「夏と言ったら夏休み、夏休みと言ったら?」
「「「夏祭りー!!」」」
現在、リルとコルと夕輝を連れて俺、光努は夏祭りに来ていた。
あの後ご飯を食べてしばらくすると今日は夏祭りをしているらしいのでリルとコルと夕輝は目を輝かせたので早速祭りへゴー!ちなみに灯夜は夕方頃から仕事らしくて別行動、朝菜とルイは家で留守番である。
というより疲れて動きたくねーっていうからルイは家で涼んでる。
まあ動かないのはほっといて、
「夏祭り!よーし、お前ら来い」
「「「はーい!!」」」
そう言って懐から財布を取り出す。祭りに行くならと灯夜からいくらかもらった分。来るときひったくりが多発してるみたいだから気をつけろって言ってたけどまあ、大丈夫かな。
「はいよ、一人一万円な」
「「「やったー!」」」
ここで一人一万円って、祭りの屋台で高っ!!とか思ったと思うけど、白神光努はあまりお金を使用せず、というかあんまり見ていず金銭感覚が鈍いのであまり違和感に思わなかったのであった。
もちろんリルたちも子供なので特に疑問にも思わなかったのである。
そして、その様子を笑みを浮かべながらを見ていた者がいた。
***
「わたあめあまーい!」
「焼きそばうまっ!」
「かきごおりつめたーい!」
「久しぶりに食べたな、りんご飴」
光努達はおもいきり夏祭りを満喫していた。
光努はいろんなところへと行ったけど日本の、それも夏祭りのあるところにはあまりきたことないから懐かしそうに、面白そうに遊んでいた。
「よーし、次何するか」
ドン!!
「おっと」
夕輝が多分高校くらいの男とぶつかって思わず尻餅をつきそうになったので咄嗟に光努は受け止めた。
「大丈夫?夕君」
「あ、逃げた」
ぶつかった男はそのまま誤りもせずにダッシュで逃走した。
「怪我はないか?夕輝」
「うん・・・・あれ?」
「どうした?」
「おサイフない」
「なに?」
(スリか)
光努は逃げていく男の後ろ姿をにらみつつ、夕輝の服の汚れを払ってやる。
「よし!リル、コル」
「「なに?」」
「夕輝頼むぞ」
「「了解!」」
即、光努は地面を蹴って追いかけた。
「さて、あじなまねしてくれたな・・ん?」
目線の先に捉えていたひったくりは別のひったくりと合流した。小脇に抱えているのは金庫っぽいのでおそらく灯夜の言っていた最近噂のひったくり犯みたいだな。
よし、泳がせるか。
***
そしてやってきたのは神社の境内。階段を上った先には大量の人がいた。
いかにも不良というガラの悪い奴らが大量に武器を持って待ち構えていた。
いや、待ち構えていたっていうより誰かを囲むようにしているな。向こうの方には他にも金庫を持ってる奴ら、こいつらがひったくりの主犯どもか。
「ん?ツナじゃん。何してんの?」
「あ、光努!どうしてこんなところに!?」
人垣の向こうにいたのはツンツン頭の少年、ツナ。本名は沢田ツナ(ツナはマフィアランドの受付でこう名乗ったので光努はこれが本名だと思っている)ボンゴレファミリーの10代目ボスらしい。
「見るからに、ひったくりにあったみたいだな」
「え、光努も!?」
「まあ、知り合いがな」
見渡すように見てみるとツナのほかにいるのは学ランを来てトンファーを装備した男。ツナの友達かな?そんな雰囲気じゃなさそうだけど。
「なんだ?てめーもこいつらの仲間か?」
「いいぜ、ついでにぶっ潰してやる」
「そうか、夕輝の金を奪った奴らは連帯責任。俺もお前ら潰してついで罰金として金は全ていただく」
「!」
「雲雀さんと同じこと言ってるー!!」
トンファーの男はこちらを向いてきた。
「そこの金は風紀委員がいただく」
「いや、俺がいただく」
「邪魔するなら咬み殺す」
「できるか?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!
今この場に、二人を止められるものがいるだろうか。
光努と雲雀は二人とも顔に笑みを浮かべつつ戦闘態勢に入る。
雲雀はトンファーを構え、光努は腰を落として迎撃態勢に。
「ちょ!二人で争ってる場合じゃないでしょ!この数みてよ!」
「だったら、お前が戦え」
ズガン!!
「ツナ?」
飛んできた弾丸がツナの額にあたった。
倒れたツナは服を破り起き上がり、額にはオレンジ色の炎が現れた。
(炎?)
「
「うお?どういう手品だ、ツナ?」
「よそ見してる場合?」
ツナが不良と戦うあいだにも雲雀と光努の戦いは続いている。
ちなみにそのスキにと攻撃してきた不良は二人にことごとく「邪魔」と言わんばかりに吹き飛ばされている。
なので雲雀と光努のお互いの攻防は続いているが同時に向かってくる不良も蹴散らしているので地べたに多く伏している。
そんな中、ツナの仲間の獄寺&山本が登場。本格的に不良グループがかわいそうになってきたのであった。
***
「あ、光努!」
「どこいってたのー?花火始まるよ」
「わーい、はなびー!」
「おー、楽しみだな。ほれ、夕輝。今度は気をつけろよ」
「ありがとー!」
そう言って夕輝にスられた財布を渡す。
俺が三人に小遣い(1万円)を渡すのを見て金持ちの子供だと思って一番年齢の低い夕輝からスったみたい。今度から金はあまり見せないようにしないとな。
あの後、最終的に不良は蹴散らしてツナおよび仲間達は自分たちの金庫を取り戻して、俺は夕輝の財布を発見したので後は雲雀にくれて退散してきた。まあ祭りにそこまで費用が必要でもそこまで金が入用でもないからな。というより花火の時間が迫ってるからな。
ドォーン!!ドォーン!!ドォーン!!
「うわぁ」
「おおぉー」
「きれーい」
「いいな、こういうの」
空にはカラフルな花火がいくつも飛び交い、夜空一面に花が咲いたかのようだった。
次回から黒曜編入ります。