仮面ライダーを受け継ぐ者   作:剣 流星

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どうも、剣 流星です。
エミルクロニクルオンラインが8月いっぱいでサービス停止になると知ってかなりショックを受けています。
一時期クジで10万円近くつぎ込んだ事だけあってショックはでかいです。
この作品にもエミルクロニクルの話しを盛り込んであるますが、サービスが停止するからといってその部分を削ることはしません、そのため、今はエミルクロニクルの資料を探してかき集めて保存しているところです。
まあ、それはさておき、第57話をどうぞ



第57話 鏡の中からの刺客!狙われたアイドル達!!③

誠也「水蛇(ミズチ)探しを手伝って欲しい?」

 

 

祭りあった翌日。午前中に祭りの後片付けをした後、明日、こあと共に出ていく為の準備を岩永家の客間でしたいた誠也の元に銀子が訪ねてきた。

訪ねてきた要件は、銀子が今追っているこの村一帯に潜んでいた怪物・山童の最後の一体である水蛇(ミズチ)を探す手伝いをして欲しいと言うものだった。

 

 

 

銀子「そう。こうちゃん達が夏休みの間、この皆神村に居る時だけでいいの。こっちに居る時間を延長して、水蛇(ミズチ)探しを手伝ってくれないかな?こんなこと頼めるの、私の事情を知っている誠也くん達ぐらいなの。引き受けてくれないかな?」

 

 

銀子の頼みごとを聞いて誠也は考えを巡らせた。誠也自身、この話を受けても良いかと思っていた。銀子には真の紋章について教えてもらった恩もあるし、何よりも最後の山童・・・水蛇(ミズチ)のような危険な生き物を放っておく事を、誠也は出来ないと思っていた。

 

 

誠也「・・・分かりました。夏休みの間、孝介さんが皆神村を出るまでならお手伝いをします。俺自身も、水蛇(ミズチ)のような危険な物、放って置くことはできないって思ってましたしね。」

 

銀子「ありがとう、助かるわ。」

 

誠也「いえいえ。しかし・・・水蛇(ミズチ)を探するとなると、この後計画してる、みんなで海に行く計画を中止しなくちゃならないかな~。」

 

銀子「え?海に行く計画?」

 

誠也「ええ。実は、村を出ていく前に知り合いや友達。お世話になった岩永家の人達や、孝介さん達と一緒に、俺の祖父が今度新しく作った海沿いの旅館に招こうと思っていたんですけど・・・水蛇(ミズチ)を探しをするならそっちを中止して、水蛇(ミズチ)探しに集中した方が良いと思って。」

 

銀子「へ~、そんな計画立ててたんだ。ひょっとして、その旅行に行くメンバーの中に、私や翔子ちゃんも入ってるのかな?」

 

誠也「え?ああ、もちろんですよ。二人にはこの村で色々と助けてもらいましたからね。」

 

銀子「そっか・・・・・じゃあ、せっかくだし、水蛇(ミズチ)探しは後回しで、その旅行の方を優先して。」

 

誠也「え?良いんですか?」

 

銀子「いいのいいの。私も海沿いの旅館に泊まってみたいし。それに、そう簡単に見つかるやつでも無いしてね。(それに、せっかく翔子ちゃんの、誠也くんとの思い出を作る良い機会を無くしちゃ本末転倒だしね)

 

 

銀子は誠也に対して「いいのいいの」と言いながら頭の中で、誠也を水蛇(ミズチ)探しに手伝ってもらうためのもう一つの理由について想いを巡らせていた。銀子は、翔子が誠也が村を夏休みが終わる前に出て行くと聞いて落ち込んでいた。翔子としては夏休みが終われば居なくなると知っていても、やはり誠也とはできる限り一緒にいたいと思っていた。そんな翔子の想いを察して、銀子は誠也をもう少しだけ村に居られる理由として水蛇(ミズチ)探しの手伝いを頼んだのである。

銀子としては水蛇(ミズチ)探しを手伝ってくれるのなら助かると思ってはいるが、誠也には水蛇(ミズチ)探しよりも、翔子との思い出作りを優先してもらうつもりでいた。だが、その思いで作りにぴったりのシチュエーションである海への旅行がるのなら、そっちを優先してもらおうと思っていた。

 

 

誠也「・・・分かりました。なら旅行は予定通りに「~♪~♪」って、俺の携帯?誰からだろう?」

 

 

