて、あげくの果てに4人でボコるなんて、一体何考えてるの!!」

 

亜美「そ、その~、「はるるん」を狙ってた怪人を私達で退治しようとしたんだけど・・・・」

 

プロデユーサー「はあ?怪人を退治する?」

 

真美「うん。入口に罠を仕掛けて、かかった所をみんなで袋叩きにするんだよ♪」

 

律子「「するんだよ♪」じゃ無い!入口に罠を仕掛けるんなんて何考えてるの!!関係ない他の人がその罠にかかったらどうするつもりだったの!!」

 

美希「そこはちゃんと考えてたよ。今日はお客様が来る予定は無かったし、みんなが出かける時は、その度に罠を外してたから他の人が罠にかかる心配は無いの♪だから大丈夫なの♪」

 

プロデューサー「大丈夫じゃ無いだろう・・・・現に誠也くん達が罠にかかっただろ?それにその対応じゃあ急なお客様に対しては対応できてないじゃないか。」

 

 

額に指を当てながら、頭痛がしてきたような顔をしてタメ息をするプロデューサー。

 

 

律子「大体、なんで自分達で怪人をしようって考えになったのよ!危ないでしょうが!」

 

亜美「そ、その~実は千早お姉ちゃんから怪人を倒す「仮面ライダー」の話を聞いて・・・」

 

真美「その話を聞いているうちに、真美達も「仮面ライダー」みたいになりたいな~て。」

 

美希「それで、やよいを誘って怪人退治をしようって事になったの♪」

 

やよい「う~、すいません。止められなくて、そのまま巻き込まれました・・・」

 

 

得意満面な顔をして話しをする亜美達3人と、申し訳なさそうな顔をするやよい。

 

 

律子「はぁ~、なんでそこで怪人退治をしようって考えになるのよ・・・」

 

 

額に手を当てて盛大にため息をはく律子。

 

 

美希「それにしても・・・・以外だよね。まさか千早さんが話してくれた、怪人を退治している「仮面ライダー」の鳴海誠也がこんな女の子みたいな「男の娘」だったなんて。」

 

誠也「誰が「男の娘」だ!って・・・・ちょっと待った!今聞き捨てならない事が聞こえたんだけど!俺が仮面ライダーだという事を千早姉から聞いた?それに・・・さっきから怪人がどうだとかって・・・一体どういう事なの千早姉?」

 

 

亜美達の説教を聞いていた誠也は、その会話の中に出てきた「仮面ライダー」の正体が誠也であるということを千早から聞いたと言う事に驚き、さらに先程から怪人がどうだとかと言っていることについての理由を、自分の側にいる千早に対して誠也は聞いた。

 

 

千早「え、え~と・・・その~~、実はね・・・・」

 

 

バツの悪そうな顔をしながら千早は、誠也の目から背けながら事情を話した。

 

 

 

誠也「・・・・・なるほど、そんな事があったのか。だから霞にデッキを持ってきて欲しいって頼んだんだね。」

 

 

誠也は千早からこれまでの事、ミラーモンスターに襲われた事、ミラーモンスターに襲われた事により、「765プロ」のみんなが不安になり、怯え始めてしまったこと、そのみんなを励ますために誠也達「仮面ライダー」の事を話した事などを話した。

 

 

こあ「ミラーモンスターに狙われたんじゃあ不安にもなりますよね。鏡のように反射する場所から自由自在に出入りして人を襲うミラーモンスター・・・そんな神出鬼没な怪物に狙われたんです、不安になった皆さんを安心させるために、仮面ライダーのことを話すのも、しかたないですね。」

 

千早「その・・・ごめんね。仮面ライダーの事を話て、みんなを安心させようとして、ついうっかり誠也が仮面ライダーの一人だってって話しちゃって。」

 

 

申し訳なさそうに誠也に謝る千早。

 

 

誠也「別に良いよ。いまさら喋った事に対して色々言ったったしょうがないし、それに・・・・俺自身、人の事をどうこう言えないからね(^_^;)」

 

こあ「それもそうですね。ここの所最近、色々な人達に秘密がバレてますもんね。確か皆神さん兄妹に翔子さん。銀子さんに奏さんやカズミさん達、それに村上さん・・・結構いろんな人達にバレてしまいましたもんね。」

 

千早「えっ?さくや達にも正体バレちゃったの?!」

 

誠也「その~・・・うん。」

 

千早「・・・はぁ~・・・何やってるのかしらね私達。揃って秘密を知られるなんて・・・」

 

誠也「だね。ちょっと弛んでたのかもしれないね。あ、そうだ。頼まれてたデッキ、渡しておくよ。」

 

