「よく寝た」
山から帰ってきたのが大体朝の6時くらい。
あのあと全員で朝ご飯(昨日の夜から何も食べてないから実質夕食も同然)食べて全員寝た。そしてあっという間に時間が立って、光努が起きたのは夕方になってから。
起きてから居間に入ると、すでに起きていたリルとコル、それにクロームと千種がトランプをしていた。種目はポーカー。
ポーカーとは、山札から一人5枚ずつのトランプを手に取り、その数字の組み合わせによって勝ち負けを決めるゲーム。
カードは一度の交換だけ可能となっておりそれにより良い組み合わせを作る。
一番強い組み合わせが、マークが全てスペードのA、K、Q、J、10の5枚のカードでロイヤルストレートフラッシュと呼ぶ。
とまあ軽いポーカーのルールを説明したが、勝利したのはリル。
ダイヤのストレートフラッシュで一番に勝っていた。ちなみにクロームが一番負けた。カードを見てみるとクロームの手札はフラッシュ、全てのマークが同じという割と強い手札だったに、他のやつら強っ!とか光努も思った。
そんな4人をそっとしておいて光努は外を出歩く。
すでに夕日が沈み掛けて暗くなりつつある時間帯。やっぱ家にいれば良かったかなと考えつつ光努は考える。
「さてと・・・・どこ行こうかな」
遊びに行くか?でもどこへ?
そういえばツナ達まだ修行してたな。
よし、茶化しにいこっ。確かまだ行ってないのは、武と京子の兄貴の了平だな。
え?一人足りないって?何かリボーンもにやっとしてただけでそこまで教えくれなかったからまあそのうち偶然にも会うだろう。ということで保留。
よし、了平とやらのところに行こっと。
と言って目的地に向かって歩こうとしたが、
「そういえば修行場所知らないな・・・・。先にリボーンのところにいって聞いてくるかな」
光努が再び道路を歩き始めた頃、普通に歩く光努を見つめる影が一つあった。
***
沢田綱吉、通称ツナは走っていた。
今日の修行を終え家に帰ると、出かけるところだったのか、玄関にいた家光と遭遇。バジルのと家光の会話から、自分の父親がバジルの言う親方様という驚愕の事実を知ったが驚いている暇などなかった。
家光の情報により、ヴァリアーが日本にやってきていることを知らされた。
そのため、先行してやってきた部隊から最初の目標は雷のリングということがわかったが、雷のリング保持者はまだ幼い子供であるランボ。
雷の守護者がランボということを初めて知ったツナは、ランボを保護するために街の中を駆け回っていた。
そしてついにランボと一緒にいたフゥ太とイーピンを見つけたがその時には後ろに迫っていた黒服の男、ヴァリアーの人間がいた。
今にも剣を振り下ろされようとしたまさにその時、
ドゴォ!
横から弾丸のごとく飛んできた拳。その拳は攻撃を仕掛けようとしたヴァリアーの男に正確に突き刺さり、吹き飛ばしてランボ達を救出した。そして拳を振った男は、拳を構え直した。
「ボンゴレファミリー晴れの守護者にして、コロネロの一番弟子。笹川了平、推参!!」
「お兄さん!・・・・何て派手な登場」
「まだだぞ」
上空の木の影から現れたのは先ほどの男と同じ黒服の男。さっきの男と同じヴァリアーの人間。だが、突如現れた攻撃により、一瞬で戦闘不能にされてしまった。
その光景を見た新たなヴァリアーの人間が来たが、どこからともなく飛んできたダイナマイトの爆発に、こちらも戦闘不能にされてしまった。
そして了平達の元へと現れたのは、竹刀を手に持った山本武と獄寺隼人だった。
「ったく、なんでアホ牛がリングを・・・」
「もー、大丈夫だぜ」
「み・・みんな!」
「家光のやつ、なんとか間に合ったみてーだな」
***
「みんな!」
「10代目!」
「何か久しぶりだな」
「オス」
無事に再開することのできたツナ達。
殺し屋に狙われるという恐怖体験をしたフゥ太はツナに抱きつき、そしてツナは怪我をしているイーピンの手当をした。
