仮面ライダーを受け継ぐ者   作:剣 流星

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 どうも、剣 流星です。

ニコ動で、ひめたまの新しい動画ができてるか久しぶりに検索してみたら、新しい動画が出来てる!でも、その動画、5月頃にupされてたもので、6月にあった、痛車祭の宣伝動画でした。
ひめたまの新作動画を数ヶ月も見逃してたなんて・・・OTL

まあ、それはさて置き、第42話をどうぞ。


第43話 再会と刺客と新たな電王の誕生⑥

小悪魔「な・・・・・なんなんですか今の?!」

 

 

自分が隠れていたボート小屋を、瞬時にして半壊したキカコの「砲撃」の魔法。その威力を小屋内で見て驚き、座り込んでボーゼンとする小悪魔とシノ。

なぜ彼女らがボート小屋の中に居るのかと言うと、キカコから猫を胸に抱いて逃げていたシノが、公園内で小悪魔に声をかけた後、シノに「このままに居たら巻き添えになる!」と、咄嗟に小悪魔の手を引きならが、かい摘んでの説明をした後、ボート小屋に引っ張り込んで一緒に隠れたためである。

 

 

シノ「・・・・私を追っていた刺客の攻撃よ。」

 

小悪魔「えっ!今のがシノさんが話していた刺客の攻撃なんですか?!」

 

 

先ほど自分達の目の前を瞬時に通り過ぎ、ボート小屋を半壊させた攻撃を思い浮かべて叫ぶ小悪魔。そんな小悪魔を見ながら、シノは自分が抱きかかえている猫と小悪魔の事を考えてた。

 

 

シノ(このままじゃこの子達の身も危険に・・・・この子達を助けるには・・・・)

 

 

小悪魔「シノ・・・さん?」

 

 

黙り込んで考え込むシノに声をかける小悪魔。だが、小悪魔の声が聞こえてないのか、反応を示さないシノ。そんなシノを見て、もう一度声をかけようとした小悪魔であったが、不意にシノが立ち上がって、自分が抱きかかえていた猫を差し出してきた。小悪魔は反射的に、その差し出された猫を受け取った後、シノがしたその行動の意味が分からず、シノの顔を見つめた。

 

 

シノ「この子をお願い。私が囮になるから、その隙にあなたはその子を連れて逃げて」

 

小悪魔「囮って・・・・シノさん!」

 

 

小悪魔に猫を渡したシノは自分が囮になるべく半壊した小屋から出て走り出した。

 

 

小悪魔「シノさん!」

 

 

小屋から出て行ったシノに対して叫ぶ小悪魔。そんなシノを見ている小悪魔の視界の端に、先ほどの攻撃をした者であろう人物・キカコが小屋から出て行ったシノに対して、今にも砲撃の魔法を放とうとしている姿が映った。

 

 

小悪魔「シノさん!だめええええええええええええええええええッ!!」

 

 

小悪魔のシノを案じる叫び声が響く中、無慈悲にキカコの砲撃の魔法が放たれようとする。そんな中、突如何者かの叫び声が響く。

 

 

誠也「させるかーーーーーッ!!」

 

 

バキッ!

 

 

突如叫び声と共に現れた、赤い宝石のような仮面を被った人物、仮面ライダー・ウィザードとなった誠也が、砲撃の魔法を放とうとしていたキカコの頭部へ飛び蹴りを喰らわせたのである。

 

 

キカコ「グッ!」

 

 

突如現れたウィザードの頭部へのキックを喰らったキカコはバランスを崩し、狙いが定まらない状態で砲撃の魔法を放った。

 

 

ズドーーーーーン!

 

 

シノ「えっ!きゃああああああ!」

 

 

放たれた砲撃の魔法は狙いが逸れて、走っているシノの後ろの地面へと命中し爆発を起こし、その爆発で起きた爆風で体が吹き飛んだシノは地面へと体を強く叩きつけられて意識を失った。

 

 

小悪魔「シノさん!」

 

 

爆風で気を失ったシノを見て、慌ててそばに駆け寄った小悪魔はシノの体を見て怪我がないかをすぐに確認した。

 

 

小悪魔「よかった、怪我はない。気絶しただけみたい。」

 

 

シノに怪我が無いのを確認してホッと胸をなでおろした小悪魔は、次にシノを狙って攻撃した人物と、ソレを阻止した人物へと視線を向けた。

 