突如響いた聴き慣れた自分の携帯の着信音を聞き、誠也は自分の携帯を取り出し、誰からかかって着たかを確認した。携帯には「霞」の名前と携帯の番号が出ていた。

 

 

誠也「霞からだ・・・なんだろう?はい、もしもし?」

 

霞『あ!お兄ちゃん?今良い?』

 

誠也「ああ。別にかまわないけど・・・どうしたんだ?」

 

霞『うん、実はお兄ちゃんに相談したい事があって。』

 

誠也「相談したいこと?」

 

霞『うん。実は・・・・・・・・・・』

 

 

誠也「かなで達の家族をさがして欲しい・・・か」

 

ラボの廊下を歩きながら、誠也は霞から相談された事について考えていた。

霞からの携帯での相談とは、かなでを始めとした魔女の少女達の家族を探して欲しいと言う物だった。数日前のあの真の紋章についての事を銀子から聞いた日、魔女の一人であるカズミが実は誠也の幼馴染であるはやての従姉妹であった事が判明した。それを見て、他の魔女の少女達も、自分の家族について考えるようになり、出来ることなら家族に会いたいと思うようになったのだと言う。霞はその事をかなでから聞いて、霞自身もかなで達の家族を探してあげたいと思い、誠也に相談したのだという。

誠也は、その事については霞と同じで探してあげたいと思っていた。そこで、まず最初にかなで達から、その家族を探す為の手がかりを聞くため、こあと共にラボに集まっているかなで達の元へ、テレポートリングを使って皆神村からラボへと向かったのであった。

 

 

誠也「かなで達の家族を探す事には賛成だけど・・・見つけるのは難しいだろうな。さらわれたのが小さい頃で、しかも当時の記憶が曖昧じゃあな」

 

こあ「そうですね。でも・・・見つかって欲しいです。家族と引き離せれたままなのは・・・悲しいことですからね。」

 

 

実感のこもった声で言うこあ。こあ自身も以前、異世界・・・エミルクロニクルの世界に飛ばされてしまい、家族と離れ離れになった事があるだけに、家族に会いたいという気持ちは痛いほど分かっていた。そのため今回のかなで達の家族探しも、できる限り手伝ってあげようとこあは思っていた。そんなこあの顔を、横から歩きながら見ていた誠也は、前方への注意がおろそかになっていたため、曲がり角から歩いてきた人物に気づかないでいた。

 

 

ドンッ!

 

 

???「キャッ!」

 

誠也「うわっ!」

 

こあ「マスター!?」

 

曲がり角から出てきた人影とぶつかり、ぶつかった拍子でお互い尻もちをついた。

 

 

誠也「痛っ!ごめん、考え事してて、大丈夫です・・・か・・?」

 

 

腰をさすりながら、ぶつかった相手に謝りながら相手の顔を見た。このラボに居るのだから、知り合いだろうと思いながら相手を見た誠也だったが、相手の顔を見た瞬間、その動きを止めて相手を警戒した。なぜ誠也は相手を警戒したのか。それは、相手が全く知らない人物だったからである。

ぶつかった相手は、15~6歳の女の子で、コンパニオンのような格好で、頭に発光する大きなリボンと、イヤレシーバーのような物を身につけていた。

 

 

少女「あ、申し訳ございません!この場所が珍しく、夢中で見て回っていて前方不注意になってしまい、ぶつかってしまいました。本当に申し訳ありません。」

 

 

ぶつかった少女は、すぐに立ち上がって、誠也相手にペコペコと頭を下げて謝りだした。誠也達は突然ペコペコと頭を下げられて謝られて呆然としていた。

 

 

こあ「あの・・・あなたは?」

 

少女「あ、申し遅れました。私、チェイスさんのお使いで、ここに居るカナリヤ様にお届け物を持ってまいりました、「ほしのゆめみ」と申します。」

 

誠也「カナリヤに届け物って・・・君は、カナリヤの「お、なんだ・・・まだ帰ってなかったのか、ロボッ()」って、モモタロス?」

 

 

聞こえてきたモモタロスの声を聞いて、声のした方向を向く誠也。そこには、このラボで寝泊りをしているモモタロスが居た。モモタロスはこの世界に来た日から、このラボで寝泊まりしていた。モモタロスはこの世界のラボ以外の場所では「電王の世界」の時のように実態を保てなく、仕方なく実態を保てるこのラボで寝泊りをしてもらっていた。

 

 

