あと会話の間をつなげてみたのですがどうでしょう?
雷の守護者の対決、結果発表。
勝者、レヴィ・ア・タン。
雷と大空のハーフボンゴレリングはヴァリアー側に奪われました。
最終的に勝負は乱入者によって微妙なところになったのだが、チェルベッロが言うには、"道化師"の攻撃をツナが助けたとき、レヴィの攻撃も一緒に助けたため失格とします。ということらしい。なんとまあ融通の聞かないというか、試合を中断しないのが奴ららしいといえばらしい。
「で、現在1勝2敗なわけだが、次に負けたらまさに崖っぷちだな隼人。ファイト!」
「てめぇは俺にプレッシャーをかけたいのか!?」
「いや、ただ頑張れと言いたくて」
「嘘だろ!絶対わざとだろ!」
「それより急いだ方がよくね?」
時計を見てみると現在の時刻は21時59分20秒。つまり後40秒以内に戦闘の舞台である校舎の3階へと行かないと失格になって負ける。隼人の家庭教師のシャマルが、隼人の必殺技が完成するまで戦うことを許さなかった。なのでギリギリ完成させて、今走って向かっているところ。それほど今回隼人の戦う相手は強敵。
ベル・フェゴール。
オリジナルの柄や刃に細工が施されたナイフを武器に扱うヴァリアーの中でもトップクラスの殺しの天才。暗殺者集団のヴァリアーに自分から入隊したと言う変わり者で、噂ではとある国の王族の血を引いいている本物の王子だとかなんとか。あの頭の王冠は飾りだと思っていたが、マジだったんだな。すまんなベル、自称天才じゃなくて一応天才だったのか。今度会ったら元王子って呼んでやるか。
しかし必殺技を完成させてその元王子と戦えるのに、遅れてしまったら洒落にならんな。今俺と隼人は校門を通ったところだ。すでに30秒切ったので後30秒で3階まで行けるか?
「くそ!正直ギリギリ着きそうだな」
「じゃあショートカットするか」
「あぁ!?」
「ちょっと揺れるぞ」
「おま!何をおおおぉぉ!!」
隼人の後ろ襟を掴んで、そのまま壁を
「うおぉ!危な!」
「よし!間に合うぞ」
「今回は感謝しとくぜ!おらぁ!」
隼人が校舎の壁の時計に向かってダイナマイトを当て、ちょうど長針が12のところに来る前に爆発させた。
ガシャーン!
「ツナ、届け物だ」
「10代目!獄寺隼人、行けます!」
***
「待たせたな、前髪長い元王子」
「よしそのケンカ買ってやる。遺書を書く暇なく惨殺してやる」
「できるものならやってみな。お前の王冠を高値で売りさばいてやるよ」
「上等」
光努とベルがお互いに拳とナイフを構え、いざ戦いの火蓋が切って落とされようとした。
「て、オメェは戦わねーだろ!今回戦うのはオレだよ!」
したのだが、獄寺がストップをかけたので一時中断した。
「今いいところなのに」
「地の文見ればそんな感じだけど、もう一度言う。今回は嵐の守護者の戦いだから俺が戦うの!わかったか!」
「お前・・・地の文とか何言ってるの?」
「うるせぇよ!おいチェルベッロ!とっとと始めるぞ!」
若干傍観気味だったチェルベッロが、獄寺の言葉に無表情ながらはっとなったような気がした。が、すぐに気を取り直したのか二人でバトル説明を始める。
今回フィールドとして用意されたのは、校舎の3階全ての廊下と教室内。
そして一番のポイントは、このフィールド内のいたるところに、ハリケーンタービンと呼ばれる機械が設置されてるということ。
1立方程の大きさの機械。側面4方向に噴射口が設置されており、ランダムに一点から超強力な風(具体的には教室の端から使えば机と椅子を全部巻き込んでガラスを吹っ飛ばして外まで押し出すくらいの風)が放出される。そしてこのタービンの内部には時限爆弾が設置されており、開始から15分以内に嵐のリングが完成して所持しないと順次爆発し、3階を全て破壊するという。
つまり、時間制限ありのデスマッチ。
「なんだ?今のガラス音は?けが人はいねーか?」
といって現れたのは、シャマル。
いつの間にかチェルベッロ二人の後ろに達、左右から二人の胸を鷲掴みにしながらどうどうと現れた。
もちろんそのあとチェルベッロの二人に制裁を加えられたのは言うまでもない。