 

小悪魔「アレは・・・・・」

 

 

小悪魔達から少し離れた地点。そこには、先ほどウィザードの攻撃によりバランスを崩して倒れたキカコと、それに対峙するように、宝石のような仮面を被った人物・ウィザードが立っていた。

 

 

誠也「ふぅー・・・・間一髪だった。」

 

 

砲撃の魔法で起きた爆風で地面に叩きつけられたシノを見て、怪我がない事を確認してひと安心する誠也は、キカコと対峙しながら、シノに駆け寄った人物を見た。

 

 

誠也(やっぱり「こあ」だ。以前会った時より身長も伸びて成長しているからか、雰囲気が少し変わっているけど・・・・間違いない!なんで「こあ」が地上に?いや・・・・詮索は後だ。今はコイツを何とかして、こあ達の安全を確保しなくちゃ!)

 

 

久しぶりに見たこあの姿を見て、以前会った時よりも美しく成長した「こあ」の姿に一瞬見惚れるが、すぐに目の前の敵に意識を集中する誠也。

 

 

誠也「そこの君!コイツは俺が相手をするから、それまでその子を頼む!」

 

小悪魔「えっ?は、はい!」

 

 

突然ウィザードに声をかけられて、驚き戸惑いながら返事をする小悪魔。だがその声を聞いた途端、小悪魔は自分の胸が締め付けられるような感覚になり、無意識のうちに自分が身につけているペンダントを握り締めた。

 

 

小悪魔(なに?この感覚・・・・あの人の声を聞いた途端、胸が締め付けれれるような感覚が・・・・私は・・・あの人を知って居るの?)

 

 

この世界に転移したショックで昔の記憶を全てなくしている小悪魔にとって、自分がかつて知っていたであろう人物が目の前に現れた。その事実について混乱しながらも、胸を締め付ける感覚を抑えるようにギュッとペンダントを握り締め、ウィザードとキカコの対峙を静かに見守る小悪魔。そんな小悪魔に見守られながら、ウィザード・・・誠也はベルトにコネクトの指輪をかざしてウィザーソードガンを取り出し、ガンモードの状態で構えた。

 

 

誠也「君が使う砲撃の魔法・・・威力はあるようだけど、連続では撃てないみたいだな。おまけに発射までにタイムラグが有る。悪いけどその魔法じゃ俺は倒せない。おとなしく引き下がってくれないか?」

 

 

誠也はウィザーソードガン・ガンモードの銃口を倒れたままのキカコに向けながら、大人しく引き下がってくれないかと問いかけた。だがその言葉を聞いていないかのように、キカコはゆっくりと立ち上がってウィザードに向き直る。

 

誠也「はぁ~~・・・やっぱ言う事聞いてくれないか。なら仕方がない・・・力ずくでご退場して「現れたな!仮面ライダー!!」っ!何っ!くっ!!」

 

 

突如響いた声と共にウィザードを襲う空中からの影。それに気づき、瞬時に身を捻ってその攻撃をかわしたウィザードは、攻撃してきた者を見る。

 

 

誠也「お前は・・・・バットイマジン!なぜココに?」

 

 

ウィザードに空中からの奇襲攻撃を行なった後、少し離れた所に着地したバットイマジンを見て叫ぶ誠也。そんな誠也の声に反応するかのように、何者かの声が誠也の耳に聞こえてきた。

 

 

カラス『どうかね、仮面ライダー。私からのサプライズゲストは。』

 

誠也「お前は・・・カラス!」

 

 

誠也達から少し離れた空中に浮かぶ黒い光を放つ光の鳥・カラスの姿を見て叫ぶ誠也。そんな誠也の叫び声を聞いて反応したかのようにカラスは落ち着いた口調で話し始めた。

 

 

カラス『ドレスデンの工場以来だな。カナリヤは元気にしているか?今回は魔女の宮殿(ヴィンガルフ)の逃げた魔女の始末に便乗して、君達仮面ライダーを倒すために、再生怪人であるバットイマジンを投入させてもらったよ。』

 

誠也「再生怪人?」

 