 

誠也は千早に頼まれていたデッキを渡すため、コネクトウィザードリングを指にはめた後、一瞬だけ考え込んだ後。「ま、正体バレてるんだし、使っても大丈夫か」と言って腰のベルトのバックルにリングかざした。

 

 

電子音声『コネクト!プリーズ!』

 

 

辺りに電子音声が鳴り響くと、誠也の目の前の空中に魔法陣が現れ、誠也は魔法陣に手を突っ込み、中から一つのデッキを取り出した。

 

 

プロデューサー「なっ!?」

 

律子「なに・・・あれ?」

 

真「な、なんだなんだ今の!?」

 

響「な、なんか空中に魔法陣みたいな物が!?」

 

雪歩「も、もしかして・・・魔法?」

 

伊織「魔法ですって?!」

 

やよい「うわ~魔法だ!」

 

あずさ「あら~、すごいわね~。」

 

亜美・真美「「魔法だ!すごーーい!!」」

 

美希「魔法なんて初めて見たの!すごーい!!」

 

貴音「・・・・・・・・・・」

 

 

誠也の魔法を見てそれぞれ驚く765プロの面々。そんな面々の目の前で、誠也は千早に取り出したデッキと、一つのウィザードリングを手渡した。

 

誠也「はいコレ。頼まれてたデッキ。それと・・・・カナリヤに頼んで作ってもらった改良型のテレポートのウィザードリングだよ。」

 

千早「え?改良型のウィザードリング?」

 

誠也「うん。この改良型のテレポートのウィザードリングは、俺のようなウィザードドライバーを持っていない人でもテレポートの魔法が使えるように改良されたウィザードリングなんだ。」

 

千早「え?ドライバー無しでも使えるウィザードリング?」

 

誠也「うん。この改良型のリングは指輪内の、貯められた魔力を使うことにより魔法を発動させることができる物で、指輪をはめた人物が、一度でも行った場所を思い浮かべて念じると、その場にテレポートで行けるようになってるんだ。」

 

千早「へ~、ずごく便利な物ね。でも・・・どうしてこれを私に?」

 

誠也「千早姉、鳴海の家を出て行ってから、忙しくて帰ってこれないでいたでしょう?おかげで霞や裕奈姉、「ぷち」ちゃん達なんかが寂しがって。だから家にいつでも帰れるようにするためにこの指輪をカナリヤに作ってもらったんだ。」

 

千早「そうだったの・・・ごめんね、なんか霞達に寂しい想いをさせちゃったみたいだね。」

 

 

申し訳なさそうな顔をする千早

 

 

誠也「そう思うんだったら、これからはそれを使って、たまには帰ってきて顔を見せてあげて。」

 

千早「ええ。これからはそうするわ。」

 

誠也「うん、そうしてあげて。それよりも、ミラーモンスターについてなんだけど、デッキを持ってきてほしいって言ってたって事は千早姉、一人でどうにかするつもりだったの?」

 

千早「え?うん。だって誠也達も色々と忙しそうだから、私一人で解決しようって思って・・・」

 

誠也「別に遠慮することなんて無いって。俺は千早姉の弟・・・家族なんでしょう?だったら遠慮せずに頼ってよ。」

 

千早「誠也・・・・ありがとう。」

 

 

誠也の言葉に笑顔で答える千早。誠也はそんな千早に「どういたしまして」と答えた。

 

 

誠也「さて、じゃあミラーモンスターへの対策だけど、やっぱり狙われている人の側に居てボディーガードとして守るのが一番なんだけど・・・それだとちょっと問題が有るんだよね。」

 

こあ「問題・・・ですか?」

 

誠也「ああ。ボディーガートとは言え、年頃でアイドルであるみんなの側に、俺のような年頃の男が居たとなると、マスコミの連中が何やら変な記事を書いて騒ぎ立てるかも知れないだろう?」

 

 

誠也は以前、千早が実の弟の事故の事について記事にされた時の事を思い出し、同じように今回の事も記事にされるのではと懸念した。

 

 

プロデューサー「あー、確かに有り得そうだな。」

 

誠也「皆さんアイドルだし、そう言うのはなるべくは避けたいでしょう?それに、もしまた以前あった例の事件と似たようなことが起きたりしたて、千早姉を傷つける記事なんて書かれた日には・・・その記事を書いた出版社がゲキド街の住人達の手によって火の海にされかねないしね。」

 

千早「えっ?火の海って・・・・どういう事?」

 