「トライデントシャマル・・噂では2世代前のヴァリアーにスカウトされ、それを断った程の男・・・・」
マーモンがそう言うが、そうには見えないとツナたちが思うのも不思議ではない。普段の行いが行いだからである。
「ただの変た・・・セクハラ親父かと思ったら、割とすごいやつだったのか」
「おい光努。お前言い直したみてーだが何も変わってないぞ」
「そうだったな、変態」
「誰が変態だ!」
"跳ね馬のディーノ"に"アルコバレーノのコロネロ"そして"トライデントシャマル"。どれもマフィア界では知らぬものも少ない有名人達。
そう言った面々がボンゴレの元に、ツナの元に集まるのに、ヴァリアー側、スクアーロも素直に驚いていた。
「まあでも、これで少しは楽しめそうじゃん。今日の勝負の相手」
王冠を載せ、目元が隠れ、楽しくなってきたとばかりににやりと歯を見せて笑うベル。
一方ツナたちは了平発案の円陣くもうぜ、という話になってる。
最初は嫌がってた獄寺も、ツナの誰も欠けたくない、団結したいという思いを聞いている内に感極まり、現在入院中のランボの服しっぽを入れて円陣を組んだ。
そんな様子を見て光努は、
(隼人、「10代目10代目詐欺」とかあったら案外簡単に引っかかるんじゃ・・・・・)
ちなみにランボの入院は、ツナの家族には歩いている時に雷が降ってきて当たったと言ってあるらしい。
あながち間違ってもいない。
***
「それでは、両者中央に集まってください」
今回のフィールドは範囲が広いため、設置された監視カメラの映像をモニターに移して観覧する。
その際、観覧席には赤外線感知式のレーザーを設置したという。
そして、ベルと隼人が向かい合った。
「お前、肩に力入りすぎじゃね?」
ポン、と気楽そうに隼人の肩を叩くベル。それに対して隼人は睨んで答えた。
「それでは、嵐のリング戦。ベルフェゴールVS獄寺隼人。勝負開始」
ピッ!
相手の出方を伺うため、小手調べとばかりに着火したダイナマイトを一つベルに向かって放り、爆発した。
そして煙が晴れた時には、隼人を取り囲むように円形状にベルのナイフが、
「!」
カカカカカカカ!!
咄嗟に躱したが、先程まで隼人の立っていた場所には大量のナイフが突き刺さった。
ベルの使用する、自前の装飾が施されたオリジナルナイフか。
観覧席にあるモニターだと画像が荒くて少し見えにくいが、あれもベルの使うワイヤーとの応用技だな。カウボーイの投げ縄のごとくワイヤーを、隼人を中心に置いて投げつけ、あらかじめワイヤーにはナイフを備え付けておく。あとはワイヤーを引けば、投げ縄で相手を捕まえるように、ワイヤーに付いたナイフが中心へ向かって飛び交う。細いワイヤーを使用してるため、傍から見たらナイフが飛んでいるようにしか見えないな。
ま、慣れればすぐに見えるようになるが。
それにしても、ベルはフィールドをよく使ってるな。
ハリケーンタービンから送られる強風をうまく利用して、隼人ボムを吹き飛ばして防いでいる。隼人はボムを放り投げるから、相手に届いてから爆発までに少しだけだが時間がある。
その間に、ボムと自分の間にタービンの風の通路を入れる。それだけでボムはベルへと届かなくなる。しかも、デタラメに吹く強風を利用して、ナイフを風に通すだけで隼人まで届かせている。さすがはヴァリアークオリティーといったところ。まあワイヤーを使ってホーミング式に隼人にぶつけてるから少しずるいかな。
まあ気流を呼んでワイヤーもうまく使っているから、さすがベルというべきか。おかげで隼人は防戦一方だな。
タネのわかっている攻撃を喰らうのより、タネのわからない攻撃を喰らう方がかなり面倒だしな。爆発したら確かにダイナマイトは威力が高いが、当たればの話。それに比べてベルのナイフ裁きと、宙に浮いたり見えない隼人に当てたり、どこからともなく飛んだりと、隼人からしたらわけがわからなくてたまったもんじゃないな。
もう隼人には何本かナイフが突き刺さっている。
このまま喰らい続けるのはまずいかもな。
「うしし、もう大当たり?嵐の守護者がこれじゃぁ、お前のボスも知れてんな」
ベルの挑発ともとれる余裕の表れ。その言葉に隼人は思った。
(ぜってぇ、負けねぇ!)
