光努side
人の声が聞こえた。怒気の篭った声の主は瓦礫の中、高価な椅子に座ったままでその左手にはオレンジ色の炎が宿っていた。
「いきなり攻撃というのはひどいんじゃないか?」
瓦礫の山を消し炭にした男に話しかける。見た感じ年齢は10代後半から20代前半くらいと思われる。
鋭い眼光とこの殺気、それに顔に着いた傷跡が只者でないと物語ってる。
「消えろ」
そう言って再び左手を向けその瞬間巨大な炎が迫ってきた。
「よっと」
再び避ける!床もあっという間に黒焦げになってしまうに中々の威力。とりあえずどうするか。
1・戦う
2・逃げる
この選択肢の中から何を選ぶかで今後の展開が決定する。
『戦う』を選んだ場合は・・・・・相手は問答無用で攻撃してくるだろう。
『逃げる』を選んだ場合は・・・・・相手は問答無用で攻撃してくるだろう。
・・・・・あれ?どっち選んでも結局攻撃されるんじゃ?
ちなみにこう考えてるあいだも攻撃をされてる。
さっきの炎もだが蹴ったり殴ったりとしてきてる。
もちろん俺は避けたり避けたり避けたりしてるがな。
おかげで高価な調度品の数々があっという間に炭の塊となった。
あー・・もったいない。
「ちっ、うろちょろしやがって」
そう言って右手に握られていたのは銃。
黒い銃身に赤い『X』の模様が入った自動式拳銃。
銃程度ならなんとかなるな。よし!逃げるか。
「カッ消してやる」
銃に炎が灯った。力を貯めてるっぽいな。やばいかな?
というかホントにこんなところで放つつもりかよ。人のこと言えないがコイツもたいがい容赦なしだな。
「今度こそカッ消えろ!」
とある建物の一室で、尋常じゃない爆発が起こった。
ドオォン!!
「まあー、何かしら?」
「ボス!!」
「派手にやってるみたいだね」
「ししし、ボスの部屋から離れて正解♪」
「う゛おぉい!!なんの騒ぎだぁ!?」
ボスを心酔するレヴィはいち早く部屋に向かい、スクアーロとルッスーリアも部屋に向かう。
事情を知ってるベルとマーモンはあえて部屋に近寄らないようにするのであった。
光努side out
***
スクアーロside
ドオォン!!
どこかで大きな爆発音がした。
!?なんだ!今の爆発音。聞こえた場所を聞く分にボスの部屋からしたな!一体何があったんだ。
いくらうちのボスがキレやすいっていってもそう簡単に憤怒の炎を使うとは思えねえが。
仕方ねえな、行ってみるか。
「う゛おぉい!!なんの騒ぎだぁ!?」
「あっ、スクアーロ様!どうやらザンザス様の部屋にて爆発が起きたようです」
「ちっ!やっぱりあのクソボスがぁ!余計な手間を増やしやがって!」
ボスの部屋に向かう途中にレヴィとルッスーリアの後ろ姿が見えた。
「あら、スクアーロ。ボスが何かしたみたいよ」
「ベルとマーモンはいねーのか!?」
「二人とも用事があるってどこかいったわよ」
「ちっ!あのガキ共!」
そうこうしてるうちにあっという間にボスの部屋の前。ドアは中から吹っ飛んで廊下の壁にぶつかって砕けていた。中からは煙と火の粉で充満していた。
「ボスーー!!」
レヴィはすぐさま部屋の中に突っ込んで行きやがった。
「一体何があったのかしら?」
「ぐはっ!」
さっき入ったレヴィが吹っ飛ばされて出てきやがった。
「う゛おぉい!!ボス!!何があったぁ!!」
「うるせえ、ドカス共が。とっとと片付けろ」
「んだと!?何を撃ちやがった!」
「侵入者だ。とっとと捕まえてこい、カス共が」
「侵入者だと!?」
そういえばさっきレヴィがやられたとか言ってたな。
ボスの部屋に来てやがったのか。
ガキだって報告されてたが、ボスに炎と銃を使わせるほどの使い手だったというのか?
うちのボスとまともに戦えるやつなんてそうはいねえはずだが。一体何者だって言うんだ。
「レヴィ!もっと侵入者のことを詳しく教えろ!」
とりあえずレヴィを蹴っ飛ばして起こしてから話を聞くか。
スクアーロside out
ヴァリアー本部から約2キロほど離れた木の上。
「ここまでくれば大丈夫か。それにしても派手にやったな~」
光努の目線の先には少し前までいた場所が壊れ煙を上げてるのが見えた。
XANXUSの攻撃により部屋が崩壊したと同時に外に飛び出して、気配を消しそのまま一直線に建物を離れた。
そして現在木の上で一息ついていた。
♪~♪~
「もしもし?」
『あーおれおれ。久しぶり」
「詐欺はお断りです」
ブチ。
「この後どうしようかな~」
「そんな光努くんにこれ!『ナマケモノだって使いたくなる携帯電話の使い方』。これで携帯の使い方もバッチリ!」
木の枝に座っている光努の隣にいつの間にか人が増えていた。
和服を来た人物。着物を着て袴を履いた格好に、下には下駄を履いた日本風の格好をしている。
特徴的なのは顔につけた仮面。白銀の仮面に黒いラインの入った奇妙な仮面。
銀色の髪が仮面から出ていた。そして胸には白いおしゃぶりをつけていた。
「ハクリ?うわっ・・なにその格好。小さっ」
「好き好んでこの格好じゃないんだけどな」
「その仮面はファッション?」
「かっこいいだろ」
(微妙だ・・・・)
赤ん坊サイズのハクリは木の枝から跳んで光努の頭の上に座った。
「それでどうしたの?その体とおしゃぶりは」
「ん~、ちょっとした遠足のルールかな」