「リボーン、この真ん中の誰だ?」
「ん?六道骸だぞ」
「いや、俺はこんなやつを見たことない」
「!?」
「たりめーだろ!てめーも骸見たことねーだろうが」
「ちげーぞ獄寺。光努は骸を知ってるんだ」
「な!やっぱこいつ敵っすか!」
「ちょ、獄寺君!落ち着いて」
「敵ならとっくに襲ってくるだろ」
真ん中に写ってるのは黒髪をオールバックにして顔に二本の切り傷のある長身の男。ホントに誰だろこいつ。あ、犬に聞けばいいか。
それにしても骸は随分と用意周到というか頭脳的なやつだったんだな。
さて、武の治療も終わったし、オポッサムチャンネルで死んだふりをしていた犬がお前ら全員骸にやられるぜーみたいなこと言って上から隼人が砂をまこうとしてビアンキが横からバスケットボール大の岩を落とした。
ちなみ、犬は武を引き上げる時に岩にロープで縛り付けてある。
ヒューーーー、ゴッ!
「キャンッ!」
「ヒクヒクしてるけどあれも死んだふりかしら?」
(やっぱこの人怖えー!)
大丈夫かな犬?いくら動物でも岩を落とされたら重傷なのでは?
「お前ら、先に言ってていいよ」
「え?光努はどうするの?」
「何、ちょっと友達手当してくるよ」
そう言って穴に飛び込む。
「光努!」
「ま、あいつなら大丈夫だろ。俺たちは先に行こーぜ」
「そうっすね。10代目、ほっといていきましょう」
「え、でも」
「ツナー、後で追いつくから行ってこーい」
とりあえずなんとか納得したらしく、みんなで先を急いだのであった。
***
「よー、大丈夫か犬?」
「あん?光努か、お前骸さんが探してたびょん」
「ふーん、千種も言ってたな。俺何かしたっけ?」
「何したか知んねーけど、骸さん微妙な笑い方してたびょん」
「微妙って・・・まあいいか」
とりあえず犬の手当を完了。ロープを解いて地上に出る。
上に人がいない状態でどうやって出たかはまた今度な☆
「ところで犬。聞きたいことあるんだけどいいか?」
「ん?なんらびょん」
「これ誰?」
そう言ってリボーンからもらった脱獄三人組の写真のコピーを見せる、
「これはランチアだびょん」
「ランチア?骸の影武者みたいなもんか・・・こいつ強い?」
「んー、あんま知らんけど、まあ強いんじゃん?」
ふむ、是非とも見てみたい。軽く戦ってみたいな。別に俺は戦闘狂とかじゃないよ、強者に興味があるだけさ(それは戦闘狂というのでは?)
「!」
「ん?」
「犬、一体どうしたんだ~。何か変な匂いでも嗅いだか?」
「あたり、前に嗅いらことのある匂いが近くにあるびょん」
「ふーん。あそこらへん・・・か!」
足元の小石を草むらに向かって蹴っ飛ばすと草むらの中に入っていった小石がキン
という音と共にこちらに帰ってきた。
パシ!
が、帰ってきた石を受け止める。
「犬、あいつお前の知り合い?」
「確かどっかで見たびょん。・・・・・あー、前に骸さんと会ってたやつびょん」
ガサッ!
草むらから人影が飛び出してきた。
そのまま腕を光努に向かって振るった。
パシ。
「こんなんで当たると思ったか?」
光努の両手には相手が振るってきた手に握られた一本の変わった形状のナイフの刃が挟まれていた、つまり白羽取り。
「いや、思ってないな。骸の情報通り、強いな」
ガシャ。
「!」
ビュッ!!
音がしたと思ったら、掴んでいたナイフの
咄嗟に顔を剃らしたが、さすがの光努もあまりにも不意を突かれて頬をかすめた。ナイフを持った手を振り回し、襲撃者ごとぶん投げた。
皮を切っただけだから出血はしなかったが、確実に光努に傷をつけた。
この世界で光努を傷つけたものは少ない。
今回、その光努を傷つけた者はこう予想していた。
光努が自分の攻撃を受けるということを。
骸は分析した。
光努は基本的に攻撃を交わすが、受ける。
交わす方が簡単なのに、武器を掴んでも止めるように受ける。
それを利用された。
受けたあとの二段攻撃。完全に光努の隙を突いた。
「へえ、面白いな、そのナイフ。どういう仕組みだ?」
「企業秘密♪もしも勝ったら教えてやるよ」
投げられた後、空中で一回転して着地した襲撃者がしゃべる。
「
「!」
光努はその場でしゃがむと頭の上を何かが貫通した。
ドオン!
横を見てみると、光努の頭の位置と同じくらいの位置にある木に銃痕が残ってい
た。痕から煙が出ているのを見るとたった今撃ち込まれたのがよく分かる。
そう、撃たれた。
(狙撃!?)
「犬、近くにいると危ないぞ。骸のところ戻ってろ」
「へーい。ま、頑張れよ」
そう言って猿のような素早さでこの場を去っていった。
「さて、前門の虎、後門の狼・・・いや、鷹ってところか」
「いくぞ、白神光努」