カラス『ああ。かつて我々財産Xが協力してやった組織の一つが使っていた技術でね。確か・・・・バダンだったか?ZX(ゼクロス)という名の仮面ライダーに滅ぼだれた組織だったな。ショッカーを含めた十もの組織を裏で操っていたと自負していながら、自分達で作った改造人間・仮面ライダーに滅ぼされたマヌケな組織だったな』

 

誠也(バダンだって?!財団はアイツ等にも協力していたのか?!以前からライダー世界の怪人達を復活させ、その性能を確かめるためにこの世界に放していたが、その怪人を復活させる技術がバダンから吸収していたものだったとはな)

 

カラスの言葉に内心で驚く誠也。誠也は以前異世界を巡る旅の最中、いくつもの仮面ライダーの世界を旅した事があり、その中に昭和ライダーと呼ばれるクウガ以前のライダーが複数集まって戦った世界に行った事があったのである。その世界はバダンと呼ばれる組織が世界中に対して宣戦布告をし、それに対抗するため、仮面ライダー一号から、十号ライダー・ZX(ゼクロス)十人と、対バダン用に組織されたスピリッツと呼ばれる組織の

戦いに協力したことがあった。

 

 

誠也(あの組織の大首領・JUDOはとってつもないヤツだった。そんな奴に対して対等に付き合っていたと言うのか、財団は!)

 

 

誠也はかつてバダンの大首領・JUDOの強大さを目の当たりにしていたため、そんなJUDOと対等に付き合っていた財団の強大さを改めて思い知り、内心で驚く誠也であった。

 

 

誠也「・・・まさか、バダンにまでお前らの息がかかってたとはな。Wのガイアメモリー、オーズのオーメダル、フォーゼのゾディアーツスイッチ、お前とカナリヤが関わっていた「鳥かご」。そして・・・この世界の魔女の宮殿(ヴィンガルフ)・・・財団は随分と色々な世界に勢力を広げているな。本当に節操が無い。」

 

 

カラス『フフフ・・・それは当然さ。財団はあらゆる世界に身を置いている“ある組織”の改革派が元になっているのだからな。我らが打倒すべき“あやつ等”のように複数の世界に勢力を広げなければ対抗できないからな』

 

誠也「ある組織の改革派?あいつ等?」

 

カラス『・・・・少し喋りすぎたな。5010番!バットイマジン!予定通り、ウィザードを二人がかりで倒すんだ!』

 

 

カラスの言葉で瞬時に構えて誠也と対峙するキカコとバットイマジン。そんな二人を見て、誠也もウィザーソードガンをソードモードにして構えて二人と対峙した。

 

 

誠也(二人同時に相手するのはさすがにマズイ!どちらかを先に戦闘不能にして、一対一に持ち込まなくては・・・・狙うは魔女の方。首の後ろにあるハーネストのボタンを何とかして押し、魔法を使えないようにすれば、後はバットイマジンと一対一に持ち込める。)

 

誠也は二人を同時に相手するのは危険と感じ、キカコのハーネスのボタンを押してハングアップさせて戦闘不能にし、バットイマジンと一対一の状態に持ち込もうと考え、標的をキカコ一人に絞る。そんな時、不意にキカコが手に持っている物を誠也達の前に見せるようにして突き出して見せた。

 

 

誠也「それは!T-RESのT2ガイアメモリー!」

 

 

キカコが持っていた物、それは見た目は全長10cm程のUSBメモリの形をしているが、中に地球の記憶が納められ、使った者をドーパントと言う強靭な怪人へと変貌させる物、T2型のガイアメモリーだった。

 

 

電子音声『T-RES!』

 

 

キカコの持つガイアメモリーが電子音声を放ち辺りに響くと、キカコはガイアメモリーの端子部分を自分の体へと当てる。すると当たった端子部分からガイアメモリーがキカコの体内へと侵入し、キカコの体をティーレックスドーパントへと変貌させた。

 

 

ティーレックスドーパント「グワアアアアアアアアアアアアッ!」

 

 

カラス『さあ、イマジンとドーパント、二体の怪人を同時に相手できるかな?仮面ライダー・ウィザード。』

 

 

 

 

つづく

 




今回の話の中に出てきた「バダン~」の話は、今、月刊少年マガジンに連載中の「新仮面ライダーSPIRITS」が元になってます。昭和ライダーの熱くてカッコイイ姿は、本当に良いと思える作品です。まだ読んでいない方は、一度読んでみてください。

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