アルコバレーノ。
イタリア語で虹を意味するマフィア界の最強の赤ん坊集団。
それぞれ虹の色のおしゃぶりを持つ赤ん坊。
その色は、橙、赤、青、紫、黄、緑、藍の7色。
つまり白色は虹の一部ではない。よって白いおしゃぶりのアルコバレーノなど本来存在しないはずなのだが・・・・・・。
***
「お前ら、あいつのところ戻ってもいいぞ」
「わかった」
そう言うと
「白いおしゃぶり!?まさかあいつってアルコバレーノ!?」
「いや、そんなはずはねえ」
アルコバレーノは最強の7人の赤ん坊。
その7人をリボーンは全員知っている。
だから、ハクリなんてアルコバレーノがいないことはすぐにわかる。
だからこそ、何者なのか。
アルコバレーノではないアルコバレーノ。
「オメーは何者だ」
「俺はハクリ。君と同じアルコバレーノだよ」
「アルコバレーノは全部で7人。オメーみてーな奴は見たことねーぞ」
「そりゃ、俺がこのおしゃぶりを手に入れたのはつい最近だからね。知らないのも
無理はない」
「おしゃぶりを手に入れた?」
「ま、この話はまた後にしようか。医療班が到着したみたいだしな。光努はもらってくぞ」
「は?ちょっとハクあぁ!」
ハクリに引っ張られ光努は攫われていった。
あとに残ったツナとリボーンは、獄寺達を医療班に任せ、ツナは死ぬ気モードの副作用が来て筋肉痛になって気を失い、リボーンは珍しく疲れたのか、自分たちも医療班に任せて眠ってしまった。気になることを残して。
***
「くたばれぇ!」
「よっと」
光努の拳を避けるハクリ。
「て、何するの?」
「お前に落とされて、手紙が来てからこう思ってた。ぶっ飛ばしてやるとな」
「ひどいな。別に対した傷もおってないだろ。むしろ無傷だろ」
「まあそうだけどな。で、今までどこにいたんだ?」
黒曜ランドの外。道路を歩いているのは光努と頭の上に座るハクリ。
あのあとで
骸に操られたランチアや、依頼されたラッシュと考魔もハクリによれば多分すぐ出てくるらしい。後は罪の大きさによるらしい。
「ああ、
「なんか犯罪でもしたのか?」
「俺がそなことするわけないだろ。ただ知り合いの家に泊まってたってだけだよ」
(随分とヘビーな知り合いをお持ちで・・・)
「確か光努って今イリスの灯夜の家にいるんだろ?」
「よく知ってるな」
「俺もそこに泊まるつもりだしな」
「もう
「ま、後は世界に馴染むだけ。そうすれば説明することも出来るしな」
「なんの話だ?」
「いや、なんでもない。さて、帰るか」
骸達は連れて行かれ、全てが終わった。
***
「湖、草原。綺麗な場所だな」
光努は気がついたらその場所にたっていた。
柔らかい風。温かい日差し。そんな場所にいた光努は声をかけられた。
「つくづく君は、おかしな人ですね」
「そうか?お前の方が変だろ、骸」
そばにいたのは骸。でもそこにはいない。
光努はそう感じた。
「クフフ、君はおかしいですね。この精神世界を見ることができるなんて」
「こんなところで何をしてるんだ?」
「ちょっとした散歩ですよ。今は肉体を牢獄に入れられて暇ですからね」
骸は今頃
この世界は骸が言うように人の精神が入り込む世界。骸は憑依弾の効果なのか、人の精神に入り込めるからこの世界へと足を踏み入れられたけど、普通は入り込めない世界。
「君は面白い。周りの人間を、この世界では鍵のかかった家だと思えば、君はさしずめ、開放された要塞ってところでしょうか」
骸は誰でも操ることはできない。自分の剣で傷をつけた者のみ、その者の精神の鍵を開け、侵入する。簡単にいえばそんな感じ。
だが光努の場合、特に苦労するでもなく、すんなりと入ることができたのに乗っ取れない。逆に憑依を弾かれてしまった。
まったくもって不思議な感覚を骸は味わった。
「妙なたとえだな。それで骸、ほかの奴らは?」
