特異点の白夜   作:DOS

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『リコールの宣言は武力を持って却下する』

 

 

 

 

「やだー!あたしは反対!」

 

「僕も反対」

 

「そう言うな。一応フィオーレリングを持つ者はボスという言い伝えだからな」

 

「灯夜も持ってるじゃん!」

 

「俺のはレプリカ。あっちが本物」

 

灯夜は光努の首に下げられたリングを指して言う。

 

光努がボスをやるといって少しして目を覚ましたリルとコルの姉弟。

案の定、光努に挑んで返り討ちにあったから光努がボスになるのに反対してきた。

社長就任反対というより子供がだだをこねてるようだ。

実際子供なのだが。

 

「じゃああの指輪がなかったらボスじゃなくなるんだね」

 

「いや、まあ・・・確かにそうなんだが・・・」

 

「コル!」

 

「了解」

 

再び小太刀を取り出して構える双子。光努もそれを見て迎撃態勢に入る。

 

「――なんてことはしないで。お前らストップ。俺戦う気ないんだが」

 

「指輪を渡したら止まってあげる」

 

「断ったら斬る」

 

「選択の余地なしかよ。灯夜!なんとかしてくれよ」

 

「フィオーレリングはボスの証だから取られたり無くしたりするなよ」

 

「それが今まさに狙われてるボスに対して言う言葉か」

 

灯夜はやれやれという感じで立ち上がって双子の方を向いた。

 

「リル、コル」

 

「何?」

 

「邪魔しないでよ」

 

「あまり部屋を壊すなよ」

 

「とうやあああああああ!!」

 

言うだけ言って灯夜はどこかへ行ってしまった。

 

「というわけで」

 

「尋常に」

 

「「覚悟!」」

 

「あー、どうしよっかな」

 

光努VSリル&コルの第2ラウンドの火蓋が切って落とされた。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「せいっ!」

 

「よっ」

 

「とりゃっ!」

 

「あらよっと」

 

「りゃー!」

 

「ほっ」

 

「らー!」

 

「甘いっ!」

 

リルとコルの斬撃をことごとく避けながら光努は母屋から離れていった。

決してこの双子は弱くはない。今も光努が避けた剣により周りの大木を簡単に切り倒している。ゆえにあの場で戦闘をしたのなら周りの被害が多いだろうと考えた。さっきは瓦礫の山の仲だったから良かったものの今度は綺麗な部屋なのだから光努

もそう簡単に部屋を壊すつもりはさらさらなかった。

 

しかしリルとコルが弱くないとはいえ光努にはかなわない。一瞬で気絶させようとも思ったけどそれだとさっきと何も変わらないので光努は避けながらどうしようかと考えていた。その間にもよけられて不機嫌になったリルとコルの攻撃がヒートアップしていく。

 

「むむむー」

 

「リルー、当たらないよ」

 

リルとコルは一旦攻撃の手を止めて少し離れる。

 

「お前ら、諦めたら?」

 

「こうなったら。コル!虚実の太刀やるよ」

 

「いいよ。どっちからにする?」

 

「2番目のやつでやるよ」

 

「了解」

 

(話が見えないな。何する気だ?)

 

リルとコルが構えるのはさっきまでと同じだがさっきまでと違うのは二人が全く同じ構えをしたということ。しかも並列に並んで同じ方向に同じ手で構える。服装だけ無視すればまるでステレオグラムの写真を見ているような感じだ。

 

「「やっ!」」

 

同じ掛け声と同時に二人とも全く同じ動きで上から小太刀を振り下ろしてきた。

 

(驚いたな。足運びや細かい所作まで完璧にシンクロしてる。けど、こんな単調な攻撃じゃ直ぐに避けれるぞ?)

 

振り下ろされた2本の横並びの刀を少し後ろに下がるだけで避けた。

 

「とりゃ!」

 

「!?」

 

二人とも同時に振り下ろしてリルの小太刀はおろしきったけどコルの方の小太刀は

途中で止まって下がった光努に向かって突きを放ってきた。

 

「危なっ!」

 

両の手の平で突いてきた小太刀を挟んで止めた。

 

「リル!」

 

「まっかせてー!」

 

コルを止めたら今度はリルが再び振り上げて振り下ろしてきた。

 

「とと・・」

 

バックステップをして今度は少し離れたところに降り立った。

 

「虚偽の太刀と真実の太刀。二人のうち一人だけが全力で攻撃してもう一人が避けられた時のためにあえて力を抜いて攻撃をする技か。しかもこれは二人の人間が全く同じ動きをするから避けたあとの対応が遅れて攻撃が喰らうということだな」

 

やられる方が相手二人とも全力で攻撃してるようにしか見えず本来なら避けて終わりのところを避けてももう一人が力を抜いてるから軌道を変えることができ避けた人物を追って攻撃を行える。

初見だったら攻撃をくらって一巻の終わりというわけだ。

 

「大抵の奴らは避けられないのに。やるじゃん」

 

「まさか僕の太刀が止められるとは。残念」

 

「ちょっとびっくりだ。だがもう効かないぞ」

 

「フッ。あたし達の技がこれだけなわけないじゃない」

 

「そうそう。甘い甘い、おお甘だよ」

 

「ま、そう来るよな。来い!」

 

 

ヒュルルルル。

 

 

「「「ん?」」」

 

 

その時、空からミサイルが降ってきた。

 

 

 

 

 

 


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