誠也「モモタロス、この人知ってるの?」

 

モモタロス「ああ。今、新組織立ち上げの為にお前の祖父さんの所に行ってもらっている協力者の一人なんだと。今日、カナリヤに届け物をする為にここに来たんだとよ。」

 

誠也「新組織立ち上げのための協力者か。ところで、さっきのロボッ()ってどういう意味?」

 

モモタロス「ああ。こいつ、ロボットなんだとよ。」

 

誠也・こあ「「ロボット?!」」

 

 

モモタロスの口から、ゆめみがロボットだと告げられて、声を揃えて驚きの声を上げる誠也とこあ。

 

 

こあ「ロボット・・・なんですか?私には人間にしか見えませんけど・・・」

 

誠也「ほ、本当にロボットなの?」

 

ゆめみ「はい。もっとも、正確に言うと、「元」が付きます。今の私は半分機械生命体である「ロイミュード」ですので、「クリフ様」流に言えば「ハーフロイミュード」なのだそうですけど。」

 

誠也「ハーフロイミュード・・・ね。」

 

こあ「すごい、まるでエミルクロニクルの世界のDEM族みたい」

 

 

ゆめみの言った言葉をつぶやくようにして言う誠也と驚きながらかつてエミルクロニクルの世界でであった機械族のDEM族の事を思い出すこあであった。

 

 

モモタロス「おい、それよりもロボッ()。お前、カナリヤから届け物を渡されたんだろう?早く向こうに戻らなくて良いのか?」

 

ゆめみ「あ!そうでした。私、お届け物をしなくちゃならないのでした。申し訳ございませんが、私はこれで失礼します。」

 

 

誠也達に「ペコリ」と頭を下げた後、この場を立ち去るゆめみ。そんなゆめみに背中を黙って見送っていた誠也達にモモタロスが声をかけてきた。」

 

 

モモタロス「お前らも、なんか集まって話し合いをするんだろう?魔女の嬢ちゃん達が集まって待ってたぞ。」

 

誠也「あ、そうだった。じゃあ俺達もこれで。こあ、行こう。」

 

こあ「あ、はい。では失礼します。」

 

モモタロス「おう、しっかりな。さっとて俺はこれから飯だ。さ~メシメシ♪」

 

 

「メシメシ♪」と言うモモタロスに見送られて、誠也はかなで達が居るであろう会議室へと向かった。廊下を進んで会議室の扉を開き、中へと入る誠也。会議室の大テーブルの周りには、かなで達魔女の少女達6人と、かなでとカズミの付き添いなのか、霞とはやての姿が有り、みんな紅茶を飲みながら誠也達を待っていた。

 

 

かなで「誠也くんの巫女服姿♥ハァハァハァ・・・(携帯内にある誠也の巫女服姿の画像を見ている)」

 

 

若干一名、違うことをして待っているみたいだが・・・・

 

 

誠也「みんな揃ってるみたいだね。俺達で最後かな?」

 

 

興奮しているかなでの姿を見て「見なかったことにしよう」と心の中で思い、無視して会議室内に居るメンバーに声をかける誠也。

 

 

はやて「そうやで。あ、ちなみに私と霞ちゃんはかなでさんとカズミちゃんの付き添いやで。」

 

誠也「付き添いね。あれ?こういう時にはいつも付いてきている竜輝と良太先輩がいないな。二人共どうしたんだ?」

 

はやて「あー、竜輝くんはね、昨夜・・・カズミちゃんが夜這いをする為に、裸で竜輝が寝ているベットに突入して、それで・・・・・」

 

誠也「鼻血で大量出血して、今は寝込んでるってことね・・・何やってるんですかまったく。」

 

 

呆れた顔でカズミを見る誠也に対して、その視線から逃れるようにバツの悪そうな顔をしながら背けるカズミ。

 

 

寧子「村上くんは家庭教師のアルバイトがあるから行けないって連絡があったわ。」

 

誠也「家庭教師のアルバイトか。さすが定期テストで毎回上位に名前が上がっている先輩だね。」

 

 

誠也とこあは竜輝達が来れない理由を聞きながら、会議室の自分に用意された席へと腰を下ろし、席の前のテーブルに置かれていた自分の分の紅茶に口をつけて飲んで人心地をつけた。

 

 

誠也「じゃあ、早速話を聞かせてもらえませんか?後・・・かなで、いつまでもだらしない顔で携帯を見てないで、しまって顔を元に戻して。」

 