「とりあえず犬と千種は逃がしましたので、そのうち会うかもしれませんね」
「無事ならよかったよ。それにしてもまた脱獄でもしようとしたのかよ」
「クフフ。僕はあんな牢獄で一生を終える気などさらさらないですからね」
「まあそれでさらに厳重なところに入れられたら世話ないな。ハハハ」
「それもそうですね。クフフフ」
二人とも楽しそうに話しているが、話している内容は専ら笑い話ではない。
「それにしても君には散々な目に合わせられましたね」
「俺の体を乗っ取ろうとするからお前が悪い。ま、自業自得ってことだな」
「クフフ、これは手厳しい。そういえば君にもびっくりですね」
「俺?」
「あのイリスファミリーのボスとはね。もっと早く知っていれば最初に会った時から作を考えていたんですがね」
「まあ別に隠してはいないんだけど特に聞かれなかったしな」
「というか聞きましたけど答える前に君は帰ってしまったんですよね」
「そうなんだよな。いつもボスの仕事だって灯夜が呼び出すんだよな」
「灯夜・・確かイリスのボス代理の黒道灯夜ですね」
「知ってるのか?」
「まあマフィア方面で言えばボス代理の黒道灯夜、それに戦闘部隊の『アヤメ』は
割と有名ですからね」
「アヤメ?」
「おや知りませんか?イリスに所属する唯一の戦闘部隊ですよ。中々手ごわい連中と聞いてますね」
「へえ、骸なら勝てるか?」
「どうでしょうかね。彼らは本当に化け物のような集団みたいですからね」
「ぜひとも見てみたいな。今度灯夜にでも聞いてみるか。その部隊って何人くらいいるんだ?」
「それがたった3人だそうですよ」
「3人?そんなで大丈夫なのか?」
「ええ。事実彼らはたった一人でも簡単にマフィアや組織を潰せる実力を持ってるそうですよ。まあ噂しか知らないのですけどね」
「ていうかお前も組織をいくつも潰してるだろ」
「クフフ、まあそうなんですけどね。昔まだ捕まる前の話ですが、犬が出かけに
『アヤメ』の一人と会ったことがあるそうなんですよ、偶然にも」
「そうなのか?それでどうだったんだ?」
「・・・・あのときの犬は目も当てられない有様でしたね。その日からしばらくトラウマになってましたし・・・」
「一体何があったんだ?」
「いろいろあって喧嘩を挑んだらしいのですが、ボコボコの返り討ちにあったそうです」
「そりゃ・・・犬も災難だな・・・」
「名を、
「ふむ、そこらへんも気が向いたら聞いてみるか」
ざわっ。
その時一瞬そよ風が強くなったような気がした。
「おや?そろそろ帰る時間ですね」
「そうか、もう帰るのか」
「まあこの散歩もいつでもというわけではありませんからね」
「そうか。ま、囚人にいうものあれだが、元気でやれよ」
「クフフ。君も、沢田綱吉同様にいつか操ってあげますよ」
「ハッ!できるものならやってみろよ。返り討ちにしてやるよ」
「また・・・いずれ・・・」
「ああ・・・またな、骸」
一瞬風が強くなったが、やんだ時には、骸の姿は見えなくなっていた。
草の上に立つ光努だけが、あとに残った。
光努「長かったな骸編!ついに終了!」
リル「あたし達の出番すごく少なかったね」
コル「まあしょうがないよ」
光努「だが今度のヴァリアー編では出番が!」
リル「え!ホント!?」
光努「あるといいな」
リル「ひどーい!光努の出番減らせばいいじゃない」
コル「大丈夫だよリル」
リル「どうして?」
コル「この作者はヴァリアー編の前に日常編をいくつか入れるつもりなんだけど」
リル「ふむふむ」
コル「次回の話は僕たちがメインなんだ」
リル「ホント!」
コル「光努の出番は最初に少し会話があるくらいらしい」
光努「バカな!」
灯夜「そんなわけで次回、『友達の友達は友達だ!』をよろしく」
光・リ・コ「「「また取られた!」」」