隼人は座り込み、うつむき、考えた。ベルの攻撃手段を。
なぜ死角からナイフが飛んでくるのか、なぜ姿の見えない自分に向かってナイフを当てられるのか。
ベルはやりすぎた。あまりにも、気流を読むというのは理にかなってさすがと言いたいが、それだけじゃ説明がつかない攻撃をやりすぎた。ヴァリアークオリティーと言っても限度があるからな。何かしらのタネがあるはずと考えたな、隼人。
「!」
モニター上の隼人が自分の肩を見た。気づいたな、ベルの仕掛けたトリックに。
証拠はありすぎてるからな。
「怒涛の攻めのシメは、針千本のサボテンにしてやるよ」
二十本程のナイフを扇状に構え、ばらまくように投げつける。全てのナイフは吸い込まれるように風にのり、隼人へと向かっていった。
ドスドスドスドスドス!!
「ご・・獄寺君!!」
「!」
パリィン!
幾本ものナイフが突き刺さり、教室の中から窓を割って廊下に出てきたのを見て、ツナたちは驚いた。
それはナイフが突き刺さった無残な姿の隼人・・・ではなく、
「人体模型!?」
ベルのナイフが突き刺さった人体模型が現れた
ズズズ。
「ひぃ、動いた!」
「バカ、よく見てみろ。首に何か絡まってるぞ」
リボーンの言う通り、人体模型の首元に絡まっていたのはごく細のワイヤー。絡まった方と逆の方のワイヤーは、獄寺の手の中にあった。
「これがてめーの技の正体だ」
ベルの技、ワイヤーの使い方。
最初に隼人の肩を叩いた時、ワイヤーの付いた針を取り付けた。
ついでに針には、部分的に痛覚等を無くす局所麻酔が仕込まれてるから隼人はなんの違和感もなく動いていた。
あとはワイヤーにナイフを引っ掛ければ自動で隼人の元へ飛んで突き刺さるというからくり。
廊下にて風の中対峙するふたり。
「ベルのワイヤーは知ってしまえば簡単なからくりだよな。というか敵の肩に付けるとか大胆なやつ」
「ていうか光努、あいつのワイヤー知ってたの?」
「無論。一度軽くバトったことあったからな」
「ええ!だったらそれ教えても!」
まあ教えても良かったんだけど、
「だって隼人だけ相手の技を知ってちゃ、フェアじゃないだろ?」
「え?獄寺君だけ?でも相手も獄寺君のダイナマイト知ってるし」
「ま、見てろって」
画面上の隼人は、新たなダイナマイトを取り出した。
「果てろ!!」
「それ、当たんないから」
なんのためらいもなく、隼人はダイナマイトを、風のが吹きすさぶ事も関係なしに、ベルに向かって投げる。
「ダメです!また風の壁にぶつかる!」
(行け!)
ダイナマイトの本体上部と下部から煙が噴出し、二度の方向転換をし、風を避けてベルにまっすぐ向かった。
「!」
「俺がヘタうって、十代目に恥欠かすわけにはいかねーんだよ」
ドガガガガガガ!!
風の壁によって避けることもできず、ベルは爆発に巻き込まれた。