特異点の白夜   作:DOS

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『転校性、白神光努』

 

 

 

 

並盛中学校。

 

並盛町内にあるごく普通の中学校。

通っている生徒には一部問題があるものの、至って普通の学校である。

 

ちなみにボンゴレ10代目ツナや獄寺、山本そして雲雀などもここの生徒。

今日は平日なのでいつもどおり校門には登校する生徒が増えてきた。

校門くぐる人の中には、今回は遅刻もせずに登校して来たツナの姿もあった。

 

「よっ!ツナ」

 

「おはよう山本」

 

「10代目ー!おはようございまーす!」

 

「あ、獄寺君もおはよう」

 

ツナに声をかけてきたのは友達の山本武。野球部に所属する短髪の少年。

そして自称10代目の右腕の獄寺隼人。真ん中で髪を分けてアクセサリーを所々につけている若干ガラの悪そうな少年。

下駄箱で靴を履き替えて、3人の教室である2年A組に向かう。

教室にはすでに何人かの生徒がいた。

 

「おはようツナ君。山本君。獄寺君」

 

「お、おはよう京子ちゃん!」

 

「よお、笹川」

 

「うぃーす」

 

ツナ達に話しかけてきた少女は笹川京子。

現在、ツナが思いを寄せている少女でありボクシング部首相の笹川了平の妹。

リボーンが来る前は、話しかけることすらままないほどだったのに、今では話もする程の仲となっていた。

 

「さっき先生の話を聞いたんだけど今日このクラスに転校生が来るんだって」

 

「へぇ、どんな人だろう」

 

「そいつって男か?女か?」

 

「ううん。そこまではわからなかった」

 

「興味ねーな」

 

ガラリ。

 

「みんな席につけー」

 

教室の扉が開いて教師が入ってくると会話中だった生徒たちは自分の席に戻る。

皆が静かになったのを見計らって口を開く。

 

「さて、今日はこのクラスに転校生がやってきた」

 

転校生・・・・という言葉にクラスの生徒は口々に騒ぐ。

獄寺が転校してきたときもだが新しい人が来るというので皆興味がわいたのだろう。中には獄寺みたいに興味のないことには興味のないのもいるが。

 

「せんせー!転校生って女子ですかー!」

 

「それとも男子?」

 

「どんなやつ?特技は?」

 

「好きな食べ物は?」

 

「俺も知らねーよ!そんなこと本人に聞け!おーい入ってこい」

 

ガラリ。

 

教室の扉が開いて廊下から入ってきたのは一人の少年。

並盛中の制服である白いワイシャツにネクタイ、黒いベストを着用した姿で現れたのは、柔らかそうな白い髪をして楽しそうな笑を浮かべている少年。

 

「えっ!」

 

「なっ!」

 

「こ、光努!」

 

「あー、転校してきた白神光努くんだ。仲良くしろよ」

 

ツナ、山本、獄寺は驚きをあらわにして口々につぶやく。

そんなツナ達を教壇から見て光努は笑った。

 

「白神光努だ。よろしくな」

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

バン!

 

「てめぇ!どういうことだ!」

 

転校生紹介が終わり、皆で光努にこぞって質問でもしようかなといったところ(余談だが女子の比率が多かった)、獄寺が光努の元へやってきて机を叩きつつ話しかけた。

 

「やあ、どうしたのかな獄寺君。そんなに血相抱えて」

 

「何他人ごとみてぇな喋り方してんだよ!俺のこと知ってるだろ!」

 

「よぉ光努。久しぶりだな」

 

「久しぶり。犬に噛まれた怪我も無事そうで良かったよ」

 

光努は山本の左腕を見て、もう包帯も取れて犬に噛まれた傷もなくなったようなので満足そうに言う。

 

「光努!」

 

「ようツナ。前にリル達世話になったらしいな。迷惑かけなかったか?」

 

「あ、うん。大丈夫(まあ・・・一応だけど)」

 

微妙な顔で返答したツナにやっぱりかと言うように笑う。

 

「なんで山本と10代目には普通の対応してんだよ!」

 

「どうした隼人。そんなに怒って」

 

「てめぇ、果てやがれ」

 

「ちょ!獄寺君!ストーップ!ここ教室だから!」

 

ダイナマイトを取り出しかけた獄寺だが、ツナがストップをかけたのでなんとか思いとどまった。

 

「ま、つもる話は屋上でも行こうか」

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

ところ変わって屋上。

ツナと獄寺、山本、光努が来ていた。

 

「そういえば光努。お前って黒曜中の生徒じゃなかったか?」

 

「ああ、転校してきたんだ」

 

黒曜中は別に廃校になったりとかはしていないけど、骸が制圧したあと不良を従えたりなんなり、この前はほとんどの不良が戦闘不能にされたりしたので、まあ色々とあったおかげで現在軽く学級閉鎖が連発するような状態であった。

そんなわけで閉鎖していなくて通える学校に通うことにした光努であった。

 

まあそこらへんは灯夜が独断でいろいろと勝手に決めたんだが。

 

「というわけ」

 

「なるほどな。黒曜中も大変なんだな」

 

「まあ骸に制圧されたって聞いたし・・・」

 

 

「それでここに来たってわけか」

 

ひとまず光努が来たことに驚いたが納得がいったようだ。

 

「骸の時には世話になったみてーだが所詮お前は別のマフィア。あんまり10代目に

馴れ馴れしくするんじゃねーぞ」

 

という獄寺に、

 

「後ろ向きに善処するよ」

 

笑顔でさらりと流す。

 

「てめぇ!」

 

「いいじゃねーか、獄寺。今日からクラスメートなんだし」

 

「オメェは黙ってろ!」

 

獄寺と山本でワイワイと騒いでいると、

 

ガチャリ。

 

「君達・・・・何群れてるの?」

 

屋上の扉を開けて出てきたのは、雲雀恭弥。

 

並中の制服ではなく風紀委員の制服の学ランに風紀の腕章をつけた並中風紀委員長。もはや何年生かもわからないほど学園に在籍していると思われる謎に満ちた最強の不良兼風紀委員長であり並盛中学だけでなく並盛町をも支配している程の人物。

 

この街で最も並盛りに愛着を持つ人物でもある。

気性は荒く、風紀を乱す者と群れる(多人数で行動する)やつらを見つけたら噛み殺したくなるそうだ。

 

「ひ・・雲雀さん!」

 

「げ、雲雀」

 

「いや、俺たちは別に」

 

「雲雀?誰?」

 

歩く足を止めて光努見た雲雀の目が少し見開いた。

 

「君は・・・・」

 

 

 





光努、並盛中に降り立った!
ちなみに光努は顔と性格がいいほうなので山本のように男女に人気がある。
次回はVS雲雀。

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