誠也「以前、例の千早姉の記事が書かれた時、その記事を読んだ旧ゲキド街の住民達が完全武装して、記事を書いた出版社に殴り込みしようとしてたんだ。まあ、ゲキド街の人達って、初音先輩や亞北先輩を筆頭に千早姉のファンが大勢いたからね。」

 

どこか遠い所を見るような目で見ながら昔に事を思いだし語る誠也。ちなみに殴り込もうとしていた住人達は、誠也の必死の説得で納得し、殴り込みは未遂に終わってます。

 

 

千早「え?未来(ミク)や亞北さんを筆頭に?未来(ミク)はともかく、なんで亞北さんが?」

 

 

千早は誠也が上げた二人の人物の内の一人、亞北音流(あきたネル)の名前に首をかしげた。

亞北音流(あきたネル)は、最近鳴海荘の管理人である幽霊の「あやめ」の手伝いをしてくれている「ぷちミク」こと初音美空(はつねミク)の姉の一人、初音未来(はつねミク)と同じ、千早がまだ鳴海家に居た時に通っていた白城学園でのクラスメイトで、同じ合唱部の部員でもあった人物である。音流(ネル)は同じクラスメートで有り、同じ合唱部部員でもある未来(ミク)と違って仲が良いと言うわけでは無く、それどころ歌の方向性で何度もぶつかっていた人物であった。そのせいで、千早は自分は音流(ネル)には嫌われていると思っていたのである。

 

 

誠也「亞北先輩は別に千早姉を嫌ってなんていないよ。歌の方向性でぶつかる事はあっても、千早姉の事はちゃんと認めてたんだ。」

 

千早「あ・・・・そうだったんだ。認めて・・・・くれてたんだ。」

 

 

音流(ネル)が自分の事を認めていたと言う事を聞いて、千早は嬉しいと素直に感じて微笑んだ。

 

 

伊織「ね、ねえ・・・・さっき物騒な言葉が聞こえたんだけど・・・完全武装だとか、火の海だとか・・・・どういう事?」

 

千早「え?あー、その・・・・」

 

 

先ほど誠也の口から出た言葉の中にあったいくつかの物騒な言葉について千早に聞く伊織。千早はどう答えたらいいかと思い口を濁す。

 

 

誠也「俺の家がある遠羽市には、合併吸収して遠羽市の一部になった特殊な街であったゲキド街って所があるんだけど・・・その街はちょっと変わっててね・・・」

 

伊織「変わってる?」

 

誠也「ええ。街の住人は全員が何かしらの重火器を携帯していて、常日頃日それらを使った銃撃戦が起きてるような非常識な街なんですよ。なんせ、「Gが出た!」って騒いだら、その周りにいる住民全員が重火器でGをぶっ飛ばそうとする所ですからね。」

 

伊織「はあ?銃撃戦!?ちょっと!そこ日本なんでしょう?なんで住民が重火器なんて携帯してるの!?って言うかGを相手に重火器をぶっぱなす?!」

 

誠也「はははは・・・まあその反応が普通ですよね。でも、あの街は常識が通じない街なんですよね。なにせ「銃刀法違反?何それ美味しいの?」って素で言っちゃう所なんですよね~」

 

 

雪歩「何ですかそこ」(^_^;)

 

真「物騒な所だな~」

 

誠也「おっと、話がそれましたね。とにかく、男の俺が皆さんについて歩いたら、色々とまずいって事です。かと言ってミラーモンスター相手に戦える女性のライダーである裕奈姉は旅行から帰ってきてないし、どうするかな~」

 

 

問題について一人考え込む誠也。

 

 

???「話は聞かせてもらったわ!ここは私に任せなさい!」

 

誠也「えっ?」

 

 

突如あたりに響く声に驚き、その声の主に対して誠也達は一斉に顔を向けた。

 

亜美「ピヨちゃん?」

 

 

全員の視線が集まるその場所。その場所には765プロの事務員の一人である音無小鳥(おとなしことり)が立っていた。

 

 

音無小鳥(おとなしことり)「私にいい考えがあるわ!」

 

春香「いい考え・・・ですか?」

 

音無小鳥「ええ。と~~~ってもいい考え♪うふふふふ♡」

 

誠也「な、なんだ?なにか・・・悪寒が・・・」

 

 

不気味な笑いをしながら誠也を見る音無小鳥を見て、言い知れない悪寒に襲われる誠也。そんな誠也を、来た当初から黙って見続ける一つの視線があった。

 

 

四条貴音(・・・・あの子。もしかして・・・・)

 

 

 

つづく

 

 

 

初登場キャラ出典作品

 

音無小鳥(おとなしことり)(アイドルマスター)

 


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