等の狙われたランボはゴロゴロと寝転がり腹減ったとだだをこねる。
そんな緊張感のないランボと大事なハーフボンゴレリングがランボの髪に引っかかっているのをみて、ツナは真っ青になるのであった。
「俺には全く理解できないッスよ!なんでこんなアホにリングが・・・」
「まあまあ、いーじゃねーかまずは無事ってことで」
獄寺の意見も最もだが、そんな獄寺を山本は落ち着かせる。
ひとまずヴァリアーが撃退をできたのでよしとしたのか、獄寺もそれ以上は愚痴を言うのをやめた。
「しかし思ったより骨のない連中だったな。楽勝だぞ」
「そいつは甘ぇぞ。こいつらはヴァリアーの中でも下っ端だ。本当に怖ぇのは・・・・・・!来るぞ!」
リボーンが気配を察知したのか、そう言うと上方の茂みから飛んでくるように人が現れ、ツナ達を見下ろした。
全身黒ずくめの服を纏い、逆立たせた黒髪。顔にピアスをつけて背中に8本の剣のようなものを差した男、レヴィ・ア・タン。明らかに、先ほどの男たちより威圧感が違うのをツナ達は感じ取った。
「・・・・・・・・。
倒れている男たちをちらりと見てつぶやく男。そのあとツナにしがみついてガタガタと震えているランボを睨んだ。
「雷のリングを持つ俺の相手はパーマのガキだな。邪魔立てすれば皆消す」
(やばい!明らかにさっきの敵とは格が違うっぽい!!)
背中の剣に手を伸ばし、今にも抜きはとうとしたその時、
「待てェ、レヴィ!」
声が聞こえた時、レヴィと呼ばれた男の後ろから現れたのは複数の人影。
現れた人物を見て表現するなら妙な集団。
モヒカンのような髪型に、サングラス。
襟元に毛皮の付いた黒ずくめの男、ルッスーリア。
前髪が隠れるほどの金髪に頭に載せた王冠。
まだ10代ほどに見える黒ずくめの少年、ベルフェゴール。
顔を隠すようにかぶったフードの上にカエルを載せた、
小さな黒ずくめの赤ん坊、マーモン。
人のようだが、顔にはフルスキンのガスマスクのような物がつけられ、
人際大きな異形の黒ずくめの大男(?)、ゴーラモスカ。
そして、
「う"お"ぉい!よくも騙してくれたな、カスども!」
腰まで届くほどの長い髪。左手に剣を備え付けた黒ずくめの男。
5日程前にツナ達を襲ったヴァリアーの剣士、
鋭い眼光をツナ達に向けて睨みを聞かせ、獰猛な笑みを浮かべる。
「雨のリングを持つのはどいつだぁ?」
「俺だ」
スクアーロの問いかけに、対抗するように目を鋭くさせて名乗り出る山本。
「なんだぁ、てめーか。3秒だ、3秒でおろしてやる」
剣を構え、余裕そうに山本を睨む。
「のけ」
その時、スクアーロ達の後ろから現れた人影は、スクアーロを押しのけるように前へ進み出た。
「のけっ」
「う"お"ぉい!てめーはカンケーねーだろ!」
ついでにとスクアーロを押しのけて前に出ようとするレヴィにスクアーロは怒鳴り散らす。そして、スクアーロをのけて出てきたのは一人の男性。
顔にいくつか傷があり、他の者たちに引けをとらないほどの殺気を放ち鋭い眼光を持つ男。
今この場に、XANXUSを筆頭にしたボンゴレ独立暗殺部隊ヴァリアーが勢揃いした。
XANXUSが睨みを聞かせただけで、ツナは怯え、他の物は動きが止まった。
「沢田綱吉・・・」
XANXUSが左手上げ、つぶやいた瞬間、XANXUSの手が輝いた。
「まさかボス、いきなりあれを・・・・!」
「俺たちまで殺す気か!」
その光を見たとき、他のヴァリアー、スクアーロでさえも少し焦った様子を出した。
「死ね」
ガッ!
だがその光は、第三者の介入で収まった。
XANXUS達の前の地面に突き刺さったのは、一本の鶴橋。
「まてXANXUS、そこまでだ」
「!」
声の発生源は、少し離れた場所からした。
ツナ達も咄嗟に見ると、三人の人影が見えた。
「ここからは、俺が取り仕切らせてもらおう」
それは部下を引き連れて現れた、沢田家光だった。