「やってきたぜ!我が故郷、日本!」
やってきたのは日本。多分俺の生まれ故郷(仮)だと思う場所。なんか名前的に。
さてなんで俺が日本にいるのかそれは昨日の話に遡る。
***
「さて、お前たち。俺は明日から日本へ行ってくるからな」
唐突に広間でくつろいでいた光努とリルとコルとルイに灯夜はそう言った。
「日本?何しに行くの?」
「仕事と帰宅だ」
「帰宅?家ここじゃん」
「ここはアジト。俺の家はちゃんと日本にある」
「別に帰ったら誰かいるわけでもないだろ」
「ちゃんと妻と息子がいる」
「へー・・・・・・・えええぇ!!灯夜!お前既婚者だったのか!?」
「知らなかったのか?そういえばお前には言ってなかったな」
全然知らなかったよ!だってずっとこの家にいるし!まさか故郷に家族を残して来ていたとは思わなかったな。リルとコルとルイは知ってるのか?
「あたしも行きたい!夕君元気かな~」
「夕君って?」
「灯夜の息子の夕輝君だよ」
「ホントに子供いたのかよ!つーかお前今何歳!?」
「29だが?」
「息子は?」
「5歳だ」
うん!確かによく見たら5歳の息子がいてもあんまおかしくねーや。
むしろ納得・・・・・・・かな?
「それで日本か。いいな~、俺も行っていい?」
「まあ別に構わんが」
「よし!お前ら支度だ!」
「やったー!」
「楽しみ」
「日本と言ったらやっぱり温泉だ。あれは疲れが取れる」
ふむ、ルイも行くとは珍しい。確かに温泉はいい。日本サイコー。
まあ行く場所知らないから温泉あるか知らないけど。
どうやらリルとコルとルイもオッケーなようなので。
よし!行くぜ日本!
***
そしてやってきたのは日本。町名はなんだっけ。ここら辺はあんま詳しくないからよく知らないが灯夜の奥さんが息子と暮らしている家はここらにあるらしい。
「まだつかないの?」
「もうすぐだ」
すでにルイはダウンしているのでリヤカーの中に入れて引いている。ついでにリルとコルも荷物と一緒に入ったからかなり面倒だ。実際歩いてるの俺と灯夜だけだしな。しばらく歩いて着いたのは結構大きい家。
庭も広く、わりと広めの和風建築な家だった。
表札には『黒道』の文字が。
「久しぶりに帰ってきたな。おーい、俺だー」
灯夜が門を開けて玄関の扉を開けて入る。俺も続いて入る(リヤカーからはもちろん全員降ろしたよ)
「はーい、あなた!おかえりなさい」
出てきたのは背中まである艶やかな黒髪の美人。優しそうな笑顔をして灯夜を迎えてくれた。ホントに奥さんいたよ・・・・・。
「ただいま。それと客だ」
「あら!リルちゃんにコル君、それにルイ君も久しぶりね。そちらの方は?」
「こいつは光努。よろしく頼む」
「始めまして、白神光努です」
「黒道朝菜です。よろしくね、光努君」
「よろしく」
***
「わーい!おとーさんおかえりー」
「ああ、ただいま。夕輝」
家の中に入った灯夜に抱きついてきたのは彼の実子である現在幼稚園に通う黒道夕輝。今は夏休み期間中らしい。少しツンツンとした黒髪をした人懐っこい笑顔をした少年だ。
幼稚園には夏休みあるんだな。似たようなものに保育園があるがあっちは夏休みなかったようなきがする。
「夕君やっほー」
「大きくなったね~」
「リルおねえちゃんとコルおにいちゃんだー!あれ?ルイおにいちゃんは?」
「あそこで寝てる」
指を指すと畳の上でうつ伏せになってピクリとも動かないルイの姿があった。大丈夫かこれ?とか皆思ったけどまあいつものことだしいいかなと思った。
「・・・・・(じー)」
夕輝君はルイを見たあとこちらを見た。知らない人がいるので興味を示しているのだろう。人見知りは特にしてないみたい。
「よう、夕輝だっけ。俺は光努、よろしく」
「うん!よろしく!」
なかなかに人懐っこい。子供っていいよな~。
リルとコルには初対面で攻撃されたし。いや、あれは灯夜のせいだったな。
「じゃあ自己紹介も終わったし、ご飯でも食べましょうか」
朝菜の言葉に皆同意したのであった。
もう少しで黒曜編。
次回は群れるのが嫌いなあの人登場!
軽くバトります。