 

誠也は今だにだらしない顔をしながら「でゅふふふふ♥」と不気味に微笑みながら、口の端からヨダレを垂らしているかなでに注意した。

 

 

霞「ほら、かなでちゃん。お兄ちゃん来たよ。口のヨダレを拭いて携帯しまって。」

 

かなで「でゅふふふふ♥って・・・へ?誠也くん・・・来たの?」

 

誠也「うん、ついさっきね。」

 

かなで「・・・・・・・・・・・・(バッ!)」

 

 

誠也の姿を見て、慌て口元のヨダレを拭き、姿勢を正して何事もなかったかのように振舞うかなで。そんなかなでを見て、「いまさら取り繕ってもな~(^_^;)」と思いながら誠也は話を始めた。

 

 

誠也「え~と、話は一応聞いているけど、みんなの家族を探して欲しいってことだよね?」

 

寧子「ええ。カズミちゃんとはやてちゃんが親戚だって事が判明してから、私達・・・自分の家族の事を考えるようになったの。」

 

かなで「私達にも研究所に捕まる前には家族が居たはずだと、カズミちゃんとはやてちゃん達を見て思って・・・そしたら急に会いたいって思えてきたの。」

 

誠也「なるほどね。まあ、いいんじゃないかな。そういう考えができるようになったのも、鎮死剤の問題も解決して、余裕ができたからだろうね、いい傾向だよ。でも・・・探すにしても、みんな捕まる前の記憶、結構曖昧なんだよね?」

 

佳奈『ええ。私達全員、捕まる前の事・・・・家族の事についての記憶は曖昧よ。殆ど断片的なことばかりで・・・・でも・・・・・それでも会いたいわ。』

 

千絵「だから私達、自分が覚えてる断片的な過去の記憶から家族を探そうって思って、覚えていることを書き留めてまとめておいたの」

 

小鳥「ここに、その覚えている事のまとめがあります。これで・・・どうか私たちの家族を探してください、お願いします!」

 

 

頭を下げながら小鳥は、一枚一枚の紙に名前と、その人物の覚えている事を書き留めた用紙を誠也に差し出した。

 

 

誠也「これが・・・皆さんが覚えている事について書き留めた物ですね。」

 

 

誠也は受け取った用紙を一通り目を通した。

 

誠也「黒羽 寧子(くろは ねこ)橘 佳奈(たちばな かな)鷹鳥 小鳥(たかとり ことり)、うん?冷泉 奏(れいぜい かなで)水谷 千絵(みずたに ちえ)?へ~、二人の苗字、初めて知った。」

 

かなで「初めて?あ、そう言えば、私達の苗字、教えてなかったね。」

 

千絵「そうだね。ちなみに・・・決っして、今まで教えてなかったのは、苗字が公式で無かったからではないからね!ホントだからね!」

 

誠也「メタ発言やめてください(苦笑)え~と・・・どこまで読んだんだっけ。寧子さんは男の子の同い年の幼馴染が居て、佳奈さんはお姉さんが居ると。小鳥さんには頭の良いお兄さんが居て、かなでには妹が居る。そして千絵さんにはお姉さんとプログラミングが得意な従姉が居るか・・・・この名前、捕まる前から使ってた物ですよね?研究所で名付けられたり、脱出して潜伏していた時に名乗ってた偽名とかじゃ・・」

 

佳奈『いいえ、偽名とかじゃないわよ。そもそも研究所では私達、番号で呼ばれてたから、その名前は本名なはずよ。』

 

誠也「本名か・・・・・う~ん、とりあえずここ十年、国内で行方不明になったり死亡したりした女の子を中心に探して、そこからはこの情報を頼りに絞り込んで、後はしらみつぶしに探すしかないか。」

 

こあ「しらみつぶしにって・・・マスター、それだとかなり大変になるんじゃ・・・」

 

誠也「うん。人手が要るよ。こりゃお祖父ちゃんにまた頼らなきゃならなくなるな。」

 

霞「やっぱり、乃木坂のお祖父ちゃんに頼らなきゃダメか。」

 

誠也「気が引けるけど、背に腹はかえられないよ。早速お祖父ちゃんに話してみるよ。」

 

 

そう言って、誠也は持っている資料を手にしながら席を立ち、こあも続いて立って共に部屋を出ようとした。

 

 

霞「あ、待ってお兄ちゃん。さっき千早お姉ちゃんから私の携帯に電話があって。」

 

誠也「千早姉から霞の携帯に?珍しいな、いつもは悠菜姉の携帯にかけてくるのに・・・・」

 

 

誠也は普段はかけて来ない霞の携帯に千早がかけてきた事に対して疑問を持った。

千早姉こと、如月千早は、誠也達は姉と呼んでいるが誠也達の姉と言う訳ではない。一年半前まで誠也達の家である鳴海家で、一緒に暮らしていた中で、共に暮らしているうちに姉と呼ぶようになったのである。

 

誠也が小さい頃、悠菜の実家である藤堂の家に引き取られていた頃、藤堂の家の隣に住んでいて、その経緯で誠也は千早と知り合った。

 

悠菜とは幼馴染であった千早とは、悠菜を通して良くしてもらい、誠也と一歳年上の弟・優共々、実の弟のようにしてもらっていた。誠也にとって、千早は血こそ繋がっていないが、実の姉と言っても過言ではない存在で、千早にとっても誠也はもう一人の弟と行ってもいい存在であった。

 

そんな千早ではあるが、今は鳴海の家を出て一人暮らしをしている。理由は765プロと言う芸能プロダクションでアイドルをやるためである。そんな千早から電話があったと聞いて、誠也は何かあったのかと心配になった。

 

去年、千早は過去にあった実の弟・優が亡くなった事故について、ある雑誌に書かれてショックを受けて一時は自宅に引きこもってしまという事があった。今はその事について、誠也が届けた優のスケッチブックと、765プロ全員のおかげで、乗り越えたのである。

 

 

誠也「・・・・何かあったのかな?」

 

 

誠也は、また以前のようなことがあったのかと思い心配そうな顔をした。

 

霞「そんな心配そうな顔をしないでよ。ちょっとしたお使いのお願いだよ。」

 

誠也「お使い?」

 

霞「うん、本当は最初はお兄ちゃんと悠菜お姉ちゃんの携帯にかけたんだけど、二人共携帯の電源入っていなくて繋がらないから私の所にかけたんだって。」

 

誠也「電源が入ってない?」

 

 

霞の言葉を聞き、自分の携帯を取り出して確認する誠也。

 

 

誠也「あ、そういえば銀子さんと話す前まで携帯の電源切ったままだった・・・・千早姉に悪いことしたな。で、千早姉はなんて?」

 

霞「え~と、「私が使っていたカードデッキを持ってきて欲しい」って。」

 

誠也「千早姉が使っていたデッキを持ってきて欲しい?」

 

 

誠也は霞が言った言葉を聞いて訝しんだ。千早は鳴海の家を出て行くまでの間、誠也のやっているライダーでの活動を手伝うために、自分自身も龍騎の世界のライダーのカードデッキを使って、ライダーの一人として活動していた。だが、千早が765プロに入ろと決めた時、デッキをカナリヤに返していたのである。

 

 

誠也「なんでまたデッキを持ってきて欲しいだなんて・・・」

 

霞「さあ?何かあったのかな?」

 

誠也「う~ん・・・わかった。とりあえずこの後、デッキを持って千早姉の所に行ってくるよ。ついでに千早姉にも使えるようにしてもらった例のテレポートリングも届けてくるよ」

 

霞「わかった。千早お姉ちゃんによろしくね。」

 

 

霞達に見送られ、誠也はこあを連れて部屋を後にした。

 

 

こあ「千早さん・・・でしたよね。以前、エミルクロニクルの世界にいた時、歌の上手な幼馴染のお姉さんだって話してくれた。」

 

誠也「ああ。本当に歌が上手で、俺が知る限り、ここまで上手に歌を歌える人は千早姉を除けば初音先輩くらいだと俺は思っているよ。」

 

こあ「ああ。そう言えばそんな事言ってましたね。あの時“アルマ”の「シーホース」ちゃんや、“ロア”の「ローレライ」ちゃんよりも千早さんの歌の方が上手だってマスターが言ったせいで、「自分達よりも歌が上手だって言う千早さんに会ってみたい!」って騒ぎになりましたよね。」

 

誠也「そう言えばそんな事もあったな。懐かしいな~」

 

こあ「ええ。ですから、私、会うのが楽しみです♪」

 

誠也「そっか。じゃあその千早姉に早く会いに行こうか。」

 

 

そう言って誠也はテレポートリングを使い、こあ共々その場からテレポートの魔法でその場から消え去った。

 

 

つづく

 


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